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落合陽一「山紫水明∽事事無碍∽計算機自然」展@GYRE

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神宮前GYREへ落合陽一さんの個展「山紫水明∽事事無碍∽計算機自然」を観に行ってきました。面白かった。

落合さんと言えばとこれいう浮遊する球体がスピンしながら回転する≪Levitrope≫(動画link)の他、波形なオブジェが浮遊する≪Silver Floats≫(動画link)も好かったし、特殊なレンズにより視覚をハックしてくる≪Morpho Scenery≫や磁性流体を使った≪波面としての古蛙≫(動画link)も佳かった。

こうしたメディアアートには一定の批判もあり、チームラボと十把一絡げにするTweetなんかも散見したのですが、寧ろ言論強者ゆえ惑わされているのではという警戒心を持つ点で落合さんは菊地成孔氏的なポジションに感じます。

けれどもDCPRGを生で浴びた時の言語無関係な圧倒的な快楽のように落合さんの作品には非言語表現である質感への拘りが感じられるというか。確かに一種「素材・技術をそのまま出した」ようなソリッドな表現だけれども、チームラボの作品に感じる質感の浅さへの不満は落合さんの作品群にはそんなに感じないというか。(ちなみにそんなチームラボも宇宙と芸術展 at 森美での映像空間作品は良かったと感じました )

今回だとモルフォ蝶が物理的にパタパタする奴や動物の目のパネル、吹き抜けに在った昆虫のパネル、イルカの寫眞と彼らの声の展示や、プラズマの放出による虫の音の展示など”もうちょっとふくよかに肉付けした方がいいのではないか”という表現もありましたが、鯖の肌を顕わした≪波の形,反射,海と空の点描≫等かなり良く、質感により雰囲気が起ち上がる域に達していたと感じました。

展覧会を出る時にたまたま落合さん自身にもお会いできて。きさくに写真撮影にも応じられていて。お声掛けしたのですが、服装などまさにイメージ通りな飄々とした方でした。

by wavesll | 2018-05-26 03:25 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

西美のコレクション展にて新蔵品のベルト・モリゾやモネ、ドガ。ミロやカンディンスキー、藤田嗣治にポロックにピカソetcをみる

ベルト・モリゾ ≪黒いドレスの女性(観劇の前)≫
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ペーテル・パウル・ルーベンス ≪眠る二人の子供≫
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アレッサンドロ・マニャスコ ≪嵐の海の風景≫
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アリ・シェフェール ≪戦いの中、聖母の加護を願うギリシャの乙女たち≫
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レアンドロ・パッサーノ ≪最後の審判≫
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ヤーコブ・ヨルダーンスに帰属 ≪ソドムを去るロトとその家族(ルーベンスに基づく)≫
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ウィリアム・アドルフ・ブーグロー ≪音楽≫
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ギュスターヴ・クールベ ≪眠れる裸婦≫
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ピエール・オーギュスト・ルノワール ≪アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)≫
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エドガー・ドガ ≪舞台袖の3人の踊り子≫
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ピエール・ボナール ≪『デリエール・ル・ミロワール』第158-159号(1966年4月刊)『ラ・ルジュ・ブランシュ』誌のためのポスター(表紙)≫
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マルク・シャガール ≪赤い鶏≫
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マルク・シャガール ≪イスバの風景≫
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マルク・シャガール ≪青い魚≫
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ジョアン・ミロ ≪絵画≫
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ワシリー・カンディンスキー ≪『小さな世界』:I≫
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ワシリー・カンディンスキー ≪『小さな世界』:II≫
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ワシリー・カンディンスキー ≪『小さな世界』:III≫
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ワシリー・カンディンスキー ≪『小さな世界』:IV≫
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ワシリー・カンディンスキー ≪『小さな世界』:V≫
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オーギュスト・ロダン ≪フギット・アモール(去りゆく愛)≫
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モーリス・ドニ ≪若い母≫
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ジョン・エヴァリット・ミレイ ≪あひるの子≫
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ラファエル・ロラン ≪詩≫
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ラファエル・ロラン ≪楽≫
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ピエール・ボナール ≪働く人々≫
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ポール・シニャック ≪サン=トロペの港≫
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キース・ヴァン・ドンゲン ≪カジノのホール≫
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ジョルジュ・ルオー ≪道化師≫
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マックス・エルンスト ≪石化した森≫
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パブロ・ピカソ ≪アトリエのモデル≫
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パブロ・ピカソ ≪男と女≫
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藤田嗣治 ≪座る女≫
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ジャクソン・ポロック ≪ナンバー8, 1951 黒い流れ≫
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国立西洋美術館の愉しみと言えば常設展。先日プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光 を観た時にみたコレクション展はやっぱり凄くて。注目は新蔵品。写真を載せたモリゾ、ドガの他、モネも複数新蔵品があり、さらには≪つみわら≫なんかも展示してありました。

