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想像への旅10 唯光論

1 Intro
2 3つのアイディア
3 裁定とトレードオフとカードダス
4 メディアとネットワーク
5 知識と知性
6 構造で理解する
7 鴎印の調教術
8 想像の鍵
9 まわりはさすらわぬ人ばっか。少し気になった。

さて、この旅日記ももう10日目だ。ケタが変わった。じゃあ君に桁違いの景色を見せてあげよう。
突然だけど、君は相対性理論を知っているかい?

もし知っているならこれから俺が書くことはある程度読み飛ばしてもいい。ただ、もしよければきちんとすべて読んでいただけるとうれしいな。

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ある科学者がある実験を行った。時速100kmで走る車の中から80kmでボールを投げると、ボールは静止している人間からすると180kmになった。

次に立ち止まって、100m先にある感光版を懐中電灯で照らし、光の速度を測った。

そして同じことを時速100kmで車で走りながら行った。上のボールの例から言えば、そのときの光の速さは(光の速さ+100km)になるはずだったが、そうならないで、光の速度は変わらなかった。

普通の科学者なら「こりゃ測定ミスったかな?」とか「機械が故障したかな?」と思うところだけど、この実験のことを考えたアルベルト・アインシュタインという科学者は「光の速度は絶対なんだ!」と思いついた。

それまでの物理学の世界ではアイザック・ニュートンが唱えたように空間と時間が絶対のものだったんだけど、アインシュタインは絶対的なのは光の速度で、時間は空間は相対的なのではないかと思いついたんだ。

じゃあ時間と空間が相対的とはどーいうことか?これを理解するためにはベクトルというものを理解する必要がある。

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ベクトルとはある一定の長さと傾きを持った矢印のことだ。

この平行四辺形はaベクトルとbベクトルでできている。

ベクトルとベクトルは足すことができて、足すと平行四辺形の対角線となる。
つまりaベクトル+bベクトル=cべクトルだ。

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さて、俺らの周りで「空間」と呼ばれるものは3つのベクトルでできている。タテとヨコと高さだ。

そしてこのタテのベクトルとヨコのベクトルはaベクトルとbベクトルを足してcベクトルにしたように足して平面ベクトルにすることができる。タテベクトル+ヨコベクトル=平面ベクトルだ。

同じように平面ベクトルに高さベクトルを足すと立体ベクトルになる。この立体ベクトルは空間ベクトルであるともいえる。俺たちは3次元の空間に生きている。

ところがここにもう一つベクトルがあるといったらどうだろう?ビックリするかい?そのベクトルとは時間ベクトルだ。

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この世界には時間と空間があるというのは誰もが実感できることだと思う。そしてもちろん時間ベクトルと空間ベクトルは足すことができる。それを時空ベクトルと名づけよう。

そしてこの時空ベクトルの長さは常に一定なんだ。ではどの長さで一定かというと光の速度のベクトルの長さと同じなんだ。なぜならば、一番はじめの実験で明らかになったように光の速さは変わらない、絶対のものだから。ここまではOKかい?つまり、タテベクトルとヨコベクトルと高さベクトルと時間ベクトルを足した長さは常に一定で、その長さは光の速度ベクトルの長さと同じなんだ。俺たちは時間と空間を光の速さでぶっ飛んでるといっていいんだ。

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じゃあもし、空間ベクトルを伸ばしたら、時間ベクトルはどうなるだろうか?全体の長さは一定だから空間ベクトルが伸びた分だけ時間ベクトルは縮むはずだ。同じようにもし時間ベクトルが伸びたら空間ベクトルは縮むはずだ。

じゃあ伸びるとか縮むってどういうことだろう?空間ベクトルの長さが大きくなることは空間をより速く移動することだ。つまり、空間を高速で移動すると時間の進みが遅くなるってことだ。

まじかよ!って君は思ってるかもしれない。でも実はこれは実験で明らかにされていることなんだ。

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実は宇宙空間をマッハ20とかで飛んでいるスペースシャトルの中と、地球上で静止している俺たちの間では進む時間が違うことがわかっているんだ。スペースシャトル組のほうが空間を速く動いているから、時間の進みは遅いんだ。

