BOVARY | Christian Spuck | Trailer | Staatsballett Berlin
フロベールの『ボヴァリー夫人』を基にしたバレエ。
ベルリン国立バレエはこの作品を幾つかの短いナレーションと、ボヴァリー夫人とボヴァリー氏、そして夫人の愛人たちの絡みだけでなく、彼女の心理の深淵に迫る心象風景をダンスとして表現して。
舞台冒頭で結末が示されて。そこから時間が遡り、幸せだと思い込もうとしたけれども退屈な夫との生活に倦んだ夫人が、不意に誘われた上流階級のパーティーで「夢」をみさせられ、そこから何人もの「恋人」との愛欲の逢瀬の日々を過ごすも、その虚栄のツケが来て、破滅へ…という筋。
確かに昼メロな筋書きではあるのですが、闇を大いにフィーチャーした美術のスタイルがこの作品に欧州的な陰翳を与えてくれて、それが上質さを感じさせて。抽象的にドラマが展開されるために非常に現代的だったし、好いバレエでした。