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ルート・ブリュック展@東京ステーションギャラリー 幻想の具象から抽象に飛翔する未来視の作陶。そして黒・暗に有る深い精神性の落ち着きと幸せ

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≪雄鶏の皿≫
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≪茂みの少女≫
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≪静物(矢車草とカリフラワー)≫
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≪静物≫
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≪静物(スズランと梨)≫
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≪お葬式≫
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≪結婚式≫
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≪東方の三博士≫
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≪馬車≫
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≪無題≫ ≪庭の少女たち≫
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≪ペリカンの皿≫
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≪無題≫
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≪鳥の群れ≫
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≪鳥≫ ≪ついばむ鳥≫
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≪草むらの鳥≫
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≪鳥とりんご≫
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≪鳥≫
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≪イースターの鳥≫
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≪母子≫
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≪鳥≫
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≪ライオンに化けたロバ≫
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≪ノアの方舟≫
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≪子羊の扉≫
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≪肘掛け椅子≫
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≪無題≫
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≪静物≫
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≪無題≫
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≪無題≫
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≪鳥籠≫
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≪散髪≫
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≪無題≫
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≪無題≫
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≪コーヒータイム≫
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≪無題≫ ≪ポストカードのスケッチ≫ ≪お菓子の包み紙のスケッチ≫
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≪ビルゲル≫
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≪三つ編みの少女(ルート)≫
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≪三つ編みの少女(ルート)≫
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≪三つ編みの少女(ルート)≫
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≪カレリアの鐘楼(アダムとイヴ)≫
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≪カレリアの家≫
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≪トウヒとフクロウ≫
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≪カレリアの家≫
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≪カレリアの礼拝堂≫
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≪ストーブ≫
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≪水差しとレモン≫
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≪魚≫
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≪魚の皿≫
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≪ボトル≫
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≪梨籠≫
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≪果物の皿≫
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≪ヴェネチアの宮殿:リアルト橋≫
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≪聖体祭≫
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≪シチリアの教会≫
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≪シチリアの教会≫
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≪ヴェネチアの宮殿:ジョルノ≫
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≪ヴェネチアの宮殿:鳥の扉≫
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≪最後の晩餐≫
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≪ヴェネチアの宮殿:柱廊≫
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≪家族のアルバム≫
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≪ふたりの少女≫
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≪牛≫
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≪木の上のザアカイ≫
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≪ダンス≫
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≪ピリッタ≫
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≪三つ編みの聖母≫
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≪キルト≫
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≪母子≫
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≪お葬式≫
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≪ライオンに化けたロバ≫
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フィンランドの国際的な陶磁器芸術家ルート・ブリュックの展覧会をみに東京ステーションギャラリーへ行ってきました。

会場へ入ると彼女の娘さんのマリア・ヴィルカラによる≪心のモザイクールート・ブリュック、旅のかけら≫という作品が展示してあって。これはルートの作品のタイルを再構築した作品。色味が入った初期の作品から白黒へ行きつく彼女の人生の旅路があらわされていました。

このマリアさんの作品以外の3Fの作品は撮影可能でした。3Fと2Fで作風がガラリと変わるので2Fも撮影したかったのですが、実際スマホのシャッター音が五月蠅かったし、会期途中で2Fが撮影禁止になったたことで鑑賞に没頭できたのは良かったです。

建築家への道をあきらめ、美術学校を卒業したルートはアラビア製陶所にてデザインの仕事を任されるようになります。

彼女のデザインは少女が視るファンタジックな世界で、どこか棟方志功にも通じるけがれなき魂を感じさせて。鳥の作品群なんかその性格まで感じさせる筆致の妙。また色彩の操り方が抜群に上手い。黒かったり暗かったりするのだけれども、澄んでいて、静謐で。精神的な落ち着いた、それでいてユーモアさえ感じられる豊饒な作品群でした。

ストックホルムに生まれ、夏は母の故郷のフィンランド・カレリア地方で休暇を過ごしたルート。カレリア地方はソ連に奪われてしまい、楽しさの裏に暗さをもった郷愁として現れますが、一方でイタリア旅行での陽光の体験は大きなインスピレーションを彼女に与えました。またキリスト教的な作品群も、宗教心と日常生活をつなぐというか、彼女の聖母子像はルート自身とアラビア製陶所で出会った最大の理解者である夫との間に出来た子どもたちを表したりしていました。

彼女の作品は2.5Dというか、平面なのだけれども立体であって。メインヴィジュアルにもなっている≪ライオンに化けたロバ≫などにはその創造性と面白みがいかんなく発揮されています。

そして蝶の研究者でもあり画家でもあった父の死から、彼女の藝術はさらなる高みへメタモルフォーゼしていきます。それは撮影NGである2Fのエリア。ぜひとも生で体験してもらいたい。

2Fに入るとまず展示してあるのが≪蝶の研究者≫という父を描いた作品。そしてその向かいの壁には≪蝶たち≫≪蝶≫の連作というカラフルな正方形に収められた色とりどりの蝶の作陶がインスタレーションのように展示されて。その壁の続きにはルートがデザインした蝶の壁紙も。ここで彼女の作風がファンタジックな具象から、よりデザイン的、抽象的な表現へ変貌していっているのが示唆されます。

≪ヘキサゴン≫というのはまるで蜂の巣を切り取ったかのような八角形の構造の連続体のオブジェ。中国の景徳鎮のような色味のもの色とりどりの花々が画かれたデザインのものがありました。

≪レリーフ≫という作品は小さな構造体を積み重ねて大きな構造をつくる、マインクラフトのような作品。この建築的な表現はブリュッセル万博でつくられミラノ・トリエンナーレにも出品された≪都市≫という作品でもいかんなく発揮されています。

また≪”アッシュ・トレイ”≫シリーズは四角い灰皿の感覚がどこか古代中国の青銅器を想わせて。一方で≪宴のテーブル:薔薇の卵≫はロマノフ朝のインペリアル・イースター・エッグを想わせました。≪宴のテーブル:ガチョウの皿≫では発注主のオファーで昔の具象なファンタジックな作品も。

その後も彼女の藝術はどんどん抽象度を高めて。≪皿≫シリーズは円筒形の皿を面ごとに一色で塗り分けるという、もはやモノ派な作風。

そして1960年代に彼女は黄金色の抽象的なタイルの半立体的な構造による宗教的作品を作るようになって。≪レリーフ(アダムとイヴ)≫は金の十字がタイルの組み合わせで表され、≪レリーフ(イコン)≫ではキリスト像が黄金の中にホログラムのように浮かび上がり、さながら大聖堂の祭壇を抽象化したよう。≪黄金の深淵≫ではその構築体は『ブレードランナー2049』のヴィジュアルを先取りするような、古代なんだけれども未来な超文明を感じさせました。

彼女は旅から化学反応を起こすことがあったそうで、インド旅行で創られた≪ジャイプル≫という作品は円を抜く意匠が印象的で、≪赤い太陽≫はどこか男性的でもある鉄錆のような燃える太陽が小さな円柱の突起で表され、なんとも存在感を放っていました。

ここから彼女の作品は完全に具象を離れ、タイルのカタチと色味の建築的デザインによってつくられていきます。ソ連に奪われた土地の名を関した≪スイスタモ≫やクロアチアの挨拶を関した≪ドバルダン≫もそう。≪無題≫は明るい色味が白に映えて。≪レリーフ≫はパレットのような構造体。≪レリーフ≫は黄・黄緑・オレンジ・桃色などが白に映えて。≪レリーフ≫はレゴ的な白いタイルの半立体性が楽しい。≪忘れな草≫は水色や藍色も白に映えて。

そして≪無題≫はゲーム盤のような黒一色に色が射す作品。≪ソーホー≫は黒地にと白が粒粒で美。≪花束≫はロボットが認識したようなカクカクになった世界の視野。≪青≫のデザイン性に≪2≫の明るさ。

≪泥炭地の湖≫は明るいマットな黒がなんとも美しい質感をもたらしている大作。≪水辺の摩天楼≫はまるで都市版『黒の夢』のような黒で表された都会の躍動。≪木≫の白タイルに広がる木のグラフィカルさがまたこれが凄いんだ。テキスタイル≪セイタ≫の展示も。

