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ミロ展@東京都美 深い理

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ミロ展へ行ってきました。

以前Bunkamuraでもミロ展をみたことがあるのですが、今回は決定版ともいえる全キャリアを通じた大回顧展

その始まりは《自画像》から始まって。その隣の《スペインの踊り子の肖像》と同じく何処か図形的なデフォルメを感じさせる肖像画で。《無題(座る裸婦)》のようなラフ画も。

その次が本展覧会で一番早い、1893年生まれのミロが1910年に描いた《バイベルの森》。紫にオレンジの木々が描かれるのはどこか杜王町のような、現代のイラストレーションのような風合いで。

最初期のミロは、例えば《モンロッチの風景》のようなセザンヌ的な風景画やさらに図形性を増した《シウラナの小径》などを描いて。《シウラナの教会》はゴッホ的とも言えるかも。《モンロッチの橋》は80sのSF小説の表紙絵的な。

一方で《赤い扇》はマティス的なフォーヴを感じるしそこからの《ノール=シュド》も。

そうした最初期の終わりは細密画に転じた《ヤシの木のある家》と図形風景と細密画が同居した《モンロッチの瓦工場》

そんな彼がパリに出て一気に才気が爆発するというか「夢の絵画」と呼ばれる絵画群で、詩と画をフュージョンするオリジナリティあふれるアートスタイルを創新して。

展示は1925年の《絵画=詩(おお!あの人やっちゃったのね)》から始まって。どうやらオナラの事らしく尻から空気が直線で出ている描写もw

牛と数学的・理系的な図式が並ぶ《パストラル》や筆の跡がみえる青地に浮かぶ《絵画(頭部とクモ)》や寄り添う二人を描いた《絵画=詩(栗毛の彼女を愛する幸せ)》にタモリ倶楽部的なヴァイブズを感じさせる《絵画(喫煙する人の頭部)》

顔が浮かぶ《絵画》に貝殻から発せられる気を描いた《絵画》に、マティスの切り絵を感じさせる《絵画(星)》、サカナの尾っぽが印象的な《絵画(セイレーン)》に、カンヴァスに白く円い背景がありそこに顔が浮かぶ《絵画》や同じくカンヴァスに白い円が中央にあり、オレンジと緑の点とクモやヒゲにみえる線が浮かぶ《絵画(頭部)》などの作品が並んで。

そして本展覧会のクライマックスの一つでもある《オランダの室内 I》ヘンドリク・ソルフ《リュートを弾く人》を基に、犬とかがミロの手により具象が抽象的にエンコードされて、緑と赤の対称色も印象的な、画面がドーンと顕されて。《プリセン王妃ルイーゼの肖像》も棒人間的なフォルム。

この時期の《オブジェ》は立体なのだけど平面的なレイヤーの積み重ねの効果があり、《人間の頭部》はデ・キリコに通じるものを感じて。

パリに出てきて1920年にはピカソと知り合ったり1926年にはマックス・エルンストやハンス・アルプのそばに住んでいたりして。

そんなシュルレアリスムなムーヴメントから生まれた《焼けた森のなかの人物たちによる構成》は東京府美術館だった頃の都美で開かれたミロ展でも展示された一枚だそう。

《絵画=オブジェ》は踊り子が描かれた素材を用い、立体平面を裏まで描いてつくって。

またミロは1929年に結婚し1930年には娘も持っていて。

ただ、時代はスペイン内戦。その中でもミロは画を描いて。

《グワッシュ=ドローイング》は切り絵と素描を組み合わせたような作品。《無題(夜の恋人達)》は背景にアルミ箔を用いて。《コラージュ=ドローイング》は写真までコラージュして。大作《絵画(カタツムリ、女、花、星)》は、カタツムリ含めミロがモチーフにした題材が全部盛で落ち着いていながらエナジーを感じて。《男の頭部》はポップアート的ですらあって。

そして1936年に描かれた《絵画》シリーズはメゾナイトに描かれた塗たくるような色の油彩線と、カゼイン・タール・砂などを用いて、まるで焼け跡のような感触をもたらす絵画群で。内戦が大きくミロの創作活動へ影響を及ぼしていて。

共和国を支援するための《スペインを救え》も。

そして《人物たちと鳥》はまるで宇宙生物のような不思議な線であふれていて。《水浴する人》もジャン・コクトー的というか、この絶妙なヘタウマぶりが凄い。

そして赤と青の2枚の《無題》の、もうミロにしか描けない線画というか世界観。

そして次の間も本展覧会のクライマックスの一つ。WW2直前にヴァランジュヴィル=シュル=メールで描き始められた「星座」シリーズの一連の絵画群から3枚が展示されて。

《カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち》は点線がカタツムリの通った跡なのかな?星空の下で色々なヒトビトが蠢いているのを感じて。

《明けの明星》は白じんだ世界で星と共に目!目の圧が凄い!

