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阿波の遊行 淡々とした中に血潮滾る熱っぽいBeatに未来への芽を感じるフィールドレコーディングの傑作

『阿波の遊行』
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本年度Best Albumは自分の中では此の盤。

鳴門出身の現代舞踊家で研究家肌の檜瑛司氏が四国には皆で歌い踊れる民謡はないのだろうかと、1968年、録音機とカメラを担いで現地調査に踏み出しました。すると、想像を絶する豊かな音と芸能の世界が広がっているのを知り、録音と岡本太郎ばりの多くの写真を20年間録り~撮り続け、膨大な記録を残しました。驚異的なフィールドワークによる数百時間のテープ。そのライブラリーの存在を音楽プロデューサー久保田 麻琴が知り選りすぐりのトラックをマスタリングしたのが、本2枚組CDアルバム(AHORA)

ワールドミュージックのフィールドレコーディングで面白さを感じるものの一つに、淡々としているようで血潮の滾りが感じられる盤という基準が私の中にあるのですが、本盤も滲み放たれる熱っぽいビート・ミュージックと謡に本当にヤラレて。失われし日本の原風景の音の記録という意味でも弩級のアルバムだと感じました。

久保田麻琴さんが関わる日本の民俗音楽の盤達のクォリティとコアさには舌を巻きますが、このアルバムは落ち着いた抑揚の中でずっと聴いていられる音楽的な快楽という面でも素晴らしくて、それはマスタリングによる音の好さもきっと大きく関係しているのだと思いました。個人的には『PATILOMA』等の南嶋シリーズに匹敵するくらい惹かれました。素の美味しさという意味では久保田さん案件ではないですが『アイヌ・北方民族の芸能』にも通じる魅力を感じました。

メロディーよりもビート、そして音のテクスチュアがより注目される時代、この感性であらためて日本の民俗音楽を聴くと寧ろ鮮やかに生き生きとした鼓動を感じることが出来て。いわゆるJ-POPがさらに上を目指すときにこんなかっこいい音があるという根っこを確かめることが色んな可能性に繋がる気がした聴験となりました。

by wavesll | 2018-12-15 03:12 | Sound Gem | Comments(0)

GUIRO X ツチヤニボンド ツーマンライヴ @渋谷7th Floor

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GUIRO - エチカ

GUIRO - 山猫 @Fever


渋谷7th FloorでGUIROとツチヤニボンドのライヴをみてきました!

GUIROはフィッシュマンズのトリビュートでの「Magic Love」で初めて知って。その後1st Albumが出たことまでは追っていたのですが、ライヴを観るのは初めて。

これがやっばかった!ウッディーな質感で都市の暮らしを静かな風景から魔術的リアリズムな熱狂まで響かせて!動画より全然凄まじい!北青山的な音像からサンバやラテンなリズムの奔流、その快さと情熱、滅茶苦茶騰がりました。水戸黄門のパーカス(という説明も通じなくなっていくのかな)の連打にも騰がった◎

そしてツチヤニボンド、こちらは完全な初聴で、名前をよくみかけていたので期待していて。ロックなダイナミズムもありながら穏やかなハイトーンの歌唱の楽曲たちはライヴが後半になるにつれ音像が迫力がどんどん増していって。良かった!こちらも小豆のザルで波のSEを生演奏したり、ニューアルバムでフィーチャーしたミルトン・ナシメント等の南米音楽への想いが伝わるライヴでした。



by wavesll | 2018-12-09 06:15 | Sound Gem | Comments(0)

今様爵士 Ezra Collective『Chapter 7 + Juan Pablo: The Philosopher』& Makaya McCraven『Universal Beings』

Ezra Collective 『Capter 7』(Bandcapm link)

Ezra Collective『Juan Pablo: The Philosopher』(Bandcamp link)
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昨年あたりから話題に上ることが多かったサウスロンドンのジャズシーン。喰わず嫌いもあってか今までどうも聴いていてしゃっきりフィットしなかったのですが、タワレコ横浜の試聴機でこのEzra Colloctiveを聴いて”あ、この五人組は確かにフレッシュだは”と感じて。

丁度12月のどこかウキウキする様な、囃し立てられ急かされる様なメンタリテにガッと嵌ったのかもしれません。

The Youthの為のJazz. このストリート感覚にはジャックダニエル入りの珈琲なんか合わせたくなりますね。HipHopを経たジャズでも特に『Capter 7』ではエレクトロサウンドでない点がグラスパーへの南倫敦からの回答という気もして、そして『Juan Pablo~』ではきらめく水音のようなサウンドがまたいい感じで何とミクシングはFloating Pointによるものだとか。この十年くらいは面白いムーヴメントがJazzとHipHopの狭間からやってくる感があります。

