FILIPE CATTO - BELEZAS SAO COISAS ACESAS POR DENTRO
春フェスというとARABAKI、JAPAN JAM、VIVA LA辺りが思い浮かびますが、近年京都で開催されている写真展キョートグラフィーと共に開かれているライヴイベント、キョートフォニーが実は凄くて。
サリフ・ケイタやシェニア・フランサなどのワールドミュージック系の素晴らしいアーティストが招聘されていて。
そんなキョートフォニーの今年の目玉がFilipe Catto。
キャリアが長く、当初は中性的なアイドル歌手として人気を博し、SSWとなってブラジル本国で高い評価を受けて。またノンバイナリーなトランスジェンダーとしての藝術表現でもあって。
そんなフィリペがガル・コスタの楽曲たちを後世へ歌い継ぐために制作したのが本作『BELEZAS SAO COISAS ACESAS POR DENTRO』。
個人的にはここ数年で、ジルベルト・ジルやトン・ゼー等のガル・コスタとも関係するトロピカリア~MPBのレジェンドのライヴに触れていたのもあり、このレジェンド世代のブラジル音楽が1987年生まれのFilipeの手で、ロックのサウンドと共に鳴らされるのは大体同世代の自分には同時代を生きてきた感覚でトロピカリアのロックと今のアラフォーが聴いてきたロックが邂逅し鳴らされるこの盤は非常に體に響くものがありました。
深く、時代を越えて歌い継ぐことの表現としての妙味を大変感銘を受けながら味わいました。