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キース・ヘリングが愛した街 表参道展@表参道ヒルズで感じたパタゴニアの風

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表参道ヒルズ B3F スペース オーにてPOP, MUSIC & STREET OMOTESANDO, THE STREET KEITH HARING LOVED展をみてきました。

キース・ヘリングの纏まった展覧会をみたのは初めてで、勿論アンディ・ウォホールからのPOPアート、そして今のバンクシーに繋がるストリートアートの特異点と認識していたのですが、今回観て想ったのは彼の画のプリミティヴな感覚は南米パタゴニアのVentに共鳴するものがあるのではということ。

アルヘンティーナの「CUEVA DE LAS MANOS(手の洞窟=クエバ・デ・ラス・マノス)」や南米最南端に住むヤーガン族を想起して。インスピレーション元というよりは、共振するArtとして彼の体の奥底にも響くようなリズムが原始共同体にもあったのだなぁと想った次第でした。

入場FREE. 展覧会は撮影OKで、中ではキース・ヘリングのNiceなグッズが沢山ゲットできるショップもあるので、表参道へVamosです★

by wavesll | 2018-08-11 16:13 | 展覧会 | Comments(0)

太田記念美術館 江戸の悪 PartII に石川五右衛門の釜茹でを眺めにいったらヴィランの冷気にあてられた

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"暑い時には熱いものを"と想い、石川五右衛門の釜茹での浮世絵を表参道の太田記念美術館で開催されている江戸の悪 PartII にみにいきました。

そのお目当ての歌川国芳 ≪『木下曽我恵砂路』≫が初っ端に。これは舞台を画いた作品らしく、舞台上でこれをやってしまうとはとんでもない演出だなと。歌舞伎って浮世絵の実体化版だなと惚れ惚れしますね。

そして本展覧会でも白眉の一つ、豊原国周≪神力谷五郎豪傑期最図≫
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この威容。いかにも無頼な龍の文様と眼光。たまらない。この絵は天保水滸伝に着想を得たもので、同じく天保水滸伝から歌川国定(三代豊国)≪近世水滸伝 競力富五郎 中村芝翫≫≪近世水滸伝 夏目子僧新助 岩井粂三郎≫も龍虎相見える藍の深さが非常に格好良いものでした。

この展覧会は様々な観点から”悪人”を顕わすもので、最初は盗賊などの犯罪人たち。歌川広重≪青野ヶ原ニ熊坂手下ヲ集ム≫ はいかにもな盗賊たちの顔、顔。月岡芳年≪芳年武者无類 源牛若丸 熊坂長範≫の貴公子牛若の空中戦。

五右衛門の作品は他にも無款≪『楼門五三桐』≫や歌川国貞(三代豊国)≪東海道五拾三次之内 京 石川五右衛門 東海道五十三次の内 京二 真柴久吉 ≫というような作品も。

浮世絵をみると”ほほう、日本史にはこんなキャラも登場するのか”と想うことも多くて。女装の盗賊を画いた歌川国貞(三代豊国)≪豊国漫画図絵 弁天小僧菊之介≫もその一人。中世・近世の印象的なシーンとしては月岡芳年≪英名二十八衆句 稲田九蔵新助≫の”あんこう斬り”の吊るし斬りの場面も大変に凄惨なものでした。

また著名人だと大岡越前をモチーフとした歌川国貞(三代豊国)≪ 『晴模様染衣更着』≫の水色の着物のぱりっとした感じや、当時の名優、市川小団次の訃報に寄せた豊原国周≪小仝三升五人俤≫のきわっとした目つきもスゴくて。歌川豊国≪斧定九郎 松本幸四郎≫もい~いツラしてましたw

悪の代表として侠客も取り上げられています。大阪の侠客達を画いた歌川豊国≪『仕入染雁金五紋』≫の威風。月岡芳年≪東錦浮世稿談 神田伯勇 幡随院長兵衛≫は湯殿で襲撃され血みどろになりながら鱈腹水を飲み干す様を描いたもの。