ポロックも最晩年の黒がうねる作品。そしてフジタが凄い良いのがあったのが嬉しかったです。そして新館 版画素描展示室で開かれているマーグ画廊と20世紀の画家たち―美術雑誌『デリエール・ル・ミロワール』を中心にもカンディンスキーやシャガールが素晴らしかったです。

おまけにこれまでも撮って来た西美常設展の寫眞レポをお裾分け◎






by wavesll | 2018-05-21 20:52 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

悪の建築展 第4章:前衛 at サイト青山

野口理沙子 一瀬健人 ≪卓上の物語、召し上がれ≫
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Woga
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Woga ≪呼吸≫
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KAORI KUMAGAI
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Karano Laka ≪窓≫
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瑞雪
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Mizuki the City ≪出現≫
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Mizuki the City ≪予兆≫
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山本知 ≪吉良道≫
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山本知 ≪紅吉祥院≫
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姉崎たくみ
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姉崎たくみ ≪Garden of Eden≫
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入口可奈子 ≪試作存在しない≫
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入口可奈子 ≪マテリアル101ー部分再構築ー≫
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髙橋瑞稀 ≪The water cycle≫
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悪の建築展@サイト青山に朝一に。

髙橋瑞稀さんの作品は東京春季創画展にも出品された≪渇いた水≫という作品と同じくウェルウェッチアという沙漠に咲く華の内部の水流を通してナイルからの都市の勃興を比喩するもの。

色使いとキュビズムのような構造が迫力がありました。キュビズムと書いたのは、華がミクロには脳や内臓、マクロには地形のようにみえ、そこに複数の視点が織り込まれていたため。グーグルアースなんかにも創作のヒントがあったそうです。

他の作品も見どころがそこかしこにあり、特に高層建築群を皿に乗せた野口理沙子さんと一瀬健人さんのクラフト作品が都市を飛び交い摘まみ食いをするトランスナショナルなメガロシティな感覚が現代的で良かったです。

最後におまけでそんな青山一丁目の都市の上に在った空天を。あまりの明晰さに感嘆させられました。
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by wavesll | 2018-05-21 01:25 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光@西美 コンセプト・コンテキストをめで愉しむ西班牙王宮美術の扉

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国立西洋美術館にて開かれているプラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光をみてきました。

先ず展覧会場に入ると出迎えるのがディエゴ・ベラスケス≪フアン・マルティネス・モンタニェースの肖像≫。この時代”美術”というものを職工的なものではなく知的で創造的な営みであるとオーソライズする動きがあり、アーティストそのものを描いた作品が多くつくられました。このモンタニェースも著名な彫刻家。彼が造っているのはフェリペ4世の像だといわれているそうです。

また画家を創造主である神と重ねる絵画も多く、神がまさに画家となりマリアを描いているところから文字が流れ出しているホセ・ガルシア・イダルゴ≪無原罪の聖母を描く父なる神≫もそう。

そして聖母マリアの彫像から母乳が飛び出て祈った聖人の口に降り注ぐという衝撃的なシーンを描いたアロンソ・カーノ≪聖ベルナルドゥスと聖母≫が面白かったwスペインでは結構描かれた題材だそうでした。

次の章はこの時代に良く描かれた哲学者達の絵画。

この展覧会の目玉は7点のベラスケスなのですが、その他の画家たちの作品も素晴らしく、殊にルーベンスが印象的で。

ペーテル・パウル・ルーベンスの工房≪泣く哲学者ヘラクレイトス≫の涙がチャーミングで。そしてこの絵にベラスケスが対抗しようと画いた≪メニッポス≫も古代哲学者の衣ではなくこの時期流行った”乞食哲学者”という現世の富に頓着しない姿と聴いて面白いなと。

この章では他にも聖書をラテン語訳した哲学者を描いたアントニオ・デ・リベーラ≪聖ヒエロニムス≫も老いと美しさがありました。

そして本展覧会ではこの人も良かった。ヤン・ブリューゲル(父)。ヤン・ブリューゲル (父)、ヘンドリク・ファン・バーレン、ヘラルト・セーヘルら≪視覚と嗅覚≫は様々な絵画が揃った光あふれる大広間の絵画。そしてヤン・ブリューゲル(父)の十八番である花を描いた≪花卉≫も良かった。

