Ronce - CRÈVE (bandcamp)Zoë Villerdによる “feral ASMR gore” ProjectであるRonceの恐らく最終作である『CRÈVE』が(π_n.)さんの年ベスとして挙げられていて。
Apple Musicにあったので早速聞いてみると仏蘭西語による囁きと電子ノイズな作品で、確かにこれは突出するアウラを感じる…!
bandcampのキャプションを読むとRonceの母国語であるフランス語で「突き刺す」「死ぬ」という意味で、Ronceの作品は彼女の虐待体験に基づいているそう。そのRonceの加害者はロンドンの実験的なノイズ・シーンにいた人物で、その後、凶悪犯罪で刑務所に収監されているとのこと。この痛みが伝わってくるような鋭利な音にはそのようなバックグラウンドがあったのか…と。
犯罪行為の被害者になってしまった方が痛みを放つ音楽作品に触れることで逆に癒されるというか、痛みを以って痛みを麻痺させることはあるかもしれませんね。
個人的にはこの感覚は
『La Jetée』を想起させられたというか、表現に制約を設けることで却って突出したオーラを纏う作品ってあるなと。フランス語の破裂的な音の刺激がまるで泡の爆ぜるようなFloating Worldの一幕を感じさせられる盤でした。