歌川豊国≪『助六由縁江戸桜』≫と歌川国貞(三代豊国)≪梨園侠客伝 髭のゐきう≫の髭の意休の白髪の格好良さ。

歌川国芳≪国芳もやう正札附現金男 野晒悟助≫以前観たのより発色が変わっていましたがやはり素晴らしかった。国芳の同じシリーズだと≪国芳もやう正札附現金男 梅の由兵衛≫も黄色赤青が鮮やかに反応していました。

歌川国貞(三代豊国)≪東海道五拾三次之内 赤阪 沢井又五郎 東海道五十三次の内 赤坂 沢井助平≫で画かれるアジアの獅子のようなぎょろっとした目つき助平さんは名前の通り遊郭を覗くのが趣味の人だとかw歌川国貞(三代豊国)≪『名高殿下茶店聚』≫も良かった。

月岡芳年と共に英名二十八衆句を画いた落合芳畿≪英名二十八衆句 邑井長庵≫は娘を遊郭に売り渡し父親が得た金を奪うために殺人を犯す医師を描いたもの。豊原国周≪雲上野三衣策前 河内山宗俊 市川団十郎≫もまた悪僧で。

歌川国貞≪『菅原伝授手習鑑』(車引)≫は隈取のかっこいい作品。ダース・シディアスだ◎異様な格好という点では歌川国貞(三代豊国)≪見立三光之内 日 平清盛≫の中国皇帝のような冠も凄かった。清盛を画いた絵だと月岡芳年≪平清盛炎焼病之図≫は病苦を閻魔などであらわした作品。ちょっと絵が一時期の江川達也が参考にしてたようなスタイル。

歌川豊宣≪新撰太閤記 此人にして此病あり≫ は信長が鉄扇で光秀をぶつところを描いた作品。歌川国芳≪『東山桜荘子』≫は蛇を纏う人物が格好いい作品。

そしてこの展覧会の白眉が月岡芳年≪新撰東錦絵 鬼神於松四郎三郎を害す図≫
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キルビルのように復讐を果たす”鬼神のお松”が遂に本懐を遂げるシーン。男の苦悶の表情とお松の冷徹な表情の対比が素晴らしく、水面も美しくて。これが一番好きな画でした。


豊原国周≪異種薔薇犯妻会 当ル卯の夏 高助 原田お絹≫、≪異種薔薇犯妻会 当ル卯の夏 半四郎 写真お若≫、≪艶色七人毒婦≫の毒婦たちがクリムゾン・レッドの背景に映えていました。

そして妖術使いの篇。歌川芳艶≪両賊深山妖術競之図≫と月岡芳年≪袴垂保輔鬼童丸術競図≫は怪盗袴垂保輔と鬼同丸(鬼童丸)が深山で妖術競べをする図。

楊洲周延≪東錦昼夜競 玉藻前≫は九尾の狐の正体を現す場面。変身シーンは昔から光線が出るんですねw 歌川国安≪『音菊高麗恋』≫では日本人にもインドに行った天竺徳兵衛という商人がいたのかと軽いサプライズがありました。

歌川国貞(三代豊国)≪『児雷也豪傑譚語』≫はガマガエルに乗った児雷也とナメクジに乗った綱手がまさにNARUTOの世界。歌川国貞≪豊国揮毫奇術競 須美津冠者義高≫はネズミの道士。

歌川国貞(三代豊国)≪『しらぬい譚』≫は蜘蛛の妖術を会得し戦う姫の画。歌川国貞(三代豊国)≪豊国揮毫奇術競 蒙雲国師≫は正体が蛟の妖術使い。歌川国貞≪『大和大和花山樵』 ≫もカッコよかった。

歌川国芳≪木曽街道六十九次之内 鵜沼 与右ェ門 女房累≫はレインボーな魂魄が印象的。歌川国貞(三代豊国)≪『東海道四谷怪談』≫は絵の中に折り返しがあって、障子の裏表にお岩と小平がみれるという仕掛け絵。豊原国周≪歌舞伎座 中満久 皿屋舗化粧姿鏡≫は逆さ傘でお菊の幽体を防ぐ画。

