Talbot / Wheeldon: Like Water for Chocolate (The Royal Ballet)
バレエというと欧州が舞台のイメージがありますが、実は中南米が舞台のバレエもつくられていて、この英国ロイヤル・バレエ「ライク・ウォーター・フォー・チョコレート~赤い薔薇ソースの伝説」もメキシコ人作家ラウラ・エスキヴェルによるベストセラー小説がバレエ化されたもの。
「末娘は結婚せず母親が死ぬまで面倒を見なければならない」というしきたりによって結ばれることが出来ずにいた主人公ティタと愛しい男が20数年の時の中でぐつぐつと煮込まれたラテンの情愛が表現されていて、中でも面白いのがティタが念を込めてつくりふるまう料理がマジックリアリズム的なカオスな幻影を巻き起こすダンス描写。こういう魔術的な表現はCGIばりばりの映像作品よりも、寧ろ観客が想像力を駆使する舞台表現で映える気がしますね。
ラスト、裸体のような状態で抱き合う二人のラヴ・シーンが燃え上がって。まさにTe amo。面白いバレエでした。