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『BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”』ウルトラマラソンにかけることへの愛

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『BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”』を一気呵成に読んでしまいました。超弩級のスゴ本。ベストセラーになるには理由がある。これ読んでブチ上がらない人類はいないって出来。

物語は著者がランニングで足を痛め、医師達から「ランニングは足に悪いからやめなさい」と言われ続け、それでも走りたいと調べメキシコ辺境に棲む”走る民族、ララムリ”が「80才でも数十キロ走る」と聴き、彼らを探し当てる旅に出る処から始まります。

そこで出会った正体不明の男、カバーヨ・ブランコが話すララムリが参加したアメリカの苛酷を極めるウルトラマラソン大会での激烈なるレース!もうほんとここら辺からどんどん話がドライヴしていって。

ナイキを始めとするランニングシューズメーカーへの”裸足派”からの”高機能・高価格よりもローコストのシューズ方が足を痛めない”という批判や持久力走狩りでは女も活躍したという長距離を走ることへの人間の進化生物学的な話、そしてクライマックスは世界最強のウルトラマラソンランナー達VSララムリの精鋭によるウルトラマラソン・レース。矢継ぎ早に繰り出される"RUN"のストーリーがあまりに面白すぎてハイスピードで読破に駆られました。

この本がきっかけで一時期五本指シューズが流行ったり、ララムリの昼夜ずっと走るララジパリという祭りが幾つかのTV番組で取り上げられたりしてこの本へ”文化的な側面での楽しみが大きな読書体験になるかな”と想っていたのですが、本書の眼目は”身体に負荷がかからない太古からの理想のランニングフォーム”と”競走への熱そして愛”だと。特にレッドヴィルの描写は凄まじく面白い。

長距離走は究めて平等なスポーツで、短距離走と比べて男女の差が小さいばかりかウルトラマラソンは女性の方が完走率が高かったり、19才と64才が同じようなタイムで走れたりもするという意外な事実が在ったり、ララムリの走りの秘訣は「楽に、軽く、スムーズに走ることで速くなる」ということは様々なことへの示唆を与えて呉れる気がしました。

また登場人物も曲者揃い。ウルトラマラソンへチャレンジする人たちはやっぱりどこか頭抜けていて、もう走ることそのものへの愛情に満ちあふれていることが伝わって。

金の為でも名声の為でも、誰かに評価されるためでもなく、ただひたすらにRUNNINGの楽しさを駆けていく。誰に遠慮することもなく、自分が出せる最上の100%を走り抜けらえれる歓び。時に無鉄砲でもLOVEがあふるる兵どもの人生懸けの駆ける姿に心打たれました。

私自身いま迄2度河口湖マラソンで42.195kmを走っているのですが最近は弛みまくっているので、これを機にまた駆けだしたい心にMoveされました。ウルトラマラソンはNHKBSのGRATE RACEとかみてると別次元な世界に感じますが、またフルマラソンに挑戦したい。サブフォー、そしていつかアテネクラシックマラソンを走れたらいいなぁ。

by wavesll | 2018-02-28 23:41 | 書評 | Trackback | Comments(0)

マヤの石碑Art等を shide CONTACT 2018 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科 2017年度卒業制作選抜展 at 六本木AXISにてみる

鈴木健一 ≪マヤは語る≫

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濱元拓 ≪眼とモルフェー≫
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木村夏奈 ≪絵歯車物~歯車で見る長篠の戦い~≫
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押木森太郎 ≪次世代鳥類 カムリバシ≫
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北林みどり ≪水文様二十一景≫
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ほんとすごいので時間ある人は、明日六本木AXISの地下にいってほしい…。武蔵野美術大学の視デ所属の鈴木さんは、今回の卒制では古代マヤ文明の年表を、マヤ文字と絵を使って表現してます。驚くのは、これは模写とかじゃなくて、オリジナル。つまり自分でマヤ文字で作文し、デザインしてるんです…。
という呟きにMoveされて武蔵美の視覚伝達デザイン学科の展覧会をみてきました。

どの作品もとても良く練られていて、駆け込みだったため写真に撮れなかったものも素晴らしいものばかりでした。今確認すると4Fでも展示があったそうで、みたかったー><!残念ながら本日で会期終了。

六本木の煌びやかな夜気も相まり異界の藝術空間がとても良くて。これは来年度の卒展もcheckしたいと強く想いました。

by wavesll | 2018-02-27 23:37 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

『ブレードランナー ファイナル・カット』& 爆音上映 at 新宿ピカデリー『ブレードランナー2049』 ミレニアルな気風に向けた”神話”への端正なANSWER

Blade Runner 2049 Original Motion Picture Soundtrack by Hans Zimmer - (HQ) (HD)