とはいえこれは2017年の作品。では今のJazzの最新作は?と試聴機をめぐるとこんな作品がありました。

Makaya McCraven『Universal Beings』(Bandcamp link)
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こーれがまたいい!琴のような出音で始まり、まるで夜の街をめぐる旅路のような97分間。明け方の街を逍遥し抜けていくような最後の感覚がなんとも心地よい聴後感がありました。

このアルバムはクリス・デイヴやマーク・ジュリアナと並んでUS新世代ジャズ・ドラマーとして注目されるシカゴを拠点とするドラマーのマカヤ・レイヴンがロンドンを訪れた際に南ロンドンのミュージシャンとセッションしたもの。参加ミュージシャンはジョー・アーモン・ジョーンズ、カマール・ウィリアムズ、ヌビア・ガルシア、テオン・クロス、ソウェト・キンチとのこと(ele-kingの記事より)

ジョースター家の血とDIOの血が入り混じったジョルノ・ジョバァーナのような止揚がある物語とサウンド、これから先のJazzのフロントラインで起きていく出来事も大いに期待させられる出色の一枚でした。

by wavesll | 2018-12-08 05:17 | Sound Gem | Comments(0)

俚謡山脈 - 木崎音頭 Club Musicにも通ずる民謡の深い恍惚と熱狂

木崎音頭 Kizaki Ondo民謡を生の味で鳴らして躍らせるDJユニット俚謡山脈が平成30年の夏の始まりにドロップした本作「木崎音頭」は群馬県太田市新田木崎町で飯盛女たちが酒席で唄った「新保広大寺くずし」が時を経ることによって盆踊り歌と成ったものともいわれています。

本作では昭和55年に現地録音された音源に加え昭和56年のインスト版、さらに2018年のTrap Ver(Vo有り/インスト)が収録。

兎に角この昭和版が凄すぎる!深いエコーがもたらすクラブミュージックにも比する酩酊の享楽・熱狂…!この高揚感の凄まじさ、一気に祭の夜へ持ってかれました。

Trap verの方はトロピカルハウスのような音なのですが、こちらはそこまででもなかったかな、本家がILL過ぎました。
上のBandcampのLink先でも聴けるのですが、CDをオーディオでかけるととてつもない音場とDopeなテンションになるので是非体験していただきたい。これと同じ位に熱に浮かされる体験はFishmans『Long Season 96.12.26 赤坂BLITZ』くらいしか思いつかない。本当に素晴らしい、Dub好きにも、そしてクラバーにも薦められる日本の原音楽がここに鳴らされていました。

by wavesll | 2018-12-05 00:32 | Sound Gem | Comments(0)

FUNKOT WILL NEVER DIE!!! Living Mirage live at Sound of Funky@Nakano Heavy Sick Zero

Living Mirage on Soundcloud
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14:00から6h超FUNKOT浴びてきました!やーば楽しイィWRRRYYYかった!インドネシアのティッケースットコドッコイ電子音楽、ドネシア歌謡のイナタサMIXから快楽原則に従ったアニソンMIX、そしてトランシーであったりバッキバキな音まで幅広くて。かなりカッコいい姿もみれたのも嬉しかった点。FUNKOTの地平全体はさらに莫大で今日のは20%にも満たないらしい!ようやく自分が楽しめるEDMに出逢えた感覚。

そして本場インドネシアから来たLIVING MIRAGEがウルトラ良かった!エナジーあふれる連打音が騰がりまくって!けいおん!USAのFUNKOT MIXから新曲?までアゲにアゲる!ENAK!!!!!!!!ジャカルタのクラブではあまりの熱狂に禁止になってしまいましたが、FUNKOT WILL NEVER DIE!!!!最高の亜細亜激電子音PARTYとなりました。

by wavesll | 2018-12-03 02:00 | Sound Gem | Comments(0)

ニトロデイLIVE@RO JACK WINTER FINAL 2018

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ニトロデイ "ジェット" (Official Music Video)

