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Shakti - Mind Explosion (50thAnniversary Tour Live) 鮮烈な調和

Shakti - Mind Explosion (50thAnniversary Tour Live)
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Shaktiというと英国人ギタリストJohn McLaughlinとインド人タブラ奏者Zakir Hussainを中心に結成されたバンドで、残念ながらザキール・フセインは逝去されてしまったのですが、Zakirに師事した日本人タブラ奏者U-zhaanがDaisy Holidayで彼らのラストツアーのライヴ盤の音源を流して”うぉっ!”と想って。

実はその前にスタジオアルバムも発表していたのですが、それは初期のガンガン行ってた頃のアルバムが念頭にあると、円熟したというか落ち着いてしまった印象だったのですが、このライヴ盤は丁々発止のPlayといいキレッキレで最高で◎

これを聴きながら、ここ数年私の中で靄々していたことが瓦解したというかハラオチして。

というのも昨今の政治トピックでは移民の野放図な拡大には反対で。これをいうと特に音楽好きなどの私のフォロワッサンや友達の間では四面楚歌になる意見で。

逆に私からすると、欧州などで移民政策をやって”治安悪化などこのままでは不味いことになる”と政策変更をせざるを得なくなっている様をみて”何故先行する人々が失敗する姿をみせているのにわざわざ落とし穴に落ちようとするのか、他山の石という意識は皆無なのか”と想っていたのですが、少なくとも移民政策を推し進めたい上級国民の意思は分かったというか、”あぁ、Shaktiをやりたいんだな”と。

Shaktiは英国とインドのミュージシャンの協業のバンド。彼らは先駆的存在ですが、今の欧州の音楽シーンをみればアフリカ、南アジアの奏者やプロデューサーが欧州人とコラボするのは当たり前で、それによって素晴らしいクリエイティヴが生まれているのはここ数年のグローバル音楽を聴いていてひしひしと感じて。

つまり、上級の人間にとっては「自国民である」というのは重要なことではなく、自由に人材が活躍できる、そして自国が多くの人材が目指し集う「Tier1都市」になることが財と地位を築く上で好都合だし最上だということ。それによってグローバルマーケットにおけるサプライヤーとしての勝者を目指し国際都市間競争に切磋琢磨している、そういう視座がShaktiという特上のプレイヤーたちの織り成す音を聴くとハラオチして。

このエスタブリッシュメントの欲望は、同時に左派・リベラルの夢とも共鳴して。この両輪で「開かれた多文化都市」というGOALへみな走ったのだなと。

ただ、「国民」とされる人たちでも、国際的な競争力がある有能な人にとっては天国な國でも、下層の人にとっては治安の悪化の影響は避けられず、中間層が国際競争にさらされて下層へ落ちる人々もいて。と同時に移民が入って、当然ながらそこで暮らし、恋をし、子どもを作り、移民由来の人口が増え、特にイスラム教徒は同化はしませんから、その存在感が国内で増して、政治勢力としても英国だと重要なポジションを得るところまで来ましたね。日本も23区の一部では20代人口の多くを外国人が占めるようになっています。結果として欧州では大きな揺り戻しというか、民衆は「極右政党」を支持し、上級国民や左翼はそれを必死に抑えつけようとしていて。

そういう欧州という先行事例をみた上で、私は日本の政治家がこの危険性を乗りこなすことは出来ないと想うというか、寧ろ、本当に多民族国家を目指すならば、嘘や誤魔化しでなく「君たちは日本人というだけでは日本では大事にはされません。国際的なトッププレイヤー以外はこの国では悲惨な下層になるので”圧倒的成長”をしてください。そうそう、他の諸外国と同じく首都圏は移民の皆さんに渡しますし、セキュリティにカネを払えなければ危険にもなるし総じて物価は高くなるのでカネがなければ悲惨です。もし従来の日本的な暮らし(の低予算版)をしたいなら地方の田舎へどうぞ」と宣言した上で実行して欲しいなと。まぁこんなことを言っては絶対に選挙に負けるとは思うのですが、つまるところ上級国民の本音はこんなところでしょう。気の利いた天竜人ならばJFKの演説を引用するかもしれませんね。

そういうグローバリスト達の本音が体感としてハラオチしたShaktiのリスニング体験は同時に、”グローバルで勝負するためにはその土地に根差したオリジナリティが大いなる武器になる”というのも体感させられて。何しろエレキギターとタブラの丁々発止がこのバンドの独自性ですからね。

さらに、インド音楽で面白いのはインドではヴァイオリンも伝統楽器になっているのです。つまり歴史的な経緯から進取で取り入れたものが今は血肉化されている。ここに旧態依然とは違うインドの奥深さがあって。そこは和魂洋才で明治維新をした、あるいは遣唐使から国風文化への日本人自身の特色にも繋がりますね。伝統というのは固定化されているものでなく、生きている文化なのだと

ザキール・フセイン老師は「ドラムをやってみたい」とジョージ・ハリスンに言ったところ「今は僕と共演出来ているけど、ドラマーになったら何千人とのコンペに並ばなくてはならなくなるよ」と言われたそう。グローバルな世界での競争力に於いて自分のルーツというのは非常にスペシャルな魅力になるのだなと。

個人的にもこの十年くらい日本の民謡の界隈の音を聴いてきたのですが、最近のニュースで若者が草津温泉とか深大寺に集っていると。無論貧困化と円安で海外旅行できないという要因もありますでしょうが、この「内向き」は、政府が嘘誤魔化しをしていてもこの時代に生きている上でグローバル世界の中で自分のルーツを意識する処もあるのかもなと想うし、そこのオーセンティックな純核を最新のトレンドに止揚することは寧ろ今の世界の潮流のど真ん中だなとも思って。

そんな思考が溢れ出すようになる鮮烈な調和をこのライヴ盤は与えてくれました。

Youtubeのリンクは貼りましたが円盤やApple Music等の比較的音の好いので是非お愉しみを◎

by wavesll | 2025-10-11 00:11 | Sound Gem | Comments(0)
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