そして最終的にルートはタイルがもたらす光と影によってその藝術を成す高度まで達します。

≪無題≫は平面の中でどれだけ立体の複雑さとシンプルさを表せるかという作品。映像にあったタイル製作の音はウユニ塩湖を踏みしめたような音でした。

≪色づいた太陽≫は白一色の地に円柱のドットや立体の斜めの平面が組み合わされて、まさに光と影で表された無色の彩。≪ジャイプル≫も白い影な作品。

そして≪鳥≫はついに鳥という具象を飛翔する方向の白いベクトル表示で表すという抽象性。≪霞≫は太陽が水に映っているような世界観。

≪春の雲≫は白い地に雲が浮かび、雨を降らせる。あぁ、この感覚はエレクトロニカに似ている。1981年に奏でられたエレクトロニカ。

≪レリーフ≫は落ちていく氷が照らされて。またフィンランド大統領私邸にあるという壁画作品≪流氷≫の素描なんかも展示されていました。

幻想的な、けれども幼子のような、それでいてその色の透明な深い艶がなんとも魅力的な絵付けの初期から、高度に抽象化され、その高密度な芸術性が圧巻の後期まで、その進化はまるでファミコンからPS4以後までのゲームのグラフィックの進化を見るようなダイナミズムで。

そしてその魅力は物理的な質量にもあるなと。2.5次元の質感。CGの話でいえば、今後の進化は3Dホログラフィックになるのだろうなとか思ったり。音楽でいうと最後の白の光と影の作品群はスケッチショウに近くて、その前の黒いマットな質感は、そうですね、Yosi Horikawaが今年に出した『Spaces』に近いかも。これを20世紀にやってるのだからまさに未来視。それでいて黒のマットとクリスタル、そして射し色の音楽はまだ誰もやってないかも。

ラップランドそして最も心に浮かんだのは”あぁ、黒や暗いことって不幸せでなく、そこに静謐な幸せがあるのだ、それをこの人はラップランドで美事に顕したのだ”ということ。深い精神性をたたえた作品群は、こうして一つの流れとして魅せてもらうことで大きな変貌という心の軌跡もみせてもらえました。本展は明日が最終日。是非、お薦めです。




by wavesll | 2019-06-15 16:55 | 展覧会 | Comments(0)

ウィーン・モダン展@国立新美術館 前近代から近代への都市の変貌、革新の火花

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クリムト展@東京都美術館に続いて新美でのウィーン・モダン展をみてきました。

ウィーンという都市がいかに”近代”を生み出したか。その旅の始まりはヨハン・アダム・デルセンバッハ≪ローテントゥルム門側から見たウィーン旧市街≫(1750年以前)、そしてマルティン・ファン・メイテンス≪マリア・テレジア(額の装飾画:幼いヨーゼフ2世)≫ (1744年)とハインリヒ・フリードリヒ・フェーガー≪鎧姿のヨーゼフ2世≫ (1787-88年頃)の威容から始まります。この2人の治世から近代化の萌芽が始まりました。

そして18世紀末19世紀初頭にはフリーメイソンのネットワークもこの都市に花開きました。そのメンバーには≪作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト≫も。街には≪プラーター上空に浮かぶヨハン・シュトゥーヴァーの熱気球≫が浮かび、ヨハン・ヒエロニムス・レシェンコール≪ヨーゼフ2世のモニュメント≫はピラミッドのよう。またフリーメイソン会員ではないですが啓蒙思想に影響を受けたフランツ・クサーヴァー・メッサーシュミット≪究極の愚か者(「性格表現の頭像」シリーズより)≫も展示してありました。

マリア・テレジアの死後に皇帝ヨーゼフ2世は都市を改革していきます。宗教への寛容政策、ヨーゼフ・シャファー、ペーター・シャファー≪総合病院の眺め≫の建設、また公園の設置や磁器工房の奨励。

そしてナポレオンの侵攻を経て、ウィーン会議から革命までの間のビーダーマイアー時代がやってきます。ジャン・ゴドフロワ(ジャン=バティスト・イザベに基づく)≪ウィーン会議での各国代表者たち≫ (1830年)は「会議は踊る、されど進まず」な様子が描かれ、その画にも描かれたオーストリア宰相≪メッテルニヒのアタッシュケース≫の実物の展示も。またこの時代の作品で面白かったのがカール・ルートヴィヒ・ホフマイスター≪絵画時計ー王宮書斎での皇帝フランツ1世≫という本物の時計が埋め込まれた作品なんてのがありました。そしてヨハン・クリスティアン・シェラー≪ウィーンのバリケード、1848年5月26日≫という蜂起の様子はまるでレミゼラブルのようでした。

シューベルトの時代の都市生活は様々な家具・調度品と共に絵画展示が展開されていました。

製作:ダンハウザー家具工房≪机≫ (1820-30年)は丸い底面と円錐な柱が印象的、様々な≪椅子≫たちもどれもデザインが見事で、今みてもIKEAレベルを大きく超えてるフォルムと質感。銀食器たちも本当にシンプルかつ洗練された美を放っていました。≪ボンネット≫と呼ばれる帽子も。そしてヴィルヘルム・アウグスト・リーダー≪作曲家フランツ・シューベルト≫の横には≪フランツ・シューベルトの眼鏡≫(1820年頃) の実物展示も。ユーリウス・シュミット≪ウィーンの邸宅で開かれたシューベルトの夜会(シューベルティアーデ)≫ではブルジョワな麗しき男女が集っていました。

ビーダーマイアー時代の絵画ではフリードリヒ・フォン・アメリング≪3つの最も嬉しいもの≫ (1838年)が素晴らしかった。男が口説く女性、そして彼女が持っているグラス(酒)と楽器(音楽)が画かれるのですが、その女の子のはっとさせられる綺麗さは本展覧会のベストガールでした。

またフェルディナント・ゲオルク・フヴァルトミュラー≪教会に向かう春の道≫ (1863年)、フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー≪バラの季節≫ (1864年頃)は光がパキっと描かれて、国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア展の露西亜の四季画を少し想いださせられました。あれは19世紀後半から20世紀初頭の作品群だったかな。

ビーダーマイアー時代にはルドルフ・フォン・アルト≪ゴシック様式の石柱「糸紡ぎの十字架」からみたウィーンの眺め≫など、中世から発展していくウィーンの変わりゆく都市景観が描かれてもいました。

そしてウィーンの市街地の拡張、フランツ・ヨーゼフ1世による城壁の撤去によるリンク通りの開発の時代。フランツ・ルス(父)≪皇帝フランツ・ヨーゼフ1世≫の隣にはフランツ・ルス(父)≪皇后エリーザベト≫の郷ひろみのアイドル時代のような若々しい2人の姿が。

ここで”おぉ!エリーザベト!”と想った方はきっと東京都美のクリムト展に行かれているはず。そう、クリムトの師匠であったハンス・マカルトがこの2人の銀婚式のパレードの演出をしている等関わりがあるのです。

この展覧会ではハンス・マカルトの作品群が結構力を入れて展示してあって、ハンス・マカルト≪真夏の夜の夢(ウィーン市立劇場緞帳のための習作)≫ (1872年)はバロックでロココな感覚、ハンス・マカルト≪1879年の祝賀パレードのためのデザイン画ー大工組合の旗手≫、≪1879年の祝賀パレードのためのデザイン画ー菓子製造組合≫、≪1897年の祝賀パレードのためのデザイン画ー織物製造組合≫はパステルで祝祭的な、ファンタスティックな感覚。

女性画も描いていて、ハンス・マカルト≪メッサリナの役に扮する女優シャーロット・ヴォルター≫の白い姿はどこか神話性を帯びていて。一方で紅に染まったハンス・マカルト≪ドーラ・フルニエ=ガビロン≫の華奢な美しさにははっとさせられて。ハンス・マカルト≪ハンナ・クリンコッシュ≫のふくよかな黒い羽衣服には幸福な安心感を覚えました。

そんなハンス・マカルトの下で修業を積んだクリムトと学友のマッチュの作品も共に展示されていて。グスタフ・クリムト≪旧ブルク劇場の観客席≫は貴族やブルジョワ100人以上の観客たちが顔がきちんと描かれていて、まるで写真のコラージュ作品のような精彩さ。やっぱりこの人抜群に絵が上手い。フランツ・フォン・マッチュ≪古代の即興詩人(ブルク劇場北階段のための習作)≫・≪中世の神秘劇(ブルク劇場北階段のための習作)≫には古代趣味があって都美での展示を思い起こさされて。

そしてこの時代と言えばウィーン万国博覧会(1873年)。当時ウィーンの芸術家たちに大きなインスピレーションを与えた日本の展示がジョルジ・クレス≪ウィーン万国博覧会ー日本館≫・≪ウィーン万国博覧会ー日本館と日本庭園≫、オスカー・クラーマー≪ウィーン万国博覧会ー日本館と日本庭園≫という写真で展示されていました。