『ブレードランナー ファイナル・カット』をBlu-Rayでみて、新宿ピカデリーにて爆音上映会『ブレードランナー2049』をみてきました。

『ブレードランナー』そのタイトルは今まで幾度も目にしてきて。そもそもサイバーパンクというジャンル自体がこの作品が打ち立てたものだというイメージとか、”神話”というか、二次的現象、三次的現象によって肥大化した巨大すぎる存在に思えて逆に手を付けてこなかったのですが、友人が「これ(2049)はいい」と言ってSFを読み始めたのもあって、今回この頂に登ってみたのでした。

『ブレードランナー』は端的に言えば「愛の映画」でした。

先日萩原朔太郎の『猫町』を聴いて”SFとは異郷への旅ではないか”と想って、この映画にもvaporwave的な異郷、すなわち非アルファベット圏である日本と中国が入り混じった電子的なディストピアのヴィジュアルの原像が打ち立てられていて。その後士郎、押井、ウォシャウスキーへと続くサイバーパンクの多重世界を跨ぐブロックチェーンの連綿をみた気分でした。

サイバー・ディストピアなエキゾチズム、それは『クラウド・アトラス』におけるネオ・ソウルにしてもそうですが、北米からみた”異郷・異文明”のエキゾな精神性がまず迫ってきて。しかし『ブレードランナー』が素晴らしいのはヴィジュアルのみの映画に終わらず、人間存在のソウルに訴えかける最上にエモーショナルな作品だったところにあります。

レイチェルの存在、ブレードランナーとしてシステムの中に強制されていたデッカードがヒトとしての選択をする、その愛へ駆られる、「人間でありたい」というココロが真に迫る。そしてサイバーパンクなお膳立てがあるからこそ、斜めに構えた野郎共の心にも届く、”ここまでやられたらロマンティックにならざるを得ない”という映画。

そしてみた『ブレードランナー2049』、これもまた愛の、今回はロマンスというよりも”親からの愛の渇望と喪失”の物語でした。

オリジナルでは「デッカードはレプリカントなのか」という議論がありましたが、今回の主人公のKはそもそもレプリカント。幼少期の記憶は一応あるけれども、それは移植されたもので、LAPDの上司をMOMとはいうけれども本質的には親はいない存在。そんな彼が”本来ありえない『レプリカントが産んだ子供がいるかもしれない』という捜査につく”という物語。

今回劇場で観たいと想ったのはこの映画の音響面を褒める意見などを聴いたからで。大変感心したのは『ブレードランナー』な世界観のリヴァイバルなvaporwave/Futurfunkへ行かずにDrone/Experimental/Industrialな音になっていたこと。蜂の羽搏きを鳴らした時なんかは明確にその意思を感じて。劇中でオールディーズが旧い郷愁として鳴ったのも相まって、近未来の米国への再到達というか、現代のインダストリアル・アンビエントとして音を鳴らそうとするこの映画は非常に美麗でした。

この映画はけれども、NTR的というか、愛を裏切られて喪失しながら味わうマゾヒズム的な聖性の物語でもあります。それは”ソウルがない、老人的だ”なんていわれるミレニアル世代にとっての真情挽歌なのかもしれない等と想いました。ラブプラスならぬJOIのAIホログラムによる恋愛関係は”何が疑似でなにがリアルか”が曖昧な今の時代の気分を顕わしているようにも思いました。

父的な厳しさと粗野さの究極は”国家”だと思いますが、そうした父権が否定され優しいChillが志向されるからこそ、逆説的に父の愛、父からの承認を求め、しかし不完全な男性としての父親に突き放される。そんなアダルトチルドレンな映画でもあるのではないかと感じました。

その上で、クールさが突き抜けインダストリアルなつくりは『Ghost in the Shell』は押井版よりも人間味あふれる士郎正宗の原作漫画が好きな人間としては”もっと人の熱があっても良かったのにな”とは思いました。この中ではデッカードとKの怒りは人間の熱気を発していたかな。

中国のPM2.5の極まったようなスモッグが吹き荒れる混迷な世界の中で、”今まさに物語が始まる”オリジナルにも重なるラスト。大音響で浸るには最適な美しく破壊的な現代の映像詩は”神話”にどう応えるかという課題への端正な解答にも想える出来でした。

by wavesll | 2018-02-27 04:53 | 映画 | Trackback | Comments(0)

新宿駅中央東口のさざえ堂

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by wavesll | 2018-02-26 22:28 | 街角 | Trackback | Comments(0)

「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」展@東京国立博物館にて秘仏たちをみる

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特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」を東博にて観てきました。

会場に入るとまずこの仁和寺を完成させた≪宇多法皇像≫が。そして部屋の中央にはこの画に描かれた法衣≪刺衲袈裟≫が展示されていました。こういう試みは面白いですね。また天皇の直筆、宸翰も数多く展示され≪霊元天皇宸翰和歌懐紙≫は19才のみずみずしさがありました。