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じゃあ光より速く空間移動したらどうなるだろう。上の図を見て欲しい。赤が空間ベクトル、青が時間ベクトルだ。

赤いベクトルが光の速さよりも長くなったら、青いベクトルはマイナスになる。逆向きに伸びるようになる。時間を逆向きにいくってことは過去に行くことだ。つまり過去に行くタイムマシンを作ろうとしたら、光よりも速く移動できる乗り物を作ればいいってことなんだ。

でも実はもう俺らは過去を今みることがある。
今はお日様がでているかい?太陽を観てみよう。地球と太陽は光の速さで8分間離れているから、太陽を観たときに君の目に届いた光は8分前のものなんだ。もし今が夜だったらなおいい。星はそれぞれ地球との距離が違って、中には1万年前の光が今届いているものだってあるんだ。だからを見るということは様々な時間を同時に見ることなんだ。これを生物学の言葉では異時性(ヘテロクロニー)というんだけど、星空はヘテロクロニーを知るには格好のモデルだ。

これがアインシュタインが相対性理論で話したことだ。光の速さが絶対で、時間と空間は相対的なんだ。

アインシュタインはもう一つ面白い理論を数式の形で残している。それはE=mc^2というものだ。エネルギー(E)は質量の減った分(m)に光の速さの2乗(c^2)をかけたものだということだ。

つまり物質はエネルギーに変わるってこと。油を燃やしたら熱エネルギーが生まれるように、すべての物質はエネルギーに変えられるんだ。そしてそのとき物質は光の速度の2乗倍になるってことなんだ。面白いよね。面白いけど、これを悪用すると原子爆弾とか作れちゃうから俺たちは注意してこの理論を使わなければならないんだ。

ところで、頭の中に一枚の画用紙を思い浮かべて欲しい。そこに赤鉛筆で一本の直線を引いてみよう。

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この線はタテかヨコかは自由だけど一つのベクトルだ。だけど、その線によーく近づくと、だんだん厚みがあることに気づくと思うんだ。遠くでは線だと思っていたものが近づいてみたらタテとヨコと高さを持った立体だってことに気づくはずだ。

これは何かというと、さっき俺はタテとヨコと高さを足すことでまとめて空間ベクトルだといったけど、これと同じように遠目では一つのベクトルにまとまっているようでも近くに行くと複数のベクトルがまとまっていることがあるってことなんだ。さっきの色鉛筆に変えてもいい。画用紙の上に色鉛筆を置いて、それを100メートル上空から眺めたら下手したら線どころか点にしか見えないかもしれない。

と、いうことはさ、今俺らが一つのベクトルだと思ってる「タテ」とか「ヨコ」とかも近づいてみると複数のベクトルがまとまっているかもしれないじゃないか。さっき俺らは4次元の世界に生きているといったけれども、次元の数はもっと多い可能性があるわけだ。

これは「超ひも理論」という物理学の学説が唱えていることで、今は11次元くらいまではあるんじゃないかって説もあるそうなんだ。ただ、そのベクトルの性質はまだわかってないということだ。性質ってのはベクトルの傾きのことだから、ベクトルがどう傾いてるのかまだわかってないということなんだ。今分かってるベクトルはタテ、ヨコ、高さ、時間の4つだけだ。

ここからが俺のオリジナルなんだが、俺は実は第5のベクトルの性質は「精神」なんじゃないかと思ってる。意識といってもいい。だって俺たちはみんな精神を持っているだろう?ヨコとタテと高さがない、つまり立体でない人間はいない。同じように時間軸がない人間はいない。だからベクトルがある。同様に俺たちは意識を持っているだろう?精神を持っているだろう?ならば精神のベクトルもあるはずなんだ。あるものはあるんだ。
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もちろん、空間と時間と精神のベクトルの長さの合計は光の速さで一定だ。だから、俺たちは光の速さで時空と精神をぶっ飛んでるといっていいんだ。

