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Tash Sultana 金属的な艶のあるGuitarを始めとしたMulti奏者なSSW

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Tash Sultana en Lollapalooza Chile 2018 (Live) | Concierto Completo (Full Show)


今年もストリーミング放送されたCoachella.
私は日曜に土曜日の中継を主に観たのですが、去年にHans Zimmerが魅せてくれたような特別な瞬間は、今年も勿論Nile RodgersやDavid Byrneといった大御所も素晴らしいステージをみせてくれたのですが、何と言ってもBeyonceのStageでしたね。

超弩級な質・量、ブラスでP-FUNKやらなんやら全米の熱量を全部かっこんだような音とダンス、ダンナも出るは妹も出るは最後はディスティニーズ・チャイルド再結成でこれに匹敵する感動はもはやバーフバリ・レベル。圧倒されました。

そんなレジェンド達の中でキラリと輝きをみせてくれたアクトがこのTash Sultana.

オーストラリア・メルボルン育ちの彼女はバスキングから音楽キャリアを始めたそうです。そんなキャリアもあってか人を魅せるライヴパフォーマンスは絶品で、ギターで弾き語りもすれば、ヒューマンビートボックスもすれば、シンセ、サンプラーはてまたトランペットにサンポーニャまで披露!豪の者っぷりを思う存分魅せてくれて。

そして幹となるギターが金属的な艶のある響きで、そこにエレクトロニクス等の浮遊感のある音、さらには少し掠れた霊性を帯びたヴォーカルが入ることで何とも素晴らしい音像が起ち上がっていて。これはめっけものでした。

来日してほしいなー。苗場か、WWW辺りでみれたら最高な感じ。Blue noteとかもありかも。馳せ参じたいミュージシャンがまた増えました◎


by wavesll | 2018-04-16 22:10 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Gutevolk, Cicada, 角銅真実, marucoporoporo live at Vacant "FOUNDLAND"

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VACANTにて"FOUNDLAND"というライヴ・イヴェントをみてきました。

一組目はmarucoporoporo, この会を知ったのも、Sonar Musicでくるりの岸田がmarucoporoporoを紹介しているのを知って調べたからで、お目当てのアクトでした。


このライヴではギター弾き語りで、赤ワインに酔いながら聴いた音像は荒原を吹き渡る風の聲、ギターを横にして弾いた闇と光の聲。大いなる自然から発せられるような、ラージ・スケールな音楽を聴かせてくれました。

次に出てきたのが角銅真実。ceroのサポートなんかもしている彼女をみるのはタワレコでのインストアライヴ振り。

角銅真実 石若駿 西田修大 ▶︎ October.20

本日はソロ。最初はふわぱしっとグロッケンを叩いて、そこにラジオ音源?を入れるエクスペリメンタルな出だし。中盤からヴォーカルとウクレレ、シンセが入り、自由さと神秘さが遊ぶ唄と演奏が良かった。たった30分でしたが世界観に惹き込まれました。

3組目は台湾から来た室内楽コレクティヴ、Ciada

Cicada – 等待再一次躍出水面 Dolphins Leap 《不在的你們都去了哪裡》White Forest

ブルックリンのyMusicにも通じるようなIndie Classicalな音像。イルカなどの台湾の自然にインスピレーションを受けた楽曲は、例えばAnti原発であったり、『White Forest』というアルバム名は珊瑚の白化現象であったりとメッセージ性の強度もありました。

そして弦楽器の音の気持ちよさ。ヴァイオリンの音が素晴らしく、ギターも印象的で。鍵盤もコントラバスもビオラも素敵でした。好いアンサンブルのツヤでした。

そして愈々鳳、Gutevolk.


