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Columbus in Standalonecomplex 『コロンブス航海記』

Bump of Chicken 『Sailing day』


ここ数日『コロンブス航海記』を読んでいた。Cristóbal Colónの記した航海記をBartolome de Las Casas神父が要約したものだ。

コロンブスの航海は色々なことを教えてくれる。人生において自分のなすべきことをどのようになすべきかを教えてくれる。

彼は当時かなりの先端科学だったトスカネリの地球球体説に基づいて、東回りでなく西回りで香辛料の国インドと黄金の国ジパングに行こうとしたんだ。

当時の船乗りの多くは地球は平らで、世界の果てから海の水が滝のように宇宙に落ちていくと想っていた。だから航海が進むうちにだんだん不安が広がって、反乱が起きそうな不穏な空気が流れ始めたんだ。

そこでコロンブスは航海図に実際より短い距離を書き込んで、余り進んでないように船員に想わせたんだ。うまいよな。

コロンブスがインド人だと想ったのはカリブの島々の人々だった。彼はインドにキリスト教を広めてスペインの植民地にしようと考えていたのだけれども、実にうまいやりかたでやったんだ。

それは、とにかく向こうの人々に優しくして、自分たちが悪い人間ではないと想わせることだった。向こうからもらえるもの以外は何も奪わず、向こうが与えようとしたときも必ずこちらのものとの交換にしたんだ。

まず心を掴んで懐柔することから支配を始めることは冒険を続ける上でも非常に上手い戦略だった。それにカリブの人々は白人のことを天からの使いだと想ったから、何でもくれたんだ。

彼の第一の航海はこうして大成功のうちに終わった。

しかし、第二の航海で再びカリブに訪れると、島に残しておいた船乗り達は皆殺しにされていた。
それは、欲深い部下達は先住民に金を採らせるために過酷な労働を強いたり、女を犯したりしまくったからだ。先住民は「この人たちは天からの使いではなくて、我々以下の醜い人間だ」と想ったのかもしれない。幻想は崩れ、温厚な人々の心に憎しみが芽生えたんだ。

また、コロンブスにとっても誤算だったのは、彼が想っていたほどカリブには黄金は埋まっていなかったことだ。そのため、一緒に乗ってきたスペイン人達の欲を満足させるものではなったんだ。

またコロンブスを含め彼らは「自分たちの科学とキリスト教の理論は最高だ」という自尊心に溢れていたから、極めて無邪気に先住民の文化を軽視し、破壊したんだ。ここら辺はラス・カサス神父の著書に詳しい。

またコロンブスに目をかけていたイサベラ女王も死んでしまい、後ろ盾を失ったコロンブスは結局「総督」の地位も奪われ、死んだ。

あまりに最先端過ぎて誰も理解できないけれど自分が信じていることをやりきるためには、細心の注意と論理と、パトロンへの利益も用意した上で事を運ばなくてはならない。ゴールまでどんな手を使ってでもたどり着くように努力しなければならない。

またコロンブスと船乗りの部下、王様、女王、貴族、商人、先住民、それぞれがそれぞれの意思で生きている。そんな複雑な独立体の集合の嵐を沈没せずに渡りきるには、とにかく「その時やるべきことをやりきり続けること」が大事なのだろう。

しかし、真の問題はゴールした後、旅が終わった後だ。普通の日常、植民地の経営は幻想を打ち砕く。それはコロンブスにとっても、先住民にとっても。相手への幻想が砕かれたはずだ。

『あいのり』でできたカップルって、そりゃ旅をしてるうちは楽しくてロマンチックな気分になるだろうけれども、それが「日常」に戻って安定しても、幻想って続いているのかな?

この世で最も難しいことは、普通の日々で普通のことにいかに心をときめかせるかという問題だと想うんだ。


エレファントカシマシ 『普通の日々』


でももし退屈な普通が嫌で嫌で、でもジタバタぐらいしかできないんだったら、ジタバタしようぜwwwwwwジタバタすれば風くらいなら集められるかもしれないぜ。


はっぴぃえんど 『風をあつめて』
by wavesll | 2007-10-31 23:22 | 書評 | Comments(0)
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