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ハイライト・オブ・令和7年の音楽リスニング 3. 欧州


さて米国と来たら次は欧州!個人的にはここ数年のグローバル・ミュージックの核となっている地域。行ってみましょう


Obongjayar - Paradise Now

これ、今年の私のBestでした。今ヨーロッパ、とりわけ英国はアフリカや中東などの移民との音楽の協業制作によって創造性が爆発していて。

Obongjayarはナイジェリアのラゴス生まれで、エミネムやスヌープドッグ、ネリーらに憧れ、10代後半で英国に移住しロンドンをベースとするアーティストこの欧州×アフリカな移民社会が生み出す、ヨーロッパのクラブな音とアフリカの卓越したリズムの融合は最高でした!


Yazz Ahmed - A Paradise In The Hold

移民音楽において一番気を吐いているのはジャズで。このロンドンをベースとするトランペッターであるYazz Ahmedさんによる『A Paradise In The Hold』は、彼女のルーツであるバーレーンの結婚式の詩やFijiriというポリリズム構造を持つ真珠採りダイバーたちの謡にインスパイアされたヴォーカル曲などが収められたアラビアン・ジャズ。欧州の新しい姿を鮮やかに奏でていました


Derya Yıldırım & Grup Şimşek - Yarın Yoksa

さて移民との音楽の創造的融合は英国だけではなく欧州一般でイマ起きています。ドイツでは歴史的にもトルコとのつながりが深くて。

この盤、ヴォーカルと弦楽器Bağlamaを担当するデリヤ・ユゥドゥルムはトルコ人の両親を持つドイツ生まれ。キーボード奏者のグラハム・ムシュニックとギター/ベース奏者のアントニン・ヴォヤントはともにフランス人、そしてケープタウン出身のドラマーであるヘレン・ウェルズによるバンド、Derya Yıldırım & Grup Şimşekの『Yarın Yoksa』(明日がないのなら)。

収録曲のうち9曲はオリジナル曲、3曲のアナトリア民謡に独自のアプローチで挑んでいて、アナトリアの哀愁と濃いオリエンタルさを感じさせるヴァイブズがノラ・ジョーンズも手掛けたプロデューサーであるレオン・マイケルズによって新しい領域のソウル・ミュージックとして形成して発せられていていました


Nesrine - Kan Ya Makan (Once Upon a Time)  

さらにフランスへ。此の地はアフリカと深い結びつきがある國。フランス系アルジェリア人シンガーでチェロ奏者のNesrineによるフランス語、アラビア語、英語を混淆させた異国の香りがするジャズ。

Nasrine女史はアルジェリア系ということで北アフリカのイスラムな感性が加味されて、欧州的な節回しも感じるし、ここら辺がシームレスに融合した音が非常に特色を感じる素晴らしさでした。


Dimitrios Papageorgiou - Greek Bouzouki Classics

ギリシャは歴史的に欧州とアジアの境の地、レベティコ(ギリシア語: ρεμπέτικο、英語: Rebetiko)は現代ギリシャの大衆歌曲。1930年代にギリシャとトルコの住民交換でトルコ領内からギリシャへ移住させられたギリシャ人たちによって始まり、1960年代の民主化の時代に再興があったといわれているもので、もう深く移民とのクロスブリードな文化が欧州にはあるのだなと


Canto a Tenore & Launeddas

地中海世界もクロスブリードの地。イタリアのサルディーニャに残るヌラーゲという巨石文明。一説によるとヌラーゲを造った人達はアルタイ高原の遊牧民の子孫ではないかとも言われ、古代メソポタミアからエジプトまたはトロイを経由してやってきたというのもあって。サルディーニャにはテュルクを感じさせる喉歌の文化もあり、古代ロマンに想いを馳せるところがありました


Zoord『Zoord』

さて、テュルクといえば口琴ですが、ハンガリーはテュルクとの繋がりが深い地で、ハンガリーの口琴であるドロンブの世界的奏者奏者シラージ・ゾルターン氏を父に持つ口琴奏者Szilagyi Aron氏を中心として、ルーマニアのモルドヴァ地方に住む、ハンガリー系の少数民族「チャーンゴー人」最後の正統派ヴァイオリンおよびツィテラの演奏者に学びモルドヴァの伝統音楽の奏者として名をはせるヴァイオリニスト、Drabant Bela氏とパンクバンドやポスト・ロックバンドでも活動する太鼓奏者Almasi Krisztian氏によるバンドZoordも素晴らしい音を出していました


«Հայաստանի փոքրիկ երգիչներ (Little Singers of Armenia)»

本当に「欧州に於ける土着性」がすっごく今興味がある処で。 アルメニアの少女たちの小鳥のような美しい歌声が心を清めてくれて。スリリングな合唱曲の他「ハレルヤ」や「アヴェマリア」に加え「エーデルワイス」や「I Got Rhythm」等のジャズナンバーなんかも唱っていて素晴らしかった


SEN SVAJA『LAUMIŲ LOP​Š​INĖ』『Kraitis iš pelk​ė​s.』『EISIM SES​Ė​S』

欧州の土着性というと先ず思い浮かぶのはブルガリアンヴォイスですが、実はブルアンポリフォニー的な謡いがバルト3国にはあって。ここら辺のグラデーションは滅茶苦茶面白く感じます。


Tondini - Tondini plays Mostar Sevdah Reunion Disko 088 Remix 

「欧州に於ける土着音楽性」は何も伝統に固執しているわけでは無くて、ボスニアヘルツェゴヴィナの伝統音楽meetsイタロディスコなこんなのも。私は「脂身と香辛料」と言っているのですが、ディスコビートのメジャーでコッテリとした旨味に民俗音楽がスパイスとして聴いているこういう音の調合の楽曲群が自分的にはスウィートスポットで。好きなんですよねー!