この時代はキリスト教が強い権力を持っていて、スペインの画家は他宗教について描けなかったのですが、宮廷画家のベラスケスは王室というクローズドな環境向けにギリシア神話を題材とした画も描けたそうで、≪マルス≫もそんな一枚。

この軍神マルスの絵、鎧を脱いだマルスがへたっと休んでいる場面が描かれています。これは様々な解釈があるのですが、一つには鎧を脱いだマルスというのは平和を顕わし、フェリペ四世の優れた治世を示しているとのことでした。

この時代でもスペイン国外の画家はカトリックに縛られずに絵を描け、さらには王宮では裸婦像も肖像されていて。ティツィアーノ・ヴィッチェッリオ≪音楽にくつろぐヴィーナス≫のふくよかな裸婦の美しさ。ピアニストの男性の黒い衣服や濃い色の内装が裸婦の肌の白さを際立たせていました。

またルカ・カンビアーゾに帰属≪ルクレティアの死≫も自らの白い肌に短刀を突き刺し血を流す様が煽情的で。

そしてペーテル・パウル・ルーベンス、ヤーコブ・ヨルダーンス≪アンドロメダを救うペルセウス≫が何とも見目麗しい美男美女で。ルーベンスの絶筆と言われるこの作品、最期までこんな優しく眩しい絵を描いていたんだなぁ。

ペルセウスを画いた絵だとルカ・ジョルダーノ≪メドゥーサの首を持ち勝利を収めるペルセウス≫のペルセウスの翼の生えた兜も良かった。またぎょっと驚かされるド迫力だったのはビセンテ・カルドゥーチョに帰属≪巨大な男性頭部≫これは本当吃驚する大きさなので是非生で◎

そして宮廷の人々が描かれた絵画も勿論沢山ありました。

ベラスケス≪狩猟服姿のフェリペ4世≫は華美に飾り立てずに王の文化的なセンスを感じさせるのが喜ばれたそう。また王族の特徴である顎がフェリペ4世と共通するフアン・カレーニョ・デ・ミランダ≪甲冑姿のカルロス2世≫も。フェリクス・カステーリョ≪西ゴート王テオドリック≫は威風堂々としていました。

またこの展覧会で初めて知ったのですが、スペイン王宮には矮人という小人症の家来が働いていて、フアン・バン・デ・アメン≪矮人の肖像≫や王太子に仕えた矮人をベラスケスが画いた≪バリェーカスの少年≫という作品も。

そしてこの展覧会のメインビジュアルにも現れているディエゴ・ベラスケス≪王太子バルタサール・カルロス騎馬像≫

他の王族の絵画の背景が暗いのに対し、バルタサール王太子の背景は明るいスカイブルー。空色にライトピンクの衣が映えます。躍動感ある馬。けれど尻尾がちょっと荒い筆致に感じて。よくよく見れば衣服も結構筆跡が残っていて。

この時代の絵画が粗いテクニックだったという訳ではなく、例えば同じ部屋に飾られているアロンソ・サンチェス・コエーリョ≪王女イサベル・クララ・エウヘニアとマグダレーナ・ルイス≫アントニオ・デ・ペレーダ≪ジェノヴァ救援≫はかなりのハイレゾだし、ベラスケス自身が二十歳の時に描いた≪東方三博士の礼拝≫も精細な筆致。

”ではこれは狙ってのことだろうか”と訊いてみると此の絵は高い位置にかかっていたそうで、遠くから見た時にベストにみえるように描かれていて、”ベラスケスは印象派を先取りしている”と言われているとか。≪マルス≫の兜もこの試みがされていました。ビュールレ・コレクション展で≪可愛いイレーヌ≫がダンヴェール家には”精緻ではない”と気に入られなかったと聴いていたので、スペイン王家は柔軟で進取な感性を持っていたのだなと想いました。

≪王太子~≫の背景の山々は実際に在る風景だそうですが、この展覧会にはベラスケスの弟子フアン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソによる風景画≪ローマのティトゥス帝の凱旋門≫なんて風景画も飾られていました。また光景でいうとデニス・ファン・アルスロート≪ブリュッセルのオメガングもしくは鸚鵡(オウム)の祝祭:職業組合の行列≫も夥しい人物による広場での大行列がイラストレーション的で非常にくっきりと描かれていて印象的でした。

また17世紀スペインでは静物画が新しいジャンルの絵画として勃興していて。フアン・バン・デル・アメン≪果物籠と猟鳥のある静物≫フアン・デ・エスピノーサ≪ブドウのある八角形の生物≫といったリアルな静物画が展示してありました。