序盤の見どころは円勢・長円作≪薬師如来坐像≫。白檀でつくられた小さな薬師如来の表面には截金のような細工が施され、大変に美しいものでした。

そして序盤の目玉、空海ほか筆≪三十帖冊子≫。唐の経典を空海その他が写したもの。小さい字で、急いで書いたのか手早く書かれた印象でした。そしてこれら≪三十帖冊子≫を収める箱の≪宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱≫がまた綺麗なものでした。

この展覧会では密教の奥義書が沢山展示してあって。最高の悟りへ至る十段階が記された≪秘密曼荼羅十住心論 巻一、巻二≫もその一つ。

さらに目玉が最強の儀式、孔雀経法に関連するもの。室町時代の≪孔雀明王像≫のトロピカルな古色と江戸時代の源證筆≪孔雀明王像≫のアジカンのジャケのような筆致での孔雀の首の角度、共に素晴らしいものでした。

そして≪孔雀経 巻中、巻下≫、無双の大秘法、それは「持ち出すな」という但し書きの≪孔雀明王同経壇具等相承起請文≫や安易に使うことを批判した≪覚法法親王消息・寛暁消息・返事案≫も重要文化財なことからも伺われます。

素晴らしい仏画も多く、平安時代・大治2年につくられた中国大陸風な≪毘沙門天≫とインド風な≪伊舎那天≫の十二天像や日光・月光もいる≪薬師十二神将像≫、数学的な理力を感じさせる≪虚空菩薩像≫も素晴らしかったし、≪五秘密像≫は細い吊り目でなんともいい波動が。十二支が描かれた≪薬師十二神将図像≫に加え、室町時代・大永2年≪仏涅槃図≫は動物・神将大集合◎

法具では鎌倉時代の≪金銅火焰宝珠形舎利塔≫と≪金銅都五鈷杵≫が良かった。

そして曼荼羅が素晴らしかった。≪別尊雑記 巻二十六 虚空蔵≫はレオナルド・ダヴィンチのウィトルウィウス的人体図のよう。≪唐本曼荼羅図像(千臂軍荼利ほか)≫や天体が描かれた≪北斗曼荼羅図像≫も良かった。

エキゾな色彩の≪両界曼荼羅≫とスカイブルーが美しい≪尊勝曼荼羅≫、そして何より奈良・子島寺の≪両界曼荼羅(子島曼荼羅)≫の金剛界は黒金の脈打つCGアートのような轟迫力がありました。

御室には様々な宝物があり、平安時代の日本の最古の医学書≪医心方 巻一、巻九≫も興味深かった。≪古筆手鑑≫は古代のエヴァーノートのようでした。最古の制作年代がはっきりしている日本地図である≪日本図≫では左に北、右が南に日本が描かれていました。

若かりし頃が描かれた鎌倉時代の≪聖徳太子像≫、近衞道嗣筆≪後深心院関白記≫には天気の記述が毎日一字で「晴」とか書かれていました。海幸彦、山幸彦の話が描かれた狩野種泰筆≪彦火々出見尊絵 巻三、巻六≫も鮮やかに龍王との世界が描かれていました。≪清水寺仮名縁起絵≫や≪金銅装戒体箱≫も良かった。≪覚深法親王像≫は衣の緑と赤が良く狩野孝信筆≪牡丹図襖≫は剥離がまたいい風合いになっていました。

そしてここから各地の秘仏満載の仏像次元。まずは写真がOKだった仁和寺の修業の場である観音堂の完全再現!素晴らしかった!裏手へ廻るとそこの壁画も完全スキャンされて再現されてました!

仁和寺の仏たちでは≪吉祥天立像≫は西アジアな美。≪愛染明王坐像≫は愛ゆえの怒りを感じさせられ≪文殊菩薩坐像≫は美青年でした。また修業中のゴータマ・シッダールタを彫った院智作≪悉達太子坐像≫という珍しい題材もありました。

大阪・金剛寺≪五智如来坐像≫は金色の鍵として天界を明けるよう。光背の影が美しい。≪大日如来坐像≫は飾りが緑青に錆びていい感じ。

宮城・龍寶寺≪釈迦如来立像≫は黒糖の飴のような輝き。神奈川・龍華寺≪菩薩坐像≫は木目が渦のように活かされた仏。三重・蓮光院≪大日如来坐像≫はすきっとした御仏。

福井・明通寺の≪降三世明王立像≫はカーッと威嚇する明王、≪深沙大将立像≫は阿吽の”うん”の方で、非常に豪鬼。そして福井・中山寺≪馬頭観音菩薩立像≫は憤怒のカッコよさ。