Gutevolk - Antenna

『グーテフォルクは水の中』や『グーテフォルクと流星群』を大学時代聴いてエレクトロニカ・ポップの世界に目覚めさせ浸らせてくれた彼女、”まさかここでみれるとは…!”と嬉しく想っていました。

幻想的な楽曲群の綺麗さと、トンガリきさくなご婦人なMCとのギャップに軽く驚きつつも最初と最後に演奏された"Picnic"等のライヴを楽しみました。「私の好きな楽曲で」と言っていた曲、自分も好きだったなぁ。シンセの一人はex森は生きているの谷口君でした。

EN一曲目のカラオケでの「Antenna」がファンタスティックで、あの頃の甘酸っぱい想いが湧きあがりました。

これでも200分を越えるイベントでしたが、もっともっと一人一人の世界観を聴いていたいと想わせる良メンツのイヴェントでした。

by wavesll | 2018-04-15 07:47 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

DAOKO presents 『チャームポイント』@LIQUIDROOM

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恵比寿Liquid roomにDAOKOの自主企画イベント『チャームポイント』を観に行きました。

楽しい夜でした。青碧の火の玉のような、Youthの光と熱。

最初に出てきたAAAMYYYはTempalayのサポートの娘のバンド。サイケデリックロックなエレポップも良く、最後の曲「BLUEV」が打音がかっこいいばかりか呂布が入った瞬間がすっげーアオハルを感じて。

SUSHIBOYSのサイコーっぷり。初っ端の「KUNG FU」から沸く沸く!前からライヴをみてみたいグループで、音源のメロウな感じから生ではかなりアッパーにがんがんに騰げてくれました。「軽自動車」「ダンボルギーニ」「OMG」「ブルーハワイ」と聴けた。このハチャメチャにヌケがいいノリに理由のない楽しさや勢いがエネルギッシュで好いなぁと◎サビのメロディのとこをよりアッパーに発しかませたらさらに最高になりそう。最後はメッセージソング「問題ねぇ」も。

King Gnuは拡声器とクリーンのツインボーカルだったとは!「Tokyo Rendez-Vous」はSonarMusicで良くかかっていたけれど映像はみてなかったのでVoを1人でやってると想っていたから意外で面白かった!キーボードがちょっとおどけた味もしてたなぁ。こういうサウンドだったのか。フロアからは黄色い歓声も。

そしてDAOKO! 「チャームポイント」で光のボールを持ってファンタジックなオープニング。そこから「BOY」「同じ夜」、「FASHION」という昏い歌達。「BOY」の映像との相まりがとてもエモくて、「同じ夜」を聴けたのは嬉しかったなぁ。プロジェクションマッピングとは違うけれど映像を纏ったDAOKO, 美しかった。

そこから「水星」。これが心に沁みて。音源よりも生がとても良くて。さらに「ShibuyaK」「ステップアップLOVE」、これらのメジャーチューン、フロアで聴くと低音が効いてそこにDAOKOの声の対比がめちゃ良くて!すっげーいいじゃんと。DAOKOはベッドルームミュージックなイメージが強かったけれどフロアがんがんいいじゃないかと目から鱗でした。

そこから「BANG!」と「Juicy」という激カワな2曲。MCの生声もキュートでした。(ちなみにライヴ前の場内アナウンスも多分DAOKOだったのでは)。個人的な白眉は「BOY」かENの「ワンルーム・シーサイド・ステップ」。バンドアンサンブルと共に綺麗な感傷に浸って。そしてラストは「打上花火」で大団円。

欲を張れば「拝啓グッバイさようなら」聴きたかったなぁ。まだまだ食い足りない!サマソニでBECKとコラボしてくれそうなの楽しみ。等身大のYouthful Luxと今のDAOKOの感覚が伝わる朱夏の自分には眩ゆいShowでした。

by wavesll | 2018-04-11 05:43 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

音楽歳時記 花祭は5杯のThe Moments







タモリ倶楽部でみうらじゅんがケーキまで発案し盛り上げようとしたお釈迦様の誕生日を祝う花祭、と言えば甘茶…という琴でこの楽曲群を◎

by wavesll | 2018-04-08 22:05 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

地中海音楽への誘い Futuro AnticoそしてLino Capra Vaccina 、イタリアン・アヴァン・ロックからの派生形

Futuro Antico ‎- Futuro Antico (1980) FULL ALBUM

Youtubeをかけっぱなしで寝て、未明に流れていたのがこの奇妙な、まるで尺八のようなフルートが吹き荒ぶニューエイジ・アルバムでした。

ユニオンによるとミラノが生んだゴッタ煮民族アンサンブル・グループAKTUALAのメンバーとして知られるWALTER MAIOLI、同国は PASCAL COMELADEやCHRISTINA KUBISCHなどのリリースで人気の名門地下レーベルADN在籍のアンビエント作家で DOUBLING RIDERSへの参加も知られるRICCARDO SINIGAGLIA、そして南アフリカはブルキナファソのギター奏者 GABIN DABIREの3名によってい結成されたFUTURO ANTICO。のカセット作品ということ。