またこの時期の西班牙ではボデゴンという風俗画な静物画が流行っていて。アレハンドロ・デ・ロアルテ≪鳥売りの女≫なども濃い口な筆致で大変良かった◎さらにイソップ童話を主題としたパウル・デ・フォス≪犬と肉の寓話≫なんて作品もありました。

そして最後の章は宗教画


そしてペーテル・パウル・ルーベンス≪聖アンナのいる聖家族≫もとびきり眩しい魅力を放っていて。ルーベンスの描く女の人は何とも優しい瞳をしていて時めかされるwこの時代はヨセフ信仰があったらしく、若いヨセフが描かれたバルトロメ・エステバン・ムリーリョ≪小鳥のいる聖家族≫等も展示してありました。

この展覧会では藝術理論などの白黒の書物も展示してあって。エフェメラル(一時的)に飾り立てられた建物が描かれるフェルナンド・デ・ラ・トーレ・ファルファン≪セビーリャ大聖堂におけるカスティーリャ王フェルナンド3世列聖の祝祭≫やベラスケスの師匠によるフランシスコ・パチェーコ≪絵画芸術、その古代性と偉大≫なんて作品もありました。

西洋画の質感が最近また好みになってきていて。中世の西洋絵画は宗教や王族を主題とした写実性(すこし霞んだ)重視の“普通な高級画”といった感じで近現代の超現実的な絵画をみている目からすると少し退屈に想えることもあったのですが、段々西洋絵画の愉しみが分かってきたというか。

寧ろ現代アート以上に文脈や中に描かれている物語、そして神話と現実の重なりや、今回はベラスケスに印象派的な技法の祖先をみたり、コンセプトを読み解く楽しみがあるのだなと。また新しい扉が開かれていくのを感じる展覧会となりました。


by wavesll | 2018-05-11 23:21 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

シバミノル個展「夢の中で生きていけないことくらいはじめからわかってる」 新宿眼科画廊 で「エイジング」に沁。

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シバミノルさんの個展「夢の中で生きていけないことくらいはじめからわかってる」を新宿眼科画廊 スペースEで観てきました。
ドローイングやペンでの一枚画の他、漫画作品の生原稿も展示してあって。

中でも「エイジング」という8pの漫画作品に心の裡に光を当てられて。

私は前は”見た目若いね”なんて言われて。少し得意になっていたところもあったのですが、段々”年相応の落ち着きとかがないという、情けない事なんじゃないか…”と想っている内にもう三十路、”若いね”とも言われないけれど、かといって精神的な成熟が起きている自信もない…。

そんな感覚、そんな心情にもろに触れてくるストーリーに”おぉ…”と想って。物語は“その先”もみせてくれて。また絵のスタイルも古典にも通じるようなオーセンティックさもありながら優儚なフレッシュな感触を湛えた漫画で、かなり好きでした。

こういう、心内にふと浮かぶ感覚を掬い上げてくれ少しドキリとさせられ。自分より高精細に日常を自覚し生きる人の美しさに”いいなぁ”と想った個展でした。僅ずつでも甘えから成熟へ生きたいと想いました。

会期は5/4-9 12-20時 ※最終日は17時まで とのこと。入場無料、撮影OKでした。
by wavesll | 2018-05-06 18:31 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

林忠彦の仕事展@FUJIFILM SQUAREにて「太宰治、酒場ルパンで 銀座」や「初戀とはナンゾヤ」の写真達をみる

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東京ミッドタウン、FUJIFILM SQUAREにて開かれている「昭和が生んだ写真・怪物 時代を語る林忠彦の仕事」展へ行ってきました。

戦後のカストリ雑誌ブームに乗り人気写真家となった林氏の昭和を寫した仕事を視ました。

最も著名なこの太宰の写真、多くの場合トリミングされ長方形なのですが、本当は太宰の目線の先には坂口安吾がいて、今回初公開となった原本では坂口安吾の背中も映っていました。また展示ではこの写真の隣に眼光鋭い坂口安吾の写真もありました。

個人的に印象的だったのは「焼け跡の母子 代々木」で荒涼とした風景に呻き、叫びのように瓦礫に書された「初戀とはナンゾヤ」の文字。母子の小さな背中と共に胸を締め付けるものがありました。

この他、ショーガールが屋上で寝そべる様子を撮った「日本劇場の屋上 銀座、1947」なんて当時の文化風俗を刻む写真たちが展示されていました。

現在開かれている第一部は5/31までで、6/1からは第二部が展示されるそう。六本木の東京ミッドタウンへ行く際などにオススメしたい写真展でした。

by wavesll | 2018-05-05 19:38 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一 @国立新美術館 空中の川を泳ぐ鯉幟たちと共に回游す。