また19世紀末のウィーンと言えば「ワルツの王」ヨハン・シュトラウス。ヴィルヘルム・ガウゼ≪宮廷舞踏会≫の多幸感。ヴィクトル・ティルクナー≪作曲家ヨハン・シュトラウス (子)≫の胸像も。

そしてウィーンは愈々近代都市として羽化していきます。その時代の治世の想像を掻き立てるのがフランツ・フォン・マッチュ≪シェーンブルン宮殿書斎での皇帝フランツ・ヨーゼフ1世≫や螺鈿な貝細工が美しい、分離派のメンバーであるオットー・ヴァーグナー≪カール・ルエーガー市長の椅子≫

そのオットー・ヴァーグナーは近代建築の先駆者と呼ばれ、オットー・ヴァーグナー≪美術アカデミー記念ホール:模型≫製作:ヴェルツェル・ホルマン(1898年)では薄紅色の壁に金色の意匠が美しい建築が、またオットー・ヴァーグナー≪カイザリン・エリザーベト・プラッツ、市営鉄道のパヴィリオン:透視図(ウィーン市総合整備計画のための設計競技案より)≫では近代都市の交通システムとしてのチャレンジなプロジェクト、オットー・ヴァーグナー≪市営鉄道の皇帝専用パヴィリオン(ヒーツィング)≫は2度しか使われなかったそう。

オットー・ヴァーグナー≪郵便貯金局:天井構造図≫のところにはオットー・ヴァーグナー≪郵便貯金局のアームチェア≫、オットー・ヴァーグナー≪郵便貯金局メインホールのスツール≫の実物展示も。

モダニズムは文化施設にもつけることを示すオットー・ヴァーグナー≪ウィーン市立皇帝フランツ・ヨーゼフ博物館(カールスプラッツ)設計計画:ファサード≫というもの等も。そして近代教会建築の走りとなったオットー・ヴァーグナー≪聖レオポルド教会(シュタインホーフ)≫は白と金の美麗と聖性が。

また花を陶器で表すことで永遠化しようとしたオットー・ヴァーグナー≪マジョリカ・ハウスの陶器製ファサード(リンケ・ヴィーンツァイレ40番地)≫や当時の最先端アイディアであった集合住宅をつくったオットー・ヴァーグマン≪コロヴラートリンクのホテル・ウィーン≫とオットー・ヴァーグナー≪陸軍省(シュトゥーベンリンク)のための設計競技案趣意書≫やオットー・ヴァーグマン≪ウィーン市22区の理想的設計案ー『大都市』(1911年)に基づく模型≫展示も。

そしてここから愈々クリムトの本編。

グスタフ・クリムト≪自然の王国(『アレゴリーとエンブレム』のための原画No.39)≫・たゆんたゆんな≪一日の4つの時(『アレゴリーとエンブレム』のための原画No.26)≫・≪青年期(『アレゴリーとエンブレム』のための原画No.8)≫・しっとりした肢体の≪寓話(『アレゴリーとエンブレム』のための原画 No.75a)≫・≪物語(『アレゴリーとエンブレム』のための原画 No.74)≫・≪牧歌(『アレゴリーとエンブレム』のための原画 No.75)≫・金の額縁に花を描いた≪愛(『アレゴリー;新連作』のための原画 No.46)≫・≪彫刻(『アレゴリー:新連作』のための原画 No.58)≫・≪6月(ユノ)(『アレゴリー:新連作』のための原画 No.53)≫たちがなんとも美少女がエロティックで美青年の裸身も美しかった。

そしてウィーン分離派の創設。

グスタフ・クリムト≪第1回ウィーン分離派展ポスター(検閲前)≫は検閲後で木の枝で隠される股間が描写されていて、都美でも展示されていたグスタフ・クリムト≪第1回ウィーン分離派展ポスター(検閲後)≫から答え合わせをした気分。

アルフレート・ロラー≪分離派会館会館記念ポスター≫はオリンピックのロゴのよう。モーリス・ネーア≪ウィーン分離派メンバー≫の写真も。


そしてここからクリムトの素描群が。グスタフ・クリムト≪裸婦(ウィーン大学学部絵≪医学≫のための習作)≫・≪男性胸像(ウィーン大学学部絵≪法学≫のための習作)≫・≪ドレープのある衣をまとう前かがみの男性(ウィーン大学学部絵≪法学≫のための習作)≫・≪裸婦立像(ウィーン大学学部絵≪法学≫のための習作)≫には都美での≪医学≫・≪哲学≫・≪法学≫を思い起こさせられて。

そしてグスタフ・クリムト≪横たわる裸婦(≪水蛇II≫あるいは≪遊女の対話≫のための習作)≫や≪半裸で寄りかかる女性(≪乙女≫のための習作)≫・≪横向きでうずくまる裸婦≫・≪半裸で寝そべる女性≫などが何ともエッロい艶があってどきどきさせられました。

都美でもカール・モルやコロマン・モーザーなどの画が展示されていましたが、本ウィーン・モダン展でもクリムトに連なる画家たちの作品が多数展示されて。

ウィーン分離派の画家たちではスーラなマクシミリアン・レンツ≪シルク=エッケ(リンク通りとケルントナー通りの角)≫に黄色のドレスだけど何ともアンニュイなマクシミリアン・クルツヴァイル≪黄色いドレスの画家(画家の妻)≫、ドガ的なバックヤードなカール・モル≪コーヒー工場にて≫。線の筆跡で落ち着いた情景を描くカール・モル≪朝食をとる母と子≫≪書き物机に向かう画家のアンナ・モル≫

SFな古代の惑星感のあるヴィルヘルム・ベルナツィク≪炎≫に彼は分離派ではないけれどフランツ・フォン・マッチュ≪画家の子どもたち(レシとハンス)≫、レストランでクールに誘惑するヨーゼフ・エンゲルハルト≪ゾフィーエンザールの特別席≫にキレイなクラシック感のあるヴィルヘルム・リスト≪白と黒の絵画≫に平面さが現代的なコロマン・モーザー≪少女≫もありました。

ウィーン分離派はグラフィック方面も物凄くて、アルフレート・ロラー≪『ヴェル・サクルム』表紙(1898年第1号豪華版)≫の桶にカール・モル≪『ヴェル・サクルム』表紙(1898年第10号豪華版)≫の木、フェルナン・クノップフ≪『ヴェル・サクルム』表紙(1898年第12号豪華版)≫は幾何学な感じ。

そしてウィーン分離派展ポスターが壁一面にあって。コロマン・モーザー≪第5回ウィーン分離派展ポスター≫は緑の天使、ヨーゼフ・マリア・アウヘンタラー≪第7回ウィーン分離派展ポスター≫、アドルフ・ベーム≪第8回ウィーン分離派展ポスター≫はF1レースなデザイン。アルフレート・ロラー≪第9回ウィーン分離派展ポスター≫のピンク、ヨハン・ヴィクトール・クレーマー≪第11回ウィーン分離派展ポスター≫は青赤緑の花、アルフレート・ロラー≪第12回ウィーン分離派展ポスター≫はゲームなデザイン。コロマン・モーザー≪第13回ウィーン分離派展≫の女子三連星。アドルフ・ベーム≪第15回ウィーン分離派展ポスター≫のガンダム感。アルフレート・ロラー≪第16回ウィーン分離派展ポスター≫は化粧品の広告感、マクシミリアン・クルツヴァイル≪第17回ウィーン分離派展ポスター≫のシャンプーな感じ。グスタフ・クリムト≪第18回ウィーン分離派展ポスター≫はダダなフォント。フェルディナンド・ホドラー≪第19回ウィーン分離派展ポスター≫はアメリカン・パンク・ジャケ感。オットー・フリードリヒ≪第21回ウィーン分離派展ポスター≫は白根ゆたんぽ感。レオポルド・シュトルバ≪第23回ウィーン分離派展ポスター≫は黒白の60sロックジャケ風、エルンスト・エック≪第40回ウィーン分離派展ポスター(国際ポスター展)≫は楽譜風、リヒャルト・ハルルフィンガー≪第40回ウィーン分離派展ポスター(国際ポスター展)≫のガソリンカンパニー感。エゴン・シーレ≪第49回ウィーン分離派展ポスター≫の仄暗さ。これだけまとまって見れたのは嬉しかった。