中盤からはさらに音像が妖しくトロピカル具合を増していって。多文化が混ざり合いながら複雑でありながら星間飛行のような変幻自在の道を示すサウンドに心奪われました。

そこから更にYoutubeがSuggestしたのがこのアルバム。


鉄琴のコロコロした音からSpiritualな聲が挿入っていく美しい深みを顕わすこのアルバム。精霊と交感するかのような音像に心ときめいたのですが、Meditationによるとこれも民族音楽を駆使したイタリアのアヴァン/ジャズ・ロック伝説Aktualaの一員、パーカッション奏者のLino Capra Vaccinaによる78年1stとのこと!

と、なると俄然聴きたくなってくるのがAktualaの一枚。Webで検索し中近東や北アフリカの民族音楽にフリージャズやサイケのエッセンスも加えた個性豊かなイタリアン・ロックと聴いて開いたのがこのアルバム。


うーん、確かに民俗音楽色が強くて好みではあるのだけれども、ex Aktualaな盤達の方がより先鋭的に感じて自分は好きな感じでした。

今回参考にしたプログレ嫌いなロック・ファンにこそ聴いて欲しいイタリアン・ロック・セレクション!(カケハシレコード)を取っ掛かりにイタリアン・プログレやギリシャ・北アフリカを中心とした地中海音楽をディグって行くのも楽しそう。今までイタリアの現行音楽にはどうもいなたさを感じてとっつきづらかったのですが、最近オルタナ80s邦楽に嵌ってきていることもあり趣味やモードが少しづつ広がったり変容してきているのかもしれません。

by wavesll | 2018-04-07 14:43 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

ひょっこり - 楽しい音楽 カッコつけないでかっこ悪くてかっこいいことを究めたアルバム


2018年1Qのマイブームは
と、(私にとっては)オルタナティヴな80年代邦楽の発見でした。この ひょっこり - 楽しい音楽 もそんな中で見つけた一枚で。

不穏なテクノ 観光的アニメ 童謡ニューウェイヴ 1980年、美学校・赤瀬川原平教場出身の加藤良助(現・加藤良1。キューピーたらこソースを手掛けたCMディレクターとして知られる)を中心にした不定形ユニット。吉川洋一郎(戸川純&ヤプーズなど)を演奏メンバーに、あがた森魚がゲスト参加した8インチLP『やっぱり』が、霜田恵美子(表)と蛭子能収(裏)による印象的なジャケットということも相まって1983年、インディーズチャート1位になるなどスマッシュヒット。エフェクターを通した女性ボーカルや凝った音作りが特長。後に、日本のレジデンツ、デアプラン、としてカルト的な人気を博す。
とのこと。確かにResidentsは分かる気がする。ほんとうにストレンジな音を鳴らしてくれています。

そして醸されるユーモラスな音。このアルバム、見付けたのは大分前なのですが、何しろ長さが3h40m越えで、しかもかなり聴くのに集中力を使うものだったので、休みながら聴き聴きしていたのでした。

それでも、終盤でとても芳醇な文学世界をみせてくれて。今、丁度人生の曲道だったもので、心が掬われる聴験となりました。カッコつけないでかっこ悪くてかっこいいことをこんなにも純粋に究めたアルバム。出逢えてよかったです。
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by wavesll | 2018-04-05 20:23 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

春にほころぶ蠢く3盤 Criolo, The Sign of Four & Oumou Sangaré

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櫻も南関東でも満開となり、春本番。個人的には花粉症の一番つらい時期も抜けて、これから温かい季節が楽しみな今日この頃です。

ところで皆さんは「春の音」と聴いてどんな音をイメージされますか?春の海?或いはヴィヴァルディ?結構爽やかな音なのではないかなと想ったりします。

ただ、何となく私は春というと「春になったなぁ」でもないですが、ちょっと可笑しな感じというか、ポーっと変なゆるさから蠢きが巻き起こるイメージがあって。このエントリではそんなイメージの3枚のアルバムを載せたいと想います。


