佐藤雅彦展 新しい× (作り方+分かり方) @横浜美術館 メディア人の善き矜持

《YMOテクノバッジ》

《サウンドヘルメット（フジカセット「オーディオ・フェア」用）》

《カルピス薬袋》

佐藤雅彦展へ行ってきました。電通からキャリアを始め、SFCのゼミでピタゴラ装置を創ったり講義も行う佐藤さんの展覧会、大人気で既に土日の券は売り切れで、平日に半休を取って。朝イチでも激混みでしたね～

佐藤さんが手掛けたCMたちやピタゴラ装置の実物、或いは手掛けたPSの『IQ』といったゲームや「だんご三兄弟」とかの動画は撮影不可で、映像展示が多めでしたが中々楽しめました。というかこの展覧会のメインは「佐藤雅彦流クリエイティヴの理論」のレクチャーであるという感じで。凄い豪勢な会社の研修を受けたような気分にもなって。特に「湖池屋スコーン」や「ドンタコス」、「カローラIIに乗って」等のCMを題材にクリエイティヴ術を解説するコーナーは面白かったです。

relax誌の「勝手に広告」もそうなのですが”あぁこれも佐藤さんが手掛けていたのか”という感じ、「テトペッテンソン」も。

いい時代の電通らしさというか、明るいんですよね、トーンが。《バレエ・ロトスコープ》など佐藤さん自身の関心はかなり数学的なものがあり其処とヴィジュアルイメージに繋げる感覚が後半は大きいので、いわゆるジョック的なウェイではないのですが、何というかな、考え抜かれた心温まるユーモアというか。最近のネットや吉本の陰湿なDIS笑いとかじゃない、くすっと笑える機知と親しみやすさがあって

モルツのショーケンのCMもそうなのですが人情味とかもあるんですよね。だんご三兄弟のブーム的な消費のされ方に憤ったりもしていて、いい意味でのずうずうしさというか。数年前にやっていた佐藤可士和展もそうですが、「この考え抜いた面白いのを世の中に仕掛ける/問う/提供する」というメディア人の矜持を感じましたね。”自分の手柄”のアピールの強さは感じつつも、子どもたちを始め世に上質なエスプリを生み出そうという意思を感じました。

ただ、Art展としては佐藤雅彦展は食い足りないところもあって。そこを満足させてくれたのは横浜美術館コレクション展でした。

戦後八十年で戦争を撮ったロバート・キャパや沢田教一の写真などの特集や、最後のハイライトの間ではダリ、マグリット、セザンヌ、奈良美智などの展示があり他にもピカソやマン・レイなど見応えがありました。

