H.H (SONG) - Kanye West (Ye) - (Educational Content)
カニエ、『MBDTF』から『YEEZUS』へ行った辺りは文字通り神だったのですが、そこで自家中毒というか本当に自分のことをイエスか何かと想ってしまって精神的な増長から、いまやハイルヒットラーかぁ…
まぁ「ナチスは当時はドイツに熱狂的に受け入れられていたんだ」とか「ヒトラーもいいことをやったりもしている」という逆張りは、厨房はやることありますよ、特に”自分はもっと凄いはずなのに世間にそこがまるで理解されていない”なんて血気盛んな鬱屈した若者は。私自身も共感性羞恥で。
また椎名林檎とかもアルバムの歌詞カードでは伏字でしたが
「依存症」でヒトラーと名付けた愛車のことを歌ってますし、いわゆるワルぶりたいイキリとしてナチを文化受容する処はあるでしょう。昔はスターリンというバンドもありましたね。
実際、ヒトラーの演説をサンプリングしてビートに乗せたのは極悪なカッコよさが音としてあったり。
そうなんですよ、ナチス・ドイツが人道的に邪悪の極致だったことと、美意識として格好良い面があることは双立するというか、寧ろ「ナチは最悪なんだ、好い處なんて皆無なんだ」という言説が今もとにかく場を支配していますが、その意見って逆に「でもかっこいいじゃん」という一点で覆されてしまう脆さがあると思うんですよね。
「美的に優れている事と善である事と武力に強い事はそれぞれ独立」というリテラシーを身に付けないと、現にトランプみたいなことが起きてしまってますよ、この世界。
今最も悪魔化されている国といえばネタニヤフ率いるイスラエルで、パレスチナに対する虐殺は筆舌に尽くしがたい極悪さですが、イスラエル人のジャズは
Sol Monk『New Moves』等かなりハイクオリティでもあって。”あいつらはクソofクソだ”と「真善美」の内「善」で否定することと、「美」に於いて魅力があるものがあることは両立するもので。
この間私が訪ねた室生山上公園 芸術の森もイスラエルのアーティストによるもので。
よく人格をいとわない藝術至上主義というものがあり、一方で「素晴らしい芸術家は素晴らしい人間」なんて素朴な混同をする人もいますしMe Tooの時代には芸術家にも人格が求められるコンテキストな時代にはなりましたが、私としてはそれも危険な思想というか、仮に素晴らしい芸術を成している人でも、人道的には悪魔のような存在なことはざらにあるし、色々切り分けて、その上で選択を考えることが、逆に悪にコロリと行かないためには重要ではないかと想いますね。