そして次の間はエミーリエ・フレーゲとグスタフ・クリムト。弟エルンストの妻の妹エミーリエは姉妹でコルセットから解放した改良服をつくる事業を営んでいて、クリムトとは私生活のパートナーの関係でした。

メインヴィジュアルの一つでこれだけは写真撮影可能だったグスタフ・クリムト≪エミーリエ・フレーゲの肖像≫(1902年)は角度を変えてみると銀がきらめいて、ハットとドレスの虹光の平面的装飾が美しかった。KとGをあしらったロゴも。

また写真展示ではアッター湖で遊ぶクリムトとフレーゲがみれて、都美で≪アッター湖畔のカンマー城 III≫をみていたので嬉しかった。またコロマン・モーザー≪フレーゲ姉妹ファッション・サロンのウォール・ランプ(再製作)≫・≪フレーゲ姉妹ファッション・サロンのテーブル(再製作)≫・≪フレーゲ姉妹ファッション・サロンの椅子(再製作)≫というのがあったり、≪グスタフ・クリムトのスモック≫の実物展示も。

クジャク石があしらわれたオットー・ブルッチャー≪エミーリエ・フレーゲの印章≫に銀のオットー・ブルッチャー≪パウリーネ・フレーゲの印章≫も立体性が美麗でした。ヨーゼフ・ホフマン≪ブローチ≫・≪エミーリエ・フレーゲの櫛≫もなんともカッコよかったです。

このヨーゼフ・ホフマンとコロマン・モーザーが1903年につくったウィーン工房の作品群も多数あって。


またあのヴィトゲンシュタイン家のヨーゼフ・ホフマン≪ヘルマン・ヴィトゲンシュタイン邸のキャビネット≫・≪ヘルマン・ヴィトゲンシュタインの花瓶≫、コロマン・モーザー、ヨーゼフ・ホフマン≪ヘルマン・ヴィトゲンシュタインの印章≫もかっこよく、コロマン・モーザー≪ヘルマン・ヴィトゲンシュタインのための装飾プレート≫もカッコよかった。

ヨーゼフ・ホフマン≪花瓶≫でも腰がきゅっと締まっていて、ヨーゼフ・ホフマン≪柄付きバスケット≫はスケルトン仕様だったり白が美しかった。

また当時一流の社交場だったヨーゼフ・ホフマン≪キャバレー・フレーダーマウスのソース入れ≫もアメコミSF風、ヨーゼフ・ホフマン≪キャバレー・フレーダーマウスのスープ用蓋付き容器≫のレトロフューチャー、ヨーゼフ・ホフマン≪ティーセット≫の黄金。ミヒャエル・ポヴォルニー、ベルトルト・レフラー≪角形花瓶≫のファンシーなトリの陶器はコロマン・モーザー≪シクラメンのある静物≫にも出てきて。

ヨーゼフ・ホフマン≪ゲーム盤とこま≫の化粧箱感。ダゴベルト・ペッヒェ≪花瓶≫の白黒とタゴベルト・ペッヒェ≪花瓶≫の黄白黒も。

またウィーン工房のアクセサリーがまた良くて。ヨーゼフ・ホフマン≪ブローチ≫はクリムトの≪ユディト I≫のネックレスのよう。ダゴベルト・ペッヒェ≪ブローチ≫はメノウ、ダゴベルト・ペッヒェ≪王冠≫は象牙製でセラミックみたいな白、エドゥアルト・ヨーゼフ・ヴィマー=ヴィスグリル≪ピン≫もメノウ、カール・オットー・チェシュカ≪ブレスレット≫も美しかった。

またマリア・シュトラウス=リカルツ≪ハンドバッグ≫、マックス・スニシェク≪ハンドバッグ≫、ダゴベルト・ペッヒェ≪ハンドバッグ≫もハンドクラフト感が良く、ミサンガな感じの布製のダゴベルト・ペッヒェ≪ネックレス≫、マリア・シュトラウス=リカルツ≪ネックレス≫とマックス・スニシェク≪ネックレス≫も布製のガラス玉みたいな感じでどこか南米的。

ウィーン工房のグラフィックも素晴らしくて。

コロマン・モーザー≪≪アスター≫書籍見返しデザイン案『ディー・クヴェレ[泉ー文様パターン集]』≫はハートダイヤ、コロマン・モーザー≪≪収穫の時≫壁掛けデザイン案『ディー・クヴェレ[泉ー文様パターン集]』≫ボールを抱えたマリア、コロマン・モーザー≪≪聖母マリアの祝日≫色紙デザイン案[泉ー文様パターン集]≫の鉄、コロマン・モーザー≪≪千羽のオオガラス≫書籍見返しデザイン案『ディー・クヴェレ[泉ー文様パターン集]』≫のエッシャー感、コロマン・モーザー≪≪赤い木の実≫絹地デザイン案『ディー・クヴェレ[泉ー文様パターン集]』≫の丸、コロマン・モーザー≪≪アルレッテ≫絹地デザイン案『ディー・クヴェレ[泉ー文様パターン集]』≫花と水紋。

ヨーゼフ・ブルックミュラー レタリング:ルートヴィヒ・ユングニッケル≪タイトルページ デザイン案(型紙図案)『ディー・フレッヒェ[平面]』第1巻第5号、65頁≫、ヒルデ・エクスナー≪ポスターデザイン案「ウィーン」『ディー・フレッヒェ[平面]』第1巻第5号、74頁≫の工業的な村、エマ・シュランゲンハウゼン≪ポスターデザイン案「ウィーン」『ディー・フレッヒェ[平面]』第1巻第5号、75頁≫の未来のエントランス感。ミッツィ・エーベルト≪文様パターン(上)≫アデーレ・ベッテルハイム≪文様パターン2種(下)≫の王と綱。花を撒くアグネス・シュパイヤー≪ポスターデザイン案『ディー・フレッヒェ[平面]』第1巻第9号、136頁≫、マックス・ペニルシュケ≪書籍表紙デザイン案(上)≫アドルフ・オットー・ホルプ≪文様パターン2種(下)『ディー・フレッヒェ[平面]第1巻第10号、151頁』≫の月と2人の女。

そしてベルトルト・レフラー≪キャバレー・フレーダーマウスのポスター≫と≪キャバレー・フレーダーマウスのフライヤー≫のアメリカンなSF感。またヨーゼフ・ホフマン≪キャバレー・フレーダーマウスのロビー≫のモンドリアンに洒落た美容室な感じ。

ウィーン工房と、1905年にウィーン分離派を抜けたクリムトたちが起こしたクンストシャウという展覧会のポスターも。ベルトルト・レフラー≪クンストシャウのポスター≫は黄髪に青服の少女、ルドルフ・カルヴァハ≪クンストシャウのポスター≫はもはやポップアート、三菱一号館美術館でのフィリップス・コレクション展でも輝いていたオスカー・ココシュカの≪クンストシャウのポスター≫にはちょっとした濁りのカッコよさ。

ルドルフ・カルヴァハ≪ユーモラスなグリーティング・カード≫の黒の宇宙で子どものエルフが動物と遊ぶ様子も良かった。レオポルディーネ・コルベ≪装飾的な花かご≫の青・紫・苺。

エゴン・シーレ≪女性の肖像≫のアシメに消えていく洒落た滲みの魅力。

ダゴベルト・ペッヒェ≪ウィーン工房のポスター ー マリエンバードのメルキュール邸内の店(テキストなし)≫の乙女なグラフィックス、ヒルダ・イェッサー=シュミット≪ウィーン工房のポスター ー ライプツィヒのファッションと装飾芸術の店≫の富裕な感じ。マリア・シュトラウス=リカルツ≪ファッション≫≪婦人帽ファッション≫のクールなハイブランド感、メラ・ケーラー≪ファッション≫の高級感。アルノルト・ネハンスキー≪復活祭≫の金色な古代魔術感も良かった。

そして愈々エゴン・シーレ。

エゴン・シーレ≪自画像≫ (1911年)はメインヴィジュアルにもなっている、苦悩とチャーミングさが溢れている、指がとにかく長い自画像。彼のアートスタイルは表現主義と呼ばれ、尊敬するクリムトたちからさらに新しい表現でした。

エゴン・シーレ≪ひまわり≫の枯れた向日葵のもとに咲く紫と橙の花々。エゴン・シーレ≪ノイレングバッハの画家の部屋≫はゴッホをツヤツヤにした感じ。若かりし時に逝った精神の危うさも感じて。