ロバート・キャパ《共和国軍兵士、コルドバ戦線、スペイン》

ハンス（ジャン）・アルプ《瓶と巻き髭》

マックス・エルンスト《白鳥はとてもおだやか…》

マン・レイ《ガラスの涙》

アンドレ・マッソン《ナルキッソス》

マックス・エルンスト《少女が見た湖の夢》

ジョン・アームストロング《復活祭の分析》

サルバドール・ダリ《《ガラの測地学的肖像》のための素描》

サルバドール・ダリ《ガラの測地学的肖像》ディヴィッド・シーモア《パブロ・ピカソと《ゲルニカ》の細部》

パブロ・ピカソ《夜、少女に導かれる盲目のミノタウロス》

ハンス（ジャン）・アルプ《成長》

パブロ・ピカソ《ひじかけ椅子で眠る女》

ウラジーミル・タトリン《コーナー・反レリーフ》

ジョアン・ミロ《「黒と赤のシリーズ」より》

ルイ・マルクーシ、ジョアン・ミロ《ミロの肖像》

福沢一郎《未完成交響楽》

斎藤義重《カラカラ（原作：カラカラ）》

斎藤義重《トロウッド（原作：作品）》

斎藤義重《トロウッド（原作：作品）》

ロバート・キャパ《Dデイ、オマハ・ビーチ、ノルマンディー海岸》

ロバート・キャパ《Dデイ、オマハ・ビーチ、ノルマンディー海岸》

ロバート・キャパ《アメリカ軍第82空挺部隊、サン・ソヴール＝ル＝ヴィコント、シェルブール南部、フランス》

ロバート・キャパ《アメリカ軍兵士たちにリンゴ酒を差し出すフランス人農夫、ノートルダム＝ド＝セニリ、サン・ロー南西、フランス》

ロバート・キャパ《解放の日、フランス兵とレジスタンス、パリ》

オットー・ディックス《仔牛の頭部のある静物》

ジョルジュ・ブラック《画架》

岡田謙三《満州の街》

宮崎進《ヤブロノイ（俘虜の死）》

宮崎進

《狂った捕虜》

《哀史》

宮崎進《捕虜》

浜田知明《絞首台》

浜田知明《初年兵哀歌、ぐにゃぐにゃとした太陽が昇る》

浜田知明《初年兵哀歌、風景（一隅）》

鶴岡政男《喰う》

鶴岡政男《雨》

原田正路《長崎》

沢田教一《ヘリコプターの編隊、ラクソイ》

沢田教一《負傷した米軍兵士》

沢田教一《捕虜となった15歳の解放戦線兵士》

沢田教一《ダナン南方16km》

沢田教一《875高地、ダクトの戦い》

沢田教一《安全への逃避》

沢田教一《敵を連れて》

沢田教一《泥まみれの死》

沢田教一《戦闘中の米軍兵士、テト攻勢》

沢田教一《負傷兵を運ぶ米軍兵士、テト攻勢》

沢田教一《十字架、テト攻勢》

沢田教一《破壊されたフエの街》

沢田教一《ナムジアオの墓地、フエ》

沢田教一

《村に残された少年への尋問、デックハウスIV作戦》

《米軍兵士と物売りの少年》

イサム・ノグチ《三位一体》

河口龍夫《ひまわり》

風間サチコ《戦後60年双六》

戸村浩《星・星の数：208 五芒星 クロ》

戸村浩《星・星の数：700 六芒星　アイ》

戸村浩《星・星の数：2344 七大芒星”天使の星” 女星 ピンク》

戸村浩《星・星の数：2344 七大芒星”天使の星” 女星 ムラサキ》

イサム・ノグチ《チャイニーズ・スリーヴ #1》

戸田沙也加《Canna》

小川脩《砂漠の花》

ジョアン・ミロ《花と蝶》

戸田沙也加《沈黙と花》

イサム・ノグチ《下方へ引く力》

奈良原一高《Blue Yokohama》

ルネ・マグリット《王様の美術館》

ポール・セザンヌ《ガルダンヌから見たサント=ヴィクトワール山》

奈良美智《春少女》

サルバドール・ダリ《ニュートンを讃えて》

フィリップ・ハルスマン《ダリ・アトミクス》

サルバドール・ダリ《ヘレナ・ルビンシュタインのための装飾絵画　幻想的風景ー暁、英雄的正午、夕べ》

イサム・ノグチ《真夜中の太陽》

イサム・ノグチ《マイアストラ、プランクーシへのオマージュ》

イサム・ノグチ《死すべき運命》

コンスタン・プランクーシ《空間の鳥》

二代 井上良斎《緑釉花瓶》

三代 井上良斎《朝霧釉花瓶 銘「瀏」》

初代宮川香山《釉裏紅氷裂梅花文花瓶》

初代宮川香山《緑花紅花瓶》

成瀬誠志《色絵人物文蓋付小壺》

成瀬誠志《色絵人物文蓋付小壺》

ディーキン・ブラザー商会《色絵牡丹文花瓶》

初代宮川香山《高浮彫牡丹二眠猫覚醒大香炉》

初代宮川香山《釉下彩白盛鶏文大花瓶》

石原友明《I.S.M.（光）》

クレス・オルデンバーグ《反転Q》

ジョアン・ミロ《女の頭部》