歌川国貞≪見立三十六歌撰之内 在原業平朝臣 清玄≫で清玄というストーカー坊主がいたことを今回初めて知って。ストーキングされていた桜姫を画いた月岡芳年≪新形三十六怪撰 清玄の霊 桜姫を慕ふの図 ≫も。確かに桜姫、可愛い。清玄は大分人気だったらしく、彼を女体化した女清玄を画いた歌川国貞≪『隅田川花御所染』≫なんて作品も。

その他、好いた男にまた会えるかもと放火の罪を犯した八百屋お七の事を歌川豊国≪『封文其名題』≫や処刑のシーンを画いた歌川国芳≪『恋模様振袖妹背』≫で知りました。

妖刀による凶行を画いた歌川国芳≪源氏雲浮世画合 鈴虫 福岡貢≫や同じく福岡を画いた月岡芳年≪英名二十八衆句 福岡貢≫のカッコよさ。

歌川国芳≪遇躬八芸 武蔵野秋月≫もワッルい面でよいよい。歌川国貞(三代豊国)≪梨園侠客伝 団七九郎兵衛 かわら崎権十郎≫も気合の入った刺青がいかす。歌川国芳≪鏗鏘手練鍛の名刃 佐野治郎左エ門 ≫の血飛沫もまた危険な格好良さ。

落合芳幾≪英名二十八衆句 げいしや美代吉≫、この人の描く血の滲みは情念が伝わる。歌川芳房≪清盛布引滝遊覧義平霊難波討図≫は雷となった悪源太義平の怨霊の図。悪にも色々な意味が日本にはあって、舞台上では歌川国貞(三代豊国)≪『三幅対戯場彩色』≫に描かれる善玉・悪玉みたいな役回りも。

盗賊、侠客、悪の権力者、毒婦、妖術使いetcetc...様々な”悪”の冷気にあてられた夏の夕となりました。

by wavesll | 2018-07-22 03:19 | 展覧会 | Comments(0)

内藤正敏 異界出現展@東京都写真美術館


TOPで開かれていた内藤正敏氏の『異界出現』展の最終日に滑り込んで観ました。

与那国島という異界の中で過ごしたばかりで、日曜美術館アートシーンで気になってはいたけれど、正直満腹状態だよなと思いながら向かったこの展示。実際、普段の展覧会のようにがっつりみるというよりはさらっと流したのですが、強烈に突き刺さる写真があって。

それは山形・出羽三山の湯殿山麗にある南岳寺に祀られている鉄龍海上人の即身仏を写した写真。特にカラーで撮られたものが衣服の生々しさと、印相がはっきりと刻まれた指が鮮烈な印象を残して。

与那国島旅行で私は浦野墓地という子宮を模した伝統的な墓に大変に興味を惹かれたのですが、人様の墓地という点で写真を撮ることを避けて。即身仏という聖体を写真に収めるという行為に、被写体を撮ることへの覚悟や人々との関係構築の真摯を感じて。

その深みがあるからこそ、東北のイタコ等を撮った『婆バクハツ!』シリーズや出羽三山の≪心浄坊勝尊像 正善院≫や≪お沢仏 御後三宝荒神像 大日坊≫、≪お沢仏 波分不動明王 大日坊≫、≪能除太子 正善院≫等の仮面への深淵な洞察があるのだなと。

初期作品のポリマーの化学反応などを撮ったSF的な写真群も良かったし、『東京 都市の闇を幻視する』シリーズでは70年代から80年代の東京の夜の濃い匂いが伝わって。

今のようにFacebookで人物に勝手にタグ付けで特定されてしまったり、Webを通じて不用意に拡散してしまう時代ではない好い意味で匿名性の闇があった昭和時代の大都市がゆるした”あそび”も感じて。700円でさらっとみれたけれど印象を焼き付けた展覧会となりました。

by wavesll | 2018-07-17 00:54 | 展覧会 | Comments(0)

エヴィルデヴィル展@ヴァニラ画廊にてシリアルキラーのピエロの画やマグノリアのカエルetcをみる

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ヴァニラ画廊にてevil devilエヴィルデヴィル. HN【悪・魔的】コレクションを観てきました。

シリアルキラーの絵は技術的には稚拙なものも多かったのですが殺人ピエロ、ジョン・ウェイン・ゲイシーの道化の画の禍々しさや灰色の背景にピノキオが佇む画の寂寥感が凶で、また高校銃乱射犯ウェイン・ローの顔を刺繍や塗りつぶしで潰す作品は五木田智央さんを超えるような閃光がありました。