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こどもの日ということで新美“こいのぼりなう!”展へ。色んな質感の布でつくられたこいのぼりが宙を泳いで、その内部を自由に歩けるから自分も空中の川?の中みたいでした。奥ではこいのぼりに使われた生地を触れられたりマイこいのぼりを自作できるコーナーも。楽しい展示でした。

by wavesll | 2018-05-05 15:20 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

Bührle Collection 至上の印象派展@新美 数百年に及び画家たちが営脈した絵画革命のMovement

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国立新美術館に至上の印象派展 ビュールレ・コレクションを観に行きました。

エミール・ゲオルグ・ビュールレという希代のコレクターがその財をもって集めた珠玉の作品達。そのコレクションは印象派を中心に、その百数十年前における印象派的な感性の萌芽から、印象派を経てモダンアートへ至る美術の遷移を顕わしていました。

最初のセクションは「肖像画」。古典的なモチーフに於ける前・印象派の中で、印象派に通じる感性を「未完の完」で顕わします。

フランス・ハルス≪男の肖像≫は、その素早い筆致から当時は「この絵は出来上がっていない」と不評だったのですが、後年「モダン・アートの先駆けだ」という評価になった作品。

当時の肖像画はジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル≪イポリット=フランソワ・ドゥヴィレの肖像≫のように隙なく高精細な輝きが目を奪う流れだったところ。同じくアングルの≪アングル夫人の肖像≫のように服のタッチが粗いのは未完だったのが普通。そこを面白がるというのが印象派以降の感性の為せる技。

ここでは幻想的な精神が描かれたアンリ・ファンタン=ラトゥール≪パレットを持つ自画像≫やピアノからふと振り返った様を描いたエドガー・ドガ≪ピアノの前のカミュ夫人≫も良かったです。

次のセクションは「ヨーロッパの都市」。前・印象派に於いてもフランチェスコ・グァルディ≪サン・マルコ沖、ヴェネツィア≫のように水面や空の瞬きに主眼が置かれる絵画でありました。

そして≪カナル・グランデ、ヴェネツィア≫という超高精細な絵を描いたアントーニオ・カナール(カナレット)がリアルに描いた≪サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂、ヴェネツィア≫と同じトポスをパステルな点描で画いたポール・シニャック≪ジュデッカ運河、ヴェネツィア、朝(サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂)≫を並べることで絵画技法の変遷が鮮やかに示します。

またアンリ・マティス≪雪のサン=ミシェル橋、パリ≫という、パブリックイメージとは異なるマティスに於ける印象派な作品も展示してありました。

そしてセクション3は「19世紀のフランス絵画」。カミーユ・コロー≪読書する少女≫は少女がふと読書しているさりげない瞬間を描いている作品。こうした「ひととき」を捉えたスナップショット的な感性は印象派の一つの支柱となる萌芽でした。

ギュスターヴ・クールベ≪狩人の肖像≫はRPGのステータス画面を想起させるような横顔像。ウジェーヌ・ドナクロワ≪モロッコのスルタン≫は画家本人が訪れたという異国の悠然とした将を描いた作品。ピエール・ピュディス・ド・シャヴァンヌ≪コンコルディア習作≫は後進に大きな影響を与えた画家の初期の成功作。

そしてエドゥアール・マネ。≪オリエンタル風の衣装をまとった若い女≫はだらしない白い肢体の艶、中央の二人が主眼ではなく飛び征く≪燕≫こそが書きたいというのが先進的な感性。≪ワシミミズク≫もスナップ写真的な一枚でした。

そしてセクション4は「印象派の風景」。カミーユ・ピサロ≪ルーヴシエンヌの雪道≫は雪が放つ光を描いたまさしく印象派な一枚。アルフレッド・シスレー≪ハンプトン・コートのレガッタ≫は舟の直線としてのヴィジュアルが面白い一枚。エドゥアール・マネ≪ベルヴの庭の隅≫はマネとしては珍しい印象派的な画風の作品。上に書いたマティスもそうですが、画家の”らしくない逸品”を揃えるところがビュールレのマニアックなツボを突くコレクターとしての美点を感じました。

そしてビュールレにとっても特別な画だったというクロード・モネの≪ヴェトゥイユ近郊のヒゲナシ畑≫が素晴らしくて!荒い筆致で画かれた空と精細な筆致で画かれた赤いヒゲナシ畑の明度のコントラストが大きな印象をもたらします。モネでは≪ジヴェルニーのモネの庭≫も咲き誇る花の華が素敵でした。