いきなり謎ジャケw謎HIPHOPというなかれ、クリオーロはブラジルの新たなヒーローとも言えるラッパ-です。あのカエターノ・ヴェローゾも「ブラジルのポップ・シーンでもっとも重要な人物だ」と賛辞を惜しみまない存在だとか。

この何ともワンダーな音世界、この”蠢く”ってキーワード、お伝わりしているでしょうかw?ワールド・ヒップホップは近年気になっているところで、コーカサスな歌をサンプリングしているアゼルバイジャンのКаспийский Грузや京劇ラップのVIVAも印象的でしたが、Crioroは民族音楽という枠組みを越えて普遍的に好い音楽だなという印象でした。


The Sign of Four - Topsy Turvy - Jazzman Records - Release Date 1 April 2013
Jazzmanから2013年に現行音楽としてリリースされたサイケデリックなジャズバンド。この曲が入っている『HAMMER, ANVIL, STIRRUP』は何とも不思議な音世界で、電子音からシタールからオルガンから摩訶不思議な雰囲気がSo Good. またこのPVも変質的に蠢いていいですねw


Oumou Sangaré – Mogoya (full album – 2017)
最後に紹介するのはマリが誇る西アフリカのディーヴァのアルバム。マリというとハープの祖先とも言われるコラが有名ですが、このアルバムでもアフリカのワールドミュージックな味も楽しませてくれる上、極上のポップスとして素敵な音を聴かせてくれます。

個人的にはこのアフリカンな感覚は花々が咲き綻ぶ感覚に通じるというか、春になって命が蠢き始めるのを感じます。こういう音を聴きながら花見をすると桜というよりアーモンドをみている気になったりするかもしれませんね(笑)

ではでは、素晴らしき光のどけき春の日をお過ごしください◎

by wavesll | 2018-03-26 00:38 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Local 6 World / Klein Live at WWWβ

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Klein - gaz city

Klein - Arrange

Klein Live - NTS

Klein - Cry Theme

WWWβにナイジェリアン・ルーツのフリークアウトR&Bシンガー・プロデューサー、Kleinを観に行ってきました。
WWWβ自体初めてだったのですが、0:30Openで入ってみると”おお!こんなに小さいのか!?”という箱で。段々段々会場は人混みに。

最初に回していたHibi Blissも凄い気持ちよいバゴッとしたシズル感のある音を鳴らしていて。Rihanna - Workなんか上がって。その次にLiveをしたermhoiは音を鳴らしながら霊性に歌うスタイル。中盤の中国琴のような電子音の曲と、水音をぐわっと鳴らした音に本当に騰がりました。

そしてKlein、So Lovely! 超良かった。轟きの音場によってフラクタルな植物体のような或いはオブジェのような構造体がザワザワっと動的彫刻されて。ドバっと鳴るノイズが最高。そこにゴロした音塊が宙に配置され、そこに生歌が内在して。空間を自在に駆使しながら歌われる突き抜けた歌心に心昂揚させられました。

by wavesll | 2018-03-24 12:21 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

宇多田ヒカルのこれまでの作品で半生を聴いて

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ここ数日、宇多田ヒカルを聴いていました。
今までこの音楽の綺羅巨星のオリジナル・アルバムにきちんと向き合ってこなくて。

中高生の内は椎名林檎を聴いていた自分は、宇多田ヒカルさんとは異なる水脈をずっと追っていて。それでも活動休止前最後のライヴ中継を映画館でみたり、『Fantôme』収録の「忘却」を由比ガ浜で聴いたのは2016年のBest聴験でした。けれど何となく真正面からオリジナルアルバムを聴き込むことをこれまでしてこなかったのですが、Spotifyで聴けると聴きここ数日『First Love』から『Fantôme』、そして小袋成彬「Lonely One feat. 宇多田ヒカル」まで聴いていたのでした。この記事はそんな十代当時に林檎やブランキー、邦ロックに心酔し真正面から聴いてこなかった自分が今宇多田ヒカルを聴いた感想です。

最初に聴いた『Ultra Blue』は、まるで女の子の心の裡を覗き見てしまったような感覚があって。「そうか、宇多田はあまりに女の子的すぎるからあの頃は聴けなかったのかもしれない、中高の頃はエロくて破滅的な林檎に浸っていた」と想って。そこから『Heart Station』へ行った時に”うわ!女の子が女性として成熟している”と。宇多田さんのアルバムは、まさにその人生が凝縮されていて、存在そのものを味わうような気がしました。

