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安倍公房展@神奈川近代文学館 テクノロジーを進取する作家の生涯の文学的冒険

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安部公房展@神奈川近代文学館をみてきました。凄く面白かった。

東京生まれ、満州・奉天育ち、原籍は北海道。故郷の無い人だった。プロレタリア文学者の母と医者の父の間に生まれ、リルケそして宮沢賢治を愛し、何も目指すものがなく東大医学部に入る。若き日に記した文章の頭脳闊達さが凄い。そして25歳で22歳の藝術家の山田真知子と結婚。

SF的な文学に加え映画・TVドラマ・ラジオドラマ・演劇と活躍。展示で一番アガったのは『砂の女』の元となった短編小説『チチンデラ ヤパナ』の原稿。そして『箱男』の原稿も。「公」の略字そして題字がかっこいい。安倍さん、綺麗な字を書く方だったなぁ。

肉声での作品解説や演劇集団安倍公房スタジオによる『仔象は死んだ』の映像展示に段ボールの「箱」も展示してあった。

テクノロジーに進取的だった安部公房さんは、なんとKORGのシンセを所有していて、ピンク・フロイドが好きだったとか。1993年まで存命だったんだものなぁ。ある意味でインターネット時代の精神性を予見していたような、SF的な不条理を描く匠だった。とはいえ、いち早くワープロを採り入れて肉筆原稿がなくなるのは美的資料として残念だったが。会場では仕事場を再現したフォトコーナーも。

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安倍公房、面白そうな小説を沢山知れたから読み進めていきたいなぁ。リルケも読みたい。

帰路の港の見える丘公園から。
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by wavesll | 2024-11-26 19:01 | 展覧会 | Comments(0)
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