第5セクションは「印象派の人物」。ここでは何と言ってもメインヴィジュアルであるピエール・オーギュスト・ルノワールの≪イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)≫。遠目では愛らしい美少女だったのが、近づくほどに内面からクール・ビューティーさが湧き出でて。当時ダンヴェール家には不評だったというこの絵、それは精密な絵画を期待されていたからというのもあったそうですが、子どもに潜む冷たさが画き出されたというのもあるかもしれません。

ルノワールは≪夏の帽子≫でも明るさの中に冷たさのある少女を描いていて、豊潤でふくよかな≪泉≫の大人の女性像とは対照的でした。子供に潜む”怖さ”という点ではエドガー・ドガ≪リュドヴィック・ルピック伯爵とその娘たち≫もそう。ドガは他にも≪出走前≫という競馬の一幕を描いた作品や逆光で体のラインが透ける≪控え室の踊り子たち≫、銅像に本物の服を着せた≪14歳の小さな踊り子≫も展示してありました。

セクション6は「ポール・セザンヌ」。≪聖アントニウスの誘惑≫のダークで肉感的な画面。捻った性格も伝わる≪扇子を持つセザンヌ夫人の肖像≫、同じくメイン・ヴィジュアルにも使われた≪赤いチョッキの少年≫は青い画面なのだけれど、少年にライトが当たったような明るい輝きが感ぜられました。≪パレットを持つ自画像≫はいかにも人が良さそう。晩年に良く取り組んだモチーフである≪庭師ヴァリエ(老庭師)≫は20世紀後半のデザイン性というか、かっこいい渋みのある逸品でした。

セクション7は「フィンセント・ファン・ゴッホ」。彼の十年の画業を初期の≪古い塔≫から魅せていきます。≪自画像≫は頬がこけて悲しそうだけれど内面の焔なオーラが込められた一枚。≪アニエールのセーヌ川にかかる橋≫は新たな印象派といった印象で汽車が好い感じ。

そして≪日没を背に種まく人≫の衝撃。印象派の絵は遠目で観た方が綺麗に見えたりするのですが、ゴッホの絵は近づくほどに迫力が増して。巨大な黄色い太陽の円、浮世絵から影響を受けた中央の林檎の枝幹。人物は黒緑に厚塗りされ、地面は紫、空は黄緑、雲は桃色。圧倒されました。

そして≪二人の農婦≫でさらに飛躍。波打つ畑と空。白く抜かれた二人の農婦。生で観るとこんなにもヴィヴィッドな絵だったのか…!≪花咲くマロニエの枝≫も”これぞゴッホ”という名画でした。

第8セクションは「20世紀初頭のフランス絵画」。アンリ・トゥールーズ=ロートレック≪コンフェッティ≫は広告のための習作。白に明るい差し色が入って好い奴でした。パブロ・ピカソ≪ギュスターヴ・コキオの肖像≫は≪庭師ヴァリエ≫のようなカッコよさを持つピカソによるポスト印象派な一枚。

エドゥアール・ヴュイヤール≪訪問者≫は家に帰ってきて外套も脱がずにちょっと腰かけて休む様子が描かれた一枚。ピエール・ボナール≪アンブロワーズ・ヴォラールの肖像≫はきゅっとすぼんだ表情が面白い一枚。

ポール・ゴーギャンによる≪肘掛け椅子の上のひまわり≫は当時ゴッホと交換したというひまわりのモチーフが南洋の湿度・昏い熱気に在る一枚。ゴーギャン≪贈りもの≫は現地の女性の菩薩のような褐色の肉体性が心に馴染みました。

そして第9セクション「モダン・アート」。アンドレ・ドラン≪室内の情景(テーブル)≫はゴッホとキュビズムの間のような鮮やかな色彩の存在感と、空間存在が起ち上がる一枚。

ジョルジュ・ブラックは≪レスタックの港≫は印象派の点描的な表現の先となる線画。≪ヴァイオリニスト≫でキュビズムを描き、≪果物のある静物≫では切り絵のような静物画に辿り着いていました。

そしてパブロ・ピカソ。≪イタリアの女≫は図画的な筆致の絵画を切り拓く一枚。そして≪花とレモンのある静物≫はまさにピカソな、彼ならではのカクっとした描線の迫力ある一枚でした。

そして最終セクション10ではクロード・モネ≪睡蓮の池、緑の反映≫が。発表当時≪睡蓮≫は世間から評価を受けていなかったのですが、ビュールレはその慧眼から価値を見抜き、購入します。後のジャクソン・ポロックのオールオーヴァーに通じるような筆致。17世紀中盤からみてきたこの絵画の変遷は”その先”を予感させながらここに幕を閉じました。