どちらかというと映画小道具の展示がさらに凄くて。ティム・バートンによるシザーハンズのドローイングやチャッキーやグレムリンの頭部、MADMAX2のヘルメット、バットマン・リターンズのペンギン、アダムスファミリーの衣服、さらにはマグノリアの蛙やピンク・フラミンゴのDivineのサイン入りポートレートまで。

また水木しげるや楳図かずおの生原稿の展示などもあって。物質の凄さと言うか、醸される情報量の密度はヴンダーカンマーといった趣がありました。好事家の方にはお薦め。7/1(日)迄。

by wavesll | 2018-06-28 22:10 | 展覧会 | Comments(0)

ニッサンR380 (A-II型)@NISSANグローバル本社ギャラリー

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by wavesll | 2018-06-28 19:05 | 展覧会 | Comments(0)

岡本神草の時代展at千葉市美術館 表情燦燦、そして妖しい美人画達

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過日、千葉市美術館に岡本神草の時代展を観に行きました。

明治に生まれ、大正に芸術的才能を開花し、昭和に早世した岡本神草。
彼の代表作で在り、京都市立絵画専門学校の卒制である≪口紅≫に鮮やかなように、その特長は表情の躍動感。

浮世絵の影響を大きく受けながら、浮世絵の時代は澄ましていたり穏やかだったり何を考えているかわからなかった女性の描写をなんとも表情が燦燦と描かれていて。妖艶で官能的でされど陽るい一つの達成を為した名画だなと感じました。

花が零れ落ちるような≪手鞠と追羽根≫の美、ペット?の≪お貞子ちゃん写生≫の愛くるしさ。

この展覧会には草稿も多数展示してあって≪「盆踊」草稿≫のうねり、『NUM-HEAVYMETALIC』のようなエメラルドグリーンがきらっと光る≪花見小路の春宵(未成)≫≪「白河の花売娘」草稿≫のしっとりとした節目と緑のフレッシュさ、≪秋の野≫の白草に朱が入ったNujabesのような風合い、≪「春雨のつまびき」草稿2≫のいやらしくうねる肢体の迫力等、ラフ画だからこその魅力もあって。

そんな中で≪「拳を打てる三人の舞妓」草稿≫は首の部分が五角形の未完な空白であったり、紙での修正が載せられていて、何か寧ろファンタジックな神話性を感じたり、≪拳を打てる三人の舞妓の習作≫は四角のトリミングが寧ろ現代的な風合いを感じさせたりして面白かったです。

≪仮面≫の般若の笑み。≪仮面を持てる女≫の一物在りそうな感じ最高。≪もち花の女≫の花盛りな麗らかさ。≪浴≫の桃肌。≪五女遊戯≫の女の集団関係の妙、≪風船と女≫の色香に≪梳髪の女≫のパリの女性のような格好良さ。

≪追羽根≫の溌溂とした女子感に≪沐浴美人図(行水)≫のちょっと中国的な感じ、≪美人(秋宵)≫の瓜実な朴訥な美、≪化粧≫のうなじの綺麗、≪舞妓≫の肚になんかある感じ、多種多様な美人画達に"神草、今だったら江口寿史先生のさらに格上な感じか?"なんて思ったりw

ここから神草と同時代の画家たちの画が。神草の師匠、菊池契月の≪少女≫のぷっくりとした子どもの美、≪春風払絃≫の中原の美、板倉星光≪はなび線香≫には昔は線香花火はこうして楽しんでいたのかと。木村斯光≪花魁≫の”ニカッ”にはぎょっとしてw木村斯光≪清姫≫の負のアウラも凄かったw

甲斐庄楠音は≪横櫛≫で岡本神草≪口紅≫を破り賞を得た画家。≪桂川の場へ≫は男の役者の顔が好かった。≪如月太夫≫には抑制の美がありました。太夫だと稲垣仲静≪太夫≫も凄かった。