そして《女と鳥》は英語だと鳥がBirdsになっていて、幾羽もの鳥たちが飛び交う中で、女性も飛んでいる感覚。

ここからミロの創造性はさらに爆発していって。

《女、鳥、星》はまるでカビが生えるような色円にキャラがのって。《太陽の前の女と鳥》は子どもの画みがあったなぁ。《夜の人物と鳥》は真っ白なサイケというか土偶的世界観。《夜の女と鳥》は妖精・妖怪・宇宙人的なキャラが。《夜の人物と鳥》はコアラ人的な感じ。《夜の女》は妖しい狂人的で。

《女、鳥、星》は女性の陰部と十字と星。《夜のなかの女たち》も、まるで落書きのような、でも黒い筆が利いていて。ジュゼップ・リュレンス・アルティガスと組んだ陶芸作品である二体の《女》は爆発寸前のセルというか岡本太郎的というか、やっぱり女性の局部が大きくフィーチャーされて。ミロが絵付けをした《壺》も。

そして戦後にミロは米国を訪ねて、U.S.のアーティスト達からもインスピレイションを受けまたアートスタイルを変貌させていって。

《クモを苦しめる赤い太陽》も黒の筆線が利いていて。《ツバメの赤と虹のように輝くピンク》は水彩画的な油彩。《螺旋を描いて彗星へと這うヘビを追う》もやはり黒線が凄い。《絵画》はさらに抜けていくエメラルドブルーが凄い。

《雲間から覗く空が希望を与える》はHIPHOPというかストリートアートな空気感があって。1937年に素描したものに1960年に大胆に色筆を載せた《自画像》はアメコミみたい。

《絵画II/V》は水墨画的な跳ねがあり、《絵画V/V》は2つの会陰のような。《絵画IV/V》

またブロンズの二作品《女の胴体》と《女》は文明が過ぎた後のプリミティヴさというか、凄い造形で。縄文的なものにも通じる超古代感。


そして最後のフロアは撮影可で。

まずポスターの展示から始まります。

《マーグ財団の夕べ》
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《カタルーニャ文化評議会》
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《ジュアン・ミロ財団:開館》
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《バルサ FCバルセロナ75周年》
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《ユネスコ:人権》
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そして絵画へ。米国のアーティストからの影響でどんどん巨大になって。

《鳥たちの目覚め I》
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《白地の歌》
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《ダイヤモンドで飾られた草原に眠るヒゲナシの雌しべへと舞い戻った、金色の青に包まれたヒバリの翼》
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《火花に引き寄せられる文字と数字(III)》
《火花に引き寄せられる文字と数字(V)》
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《ふたつの惑星に追われる髪》
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立体作品も。

《逃避する少女》
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《紳士、淑女》
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《座る女と子ども》
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《女と鳥》
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《太陽の前の人物》
仙厓の〇△□に影響を受けたそう
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《月明りで飛ぶ鳥》
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《夜の風景》
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《にぎやかな風景》
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そしてこれがみたかった!
《焼かれたカンヴァス2》
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もう切ろうが焼こうが自分をシグネイチャーするオリジナリティーが爆発し80才越えても次の領域へ。この制作VTRが展示されていたのですが、最初にカンヴァスを切って、そして絵を描き、燃やし、描きの繰り返しでミロのVISIONを具現化させていって。単なるやけっぱちでなく、きちんとしたVISONに基づいた作品。凄すぎる!

《スブラテシム - 袋 13》
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《頭部》
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《絵画 7》
これも描いた上に彫っている!
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《花火I》《花火II》《花火III》
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《涙の微笑》
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ミロの画をみながら、”なんでこんな変な画なのに、こんなにも魅力を感じるんだろう?”と不思議な謎を考えていたのですが私には答えが出せなくて。例えばAIにミロをディープラーニングさせることはできるでしょうか?その時期時期の特徴量を分析させて。いやでもこのミロはなぁ…

ミロの画はまるで幼児がフリーに描いたような作為性の無さを感じさせますが実は非常に慎重に緻密に計算されて描かれているらしく、その深い理にAIが達して、ミロの画のような「新しいOS」を感じさせる作品を描けるものだろうか?いや、ヒトの持つ神秘をミロの画には感じるなぁ

一人の美の巨人の生涯の画業を通して、創造の方程式すら創新しつづけるヒトの煌めきをみました。

by wavesll | 2025-06-30 12:00 | 展覧会 | Comments(0)
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