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『麗しのサブリナ』YAWARAやHAPPYな王道ラブコメの源流を行く新・シンデレラストーリー


大富豪の屋敷の運転手の娘であるサブリナは、プレイボーイである次男のデイビッドに恋焦がれるもまるで相手にされない。サブリナの身を案じた父親はパリの料理学校へサブリナを送る。パリから帰国したサブリナは眩い淑女になっていて…というお話。

何しろかにしろオードリー・ヘップバーンが出ている映画はもうオードリーの麗しさで持ってかれますね。最初の登場時でもちょっと田舎っぽさはあるけど美少女だったのに、パリを経てのオードリーは、白黒なのも相まって本当に輝くばかりの美女で。個人的には「サブリナ」という名はThee Michelle Gun Elephant「Black Love Hole」を想起するのですが、ちょっとキャットウーマンっぽいドレスアップのシーンもあったりして。

パリで出会った爺やが魔法使い役で、一種のシンデレラストーリーではあるのだけれど、1954年、20世紀を生きるシンデレラはアグレッシヴ、デイビッドは富豪の娘と婚約が決まっていたのだけれどそれを奪い取る勢い。そこで身分の格差からデイビッドの兄、仕事人間ライナスが一計を案じて…という話なのですが、”この感覚どっかでみたことあるな”と思いめぐらすと、『YAWARA』とか『HAPPY』ってほんとこういうイキイキとしたラブコメなんですよね、ってか浦沢先生は間違いなく『Sabrina』はみてるでしょうね。

一種の戯画的というか、どのキャラも立っていて。それでいて昨今の漫画実写化とは違って自然な人間感情の発露がみれる演技構成なのもすっごくいいし。本当に心から楽しめるロマンティック・コメディでした。

by wavesll | 2023-12-30 12:29 | 映画 | Comments(0)
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