この一大物語をみて想うのは印象派は一人の天才がすべてをかっさらっていったのではなく、天才達の群体によって営まれた芸術のムーヴメントだったということ。そしてその中からゴッホやピカソのような突然変異な爆発が揺籃されて。革命の歴史叙事詩に於ける様々な人のきらめく熱を感じる、本当に全てに見どころのある名展覧会でした。

by wavesll | 2018-04-21 02:46 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

ルドン展@三菱一号館美術館 微生物の生命ぞわめく幻想の花園

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三菱一号館美術館にルドンー秘密の花園 展を観に行きました。

オディロン・ルドンの≪グラン・ブーケ≫は三菱一号館美術館所蔵の顔的逸品なのですが、今回の展覧会は≪グラン・ブーケ≫を含むドムシー男爵の食堂装飾画16点が揃い踏みということで、是非みてみたかったのでした。

最初の部屋ではルドンが育った地を描いた≪ペイルルバードの小道≫や彼の師匠だったロドルフ・ブレスダンを描いた≪『夜』 I. 老年に≫、そしてロドルフ・ブレスダンが画いた≪善きサマリア人≫等が。この≪善きサマリア人≫が本当にいいリトグラフで。湧上る森と雲、そしてそれらに圧されながらも中央に居るラクダと2人の人物。美しい画でした。

ルドンは私はカラフルなイメージがあったのですが、黒い画も同等以上に書いていて。ルドン自身も自らの木炭画や版画を「黒」といっていたようです。≪荊の冠の頭部(キリストの頭部)≫もその一つ。窪んだ眼が印象的でした。同じく目が窪んだシェイクスピア『テンペスト』に登場する妖、≪キャリバン≫は優しい目をしていました。また巨大なサイコロを背負った≪『夢のなかで』 V. 賭博師≫も面白かった。

そしてやはり色絵が素晴らしい。≪二人の魔女≫は黄色い空に青い女性二人に赤い枝の作品。≪エジプトへの逃避≫の闇夜に輝く聖家族、≪アレゴリー(太陽によって赤く染められたのではない赤い木)≫はゴーガンのように鮮やかな色。逢魔ヶ時の浅黒い天使を描いた≪ヤコブと天使≫や蟲のように白い花が浮かぶ≪マドンナ≫も素晴らしかった。

ルドンは植物学者のアルマン・クラヴォーから手ほどきを受け、生物科学の知識だけでなく哲学的な知識を得て、サイエンス、そして疑似科学に興味を湧かせます。

そんな中で彼は植物に人の顔が入るクリーチャーを何枚も描きます。≪『ゴヤ頌』II. 沼の花、悲しげな人間の顔≫もそんな一枚。≪『起源』II. おそらく花の中に最初の視覚が試みられた≫≪『起源』III. 不格好なポリープは薄笑いを浮かべた醜い一つ目巨人のように岸辺を漂っていた≫も微細な生物がぞわぞわしているような世界が描かれていました。

またクラヴォーから師事を受けたインドの詩からの影響で画かれたのか≪若き日の仏陀≫は地球のような青い球体を光背に在る美しく聡明そうな人物の色絵も素晴らしかったです。

そして次が目玉のドムシー男爵の城館の食堂壁画たち。

≪ひな菊≫≪花のフリーズ(赤いひな菊)≫は具象と抽象の間のようなデザイン。≪人物≫そして特に≪人物(黄色い花)≫はSF的な構成。≪花とナナカマドの実≫は日本の植物画を思わせる構図、≪黄色い花咲く枝≫は朽ちていく美、≪花と実のフリーズ≫は鳳凰の様。≪黄色のフリーズ≫は戦闘のスクロール画のような勢いを感じ≪黄色い背景の樹≫2枚には黄色い密度のゾワメキを感じました。

ただ、保存のためにこれらの絵画は部屋が薄暗くて彩度が低く感じて。その点では一回下に在ったドムシー男爵第二部の方が印象的でした。

≪花の装飾パネル(明るい背景)≫2枚、≪灰色の小さなパネル≫2枚はグレーに滲んだ感じが黴のような微生物が繁殖する印象を受けました。微細な生命の声が聴こえてくるような存在感の筆致。

そして、愈々≪グラン・ブーケ(大きな花束)≫。暗闇の中で花瓶の花々が蛍光のように眩くて。こんな輝きは≪印象、日の出≫と比肩する水準。花々の描写に入る青が非常に良く効いていました。

