ビアズリー展@三菱一号館美術館 夭折したアーティストによる黒と白のシャープな妖美

ビアズリー展を三菱一号館美術館に行ってきました

ブライトン出身のビアズリーはオスカー・ワイルド『サロメ』の挿絵で名声を得るも、肺結核で25歳で夭折した芸術家。

夭折の天才は画業の初期から才覚を発揮していて。

特に《『ジークフリート』第二幕》と《アーサー王は、唸る怪獣に出会う》は中国の霊獣などの東洋のモチーフが鏤められたり、”これ、松山智一を先取りしてない？”というようなきらめきがあって。この二枚が個人的なベストでした。

さて、ビアズリーを一躍有名にした『サロメ』を始めとした作品が飾られた一室が撮影可で。そこの作品たちを上げていきたいと思います。

オーブリー・ビアズリー《『ステューディオ』創刊号の表紙》

《『ステューディオ』創刊号》

オーブリー・ビアズリー《マダム・シガールの誕生日》

オーブリー・ビアズリー《おまえの口にくちづけしたよ、ヨカナーン》

オーブリー・ビアズリー《イゾルデ》

クリストファー・ドレッサーに帰属（デザイン）ウィリアム・フライ社、ダブリン（製造）《室内装飾テキスタイル「ヘーラー」》

オスカー・ワイルド著『サロメ』

オーブリー・ビアズリー《オスカー・ワイルド著『サロメ』の表紙［案］》

オーブリー・ビアズリー《月のなかの女》

オーブリー・ビアズリー《オスカー・ワイルド著『サロメ』の題扉》オーブリー・ビアズリー《オスカー・ワイルド著『サロメ』の挿絵一覧表》

オーブリー・ビアズリー《孔雀の裳裾》

オーブリー・ビアズリー《ヨカナーンとサロメ》

オーブリー・ビアズリー《黒いケープ》

オーブリー・ビアズリー《プラトニックな嘆き》

オーブリー・ビアズリー《ヘロデヤの登場》

オーブリー・ビアズリー《ヘロデ王の眼》

オーブリー・ビアズリー《ベリー・ダンス》

オーブリー・ビアズリー《サロメの化粧I》

オーブリー・ビアズリー《サロメの化粧Ⅱ》

オーブリー・ビアズリー《踊り手の褒美》

オーブリー・ビアズリー《クライマックス》

オーブリー・ビアズリー《巻末飾り》

オーブリー・ビアズリー《長椅子のサロメ》

またこの間にはビアズリーも影響を受けたジャポニズムが波及した家具なども展示してありました

エドワード・ウィリアム・ゴドウィン《日本様式の壁面装飾》

エドワード・ウィリアム・ゴドウィン（デザイン）《コーヒー・テーブル》

エドワード・ウィリアム・ゴドウィン《アングロ＝ジャパニーズ様式の家具》

《草花文ドアノブ一式》《草花文ドアノブ》

ロイヤル・ウースター社《吉祥文カップ＆ソーサー》

ロイヤル・ウースター社《吉祥文花生》

ロイヤル・ウースター社《吉祥文双扁壺》

ロイヤル・ウースター社《祥瑞風吉祥文双耳扁壺》

《鶴文シガレットケース》　ゴーハム社《シガーライター「傘をさす日本婦人」》

ジョージ・W. シーブラー社《ペーパーナイフ「笹に鶴、蜻蛉」》ティファニー商会／エドワード・C. ムーア《蜻蛉文ウィスキー入れ》ウォレス・シルバースミス社《龍文ツールナイフ》ウォルター＆ジョン・バーナード社《備忘録「竹梅に鳥」》

ミントン社《日本文物文皿》

《ランプ》

レオン・ド・ミルエ、河村四郎著『将軍家慶（1838‒1853）の宝箱――武家家紋集』

クリストファー・ドレッサー著『日本̶̶その建築、美術、工芸』

葛飾北斎『北斎漫画』

サミュエル・ビング編『芸術の日本』第3巻編『芸術の日本』第17巻『芸術の日本』第19巻

エドワード・ウィリアム・ゴドウィン《ドロモア城の書きもの机》

エドワード・ウィリアム・ゴドウィン《椅子》

エドワード・ウィリアム・ゴドウィン《竹》

オーブリー・ビアズリー《『ジ・アイドラー――「 先進的女性」号』の表紙》

オーブリー・ビアズリー《セシル・レイナー編著『老嬢の処方箋』の宣伝ポスター》

『イエロー・ブック』第1巻

オーブリー・ビアズリー《『イエロー・ブック』出版案内書の表紙》

『イエロー・ブック』第2巻

『イエロー・ブック』第4巻

オーブリー・ビアズリー《ジョン・ラムズデン・プロパート蔵書票》

オーブリー・ビアズリー《パトリック・キャンベル夫人》

オーブリー・ビアズリー《感情教育》

オーブリー・ビアズリー《夜景》

オーブリー・ビアズリー《操り人形のコメディ・バレエ》

オーブリー・ビアズリー《ワーグナー崇拝者》

オーブリー・ビアズリー《画家自身の肖像》

オーブリー・ビアズリー《椿姫》

オーブリー・ビアズリー《神秘の薔薇園》

オーブリー・ビアズリー《モルグ街の殺人――『 エドガー・アラン・ポー作品集』［ 刊行中止］の挿絵》

オーブリー・ビアズリー《黒猫――『 エドガー・アラン・ポー作品集』［ 刊行中止］の挿絵》

オーブリー・ビアズリー《赤死病の仮面――『 エドガー・アラン・ポー作品集』［ 刊行中止］の挿絵》

オーブリー・ビアズリー《アシャー家の崩壊――『 エドガー・アラン・ポー作品集』［ 刊行中止］の挿絵》

オーブリー・ビアズリー《「キーノーツ叢書」の宣伝ポスター》

オーブリー・ビアズリー《『ステューディオ』第5巻30号の宣伝ポスター》

オーブリー・ビアズリー《「筆名叢書と本名叢書」の宣伝ポスター》

オーブリー・ビアズリー《アヴェニュー劇場公演の宣伝ポスター》

オーブリー・ビアズリー《T．フィッシャー・アンウィン社刊「子供の本シリーズ」の宣伝ポスター》

オーブリー・ビアズリー《『イエロー・ブック』の宣伝ポスター》

同時代人であるエドガー・アラン・ポーの挿絵を描いたり、ロートレックに影響を受けたりもしていたのですね。
この他も《ユダの接吻》や《詩人の残骸》とかは好きでした。
また十八禁の部屋での戦争を止めるために女たちに兵とセックスするのをやめるよう呼びかけたリューシストラテーの物語の画たちは面白かった。
さらに生涯の後期でも《愛の鏡》《髪盗み》《恋文》《伊達男と美女の争い》サヴォイでの《大修道院長》とキレと密度を増していき、《モーパン嬢》そして《ヴォルポーネ》での若き日から尊敬していたマンテーニャによる画の上でのロゴとか、表現を濃く研ぎ澄まさせていったビアズリーの生きざまは耀く様な芸術の火を感じました。
三菱一号館らしい美意識にあふれた好い展覧会でした。