と、いうことはさ、精神ベクトルが伸びたら時間と空間が縮むよな。

想像への旅10 唯光論_c0002171_631821.jpg「楽しい時間は速く過ぎる」とか「めんどくさい時間は長く感じる」とかってない?
俺は楽しいときってきっと精神ベクトルを高速で移動しているときだと思う。だから精神ベクトルが伸びて、時間ベクトルが縮むから短く感じるんだ。逆にめんどくさいとか辛いときって精神が遅くなってしまっているから相対的に時間ベクトルが長くなってしまっているんだ。

他の例えをしよう。「あの人、年の割には気が若いよね」とかって思うこと、あるんじゃないかな?
それは、そういう人は楽しく人生生きてるから精神ベクトルが長くなっちゃって時間移動の長さが小さいんだ。

もっと別の例えをしようか。ドラゴンボールに「精神と時の部屋」ってあるだろ?その部屋に入ると外では1日なのに中では1年の経験ができる。

つまり、精神と時の部屋の中では精神ベクトルの速度が普段の365倍になるから24時間で一年分の精神移動ができるんだ。

そう考えれば、ずっと年を取らないでいたいと思ったら、なるだけ時間ベクトルを移動しないようにすればいい。空間移動と精神移動にエネルギーを費やせばいいんだ。

人にその瞬間に与えられているエネルギーは誰しも同じだ。光の速さのエネルギーが平等に与えられているんだ。だから、その使い道をうまく使うことが肝心なんだ。

ところで、ここまで話してきたことって全部光に関係していることだよね。
時間も、空間も、精神も光エネルギーだ。E=mc^2ならば物質だって光なんだ。

ってことはさ、すべては光でしょ。この世のすべては光かもしれない。
だから俺は唯光論を唱えたい。ただ光があるんだ。
この世を何で説明するかって太古の昔から考えられてきたことで、古くは地水火風といってこの世は土と水と火と風でできているって言われてた。最近ではこの世は原子でできてるっていわれてて、ごくごく最近では原子は陽子電子中性子でできているっていわれてる。
でも俺はもっと先、もっと細かく見ていったらこの世は光でできていると思うんだ。すべての最小単位は光で、光ですべてが説明できるんじゃないだろうかと俺は思っている。

この考えだと、俺たちも石ころも光なんだ。生物と非生物は連続する。
要は精神ベクトルの大きさが大きいかどうかの話だから。今の俺たちには観測できないけど、石や山にもごく小さな精神ベクトルがあるかもしれない。だって俺らも自然もすべて等しくだから。

また光は情報になる。視覚情報になる。色がある。光ファイバーを通してインターネット上の情報になる。

情報ってのは意見であり、思想であり、知識であり、知恵だ。

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「光の三原色」って知ってるかな。もし知らなかったら家にあるテレビに目を近づけて欲しい。チカチカするかもしれないけど、赤と青と緑の光が点滅していることがわかるだろう。

すべての色は赤と青と緑の3原色でつくることができるんだ。

ならば、意見も3つものでつくることができるはずだ。それは主張とデータと価値観だ。

同じように知恵も3つもので構成されているはずだ。それはセンス(想像力)と歴史と理論だ。

光に色がついているなら、思想には色がついているはずだ。例えば共産主義は赤色だとか言われる。俺の思想は青かもしれない。君の思想は緑かもしれない。

でもさ、俺はこの世で一番バランスのいい色は白だと思ってる。なぜなら赤と青と緑の光を同じ強さで照らしたら光の色は白くなるんだ。

だから俺は自分が今何色に輝いているかを知る必要がある。君は自分が何色に輝きたいかを知る必要がある。自分の今の色が分かって、将来なりたい色が決まったら、光を足していくんだ。俺たちは掛け算をする必要も割り算をする必要も引き算をする必要も無い。ただ足していけばいい。