また非常に感銘を受けたのが梶原緋佐子≪唄へる女≫の肉感さ。同じく梶原緋佐子≪曲芸師の少女≫にも女性ならではのリアルなまなざしをみました。

そして梥本武雄≪梳る女≫の透明感に、神草の妻である若松緑の≪壺を持つ女≫にもすっきりした美がありました。

そして最後に飾られていたのが岡本神草≪婦女遊戯≫。紙風船に遊ぶ女性二人の透き通った美しさが本当に印象的でした。

またこの後に千葉市美術館の所蔵作品展「浮世絵黄金期からの展開」が開かれていて、喜多川歌麿≪納涼美人図≫や歌川豊国≪二美人図≫など、なかなかいいのが展示してありました。

岡本神草展は7月8日まで。全国巡回の最後の会場なので是非◎千葉駅のエキナカには松戸富田麺業があったり、千葉そごうJUNNNUには16の小さな専門書店という海外コミックからビジネス書、さらにはミニシアターも揃えたキュレーションの効いた本屋さんもあったり。チーバ君のお茶、おちゃ美人も美味しかったです。そういうのと組み合わせてショートトリップとするのもいいかもしれません◎

by wavesll | 2018-06-25 18:18 | 展覧会 | Comments(0)

内海信彦 「INNERSCAPE SERIES 宇宙山水屏風」展 @ FEI ART MUSEUM YOKOHAMA

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横浜・鶴屋町のFEI ART MUSEUM YOKOHAMAにて内海信彦 「INNERSCAPE SERIES 宇宙山水屏風」展をみてきました。

深海の山水画、天の気が金色からあふれていて。

風景画が抽象化を経て自然の本質へ究まるのはプーキシン展Cornelia Thomsen展でも感じたことですが、アブストラクトな表現がいかなるものからエンコードされたものか想像を巡らすのは自然というCHAOSから理を読み解いてきた進化から生まれる習慣かもしれませんね。

書道は線を観るにあらず、その線が描かれた筆と身体の流れをみるのだ、といいますが、この画も筆の身体性を立体的に想像すると脳の新たな部位が触発される気がしました。

天海の航空写真のような輝きに見惚れた験となりました。

by wavesll | 2018-06-17 03:16 | 展覧会 | Comments(0)

Cornelia Thomsen展@加島美術

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東ベルリンに育った彼女は抽象画のない世界に生きてきて、いま描いている此のストライプの作品群は海からインスピレーションを得たもので、最初は横縞だったけれども縦にしてしっくりきたのだとか。

壁にはご本人のサインも描かれていて。非常に可愛らしい仕草の方だったそうです。

2階では和室に絵画が掛けられて。抽象的な直線画が品の良い落ち着いた室内に非常に良くマッチしていました。

部屋に飾りたくなる画。”おぉ、これはいい”と想ったものは90万ほど。ギャラリーでは夢想が拡がりますね。

展示は明日迄とのこと。素敵な個展でした。

by wavesll | 2018-06-16 00:46 | 展覧会 | Comments(0)

松平不昧展at三井記念美術館にて大井戸茶碗 喜左衛門井戸をみた

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三井記念美術館に没後200年 大名茶人 松平不昧ーお殿様の審美眼ー展をみてきました。

松江藩松平家第七代藩主でありながら茶人としても名高い松平不昧、彼のコレクションを存分に楽しめる展示が開かれているのです。

先ず目に飛び込んでくるのが金縁が美しい重文≪油滴天目≫。そこからゴゴっとした存在感が印象的な≪信楽水指 銘 三夕≫や、タイのスワンカロークでつくられた≪宋胡録九角香合≫、螺鈿細工が美しく付属の小刀なども技ありな≪楼閣人物螺鈿十角硯箱≫、富士の文様に黒線が入った≪唐物肩衝茶入 富士山肩衝≫、そして梅の花の文様が幾つも咲いた国宝 ≪玳玻盞 梅花天目≫、さらには不昧が石州流茶道で立ち返ることを志した千利休作の≪竹茶杓 ヤハラ道怡≫が。

そして…次の間では愈々御目当て、国宝 ≪大井戸茶碗 喜左衛門井戸≫!!!

