1 Intro
2 3つのアイディア
3 裁定とトレードオフとカードダス
4 メディアとネットワーク
5 知識と知性
6 構造で理解する
7 鴎印の調教術
さて、これまでのところはOKかい?最初の「情報は運用しろ」「偉くなったら終わりだ」「ネガポジ反転させろ」から始まり、情報の価値は裁定とトレードオフとロングテールで説明できるというところ、情報を扱うには知性が必要で知性とは「探す」「理解する」「伝える」ことなんだという道のりを俺たちは歩いてきたんだ。振り返ってみたら結構遠いところまで来ただろう?
また新しいトビラを開こう。この扉の鍵は創造性だ。
今まで知性というものを見てきたけれども、実は知性とは別のメカニズムで働いているものがある。それは創造性だ。
だってさ、知性では新しいものを生み出せないでしょ。確かに伝導率は高められるかもしれないけど、新たな熱を発することはできない。そこで新しい熱を創り出しているのは創造性というメカニズムなんだ。
創造性は何か?俺は創造性は化学反応だと思う。カタカナで言ったらケミストリーだ。
君は
『BECK』ってマンガを読んだことはあるかい?BECKっていうバンドの話なんだけど、あいつらは
ライヴのとき自分達がスパークしていることをケミストリーという言葉で語っているんだ。
ケミストリー、化学反応とは何か。化学反応とは異なる化学物質がぶつかって反応が起きて別の化学物質になることだ。
二酸化マンガンに
過酸化水素水をかけると
酸素が発生するんだ。
じゃあ化学反応しきったら、化学物質Aと化学物質Bが全部反応して全て化学物質Cになって安定したら?そうなったら化学反応は終わる。ケミストリーは終わるんだ。
多くのバンドが解散前にソロ活動するのはこのためだ。化学反応の勢いが落ちてきて(勢いが落ちることを経済学では逓減(ていげん)と言う)、バンドでつるんでもクリエイティヴじゃなくなった。だからそれぞれバンドの外に出てそれぞれの個別の時間を過ごして化学反応して、化学物質を変えて、また後に一緒になったとき、つまり1年後か2年後か、とにかく時間軸を移動した後でまたバンドで化学反応を起こせるようにするためにバンドはソロ活動するんだ。
でも大抵は、ソロ活動の期間が短かったためにまたバンドやってもあんまり化学反応が起きないで(つまり限界効用が逓減しているから)バンド解散になっちゃうんだ。
化学反応ってことはつまりは創造性とは化学物質と化学物質の組み合わせの問題だと言うことだ。あまりない(あまり化学反応してない)組み合わせを作ればクリエイティブだということだ。
たとえば地元の商店街に金髪の黒人がいたとする。これ、新しいでしょ?創造的でしょ?商店街に黒人がいるのもめずらしいっちゃめずらしいけど、しかも金髪っていう化学物質まで組み合わされてるからw
結局創造性ってのは
組み合わせなんだ。ニコニコ動画とかのマッシュアップ作品が面白いのもこのメカニズムだ。
こんなことをいうと
『創世記』とか信じてる白人が「お前らは組みあわせで7を10にできるかもしれない。でも我らが全知全能のGODは0から1を作ったんだぞ」というかもしれない。
でも、
神様なんかいないんだ。
この世に0から1が、無から有が生まれたことなんか一度も無い。
現代宇宙物理学が唱える学説の1つに
ビッグバン(大爆発)理論がある。あるとき宇宙は爆発して、今も拡大しているらしい。ちなみに
今は爆発してから137億年くらいたってるんだってさ。
じゃあ君は
ビッグクランチ(大収縮)理論を知ってるかい?あるときまで宇宙が膨張したら、伸びた
ゴムが縮むように今度は縮むんだってさ宇宙はw
でもさ、
ゴムは縮んだって0にはならないだろ?ある程度まで縮んだらまた伸びるんだよ。その長さとは
プランク長さだと考えられている。
だからこの宇宙は永遠にビッグバンとビッグクランチを繰り返しているんだ。という学説があるんだ。この場合0になることはない。常にあるものはあり、無いものは無い。0から1が起きたことはこの世に一度も無いんだ。
例えば素晴らしいアーティスト、
パブロ・ピカソや
アンリ・マティスだって親に言葉を教えてもらいお母さんから
おっぱいをもらってるんだ。
あの偉い発明家も凶悪な犯罪者もみんな昔子どもだったんだぜ?
俺たちの体はお父さんとお母さんの2つの
遺伝子が
減数分裂と言うやり方で
マッシュアップされたことなんだ。全ての創造性は組み合わせなんだよ。
じゃあこの後は創造的に生きるにはどうすればいいのかを見てみよう。
手塚治虫 『ばるぼら』
池田敏春 『鍵』
三谷幸喜 『王様のレストラン』
佐野 洋子 『神も仏もありませぬ』
9 まわりはさすわぬ人ばっか。少し気になった。