ニトロデイのライヴをみにRO JACK WINTER FINAL 2018@渋谷DUO MUSIC EXCHANGEへ行ってきました。

このRO JACKというイベントは、ROCKIN'ONが主催するオーディションで、夏のROCK IN JAPANと冬のCOUNTDOWN JAPANの出場をかけて全国から選りすぐられた19組のアーティストが今回出場していました。ニトロデイもここで2年前に優勝していて、この日はライヴ・ゲストだったのです。

ニトロデイを知ったのはJ-WAVEのSONAR MUSICで。ライヴ観たいなぁとオフィシャルサイトをみていたら、このイベントへの申し込みリンクがあって、馳せ参じたのでした。

そして…凄かった!VOの声が、叫びが、少年の灼ける様な焦燥が体現されて。ロックの持つひりつく、気怠く不満気だけれどエナジーだけがあふれかえる感覚が伝わってきて。女子二人の軽やかな攻撃性も含め、バンドのマジックが輝いていました。

またCDJへの出場をかけて挑んだバンド達への発表。壇上へ上がるものと悔しい思いをするものの天国と地獄は沁みるものがありました。ニトロデイも「ジェット」でようやく”うぉぉ”となったクチなので、本当にここは通過点で、本当の勝負はこれからのさらなる進化次第だと思います。個人的にMVをみてドラムが気に入っていたthe paddlesが優勝したのは嬉しかったです。

by wavesll | 2018-12-02 00:16 | Sound Gem | Comments(0)

ありがとう、ジャニス

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ジャニス最終日。月初めの閉店セール初日以来に行ってきました。

ジャニスは大学時代に明大生の友人に”凄いレンタル屋があるぞ”と聴いて。初めて行ったときはその音楽の宝庫ぶりに目が回りそうになりました。

ビクトリアの9階にあった時はよく通い詰めて、特にお気に入りは物凄い長いジャックの試聴スペース。あそこで随分粘って聴き込んで選んだなぁ。

最初はクラブジャズとかエレクトロニカとか、デトロイトテクノとかを良く借りて。段々趣味がワールド系になって行って、ワールド棚にあるものが大体名前が分かるようになった時は感慨深かったなぁ。

セール初日に訪れた時はこの店で借りた思い出深いディエゴ・スキッシ『Tipas y Tipos』等を買って。

そして訪れた最終日。棚たちはがらがらになっていて、なんとも淋しさに襲われました。

ただ、”そうか、これは『天』でアカギが言っていた「飛散しろ…!」ということなのだな”と。お客さんたちであふれかえった店内に22:30頃に閉店BGMが流れて。

”もうめぼしいのはないかな…初日にみたし”と想っていたのですが、店内を回るうちに思い出深い名盤たちをいつのまにかどんどんカゴの中に入れていて。

そして”何とこれがあったのか!”という『ルイス・ガスカ』!これ、渋谷タワレコのワールドエリアが全然広かった頃に試聴して、それ以来探していたけれども入手できなかった一枚で!

レジで「ずっと探してたんです」と伝えると店員さんから「探し続けていると出逢う事って本当にありますよね。しかるべき人の下へ行って良かった」と。こちらも涙ぐんでしまう…。

23:00過ぎに遂に看板の灯りがブチっと切られ、最後のお客さんが出てから残っていた客に挨拶があって。

「親子二代に渡ってきてくれたお客様もいました。お客様の音楽の変遷がみれたのが興味深かったです。音楽を聴き続けるきっかけになれたとしたら、嬉しいです」。

素晴らしい名盤たちの集積地、名レンタル店でした。本当にありがとうございました。長い間まことにお疲れ様でした。音楽の世界を拡げて頂きました。これからも音楽を聴き続けます。

by wavesll | 2018-12-01 07:59 | Sound Gem | Comments(0)

天上のリズム2018 ヴィックゥ・ヴィナーヤクラームの南インドの壺LIVE@国分寺カフェスロー

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ヴィックゥ・ヴィナーヤクラームのライヴを国分寺カフェスローにてみてきました。

ガタムという壺の楽器で奏でられる超絶南インド音楽。ヴィックゥ爺も人間国宝でグラミー賞受賞しているレジェンドで、さらにお孫さんのスワーミナータンのカンジーラそしてお弟子の竹原幸一さんのモールシン(口琴)によるファンタスティックな演奏!