彼が画くポートレイトからは実にその人物の気性が伝わって。エゴン・シーレ≪美術批評家アルトゥール・レスラーの肖像≫はカクカクした格好のバックに広がる赤いアウラ、その妻であるエゴン・シーレ≪イーダ・レスラーの肖像≫にもあるクールなカラフルバー、エゴン・シーレ≪オットー・ヴァーグナーの肖像≫は逆三角形の顔、エゴン・シーレ≪少女裸像(ゲルトルーデ)≫は明るくカクカクしながら湿度が凄い。エゴン・シーレ≪ひざまずく裸婦≫の青白いヌード。

エゴン・シーレ≪踊り子モア≫の気怠さ、エゴン・シーレ≪座る人物像≫のシャカシャカした感じ。エゴン・シーレ≪男性裸像≫はベーコンのよう。エゴン・シーレ≪アルトゥール・レスラーの肖像≫は大人。エゴン・シーレ≪マリア・シュタイナーの肖像≫の漫画的な感覚、エゴン・シーレ≪作家ローベルト・ミュラーの肖像≫の厳しさ、エゴン・シーレ≪背を向けた裸婦≫の針金アート感。そしてエゴン・シーレ≪死の床につくグスタフ・クリムト≫画狂老人卍のような凄味がありました。

表現主義を描いた画家たちがこのレントゲンによるX線の発見やフロイトの『夢診断』が出たウィーンに続いていきます。

オスカー・ココシュカ≪座る裸婦≫の消えていくカラダ。オスカー・ココシュカ≪母と子≫の不気味さ。オスカー・ココシュカ≪大股で歩く裸婦≫は江川達也のエロが画くなってからの肉体に似てて、オスカー・ココシュカ≪「クンストシャウ、サマーシアター」の演目、「殺人者、女たちの希望」のポスター≫は人体人形とアダムスファミリーって感じ。

オスカー・ココシュカ≪羊飼いと羊と二人の泥棒≫・≪眠る羊飼いと家畜たち≫・≪女性と3人の子どもたち≫・≪窓辺の女性≫のクリスマスカード感。

オスカー・ココシュカ≪『夢見る少年たち』1.眠る女≫のムンク感、≪『夢見る少年たち』2. 帆船≫の古代感、≪『夢見る少年たち』3. 船乗りの呼び声≫の絵本感、≪『夢見る少年たち』4. 遠き島≫の挿絵感、≪『夢見る少年たち』5. 会話する男女≫の神話感、≪『夢見る少年たち』6. 眠れる人々≫のアラビアンナイト感、≪『夢見る少年たち』7. 目覚める人々≫の聖書感、≪『夢見る少年たち』8. 少女リーと私≫の綺麗さ。この画にはココシュカの詩もついていて、その内容は思春期の苦悩や性愛の衝動とのことでした。


リヒャルト・ゲルストルは≪パレットを持つ自画像≫の他≪作曲家アルノルト・シェーンベルクの肖像≫も描いて、シェーンベルクとは親交もあったのだけれども、彼の妻に恋愛感情を持ちゲルストルは自殺してしまいました。

そしてアルノルト・シェーンベルクも絵を描き≪作曲家アルバン・ベルクの肖像≫やファンシーな筆致の≪グスタフ・マーラーの葬儀≫が掛けてありました。マーラーはオーギュスト・ロダン≪作曲家グスタフ・マーラーの肖像≫という哀しさを感じさせる彫像も。

グスタフ・ヤーガーシュパッハー≪作家ペーター・アルテンベルクの肖像≫はなんか妖怪感が。

マックス・オッペンハイマー≪建築家アドルフ・ロースの肖像≫という絵をかいて。このアドルフ・ロースは当初ウィーン分離派を激賞しながら、その後袂を分かち、『装飾と犯罪』という書を記しました。

会場では最後に≪アドルフ・ロース邸の居間のスツール(小)≫と≪アドルフ・ロース邸の居間のアームチェア≫、そして装飾を配したアドルフ・ロース≪ゴールドマン&ザラチュのオフィスビル(ミヒャエラープラッツ3番地、1909-11年建設)≫とこのロースハウスが画かれたウルバーン・ヤンケ≪アドルフ・ロースによる講演「ミヒャエラープラッツの私の建築」のためのポスター≫がありました。

ウィーン・モダン展。確かにクリムト、そしてシーレの作品はありました、がそれを言うならハンス・マカルト展でもありオットー・ヴァーグナー展でもありオスカー・ココシュカ展でもありました。真の主役はウィーンという都市。マリア・テレジアからWW Iにかけて建築、絵画、デザイン、音楽、都市システムと全分野で全近代から近代へ羽化する物語が描かれ、その意味でクリムトは境目にいたのだなと。都市が最も勢いを持ち創造性を持つ時期というのはありますね。

特に技術と芸術の関わりでは写真の登場から絵画がメタモルフォーゼしていったのだなとも。東京都美術館のクリムト展を先に見たのですが、逆でも行けるかもしれないけれどハンス・マカルトやフランツ・フォン・マッチュ、エリザーベト、第一回ウィーン分離派展ポスターとか先に知れたことでより楽しむことができました。

by wavesll | 2019-06-09 03:56 | 展覧会 | Comments(0)

クリムト展@東京都美術館 女性の表情の真域 金色の装飾の平面と立体の人物の際立ち

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クリムト展 ウィーンと日本 1900 於 東京都美術館をみてきました。

今年の目玉ともいえるクリムト展。実際に見てみると結構軽やかにリズムつけてみれる感じで良かったです。3周で2hくらいみたかな。

会場に入るとモーリッツ・ネーア≪猫を抱くグスタフ・クリムト、ヨーゼフシュテッター通り21番地のアトリエ前にて≫。生涯独身ながら14人の子どもを作ってモデルと浮名を流したクリムト。若い頃の写真もあったけれど壮年の写真はちょっとハゲてて、けれど”モテてそうだな~、リリーフランキーに通じるものがある、ギュスターヴ・モローとは対照的。”という感じ。

けれどそれぞれの地獄があって、同じく画家だった弟エルンストと父を亡くし、姉クララは鬱だったそう。ウィーン工芸学校の同級生フランツ・マッチュ≪ヘルミーネとクララ・クリムト≫では妹ヘルミーネがおどけた表情をしていて。

グスタフ・クリムト≪ヘレーネ・クリムトの肖像≫ではエルンストの娘ヘレーネが茶髪おかっぱで白いブラウスというなんか今っぽい可愛い絵で。そして彫金を学んだ末弟ゲオルク・クリムトとグスタフ・クリムト≪踊り子≫は後の金での装飾を思わせる金色の銅板レリーフでした。

学友で共に学んだマッチュとエルンストとクリムトは芸術家カンパニーというグループで仕事を請け負うようになります。そんな学生時代の課題かマッチュとクリムトで同じモデルを描いた≪レース襟をつけた少女の肖像≫はそれぞれの視点を見比べられて面白かった。課題かグスタフ・クリムト≪男性裸体像≫なんてのも。

また学校での師のハンス・マカルト≪ヘルメスヴィラの皇后エリーザベトの寝室装飾のためのデザイン(中央の絵:『夏の夜の夢』)≫はクリムトらも手伝った作品だそう。こうしてみると西洋の美というのは本当にごてごて足し算の美なのだなと。

そこからクリムトの≪音楽の寓意のための下絵(オルガン奏者)≫や≪カールスバート市立劇場の緞帳のためのデザイン≫などは古風に複雑な意匠ですがフランツ・マッチュ≪ソフォクレス『アンティゴネ』上演中のアテネのディオニュソス劇場(ブルク劇場天井画のための下絵)≫はかなりシンプルな構図。

またこの古代趣味は建築のための下絵であるグスタフ・クリムト≪15世紀ローマ≫・≪15世紀ヴィネツィア≫・≪古代ギリシャI、II≫にもみられて。

エルンスト・クリムト≪甲冑のある静物≫もなかなかの腕前でエルンスト・クリムト≪フランチェスカ・ダ・リミニとパオロ≫もアーモンドの花?が咲き誇る中でちょっと生命的ではないけれど美麗な人物画でした。フランツ・マッチュ≪女神(ミューズ)とチェスをするレオナルド・ダ・ヴィンチ≫は金のデザイン装飾の平面的な背景と人物の前に宝飾品が3D的に浮かび上がって面白い絵でした。

次のパートではクリムトとかかわった女性たちの都のコーナーで。グスタフ・クリムトの子どもを産んだ≪マリー・”ミッツィ”・ツィンマーマンと息子グスタフ≫なんて写真も。息子もグスタフなのかwまたエルンストの妻の妹に宛てた≪グスタフ・クリムトからエミーリエ・フレーゲに宛てた書簡(7通)≫ではハートが画かれたり踊るような文字だったりしました。

さて、1873年ウィーン万博では日本の美術が注目を集め、アーティストにもかなりのインスピレーションを与えて。ハンス・マカルト≪装飾的な花束≫ではアシメの構図を、ユリウス・ヴィクトル・ベルガー≪アトリエ≫には屏風があったりユリウス・ヴィクトル・ベルガー≪室内にいる日本の女≫ではまさに黒髪で着物の女性が描かれて。

そして勿論クリムトも日本の美術から影響を受けました。グスタフ・クリムト≪女ともだち I(姉妹たち)≫では黒い背景の中で二人の女性(一説には遊女からインスピレーションを受けたそう)が淫靡な表情で現れて。そして何より面白いのが市松模様の柄が配置してあったりカラーバー的な長方形を縦横に多数積み重ねた柄があって。これこれ、こういうのがみたかったんだよ!