井戸茶碗とは16世紀頃に朝鮮半島から渡来した高麗茶碗と呼ばれる茶碗の一種で、彼の地では日曜雑器だったものが日本の茶人が見初め、中でもこの茶碗は「天下第一の名碗」 と呼ばれる逸品。

朝鮮から渡ってきたこの茶碗はぐわっとした存在感に、まるで大物の遺跡をみるような迫力と神性が内から湧いていました。土のスケール感、高台の梅花皮がまさに井戸のように石が積まれた凝縮感。素晴らしい。何でもないとされてきた器に美しさの究みを見出だした数百年前の此の国の人々の目利き、美の哲学の結晶とも感じました。

広間へ出るとそこには掛け軸と茶器が。

≪青井戸茶碗 銘 朝かほ≫も派手でない土の美があって。≪斗々屋茶碗 銘 広島≫の渋色に青錆。重文の≪堅手茶碗 銘 長崎≫のひしゃげた感じも現代的感性。これも重文≪本阿弥光悦作 赤楽兎文香合≫はウサギが描かれた可愛らしい逸品。可愛いと言えば翡翠にクリーム色がちょこんとのった≪交趾大亀香合≫や、ダイヤカットな≪白呉須台牛香合≫に、礎を模した≪伊賀伽藍石香合≫も良かった。

光悦の孫の本阿弥光甫作≪信楽芋頭水指≫も良かったし、≪丹波耳付茶入 銘 生野≫のアブストラクトな魅力。雪舟筆≪一円相≫のシンプルで宇宙的な真円。また不昧は筆も好くて、松平不昧の絶筆≪遺偈≫の喫茶喫飯というコトバに骨頂をみて。松平不昧筆≪一行書「明歴々露堂々」≫と≪一行書「独座大雄峯」≫の力強い筆致も良かった。

そして不昧筆≪書「喝」≫一字の迫力。それと共に茶室に展示されていた≪伊羅保茶碗 千種伊羅保≫が浜と波が一碗に込められたような作品で素晴らしかった。

松平不昧筆≪茶の湯の本意≫に書いてあった「時代に合わせてブラッシュアップすべし」「下手でもOK」には唸らされて。千利休の教えが書かれた松平不昧筆≪三百ヶ条≫や、不昧の大いなる業績である、各地の名物の品録≪古今名物類聚≫と彼の蒐集物が記された≪雲州蔵帳 貴重品目録≫も。

松平不昧≪茶杓 銘 残雪・残花≫の文字のかっこよさ。小林如泥≪桐茶箱≫の雪の字。松平不昧と妻より子合作≪桐茶箱 春の月≫の品の良さ。

松平不昧の力強い筆運びに狩野伊川院栄信の亀の画が格好いい≪福禄寿亀図≫や豆腐で世の中を例えた松平不昧筆≪豆腐自画賛≫、そして花柄のデザインがとっても嬉しい松平不昧≪書「春月」≫も良かった。

最後の展示室も素晴らしく、表から裏へ菊の柄が入った長岡空斎≪楽山焼 色絵菊図茶碗≫、金に螺鈿の原羊遊斎≪片輪車蒔絵棗≫や黒に金が輝く原羊遊斎≪蝶蒔絵大棗≫、黒に菊が透明に浮かび上がる初代小島漆壺斎≪やみ菊棗≫、シンプルでエレガントなデザインの初代小島漆壺斎≪桐蒔絵茶桶≫、「福」の字の意匠がまたいい初代小島漆壺斎≪福寿棗≫、蓋の凹みがまた現代的な初代小島漆壺斎≪竹中次≫も良かった。

さらに原羊遊斎作/狩野伊川院栄信下絵≪椿蒔絵香合≫・≪かまきり蒔絵香合≫・≪きりぎりす蒔絵香合≫の金と螺鈿の意匠が黒に映えて楽しく、狩野伊川院栄信画≪張庫形牛香合≫の木の赤茶に牛が浮かぶ様や≪古染付張甲牛香合≫、黒に薄っすらと桃が浮遊する原羊遊斎≪桃蒔絵細棗≫も素敵だったし、≪片輪車蒔絵香合≫も良く、玉川又徹作/蓋絵・酒井抱一画≪桐茶箱 水月≫も素晴らしかった。不昧を通して利休と抱一が繋がるとは。