そこから屈指の名盤とも評される『Deep River』へ。遠藤周作の『深い河』は私も大好きな小説だったので相当に期待したのですが、最初に出てきた感想は”おお!宇多田、若い!”というもので。純な心がストレートに出てきた名盤だと感じながらも最初に聴いた二枚での印象とさほど変わらない感じで。若い時分の感性を、今の私の耳では感じたのでした。

ところが此の『Deep River』、なんと19才の時の作品だと聴いて!19!?ありえない成熟振りに舌を巻きました。自分は宇多田さんの一個下なのですが、当時の自分なんかほんとに餓鬼んちょも餓鬼んちょだったなと。

そこから『First Love』と『Distance』を聴いて。そしてもう一度『Deep River』を聴くとこの巨大な才能が舶来の新たな隕石というインパクトから一皮も二皮も進化して日本の歌としてすっと入って来る様へとメタモルフォーゼしたのが感じられて。

宇多田ヒカルという人物が少女から女性へと変貌していくビルグンドゥスロマンとして彼女の作品は聴けて。彼女の人生の軌跡、彼女という存在そのものを味わうような藝術作品で。やっぱりアルバムという形で抽出されるのは素晴らしいものだと想いました。

またアルバムの中での楽曲の流れ・時系列とは別に宇多田ヒカルさんの曲はJ-POPとしてその時々の時代の想い出とリンクして多層のドラマの脈の中に位置づけられるのだなと。一人の女性の半生が日本で暮らしている内に私の人生で幾度も強く自然とアクセスしていたのだなと。鴨居の映画館で活動休止前ライヴのライヴビューイングをみて「このひと、何回生涯を生きてるんだ…!」と想ったのを思い出しました。

その上で聴く”人間活動”以後の楽曲群。『Fantôme』ではちょっとトロピカルハウスみたいな電子音が打たれたり、KOHHとのコラボで在ったり、「あなた」でもそうですがクリス・デイヴを起用したり、今回の小袋さんの音もJames Blake以後の音像が色濃く感じられ、現行の洋楽の音が奏でられていて。

しかしその上で非常に強く感じたのが宇多田さんの歌唱の力の増大で。『Fantôme』でも、メロディの脂身は減ったのに楽曲がさらに骨太に感じたのはその唄の力強さ故。「Lonely One」でももの凄い表現力の発露を魅せてくれています。

私は宇多田さんのライヴ経験は先にも書いたライヴビューイングでライヴにおいてもファンタジスタという印象があり、人間活動から復帰した後のTVでのライヴを聴いても凄味を感じて。ヴォーカルが活動休止前よりさらに真に迫る芯が発せられるというか。

椎名林檎とEMIガールズぶりにデュエットし、Kohhもそうですが自分の公式音源に他者の声を入れたのも歌唱の深化があったからではないかと想います。なんか、(勝手ながら)今の音の昇華というか、この先に『Deep River』が出たような時のような化け方にこれからさらに進むのではないかとちょっと想ってしまいました。

宇多田さんは年でいうと同世代なのですが、活躍が早かったのもあるし、精神の成熟で相当に先へ生かれている方で、寧ろ林檎と同期だなに感じるのが強くて。今改めて音源を通して彼女の半生に傾聴して、素晴らしい女性と同時代に生きてるんだなぁと静かに感動しました。そして、今までの自分の直線にはなかった音/人を受け止められるようになれたのは、俺も年を重ねて好いこともあるのだなと想ったのでした。

by wavesll | 2018-03-22 22:37 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

青木裕 / exit music

青木裕 Aoki Yutaka / exit music

いつか生で聴きたいと想っていた人でした。人を好きになるというのは、愛する人の死を体験するかもしれないことで、藝で、人柄でエナジーを沢山貰えたことにただただ感謝しながら、今はただただ、辛い気持ちがあります。

それでも、青木さんが生命・人生を込めて創った音の藝術が残されていて、円盤は時を越えて回っていくのだと想います。人の生は無常だから、だからこそ作品の永遠に心を込めて、聴き込み続けたいと想います。青木さん、安らかに…。

by wavesll | 2018-03-21 20:54 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)