日本的だなと日常の中で意識する時に、邦楽を聴いているときを挙げることができます。特に同じジャンルの洋楽と比べたとき、邦楽は圧倒的に音の厚みが薄いです。
例えばROVOのライヴ盤とGalaxy 2 Galaxyのライヴ盤を聞き比べてみると、後者のほうが音が筋肉質でどっしりとしており、前者のほうが音が繊細でとがっています。
くるりの岸田がドラムについて「草食動物的だ」とか「肉食動物的だ」とか言っていましたが、文化的に、今まで食べてきたものが音楽に現れることもあるかもしれませんね。
農耕民族として米や、魚を食べてきた日本人と、狩猟民族として獣を食べてきたアメリカ人では、音に対する好みや、出す音の質感も変わってくるのかもしれません。
音楽と食べものという観点でいうと、味覚による比喩なんか、面白いかもしれませんね。
子供の頃はみんな甘いものが好きなんだけれども、そのうち甘いだけでは飽き足らずに、酸っぱさや苦さを愉しむようになる。あまり同じ味を食べてばっかりだと、味覚が麻痺してしまってさらに強い刺激を求めたり、その味に飽きてしまったりする。いっくら苦味が好きだといっても、そればっかりじゃ苦いだけだから、甘いものが欲しくなるときってありますよね。
子供の頃は、高級菓子店のケーキよりも、チュッパチャップスみたいな駄菓子が好きだったりしたり、でもその魅力の大半は味じゃなくてパッケージだったり。
大人になっていわゆる質のいいものを食べるようになっても、子供の頃に食べたあの体験が忘れられなかったり。
音楽と食べものって結構密なかかわりがあるのかもしれませんね。
食事のための音楽、特にある料理を食べるときのための音楽なんてのがあったら楽しいかもしれませんね。