そしてそんな不昧が創った≪薩摩竹水指 銘 山川≫も内側が黒に塗られ紅葉が映える独創的なデザインが好いし、最後に見た松平不昧≪竹筒花入 銘 心の花≫は”花は要らず、打水だけで好い”という領域へ。不昧は茶を通じて空へ到達したのかと心が震わされました。

みごとな茶の道、素晴らしい趣味をみせて貰えて、しみじみとした機微のある展覧会でした。

by wavesll | 2018-06-13 21:24 | 展覧会 | Comments(0)

NUDE展 at 横浜美術展 時を越えて先端表現をめぐる旅

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横浜美術館で開かれているヌード展 英国テート・コレクションよりをみてきました。

先ず展覧会場に入ると目に映るのがフレデリック・レイトン≪プシュケの水浴≫。神話に登場する美女を複数の女性の裸体を組み合わせることで理想の肢体として描いた作品。

この作品とウィリアム・マルリディ≪裸体習作≫は柔らかさを感じさせる金髪のコーカソイドの女性のヌードでした。

それに対してハモ・ソーニクロフト≪テウクロス≫は古代の戦士の締まった躰が凄かった。

19世紀ヴィクトリア朝英国では神話・古代をモチーフに裸身が描かれて。女性の湯殿が描かれたローレンス・アルマ=タデマ≪お気に入りの習慣≫や黄昏が波に輝くハーバート・ドレイバー≪イカロス哀悼≫のニンフたちも可愛らしかった。またウィリアム・エッティ≪寝床に就く妻を下臣ギュゲスに密かに見せるリディア王、カンダウレス≫なんてえぐい場面も。

そんな中ジョン・エヴァレット・ミレイ≪ナイト・エラント(遍歴の騎士)≫は理想化された肢体でなく、腹が弛んだヌードで当時「リアルすぎる」と物議を醸したそうです。英国の方々は流石紳士の国で御堅い。

このような形で、ヌードという題材は人間の根本的な欲求故に道徳規範との鬩ぎあいであり、自然その時代時代の前衛・先端の表現が裸体画によって更新されてきました。

エドガー・ドガ≪浴槽の女性≫はさらにアヴァンギャルドで、神話ではなく素人の女性が湯浴みをしている様を画いた作品。

バスルームの裸身画というとピエール・ボナール。彼が奥さんが湯船に浸かるのを画いた数多い作品から≪浴室≫≪浴室の裸婦≫が展示されていました。

アンリ・マティス≪布をまとう裸婦≫は明るい力を強く発して。オーギュスト・ルノワール≪ソファに横たわる裸婦≫は幸福があふれた彼一流の美女。ルノワールにしてはしゅっとした體かも。

そんな明るい絵画に相対してダークな雰囲気の作品が並んでいて。フィリップ・ウィルソン・スティア≪座る裸婦――黒い帽子≫は昏い色気のある美人画。グウェン・ジョン≪裸の少女≫は痩せ細った翳のある少女。画家とのソリも合わなかったそうです。


ここから20世紀に入りモダン・ヌードのEraへ。

アンリ・ゴーディエ=ブルゼスカ≪レスラー≫は古代のレリーフのよう。ダンカン・グラント≪浴槽≫はアフリカからインスピレーションを受けたイエローなヌード。ディヴィッド・ボンバーグ≪混浴≫はトリコロールの幾何学なヌード?ついにここまで来たかという感じ。

ヘンリー・ムーア≪横たわる人物≫は穴が開いた身体が印象的な彫刻。同じくヘンリー・ムーア≪倒れる戦士≫もシンプルに図示化された敗れ去った兵士の姿が印象的。

そしてこれが見たかった!パブロ・ピカソ≪首飾りをした裸婦≫!!人間存在が匂い立つ迫力。海の潮と赤い大地にド迫力の裸婦画。これが87才での作品とは…!全く勢いが衰えていない…!

