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歌舞伎「あらしのよるに」 異種・性別を超えたFriendshipの物語表現

十二月大歌舞伎「あらしのよるに」疑似生配信
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【舞台映像】歌舞伎座『あらしのよるに』初日ダイジェスト







歌舞伎『あらしのよるに』をみました。

自分は結構サブカル的な新作歌舞伎をみるのが好きなのですが、この絵本『あらしのよるに』の歌舞伎化、かなりの大ヒット!

まずオオカミの がぶ を演じる中村獅童の素晴らしさでやんすよ!まさにキャラクターを生きていて素晴らしかったでやんす!演出的には序盤のまるでMJの「スリラー」のようなオオカミたちの演舞や がぶ のダンスが米国的で面白くて!

そして原作が絵本でテーマがはっきりしているからか歌舞伎化した時に映えて◎

ヤギの めい とオオカミの がぶ の友情が物語の軸なのですが、そこにライオンキングばりの父子・母子のドラマがあったり、原作未読だったので意外にもアクションも満載で飽きることなく3.5hが過ぎて。

大好物のヤギと友情を持った狼の葛藤なんかは『BEASTARS』にも通じるテーマに感じたり。これ、友情っていうのが子供に向けた物語としていいですよね。恋愛でない友情というのが。

めい がオスなのかメスなのか気になって。異種間の男の友情もいいけど、男女の間での友情というテーマもいいなと思ったら めいは性別不詳らしくて。これは女形文化のある歌舞伎に最適の表現だなぁ◎!

みていて思ったのは がぶ も めい もどこか孤独を抱えていたというか、心の中に辺境のあるキャラだからこそ、異種間でも友情に目覚められたのかもなぁと。マジョリティの人間だったら個というものは融解し鵺になってしまうかもしれないななんても思って。個人としてのありよう、生きようの物語でもありましたね。

この歌舞伎「あらしのよるに」の配信は今夜迄。3h半ありますが、なかなかにオススメの演目でした。子ども向けの放送だからか解説音声もついていますが、それもまた善き哉。

by wavesll | 2025-01-13 12:00 | 舞台 | Comments(0)
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