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『エノケンの浮かれ音楽 榎本健一コレクション 1936-1950』 喜劇人音楽の深みと戦中歌謡

『エノケンの浮かれ音楽 榎本健一コレクション 1936-1950』42曲2枚組CD試聴用動画
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榎本 健一・澤 雅子 ♪トカナントカ言っちゃって♪ 1936年 78rpm record , Columbia . G - 241 phonograph






先日、NHKで放送されていた超・ニッポンのお笑い100年 〜芸人たちの放送開拓史をみました。横山エンタツ・花菱アチャコがラジオを舞台にそれまでのアダルトなネタから大衆向けの日常会話なネタに清潔感あるスーツで「しゃべくり漫才」をしたんだなぁ。「早慶戦」が跳ねたネタだったのか。電車で聞き耳を立て世間の話題を地場で取材かぁ。

そもそも「漫才」のルーツは「尾張万歳」などの門付け楽団でもあって。世代的にはポケビとかエキセントリック少年ボウイとか、近年だとTOKAKUKAとかもそうですが、コメディと音楽は強く結びついていて。ここ数年、個人的にはドリフが戦時歌謡をルーツにしたりとか、芸人の音楽をDigるの好きなんですよね。

そんな芸人音楽の掘り下げとして最近聴いていたのが『エノケンの浮かれ音楽』

エノケンといえば「日本の喜劇王」と呼ばれWWII前後で日本で大変な人気を得たコメディアン。明治37年(1904)に生まれ、大正時代から芸人のキャリアを積んだ彼の音楽活動をコンパイルした2枚組CDがメタカンパニーから出ているのですよね。

この盤を聴くと、まずエノケンのヘタウマな謡いにちょっとインパクトを受けて、そして段々クセになってきてw「トカナントカ言っちゃって」とか好きだなぁw「結婚はしたけれど」とか「僕の戀愛設計図」、”昭和の時代も今も同じ生活感覚ってあるんだなぁ”と想わされたり。

エノケンは二村定一や笠木シヅ子との協業もあり、無声映画からトーキーへの移りかわりといい、ジャズエイジに於いて時代の寵児でしたね。彼のレパートリーにはブロードウェイ・ミュージカルからのスタンダードソングを日本語歌詞化したものや逆に民謡や浪曲もあったり

この2CDにもハリー・アクスト作曲の戦前ジャズソング「ダイナ」やラリー・シェイ作曲「Get Out And Get Under The Moon」を日本語化したものやアフロ・キューバンの名曲「El manicero」を歌った「エノケンの南京豆売り」「エノケンの暗い日曜日」やホライト・ニコリス作曲「Among My Souvenirs」の「エノケンの思ひ出」の他、「鹿児島小原良節」や浪曲「紺屋高尾」「エノケンの八木節」、「エノケンの角力甚句」なんかもあったり。

そしてやっぱり時代情勢からは自由に離れ難いというか「支那のルムバ」や「支那の兵隊さん」や「エノケンの南京ぶし」、「エノケンの上海だより」「エノケンの兵隊じゃんけんぽん」「歌の慰問袋」、隣組を歌った「エノケンの組長さん」など、戦争の銃後で歌われた楽曲もあって。今、パクスアメリカーナが崩れかなりキナ臭くなっている世界で、こうして先の戦争の時に如何にエンタテイメントが戦争に利用されたかを考えると今日的な重要性も増していますね。

そして2CDは古川ロッパとエノケンが組んだ「彌次喜多ブギ」で〆。コメディアンが、プロパガンダとは無縁に爆笑を咲かせられる世の中を築きたいですね。

by wavesll | 2026-01-24 03:23 | Sound Gem | Comments(0)
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