人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』バイロイト音楽祭2024 道ならざる愛の果て

Tristan und Isolde (Premiere 2024)
ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』バイロイト音楽祭2024 道ならざる愛の果て_c0002171_18064156.jpg

ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』のバイロイト音楽祭2024での上演をNHKBS4Kプレミアムシアターで観ました。

騎士トリスタンは叔父のマルク王の妃にするべくアイルランドの姫イゾルデを船で連れて帰る場面から始まって。台詞を聴いていてると二人の間には既に何かしらの腹がうずまいていて、つまり恋愛感情が二人にあるも、トリスタンは騎士道のために叔父を裏切れず、イゾルデはそれが不満で、ストレスが会話劇で頂点に達した時に二人は誤って媚薬を飲んでしまい、愛情と性欲のタガが外れ、道ならざる恋に邁進します。

第二幕では城についても逢瀬を重ねるトリスタンとイゾルデが『「昼の建前のくらし」でなく「夜の愛のくらし」こそが本当に生きている実感がある世界だ』というようなことをいい、愛し合うのですが、その不貞はマルク王に発覚し、トリスタンは死のうと薬を飲んで。

第三幕では城に幽閉され昏睡状態のトリスタンが、そのもとにイゾルデが来るも、悲劇が幕を閉じて。

身も蓋もない解釈だと媚薬は覚醒剤で、シャブセックスの快楽で脳が壊れてしまった二人の男女の話にもみえるし、ロマンチックに言えば中世の貴族社会に於いて政略結婚で成り立つ「昼の(建前)世界」でなく、不倫こそが純愛であったともいえるでしょう。

ワーグナーの楽曲、そして練達のオペラ歌手たちの歌声は素晴らしく、特に第一幕のストレスの極致からの媚薬による感情の解放の際の多幸感なデュエット歌唱は素晴らしいものがありました。

この楽劇を造る際にワーグナー自身も未知ならざる恋に落ちていたそうで、この作劇はワーグナー自身の自戒でもあったのかもしれませんね。

カーテンコールで演出人が出たときに大きなブーイングが起きて。なんでもオペラ演出としては下手糞の極みだったそうで。逆に家でごろりとしながら映像作品としてみる分には結構楽しめましたね。

by wavesll | 2025-08-11 18:23 | 舞台 | Comments(0)
<< Feid『FERXXO Vol... ちいかわ柱@ブクロ >>