この豊満なヌードに対してアルベルト・ジャコメッティ≪歩く女性≫は極限にすらっと削られた女性の彫刻で、非常にハイレベルに好対照していました。

さらに次の部屋は本展のメインヴィジュアルにも現れるオーギュスト・ロダン≪接吻≫が。眼で生で感じるとまるで砂糖でつくられたかのようにしっとりとしながら今にもほどけてしまいそうな質感でえもいわれぬ体験でした。この作品に限って撮影OKで、360°から撮影しました。

この間にはジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーのヌード・スケッチも。≪ベッドに横たわるスイス人の裸の少女とその相手「スイス人物」スケッチブックより≫なんかは艶っぽかった。


またデイヴィッド・ホックニーのBLな挿絵も展示してありました。

次に在ったのがレアリスムとシュルレアリスムの章。

マックス・エルンスト≪男はこれについて何も知らない≫はタロット的なデザイン。マン・レイ≪うお座(女性と彼女の魚)≫はいきいきとした魚ですらっとした女性のヌード。マン・レイは寫眞作品の≪無題(ソラリゼーション)≫も美しかったです。

ポール・デルヴォー≪眠るヴィーナス≫は近現代的な舞台の中で色っぽい女性たちが存在する画。バルテュス≪長椅子の上の裸婦≫は昏い悦びがあるヌード画。

次の章に入るとまず目に飛び込んでくるのはフランシス・ベーコンの≪横たわる人物≫≪スフィンクス――ミュリエル・ベルチャーの肖像≫のオレンジ。そしてルイーズ・ブルジョワの≪カップル≫・≪女性≫・≪誕生≫・≪授乳≫・≪親しみのある風景≫・≪家族≫等の白地と滲む赤も印象的でした。

そしてルシアン・フロイド≪布切れの側に佇む≫の布の白も印象的で。

またウィレム・デ・クーニング≪訪問≫セシリー・ブラウン≪楽園の困難≫は色彩爆発で裸体が自由に躍動蠢動していました。

そしてヌード画という表現は政治的な意思表示を顕わすようになってきます。

バークレー・L・ヘンドリックス≪ファミリー・ジュールス:NNN (No Naked Niggahs[裸の黒人は登場しない])≫は白人の女性ばかりだったヌード画の世界に黒人男性のヌードが存在感を放っていました。すらりとした身体にメガネがなかなかに素敵でした。

シルヴィア・スレイ≪横たわるポール・ロサノ≫も男性のヌードを画いた一枚。毛むくじゃらのカラダにちょっと嫌悪感を感じて、自分自身の目線を否応なしに意識させられました。

女性のヌードも従来からは変わってきて、ロバート・メイプルソープ≪リサ・ライオン≫は女性ボディビルダーの写真。

写真だとサラ・ルーカス≪鶏肉の下着≫も股間に鶏が入るインパクトのある写真。

シンディ・シャーマンのグラビア撮影後にローブを纏って睨む様を写した≪無題 #97≫・≪無題 #98≫・≪無題 #99≫、ジョン・コブランズが自分の弛んだオヤジヌードを写した≪セルフ・ポートレート(フリーズno. 2、4枚組)≫、リネケ・コブランズが出産後の母子を撮った≪ジュリー、デン・ハーグ、オランダ、1994年2月29日≫・≪テクラ、アムステルダム、オランダ、1994年5月16日≫、≪サスキア、ハイデルウェイク、オランダ、1994年3月16日≫も面白かった。

そしてこの展覧会が行きついた先に在った絵画は舞台上のヌードの女性の動きを活字で書き綴ったフィオナ・バナー≪吐き出されたヌード≫。遂にヴィジュアルだけでなく概念に裸体画は到達し、NUDE展は幕を下ろしました。

今年は西洋画の大きな流れをみせる展覧会を幾つかみて。その中でもビュールレ・コレクション 至上の印象派展プーキシン美術館展 旅するフランス風景画とこの展覧会で西洋画をみる上での一つの軸が形成されつつある気がします。

普通に上手く肖像画や神話の風景を描くところから絵画でしかありえない表現世界へ飛び立っていく、さらなる超フロンティアを求める美の冒険。時を越える旅。そのダイナミズムの先端を画いたNUDEの数々に大いに刺激を感じる展覧会となりました。

最後に≪The Kiss≫の360°からのShotを。

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by wavesll | 2018-06-11 01:46 | 展覧会 | Comments(0)