Playboi Carti - I AM MUSIC [Full ALBUM]
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こっれ、”『YEEZUS』の次が来たなぁ”と想わせるアルバムというか、最狂にかっこいいですね。
アトランタのラッパー、Playboi Cartiの新譜『MUSIC』の冒頭「POP OUT」からの流れ、サウスだからトラップに連なってくるのかもしれませんが、この音の兇悪さは『YEEZUS』から神話性を取り除いて等身大に落とし込んだ感覚というか、個人的にはこういう『YEEZUS』の先の展開って、ずっと待ち望んでいた音像で。
こういう治安の悪い音は、やっぱりU.S.ならではなのかなぁ。日本でも川崎の連中なんかはサグを語っていますが、確か米国って安価な商品の万引きとか最早捕まらないくらいに治安が悪化していたりオピオイド系とかの薬中が街中をゾンビしているなんて話も聴きますし、頂点にトランプとイーロン・マスクがいるし、ちょっと非道い状況なストリートの苛烈さが(リリックをチェックしてないけど)音として現れている気がしますね。
満を持したこの3rd AL、客演も Travis Scott, the Weeknd, Kendrick Lamar, Jhené Aiko, Skepta, Future, Lil Uzi Vert, Ty Dolla Sign, and Young Thugとオールスター感があって。客演勢揃いのライヴなんか米国でしかありえないんだろうなぁ。そういった意味ではストリートからは遊離したショウビズの極みでもあり、ちょっと位相は違いますが概念的には「セカイ系」的とも言えるのやも。
私はカニエが『YEEZUS』を出した時"Daft Punk『RAM』よりこっちの方が全然凄いじゃん!”と想ったのですが、その後の音楽シーンで覇権を握ったのは80sリバイバルであり、そしてYeもどんどんその後自己破壊の泥沼に陥ってしまった感があって。
恐らくマキシマムの極みな表現であった『YEEZUS』のその後が創られるとすればそれはさらなるインフレーションではなく、一種こじんまりとしたダウンサイジングが必要だったのかもなと『MUSIC』を聴くと感じたところで。リブートというか、エッセンスを抽出した上でDRAGONBALL DAIMAのようにもう一度小さなカラダで冒険を始める必要が「物語の先」を描く上で必要だったのかなと。
すげーワクワクさせられる音でした。個人的にはこういうアクトを今は亡きVISIONとかでみたかったというか、今なら新宿のZEROとかが招聘するかもしれませんね。本命はサマソニのマウンテンのトリとかでみたい◎