
小津安二郎の『お早よう』をみました。
一軒家が集まっている地域で、ある兄弟が近所の家でテレビに夢中になっていて。
その兄弟のお母さんは兄弟が勉強もしないでテレビに夢中なのを苦々しく思っていて、それはお父さんもそう、テレビなんか無意味なものみてたら白痴になると。
でも兄弟はテレビを買ってほしくてたまらない。テレビがみたい。で、両親と衝突、雷を落とされる。「そんな無駄口を聞くな!」に対して「大人だって『お早よう』だとか『ご機嫌いかがですか』とか無駄なことを話してるじゃないか!」と兄弟は一切口を聞かない抗議活動を行うことに…というお話。
まぁ簡単に言えば「挨拶は人間関係の潤滑油」とその重要さを示すという極めて素朴なお話なのですが、本当にこの映画に出てくる人たちの素直な素朴さが可愛らしくて。特に兄弟の弟なんかはまるでペコちゃんみたいな可愛らしさ。最初の辺りは”ちょっと澄まし汁みたいな薄味だな”なんて思っていたのですが、いつのまにかこの人々の物語に引き込まれて。
挨拶は、一見無意味ではありますが、人間関係を支える酸素みたいな存在ですよね。
といいつつ、年賀状とか、送らなくなってしまったなぁ、SNSなら日々呟きまくっているのに。
とは言え、ネットで毎日相互に信号を送りあっている人たちより、同じ釜の飯を食った今は疎遠な友人たちの方が濃い人間関係な気も。とは言いつつ、今の自分をよく知っているのは寧ろSNSの相互さんな気も。いま小津さんが生きていたら、そんなテーマを基にフィルムをつくったりもするかもしれませんね。