一番オススメなのは一旦白になってからまた目指す色の色を作ることだ。そうするとやりやすいと思う。シンプルで俺はこのやりかたがスキだ。

情報、感情も情報だろうか。感情も光で表せるならば感情はベクトルで表せるはずだ。
もしベクトルだとすれば、俺たちは自由自在に感情の性質を操れることになる。

なぜならベクトルの性質とは傾きで、ベクトルの傾きは掛け算で操れるからだ。

いい例としてaikoの『桜の時』にこんな歌詞がある。

降ってくる雨が迷惑で しかめっ面したあたしに 雨上がりの虹を教えてくれた ありがとう

降ってきた雨が迷惑でしかめっ面のネガティブベクトルをもったaikoに彼氏が「でも雨上がりには虹が見れるんだぜ」といったら「ありがとう」というポジティブベクトルに変わってるだろwww!

言葉は掛け算だ。

もっとアカデミックな話をすると「つり橋効果」というものが実験で確認されている。

双子の兄弟が街中とつり橋の上で同じようにナンパしたら、つり橋のほうが成功率が高かったそうだ。

これはつり橋の上で感じた恐怖のドキドキを恋心のドキドキと勘違いしたためと考えられている。

これをベクトルで言えば恐怖ベクトルに「ねぇ彼女、お茶しない?」と言葉をかけて恋心ベクトルに角度を変えたんだ。

これはちゃんとしたアカデミックな実験だから、俺の言ってることがそうそう間違ってない証明にもなると思う。

なぁ、、、、俺、もしかしたらこれでノーベル賞とれるかもわからんぜwwwwwww
もしそれが駄目でもイグノーベル賞は欲しいなwwwwwwwwww


どこでも行ける きっと行ける 赤から黄色 白から黒へ 願いよかなえ いつの日か そうなるように生きてゆけ 僕は僕に 君は君に 拝みたおして 笑えりゃいい -B'z  『ねがい』


夏目漱石 『夢十夜』 第一夜
ブライアン・グリーン 『エレガントな宇宙』
リュック・ベッソン 『フィフス・エレメント』
湯浅政明 『マインド・ゲーム』
スクウェア 『クロノ・トリガー』

図解 人類の精神ベクトル(pdf)
図解 アミニズムの発生(pdf)
未知の第5の元素(ねたミシュラン)

上原ひろみ 『タイム・コントロール』

RADWIMPS 『有心論』
かわぐちかいじ 『COCORO』
小沢健二 『ある光』

10.10 虹の彼方へ
10.16人生を何で測る?
11 全てはベクトルになる
by wavesll | 2007-07-12 14:42 | Comments(5)
Commented by Hajime at 2007-07-12 16:40
なるほど。これは素直に納得できます。
定量的には量れないですけど、確かに経験とかと照らし合わせると結構当たっている気がします。おもしろい!

あと相対性理論の簡潔な解説がすばらしいです。これまでぼんやりとしか捉えられていなかったのが、かなりすっきり理解できました。

楽しい記事をありがとうございます!
Commented by nsk at 2007-07-12 19:15
おもろい。

精神ベクトルに関して私論。「頭の働きの強さ」だと思った。脳神経学的だとシナプスに通る電気信号の動きの到達が長いか短いか。それだと忙しすぎる仕事も短く感じるのも納得。

つり橋。行動が先か考えが先か。予想GUYなことに、人間は行動が先らしい。つまり心臓が動いてから、好きになるということを逆手にとった戦略だと思う。ただし専門家じゃないのでこれも私論。「ユーザーイリュージョン」って本に詳しい。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4314009241/

あとは言葉は掛け算という公式を用いてどんどん結果を出していってほしいと思います!!
Commented by wavesll at 2007-07-12 19:55
>Hajimeさん
ありがとうございます!
相対性理論に関しては参考文献の丸パクリですwwwwww

>nsk
ありがとう。俺は精神ベクトルの長さって脳年齢の若さだと思ってるんだ。
Commented at 2007-07-12 21:31
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by wavesll at 2007-07-12 22:03
だろ☆w
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