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『いちご白書』学生闘争の中の青春

The Strawberry Statement Trailer
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『いちご白書』をみました。

この映画はコロンビア大学での1968年の抗議行動および学生抗議者による学部長事務所の占拠を基にした作品で『いちご白書』という題名は、コロンビア大学の学部長ハーバート・A・ディーンの大学の運営についての学生の意見を、学生たちがイチゴの味が好きだと言うのと同じくらい重要さを持たないものとして見下したことに由来するそうです。

今みると、”あぁこういう映画多いよね”と想うのですが、多分それはここら辺が雛形でそこから数多くの映画がつくられていったのでしょうね。

主人公のサイモン(これが真空ジェシカのガクに似てる)は、大学内の子どもの遊び場に軍の施設を建築しようとする動きへの抗議活動に、最初は女とヤレるからという下心で参加して、徐々に学園闘争のオブジェクションの思想を内在化させていく。

と言ってもやっぱり物語のメインは女学生との恋愛だったりして。こういう抗議運動で若い男女が同志になったりするとイチャコラし始めるのは世の常ですね。大学生という、まだ未熟だけど、子供ではない。大人のような、子どものような、そんな彼らの姿がぎゅっと詰まった1本になっていました。最初の眼鏡っ娘好かったw

個人的に面白かったのは、黒人のための抗議運動をしていたのに、恋人と青姦しようとしたところを黒人の不良グループに襲われたサイモンは「こんな運動何の意味もない!」とブチギレたりするシーン。川口のクルド人でもそうだし、パレスチナ人がレバノンで起こしたテロもそうですが、いわゆるリベラルが救おうとする国際的な弱者が、果たしてリベラルが夢想するようないたいけな存在かと言ったらそれは違ったりもする現実がありますね。

この映画は1970年公開で、その主題歌もそうですが、日本の70sのドラマとかにも大きな影響を与えている感じがするなぁと想いました。学生運動の時代というか。日本ではこの政治の季節が大いに挫折して以来、市民運動における不能感を味わう感じもあって。ただZ世代に於いて、また社会運動が湧いてきている感覚もあり、ネットが冷笑だけでなく、ポジティヴに社会を変えていく方向へと作用していくのは、令和に於ける一つの光明かなと想いますし、そういった中で今の若者の青春の日々が過ごされていくのだろうなぁと想いました。

by wavesll | 2023-12-30 02:28 | 映画 | Comments(0)
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