ラップ的な口上が迸って打音になる感覚がヒップホップフリークとかが聴いたらフロウとか表現とかで物凄い発見に満ちてる気がしました。もはや言葉とリズムに境はないのだなと

観客も手拍子で7と1/2拍子とかやりつつパティシペイトし、南インドの超絶リズム
、ほんと天上のハッピーなライヴでした。

てかあらためて壺て!鼓みたいなすげーいい音! 音が気になるでしょう。スマホ撮影ですが、こんな感じの音です★




素晴らしいライヴに舌鼓を打った一夜。主宰のまちかど倶楽部さんは来年も音楽カーストでもあるマンガニャールの楽士やバーンスリー奏者を招聘するそう。深く楽しいインドの世界がどわっと開けるような一日となりました。

by wavesll | 2018-11-24 02:57 | Sound Gem | Comments(0)

Mando Diao - Mr. Moon 音楽歳時記 千年前の満月を想って

Mando Diao - Mr Moon (Official Video)

藤原道長が『この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば』と詠んでから千年目の11/23の満月の夜。Mr.Moonに心馳せながら空を眺めたら、曇じゃねぇかw
1000回365日が過ぎた。ンなこと想って夜も徒然。サピエンスの日々はいつまで続くもんかなぁ。


by wavesll | 2018-11-23 23:12 | Sound Gem | Comments(0)

テュルクソイ結成25周年記念コンサート 民族楽器オーケストラ テュルク世界の大いなる遺産 at 県民共済みらいホール

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テュルクソイ民俗楽器オーケストラは2016年にテュルク世界の伝統的な歌やメロディを演奏するため設立されたもの。国際テュルク文化機構「テュルクソイ」は1993年に、アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルコ、トルクメニスタンによって設立され、後に北キプロスとロシア連邦内の民俗共和国であるタタルスタン、バシコルトスタン、アルタイ、サハ、トゥヴァ、ハカス、そしてガガウズ自治区(モルドヴァ)が参加したもの。

たまたまTwitterで知ってTHE ORCHESTRA OF SYRIAN MUSICIANS WITH DAMON ALBARN AND GUESTSみたいな感じかも!自分にとって未踏の音楽を聴かせてくれるかも!と期待して馳せ参じたのでした。

で、オーケストラはドンブラ、バス ドンブラ、バーラマ、コムズ、タール、シェルテル、トプシュール、クル コブズ、プリマ コブズ、ケマンチェー、クル クヤク、ケメンチェ、フーチル、ホムス、バヤン/アコーディオン/スルナイ、ジェティゲン/ジャダガン、カーヌーン、ナイ(パンフルート)、バラバン、チョポ チョール、クライ、スブズグ、ドイラ、ナガラ、ダブィルといった民族楽器で構成され、弦と打楽器、笛、そしてパーカスと新たな感性を刺激する音で。

コンサートは楽団の中からソリストや複数人が前に出てきてその人の地域の音楽を時にダンサーを交えながら進む構成。

テュルク語圏、初めて知った地域でしたが、大変に廣いエリアをカヴァーしていて、音楽性も多様。中国風もあればモンゴル、アラビア、黒海、ロシアっぽいのもあって。名うてのミュージシャンたちの音楽に、”此の旋律のルーツはもしかしたらテュルクにあったのかもしれない”なんて思いながらみていました。

ワールドミュージックでもPOPみが薄いというか、半ば楽しめるかの賭けでしたが、凄腕の演奏に加えこのホールの音の良さで素晴らしい音の鳴りになっていて。

さらに楽曲演奏としてもハカスのルスラン・イヴァキンさんなんかホーミーっぽい歌唱をグロウルのように使い、クリーンヴォイスと共に歌ってさながら新時代の民俗ヘヴィメタルのような感覚で、サハのユリャナ・クリヴォシャープキナさんの踊るように弾く口琴の宇宙的な響きと馬や猿、イヌのような動物の鳴き声は圧巻、こいつはやられたなぁ。

Khakas folk musician Ruslan Ivakin | Я-Артист

Yuliyana Krivoshapkina - Юлияна Кривошапкина

こんなに凄いのたったの二千円でみれていいのかwというくらい!この日もアゼルバイジャンとトルクメニスタンの大使が来ていて。国の肝入りの事業なんだろうなぁ◎

このテュルク世界の大いなる遺産inJAPANのツアーはまだ赤坂と目黒の公演があり、パーシモンホールはまだチケットがあるようです。こいつはなかなかのめっけものでしたよ。宝玉のような音をTxikiteo出来ます。もしよろしければ◎

by wavesll | 2018-11-16 05:06 | Sound Gem | Comments(0)