またグスタフ・クリムト≪17歳のエミーリエ・フレーゲの肖像≫では額縁に梅が描かれて清楚さを香らせたり、クリムトが持っていた本(オスカー・ミュンスターベルク『日本美術史』アーネスト・フランシスコ・フェロノサ『東洋美術史綱』、『日本の春画三十六選 菱川師宣、鈴木春信、喜多川歌麿』)があったり、グスタフ・クリムト≪赤子(ゆりかご)≫では着物風の色とりどりの衣がうねうね積み重なった山の上に赤ちゃんがいる画が。

日本美術の記号性と”見立て”の想像力、そして平面性、これらが欧州で積み上げられた美術技法とクロスすることでまさに弾ける魅力を放っていました。

そしてクリムトは1897年にウィーン分離派という美術グループ/運動を立ち上げ、いよいよその才能をエクスプロージョンさせます。

1899年のグスタフ・クリムト≪ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)≫は金の上部にシラーの詩が書かれ、裸の女性は虫眼鏡を持ち何とも淡い暗さをたたえた肌の色、その後ろには水の文様、下部の前方には蛇が。古代の紋を思わせる装飾で、観客に阿らないアートの挑戦が宣言されています。

そしてメインヴィジュアルにもなった1901年のグスタフ・クリムト≪ユディト I≫。金の部分はグスタフがデザインしゲオルクが作って、ホロフェルネスの首を持つユディトはしかし恍惚で官能的な表情を浮かべ、オレンジのバストトップが美しく、黄金のチョーカーは南米も想わせて。その金色の絵画はなんとも柔らかな魅力を輝いていました。

会場ではウィーン分離派展のポスターが何枚もあって。グスタフ・クリムト≪第一回ウィーン分離派展ポスター(検閲後)≫はギリシャ的。ヨーゼフ・マリア・オルブリヒ≪第2回ウィーン分離派展ポスター≫は建築のむこうに星が浮いているSF的な分離派会館?≪第6回ウィーン分離派展ポスター≫は菊川英山≪鷹匠図≫に基づくモティーフ。≪第10回ウィーン分離派展ポスター≫はアフリカ的。アルフレート・ロラー≪第14回ウィーン分離派展ポスター≫はデザイン的な絵画。

そしてこの第14回ウィーン分離派展のテーマがベートーヴェンで、クリムトは第九をテーマに≪ベートヴェン・フリーズ≫という巨大壁画を作成しています。なんとその原寸大複製が展示されていてこれにはたまげた!幸福へのあこがれ、黄金の騎士、ゴルゴン三姉妹、悪の化身テュフォン、詩の女神、そして合唱隊に導かれた歓喜の歌の接吻。実際に第九を聴いてみると最後の歓喜の歌までは地味に感じる部分もあるのですが、この壁画も結構白いスペースがたっぷりとられたり楽曲を絵画化してる感じがいい。金銀宝玉のきらめきも印象的でした。

また≪『ヴェル・サクルム(聖なる春)』≫という機関誌も第1年次第1号、第1年次第3号、第2年次第12号が展示されていました。

そしてグスタフ・クリムト≪鬼火≫では青緑に浮かび上がる女性たちがまだらの鈍い塊が薄闇に浮かぶ様が描かれていました。またその額縁が金の渋い地の掠れが本当にいい味を出していて。この女の妬み、嫉み、怒る表情がリアルでした。そして青白い鬼火が火花散らして。

クリムトは風景画も描いています。またこれがいい。グスタフ・クリムト≪アッター湖畔のカンマー城 III≫では点描タッチで描かれたゴッホの風景画のような画。そして(こちらの方が輪郭を描いて色を塗る点でゴッホから影響を受けているそうですが)グスタフ・クリムト≪丘の見える庭の風景≫はもうほんと生命が蠢く気持ち悪さすら感じる植物描写がなんか鈴木其一とかも想起させて。凄かった!

そこから肖像画。グスタフ・クリムト≪オイゲニア・プリマフェージの肖像≫は銀行家であるパトロンの妻。黄色の背景にドロップキャンディーを敷き詰めたかのようなカラフルで装飾的な衣服、そしてちょっと誇らしさのある表情の幸福そうな女性。この装飾的な衣服の平面性と人物の立体的な筆致の対称性がケミストリーを産んでいるのかも。この服飾の輝く筆致、岩佐又兵衛とクリムトで二人展やったらドリームマッチになるなとか妄想が膨らみました。

またグスタフ・クリムト≪白い服の女≫は白い服に妖艶な目をした女が太極図のように白黒陰陽分かれた背景に浮かんで。

そしてクリムトは三男の死から、生命の円環をテーマに作品を描くようになっていきます。

クリムトはウィーン大学の講堂の天井画の依頼を受け、≪医学≫・≪哲学≫・≪法学≫と描きますが、その性的描写や反学問的な表現から大学と衝突し引き上げてしまいます。会場では≪≪医学≫のための習作≫と失われてしまった≪哲学≫のサイアノタイプと≪法学≫の写真がありましたが、まるでミュシャの≪スラヴ叙事詩≫のようなスケール感と透明感ある輝きに惚れ惚れさせられました。

グスタフ・クリムト≪亡き息子オットー・ツィンマーマンの肖像≫はチョークで画かれた言葉に記せない哀しみがありました。そしてグスタフ・クリムト≪リア・ムンク I≫は24才でピストル自殺した女性の絵、この他グスタフ・クリムト≪死の床の老人≫という作品も。

グスタフ・クリムト≪女の三世代≫は銀金が滝のように流れ落ち花開き、そして黒、そしてカラフルな丸群で柄になった背景に赤子と母親、そして老婆が画かれた大作。女の一生を描いたという意味でも、顔をみせない老いさらばえた老婆の身体を描いたことはクリムトにとって大いなるフロンティアの開拓だったように思えました。

そして最後の作品はグスタフ・クリムト≪家族≫。黒一色の中で陰影のように子供に手を添える母。彼等3人は生きているのか眠っているのかわからない。ただ死の影が濃く表れていました。ここがクリムトにとって大いなる転機になったそう。最晩年の作品もみたい、というところでEXIT.

最初はその平面の装飾性の化学反応、次に光柔らかな輝く筆致に目を捉われながらもどこか”プロデュースに長けていて、ちょっとアウラの濃さのない画家なのではないだろうか”なんて思ったりしていたのですが、3周目、≪ユディト I≫をみていたときに”この表情をみつめさせる、描ける画家は稀代なのでは”と。そこから彼の画がく女性の顔をみるとその悦楽、その憤怒、まさに女性と切結びそのリアルを見てきたからこそ描ける真実の美があって。これはなかなか書けないよ、流石だよ、となりました。

そしてクリムトとエゴン・シーレとの邂逅の藝術的生成は、新美での展示をみるのを楽しみに。なかなかどうして、軽やかでいて実に濃い展示でした。




by wavesll | 2019-06-06 20:52 | 展覧会 | Comments(0)

吉岡徳仁 ガラスの茶室 - 光庵 at 国立新美術館

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cf. 吉岡徳仁 / スペクトル at 資生堂ギャラリー

by wavesll | 2019-05-30 20:20 | 展覧会 | Comments(0)

ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち@パナソニック汐留美術館 ファム・ファタール幻想

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国立西洋美術館などで目にして、その幻想的な古代の美しさが印象的な筆致だと思っていたギュスターヴ・モローの展覧会がパナソニック汐留美術館で開かれていると聴き、馳せ参じました。

