精神ヴィールス

Deep Forest 『Sweet Lullaby』
弟よ、弟よ泣なないで、泣かないで
君が泣いている間、誰が君を背負ってると想う
誰が君の身なりを整えてると想う 僕達は今や孤児じゃないか
嶋が死んで 彼らの魂が僕らを見守り続けている
そのおかげで 僕らは知恵と生きる場所を戴けたんだ

弟よ 庭にいる弟よ
この子守唄は違った庭まで続いているよ
嶋が死んでから 彼らの魂が僕らを見守ってくれているんだ

Sasi sasi ae ko taro taro amu
Ko agi agi boroi tika oli oe lau
Tika gwao oe lau koro inomaena
I dai tabesau I tebetai nau mouri
(repeat x 3)



時任三郎ら3人がカナダの嶋をシーカヤックで旅する番組を観た。
この嶋には、自然の循環を活かして生かされてきた原住民が、圧倒的な力を持つ西洋文明と出会い、それに魅了された結果、皮肉にも西洋人が持ち込んだ天然痘によって壊滅の危機に瀕したという歴史がある。

その後この嶋の主人となった西洋人は鯨油を燃料としてさらに版図を拡大していく。

こういう話をするといつも白人が悪者に聞こえてしまうが、それだけではないはずだ。時任たちはシーカヤックの旅で肉体的精神的に限界を乗り越え、絆を深め成長していったことが感じられた。そこには感動があった。18世紀にこの嶋を訪れた船乗り達の心にも素直な感動はあっただろう。

それに、なんといっても便利なものは便利なのだ。「伝統的な暮らしの尊厳を守れ!」と声高に叫んでも、「近代的な自由な暮らし」に勝るメリットを示さないと誰もついてこない。マサイ族もケータイを使うこの時代にいくら情緒があったって、今さら日本人全員がパソコンも使わずちょんまげを結う暮らしをするとは想えない。

そういった意味で、「文明を知ること」その土地の精神にとっての一種のウィルスだ。精神が書き換えられてしまう。堅牢で華麗な文明ほど影響力は大きいし、温厚で柔軟な民族ほど免疫力は低い。さっきは西洋文明の広がりを肯定したけれど、俺も消えゆく文明をみるとどうにも悲しくなる。

文化にも遺伝子的なメカニズムがあるという考えを発展させて書かれた小説に『リング』がある。この中ではビデオテープが一種のRNA遺伝子と捉えられ、それが人間にウィルスとして作用する。

『リング』の中で採用されている進化の説は、おそらくウィルス進化論だろう。DNA等の遺伝情報がウィルスに感染することよって一部が壊されたり、書き換えられることで生命は進化してきたという説だ。また「呪いのビデオ」自身も、内容が改変されることで突然変異するという設定になっている。

文明というのも相互に書き換えあうことで進化してきたと俺は想う。古代ギリシャの知恵がアラビア世界に渡り、それがルネッサンスヨーロッパに回帰し、大航海時代を通して地球中に人間中心主義が広められ、そして今人間も自然の一部という生き方をしてきた人々の思想が世界に揺り戻されつつある。文明においても作用と反作用が存在し、お互いがお互いを自分のウィルスで塗りつぶそうというパワーゲームが行われているのだろう。

『らせん』の中で明らかにされたリングウィルスの正体、全人類の貞子化『ループ』の中では一元化のリスクとして描かれている。山村貞子にだけかかるウィルスが作られ彼女達は滅ぼされるのだ。そういうえば彼女も確か天然痘の患者だった気がする。

リスクヘッジのためにもプレイヤーの多様性は保たれるべきで、そのためには文明絶滅を起こさないように、強者が弱者の声に耳を傾ける努力をすることが必要なのだろう。


Asian Kung-Fu Generation 『リライト』

まぁ、俺みたいなキチガイに全身全霊を出せなんていっちゃ駄目だよwwwwww

銀杏BOYZ  『あいどんわなだい』
by wavesll | 2007-10-27 10:21 | 私信 | Comments(0)
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