椎名林檎 - 放生会(Album Playlist on Youtube)椎名林檎と中嶋イッキュウ - ちりぬるを
突然の発表から息もつかせぬリリースだった椎名林檎『放生会』。『三毒史』が男性ヴォーカリストとのコラボアルバムだったのに対し、今回は女性コラボアルバム。
実はこれが発売された5/29時点では”なんかそこまでではないかも…スルメ盤かもだけど…”というのが正直なところで。『三毒史』が強烈な個性を持つ男声と椎名林檎が激しい化学反応を示していたのに対し、この『放生会』だとコラボ相手の女声アーティストたちが林檎の声に寄せているように感じて、”もっと激しいケミストリーがみたかったな”と想って。
のっちとの「初KO勝ち」とかのキラートラックはありつつどうもメロディの強度も全体的に薄い気がして
ただ、このアルバムのタイトルである「放生会(ほうじょうや)」が福岡の筥崎宮で9/12から9/18に開かれる祭りだと知り、”もしかしたらその時期に聴いたらすげーしっくりくるアルバムなのかも”と想い寝かせていて◎
そして改めて聴いてみるとまず最初の「ちりぬるを」のドラムから”うぉおおおお凄いな!”と驚かされて。ドラム石若駿か~この人はまじやばいね!となって◎
本作のコラボ曲はすべてMVがあり、そこで表現されているのはキャバレーでの一夜のSHOW. 音楽面でもこのアルバムは曲間もなしで矢継ぎ早に演目が展開されて。
ついついコラボ曲に目が行きがちですがその間に挟まる林檎ソロ曲も凄く好いというか、特に前半の高性能で澄み切ったダンサブルな流れとか、おみそれしましたとしかいいようがなくて!これ、前作『三毒史』の発展形を期待していたら当てが外れたけど、一枚が一曲というか大きな一夜の宴の組曲として考えるとすげーいいのでは…!?
今回は楽曲の統一感が非常に高く、その淡いグラデーションの中でよくよく聞くと各コラボ女性アーティストたちの個性が香水のように馨って。のっちに生歌でこの怒れる女性像を歌わせたのも含め、椎名林檎、流石すぎるプロデュース能力…!
さらにソロ曲でも新たな展開というか、
「茫然も自失」ではスペイン語での歌唱を林檎がしていて。前に尊敬しているアーティストとしてイヴァン・リンスを挙げていたけれども、ラテンアメリカへの音楽表現が今後さらに深まるかも…?(まぁブラジルはポルトガル語ですが)
またやっぱりこの九月に聴くのがいいというか、夏の盛りが過ぎて、少しばかり夕涼みが可能になってくるような空気感の中で聴くと、すっごく躰に馴染む感じがして。発表から発売まで瞬足だったけど、本領発揮迄熟成させるという意図もあったのかな?そんな陰謀論まで想起し、やはり椎名林檎女史、恐るべき音楽家だなぁと感嘆しました。