会場に入るとすぐにあるのは≪24歳の自画像≫、なかなかの美男。しかしモローは生涯独身だったそうです。けれども母の≪ポーリーヌ・モロー≫と十歳年下の≪アレクサンドリーヌ・デュルー≫という清廉な女性二人と想いあいながらずっと暮らしていたようです。≪雲の上を歩く翼のあるアレクサンドリーヌ・デュルーとギュスターヴ・モロー≫はなんというかメルヘンな漫画のような愛らしさ。

ゆえに二人の死別はモローにショックをもたらしたのは想像に難くありません。母に次いでアレクサンドリーヌの死の後に描かれた≪パルクと死の天使≫は闇に連れ出す黒の天使の、馬に跨る姿が強烈な色彩で画かれていました。

実生活では修道女のような女性を愛したモローでしたが、一方、彼の作品には妖艶で時に狂気を孕み、男を狂わせ堕としていくファム・ファタール(宿命の女)が数多画かれます。

中でも舞踏の褒美に聖ヨハネの首を求めたサロメは彼にとって特別なモチーフとなりました。

オリエンタルな風合いも感じさせる≪洗礼者聖ヨハネの斬首≫の描写に、闇に照らされる≪踊るサロメ≫、アブストラクトな筆致の≪サロメ≫、中央アジアのような衣装を纏った闇の聖女のような≪サロメ≫

そして彼の画の中でもとりわけ鮮烈な印象を与えるのが≪出現≫。聖ヨハネの頭が宙に浮かび、それを攻撃的な目線の裸のサロメが指さす。お互い死体のような肌色。

この≪出現≫、未だ未完成なのか、背景の建築の構造が線画だけで画かれたりしているのですが、逆にその透過した感覚がアストラルな存在感を持っていたり、ちょっと仏画的な幽体的ストラクチャーを感じました。この超攻性な女性像は、従来母にそそのかされた存在として描かれるサロメに、凶暴な魅惑を与えていました。

この他にも幾何学なデザインの衣服の<≪踊るサロメ(刺青のサロメ)≫のための習作>や燃えるような紅の≪サロメ≫、白く繊細で脆い美少女な≪サロメ≫、一癖も二癖もある悪女な≪サロメ≫等々々、何枚もの絵画が本展にもありました。

さて、モローはサロメの他にも様々なファム・ファタルを描いています。

トロイア戦争の発端となった≪トロイアの城壁に立つヘレネ≫、≪ヘレネ≫はヴィーナスのように美しい。またローマ皇帝クラディウスの皇妃でありながら若い男をたぶらかす≪メッサリーナ≫、色黒で性的に蠱惑する≪デリラ≫、獣体の化け物の美女が迫る≪オイディプスとスフィンクス≫に闇の中の獣な≪スフィンクス≫、バッコスの巫女に八つ裂きに殺された様の≪死せるオルフェウス≫。

ちょっと菩薩的な母性を感じさせる≪メディアとイアソン≫、天使の青い翼が印象的な、英雄を奴隷として買い愛人とした≪ヘラクレスとオンファレ≫

また船乗りをその魅力的な歌声で惑わせる妖、セイレーンも印象的でした。三姉妹なキャッツアイ感のある≪セイレーン≫に逢魔が時な風景の≪セイレーン≫、そしてピンクと青の発色がなんともファンタスティックな≪セイレーンと詩人≫は素晴らしかった。

モローは、現実の女性と対等の関係性や時に衝突しながら所帯じみた「日常の折衝」を持てなかったのか、彼が画く女性に対する男の存在には逆に圧倒的な強者としての接し方が描かれていたようにみえました。

白鳥に変身したゼウスと接吻をする≪レダ≫。もっと直接的に白鳥とまぐわっている≪レダ≫も。また宵闇に霹靂が走る怖さのある≪セメレ≫。イスラエル王ダヴィデが欲情し犯す≪バテシバ≫、巨人ポリュフェモスがニンフを横恋慕し恋人を殺した≪ガラティア≫、牡牛のゼウスが拐う≪エウロペの誘拐≫、ケンタウロスのネッソスがヘラクレスの妻を襲う≪デラネイア≫は大理石の彫像のような描き方でした。

またボーズオブカナダのジャケのような幻想的な光に包まれた室内を描いた≪クレオパトラ≫に黒い天女のような≪サッフォー≫はこれもまた東洋的な感覚も。一方≪エヴァ≫にはしっかりした肉体と意志ある眼の輝きがあり、男は儚く描かれたりしていました。

そして最後の間では処女にしか懐かない一角獣などの一連の作品群。

華やかに展開される欧州さとオリエンタルさが高次にエキゾチックでエレガントな≪一角獣≫、ヘンリーダーガー的なコラージュ感も思わせる≪一角獣と女性≫、落ち着いた女性といきり立つ一角獣との対比が強烈な≪一角獣≫≪妖精とグリフォン≫は真っ白な可愛らしい女性とペットのようなグリフォンが洞窟?にいる図。

そしてパナソニック汐留美術館と言えばルオー・ルーム。ジョルジュ・ルオーはアンリ・マティスなどと共にモローから絵を学んでいて、モロー美術館の初代館長でもあるつながりが。

ジョルジュ・ルオー≪秋の夜景≫などの色遣いにも影響があったとして映像で紹介されていたギュスターヴ・モロー≪ユピテルとセメレ≫の南米な緑の華やかさは最後の最後でまだまだ知らない一面がモローという画家の仕事にはあるのだという未知さを感じさせました。

この展覧会、なんと千円でさくっとみれます。なかなか良かったです。6/23まで。

by wavesll | 2019-05-23 18:03 | 展覧会 | Comments(0)

シド・ミード展 SYD MEAD: PROGRESSIONS TYO2019 @アーツ千代田3331 フューチャリストのヴィジョンを視る

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≪TOKYO 2040≫
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≪TOKYO 2040 (Tracing)≫
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≪CAR SKETCHES - 4 PANEL≫
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≪FUTURE IMPERIAL CAR≫
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≪FUTURE BUGATTI≫
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≪SILVER COACH≫
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≪CAR STYLING MAGAZINE≫
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≪FUTURE ROLLS ROYCE≫
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≪SENTINEL COVER ART≫
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≪BIOSTAT ARRIVAL (SENTINEL II COVER ART)≫
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≪HYPERVAN - REAR DOWN VIEW≫
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≪HYPERVAN - PROFILE≫
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≪HYPERVAN - CRIMSON PLAZA≫
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≪MEGACOACH≫
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≪CYBERRACE ARRIVAL≫
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≪MOBILAGE ARRIVAL (OBLAGON COVER ART)≫
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≪RAYS WHEELS: Sports Sedan≫
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≪YESTERDAY'S TOMORROW≫
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≪PEBBLE BEACH TRIPTYCH≫
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≪MOVIE HISTORY≫
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≪RUNNING OF THE SIX DRGXX≫
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≪SPACE CAMP DREAM≫
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≪ENTERING STARGATE≫
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≪CAVALCADE TO THE CRIMSON≫
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≪VOYAGE TO THE CITY≫
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≪UNDERWATER CAMERA CONCEPT≫
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≪OCEAN LINER AT DOCK≫
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≪KASOGI YACHT≫
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≪DEFINITIV - DAY VIEW≫
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≪DEFINITIV - NIGHT VIEW≫
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≪RUNNING OF THE 200TH KENTUCKY DERBY≫
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≪PARTY 2000≫
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≪THITIAN FANTASY≫
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≪GOLFCOURSE CLUBHOUSE≫
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≪BAR BASQUE FOOD PARC≫
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≪CITY ON THE MEGABEAM≫
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≪FOUR MAN CORVETTE LAUNCH≫
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≪ENZMAN STARSHIP slash DAEDALUS PROBE≫
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≪MOON 2000≫
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≪DISASTER AT SYNTRON≫
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≪SPACE WHEEL INTERIOR≫
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≪BARRIER ATTACK COLONY≫
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≪SUPERSHUTTLE≫
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≪EYES ON DESIGN≫
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≪SENTURY COVER ART≫
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≪VILLAGE MACHINE≫
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≪VILLAGE MACHINE - FACTORY≫
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≪CELANNESE CELCON The Stone Age≫
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≪CELANESE CELCON The Bronze Age / The Iron Age≫
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≪JUNGLE WALKER :1 (Pencil Sketch)≫
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≪JUNGLE WALKER :2 (Marker Drawing)≫
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≪JUNGLE WALKER :3 (Tracing)≫
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≪JUNGLE WALKER :4 (Gouache)≫
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≪SPACE COLONY UNDER CONSTRUCTION (Marker Darwing)≫
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シド・ミード展@アーツ千代田3331をみてきました。