またドムシー男爵保有の≪神秘的な対話≫も天上的な秘術の伝導が描かれて美しかったです。

≪祈り、顔、花≫は仏のように優しい顔の女性の画、≪小舟≫に乗る仄明るい人物二人。≪眼をとじて≫は物質としての油彩の存在感を感じました。≪オジーヴの中の横顔≫はエメラルドグリーンの美しい少女の画、≪ステンドグラス≫は幻獣のような姿、≪オルフェウスの死≫は首が石造のように転がる古代の情景。≪花の中の少女の横顔≫はもくもく湧いてくる花のはぐみ。緑の女性が描かれた≪神秘≫やこれも黴な風合いの≪幻影≫、紫の霧のような≪コンポジション:花≫も良かった。

ルドンは幾十もの花瓶の絵を描いていて、そんな中には鬼が描かれた≪日本風の花瓶≫なんてのも。マーブルな柄の花瓶の≪青い花瓶の花≫や青と黄の瓶が美しい≪首の長い花瓶にいけられた野の花≫も良かった。

そして最後のコーナーは装飾プロジェクト。ルドンは屏風やタピスリー、椅子や衝立のデザインも行っていたのでした。

画の裏に在る思想、科学的な知見を読み解くのも楽しい、裏の物語や意味の読み解きも面白く、そしてヴィジュアルとしても耀きのある展覧会でした。何よりやっぱり≪グラン・ブーケ≫が素晴らしかった。さっとみれ、いい展示でした。

by wavesll | 2018-04-20 00:44 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

笹田靖人個展「WINGS」at 天王洲アイル T-ART HALL 虹光のCHAOS, 極彩のSURVIVING

≪KUJAKU≫
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≪RED PROFILE≫
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≪ゆるふわ GIRL 降臨≫
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≪FRONT FACE≫
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≪ナラシカ(朝・昼・夜)≫
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≪ナラシカ(桃・橙・藍)≫
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≪大三元 中≫
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≪大三元 發≫
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≪大三元 白≫
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≪青海波 赤≫
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≪青海波 黄≫
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≪青海波 青≫
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≪上海ガール≫
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≪ピンクヘッドドレス≫
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≪仏像≫
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≪MEGUMI I≫
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≪MEGUMI II≫
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≪バビルサ≫ ≪ゼブー≫
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≪フードファイター≫
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≪待ち合わせ≫
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≪NINJA ガール≫
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≪ラクリマクリスティ≫
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≪パワースポット≫
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≪擬態≫
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≪ツタンカーメンとアンモナイト≫
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≪有無同然≫
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≪TSUNAMI≫
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≪MATSURI≫
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≪龍虎≫
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≪鳳凰≫
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≪ヤマタノオロチ≫
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≪相思相愛≫
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≪マルコのライオン≫
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≪トノサマオンブバッタ≫
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≪ガラパゴスズーガメ≫
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≪三葉虫≫
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≪冬虫夏草≫
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≪蛹室≫
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≪カブトガニIII≫
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≪カブトガニII≫
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≪オオクワガタ≫
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天王洲アイルT-ART HALLにて笹田靖人さんの個展「WINGS」を観に行きました。
迸るカオスなエネルギーはともすればノイズになってしまうところが極彩色の虹光として放たれていて素晴らしい。絵画というより動画として動き出しそうな感覚。
画面にURL等の文字が打ち込まれているのも面白く、まるでTweetがMATRIXのプログラミング言語のように縦横に流れる感じ。
何よりも「サヴァイヴしてやる!」という激烈な生命力が伝達されて。こいつは凄いとエナジーを浴びました。

なんと会場にいた笹田さんご本人から解説を聞かせて頂けて。
展示場ではNETWORKS等の音が鳴っていたのですが、制作中もポニーキャニオンによりセレクションされた音楽を聴きながら描いたそう。

売れない時期に絵に専念しトップスピードのまま出し続けられたのは弟さんのサポートもあったから。そしてその援けに応えるように毎日十数時間も努力を続け、この物凄い熱量の作品達を多産してきたとのこと。

自らのルーツや周囲の環境も巻き込みながら、例えば「昔は何十万円もした天然のクワガタが今では量産できてしまって機械製品のようだ」なんて想いから描いたといったような解説に目から鱗が落ちたりしました。

自分の声に真摯にそして強烈に向き合い、創造を行う、孔雀が翼を広げるように自らの存在を世界に訴える様に大きな感銘を受け、”俺も老荘でなくハイカロリーに駆けよう”と想わされました。

この内容でロハは太っ腹。会期は十日までです。

by wavesll | 2018-04-08 06:19 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)