Heaven Sam starring Youka (Afro Live Session)

これおもろw!フランス拠点のパーティーAfro Live SessionでHEAVEN SAM + YOUKAがかけたのがまさかのドラゴンボールあらすじBGMというwそこからラップをMixしてどんどん繋げていくPLAYに魅了されて。U.S.や中南米でもそうですが日本のカルチャーが広く全球へ広がって共通基盤になってる感がありました


Pauanne - Joku Raja Rakkaudesakin


フィンランドの民俗INDIE POPによる『Even Love Should Have Its Limits (愛にも限界はあるべきだ)』はアルバムタイトルの解題として難民問題のオンライン討論で出逢ったワードだそうで、「Me Too」運動の視点やフェミニスト的な角度、文化的盗用を題材としたり、記憶障害を抱える現代の高齢者をテーマにしたり、トランスジェンダーへの偏見を扱っていたり、戦争に行った者を称賛しながらも、後に彼らを疎外された退役軍人として避ける人々の矛盾した行動を考察している非常にコンシャスな現代のポップスであったりして


Kneecap - Fine Art

政治的な音楽という意味でKneecapへ。(ようやくいわゆる普通のフィールドへ戻ってきたと安心された方もおられるかもw)。アイルランド語と英語が混ざり合う突撃型EDMラップ。年明けのロキソニに来るんですよねー!


Brìghde Chaimbeul - Sunwise

今度はスコットランド。スカイ島出身、ゲール語を母国語とし、幼い頃からチャンターやハイランド・パイプスに親しみ、14歳の頃に著名なバグパイプ製作者であるHamish Mooreによるスモールパイプ(スコティッシュ・スモールパイプス)を手にしてからはその演奏を学んだBrighde Chaimbeulは、2023年にはCaroline Polachekの話題作『Desire, I Want To Turn Into You』にも参加した才媛。そんな彼女のアルバム『Sunwise』は素晴らしかったですね。


Wojciech Rusin - Honey for the Ants

さらに現代と古代を混淆させて。Wojciech Rusinはポーランド出身でロンドンを拠点に活動するオーディオビジュアル・アーティスト。錬金術やグノーシスのテキスト、初期ルネサンスの合唱音楽、東欧神話からインスピレーションを得て古代のデザインを現代の3Dモデリング技術で再構築し、3Dプリントリード楽器をデザイン・制作もしている。本作『Honey for the Ants』は「錬金術三部作」の最終作。

この古代の教会音楽と現代の電子音楽が交わる現代の錬金術な音の面白さ。特に冒頭の「Flesh Eater」なんかはようやく来た春の始まりの中で昆虫たちが蠢き始める空気を感じるというか、とてもいいフィーリングがありました。


Deep Purple - Made in Japan (Deluxe Edition)

いきなりなぜディープパープルw!?いや実は色々つらつら書きつつ、Apple Musicによるとこのアルバムが私が今年2番目に聴いたアルバムなんですよね。今年はTOOLのライヴをみたり、HRHMに近年傾倒してきているところがとてもありますね。


Pink Floyd - Live at Pompeii

これも好かったな~!1972年に創られたProg Long Season

We Are Out Of Sight! Wild Sounds From The German Beat Scene 1964-67

そんなロックと欧州土着の解としてコレ。ビートルズも武者修行した60sの世界最大の赤線地区ハンブルグでうごめくUK出稼ぎバンドを手本に爆発したジャーマン・ビート・シーン。ただのカヴァー・バンドの粗製乱造や正体不明国籍不明のバンドのなかから生まれてきたジャーマン・ワイルド・ビート・18グループをコンパイルしたイカレた奴らの野良汚ったないドイツGARAGE ROCK!!


Sweet「The Ballroom Blitz」from『Desolation Boulevard』 

となると英国のロックも聴きたいwイマ聴くと妙に嵌る英国グラムロックを


Björk - Apple Music Live: Björk (Cornucopia)

欧州の音楽の旅の最期を飾るのはBjörk。実は洋楽を聴き始めたのが遅かった私はこのライヴで初めて同時代のアーティストとしてのBjörkの凄さに気づかされて。エクスペリメンタルさとナチュラルさが上手くブレンドされていて、創造性あふれるPOP MUSICとして琴線に触れまくって。これは少し先の未来を感じさせて、やっぱりBjörkすげーなーと想わされました

さて2025年グローバル音楽キャラバンが次に向かうは…?


by wavesll | 2025-12-31 09:05 | Sound Gem | Comments(0)
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