『ブレードランナー』や『エイリアン2』etc、日本の作品だと『ターンAガンダム』や『YAMATO 2520』のヴィジュアルを創った“フューチャリスト”。

色味がダリ的に感じながらも魔法や古代を描くシュルレアリズムでなく、技術の発展に基づき未来の都市そして宇宙像を描いたのが刺激的。元々がフォードのデザイナーからのキャリアということでクルマの画が本当にカッコよくて。そして船の画に港湾都市、そして宇宙コロニーまで。

フューチャリストとして凄いなと想うのは、彼のデザインのような現実が21世紀に起こりつつあること。例えばマカオの風景アゼルバイジャンの光景藤森照信氏によるラコリーナ近江八幡、あるいは藤本壮介氏によるベトンハラ・ウォーターフロントセンター設計競技1等案などに近い絵があったり、そしてバーニング・マンの世界観はシド・ミードさんの影響を大いに受けているのではと感じました。”未来を予言するには未来を自分で創ることが一番確かだ”なんて言葉がありますが、彼の影響は本当に広範に影響を与えていました。

さらに特に∀ガンダムで顕著でしたが『絵』に留まらず『映像の場合の動作可能な工学的デザイン』を考え抜いているのがまた凄い。なかなか面白いArt体験となりました。

さて、基本的には撮影OKだったのですが、やっぱりガラスの映り込みもあるし、そして何より、『ブレードランナー』をはじめとした映画のヴィジュアルの部屋、そして『∀』と『ヤマト』のヴィジュアルの部屋はほぼ撮影NGなので、是非まなこで愉しんでいただけたらと思います。6/2まで。

by wavesll | 2019-05-17 20:49 | 展覧会 | Comments(0)

BONE MUSIC展@Ba-Tsu Art Gallery

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隠田・Ba-Tsu Art Galleryで開かれているBONE MUSIC展に行ってきました。

ロックやジャズが統制されていたソ連でアンダーグラウンドで流通していたレントゲン写真を使ったレコード。X線写真だから生で観るとかなりペラペラな盤な印象。

この肋骨レコードの存在は数年前に高円寺で開かれたソ連・東欧グルーヴィナイト Vol.2で知っていたのですが、今回レントゲン・レコードの実物をまじまじと多数見ることが出来たのと、その製造などに関わるバックストーリーを多数の映像展示で観ることができて、スチリャーギとばれた若者たちの達のカウンターカルチャーを担うまさに気骨をみることが出来たのは嬉しかったです。

磁気テープの普及によって肋骨レコードが消えていったというのも面白かった。展示は明日12日まで。

by wavesll | 2019-05-11 23:27 | 展覧会 | Comments(0)

へんないきもの展3@サンシャイン水族館でアルマジロトカゲなどをみた

アルマジロトカゲ
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ウツボ
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エレファントノーズフィッシュ
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クモヒトデ
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ハナミノカサゴ
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ワニガメ
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アンゴラウサギ
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by wavesll | 2019-04-30 00:15 | 展覧会 | Comments(0)

国立公文書館にて≪平成≫を観る

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竹橋駅からほど近く、国立近代美術館の先にある国立公文書館にて小渕さんが掲げた≪平成≫の書がみれると聴き、訪れました。

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現在国立公文書館では江戸時代の天皇という特別展をやっていて、その最後にかの書はありました。

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生で観ると「戌」っぽいというか、踊るような筆致。平成の時代、もう再来週には終わっているんだなぁ。

書の隣には平成と令和の原典となった書物の頁が開かれていました。

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また大日本国憲法や終戦の勅書、日本国憲法の原本も展示してあって。思わず「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び」を探してしまいました。
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國の歴史を伝える国立公文書館、なんと無料で観ることが出来ます。平成の終わりにこんな歴史探訪もいかがでしょう?

by wavesll | 2019-04-20 19:56 | 展覧会 | Comments(0)

奇想の系譜展 後期@東京都美術館

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奇想の系譜展後期@東京都美術館をみてきました。

前期後期みた展覧会は久しぶりでしたが1500円が全く悔いなく最高だったのが『奇想の系譜』執筆のきっかけとなった曽我蕭白≪群仙図屏風≫!早くも今年壱の画が出たかも!黄色の鶴、毒々しい桃、カエルは白い粒粒が立体的で、黒くMADな仙人オヤジと透ける扇の女仙人にデジタルノイズな景観に青眼の虎千変万化に流転するサイケデリックで鮮やかな画はPhotoshopのコラージュ的とも言えるが水流の様な樹に龍仙対決の風と波濤と一つの気脈がしっかりと流れていて!こーれは凄かった!

蕭白は他にも破いた手紙を噛む水色の着物が綺麗な≪美人図≫や顔が壊れているのに指が綺麗な≪柳下鬼女図屏風≫ビチビチの鯉と鳳凰、さらに亀、そしてDJ系のアー写のようなポーズが印象的な≪群仙図屏風≫、風に融けるような獅子と大人しい虎の≪獅子虎図屏風≫にディズニーキャラのような≪虎図≫も良かったです。

入ってすぐの伊藤若冲では赤白黄鶯色の≪白梅錦鶏図≫の紅黒白斑の長い尾っぽがよく、≪蝦蟇河豚相撲図≫のひょうきんさ、≪達磨図≫のイっちゃってる目線に≪乗興舟≫は前期から場面変えで静かな夜景が拡がっていました。

長沢芦雪はピンクの犬が可愛い≪降雪狗児図≫にこれもディズニーキャラ的な≪旭日大亀図≫が良かった。

そして岩佐又兵衛。凛と矍鑠とした≪自画像≫に、≪山中常盤物語絵巻 第五巻≫では牛若?の若武者の着物が美しく、≪浄瑠璃物語絵巻 第四巻≫は牛若と姫の恋物語で絢爛豪華な着物のグラフィックはYOJI YAMAMOTOならぬMATABEI IWASAといった感。彼の豪奢なデザインセンスは直線的な面でみせられるより着物のように立体的な曲面で一層映えるなと。

≪伊勢物語 鳥の子図≫でも北欧デザインのようなすっきりした唐草模様の着物が綺麗で。その他も鼻息荒い≪雲龍図≫や猛牛に自在に乗る≪老子出関図≫も良かった。

狩野山雪では棕櫚が南国感あって川沿いに老師たちがリラックスしている≪蘭亭曲水図屏風≫に脱穀などの風景がなんとも澄んだ空気感のある≪四季耕作図屏風≫、そして武骨な男たちが活躍する≪武家相撲絵巻≫が前期から展示替えでやってました。

最終階ではまず白隠慧鶴。鬼を擦って食べると仏性に気付けるという≪鐘馗鬼味噌図≫に、おぼっちゃまくんのキャラみたいな≪布袋図≫にこれまたおぼっちゃまくんテイストの≪南無地獄大菩薩≫もにんまりさせられました。

鈴木其一は前期でも感動した≪百獣百鳥図≫ではエメラルドブルーの孔雀と赤い猿に魅せられて。≪四季花鳥図≫ではひまわりの緑の惑星感、≪牡丹図≫の彫刻感、≪朴に尾長鳥図≫は田中一村感がありました。

そしてラスト、歌川国芳。≪宮本武蔵の鯨退治≫では鯨の尾のにじみがまた良くて。≪七浦大漁繁晶之図≫でもそうですが、ナウマンゾウからゴジラまでの巨大な生物との狩りの歴史が日本にはありますね。≪大物浦平家の亡霊≫のカラーの幽影に≪鬼若丸の鯉退治≫ではダイナミックな水紋に歌舞伎な服装が良かった。

≪文覚上人那智の瀧荒行≫は小さく表れる仏神がまた良かった。そして≪龍宮玉取姫之図≫がタイやタコやカニやイセエビが擬人化して刀で戦っていて面白かったw≪東都首尾の松之図≫はヤドカリの目線で。

≪みかけハこハゐが とんだいゝ人だ≫は想っていた以上にヒトの身体が活かされていて。≪其まゝ地口 猫飼好五十三疋≫は東海道五十三次をやっぱり猫が好き風に一枚絵にした絵でした。

この奇想天外な世界が展開される展覧会も明けて本日4/7が最終日。お薦めです。

by wavesll | 2019-04-07 03:23 | 展覧会 | Comments(0)