大阪・道明寺≪十一面観音菩薩立像≫の優美さ。兵庫・神呪寺≪如意輪観音菩薩坐像≫の炎の光背にちょっと小生意気な顔。広島・大聖院≪不動明王坐像≫の鬼婆感。

そしてこの展覧会の宝玉は素晴らしい千手観音。
香川・屋島寺≪千手観音菩薩坐像≫の全て受け止め掬う感覚。徳島・雲辺寺、経尋作≪千手観音菩薩坐像≫の祈り救う感覚。

そして何よりも心動かされたのが大阪・葛井寺≪千手観音菩薩坐像≫。腕と手が伸びる様は上海万博のUKパヴィリオンの如し。その表情は高次元空間から顕現したかのような、言葉では定義できないなんとも沁みるものでした。

これだけの様々なタイプの仏像を愉しめる展覧会もそうないと想います。加えて仏画・曼荼羅も逸品が多く、大変滋味深い仏教美術体験となりました。

by wavesll | 2018-02-25 21:36 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

Wha Ha Ha - On the Floor X ほうじ茶ラテ 第126回酒と小皿と音楽婚礼

Wha Ha Ha - On the Floor

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フォロイーさんから知った坂田明達が結成したアバンギャルドジャズユニットWha Ha Haの1981年に出た1stアルバム『死ぬ時は別』収録の楽曲。後半のスキャットなんか悶絶するほど素晴らしき哉。アルバムは今でいうとCHAIなんか好きな人にも刺さりそうな飛び抜けたものを持っているフリージャズmeetsテクノポップな快盤。

これにあわせたく想ったのがこれもTLで知った「ほうじ茶ラテ」。スタバとかでも売っているそうなのですが自分はTEA'S TEAの奴を先日飲んで「おお!TEA'S TEAって今までいいイメージなかったけれどこれは美味い!」と開眼いたしまして。

で、今この記事書くために近所のコンビニを回りまくったのですが、なんと見つからず。期間限定商品だったのかなぁ。

と、いうわけでほうじ茶の茶葉と牛乳で自分で拵えてみましたw
既製品とは味は矢張り違うけれども、ミルクティーなのにほうじ茶の薫りのおかげで後味がとてもさらっとしていて美味い。TEA'S TEAはかなり砂糖を入れている模様で、自分で創ると甘さが調整できてさらに爽やかにつくれていいかもしれません。

ちょっと摩訶不思議で、そしてさらさらとした爽快感がある新味の組み合わせ、ベルマリアージュでした。

by wavesll | 2018-02-24 17:45 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(0)

2月22日26時に聴く怪談風朗読 萩原朔太郎「猫町(ねこまち)―散文詩風の小説―」



TL曰く2/22はにゃんにゃんにゃんの日と。せっかくなのでこの機会に『猫町』を読もうとシ、この朗読動画を見つけました。『猫町』、こんな話だったのか。

旅の話、それも不思議な旅の話。主人公は普通の旅に飽いて麻薬で精神世界に遊ぶ者で、近所を歩くときもまるで杜王町で起きるような奇妙な体験が語られて。その”わたし”が北陸で体験した妖しい事象の想い出噺。

この不可思議な噺が、しかし素っ頓狂に聞こえないのは”わたし”の語り口が非常に理知的であったということが大きくて。三半規管であったり、軽便鉄道で在ったり、微分であったり。科学的知見が物語をさりげなく支えている。

1935年当時と比べて2018年は科学技術の発達は目を瞠るばかりであり、文学者にとってテクノロジーに文学的な心象風景を託すことに手におえていないのではないか等とふと思い、いやいや、原子力に於ける『鉄腕アトム』、ビデオテープに於ける『リング』、インターネットに於ける『マトリックス』その他サイバーパンク、新技術は文学に新たな地平を造ったではないかと思い直し。

けれど、このレトロな旅行記が持つ古風だけれどもホラーな味わいは、野生の思考的な人間の身体が太古から持っているRhythmを刻鳴しているように感じた。

因習、宗教、迷信。これらの風俗・文化に於ける”異境の味”は、旅に於ける快楽の源泉であって、その向精神的な作用こそが物理移動を越えた精神の移動であると、私は想い、その意味でこの奇っ怪な旅行記はまさしく39:22の異界への旅であると感じた。

その上で、けれどヒトはヒトであって、ヒトとの交わりによる物語性は一種差別的で妄想的なファンタジーを崩していくし、”ちゃんとして”いる。こうした向精神的な刺激を求めることは得てして”スピリチュアル”と浅薄な行為であるとされる。

それ故、こうしたものを旅に求める姿勢は極論的には麻薬を求めるに近いアティチュードであり、どこか後ろ暗いものがあり、その翳の中に静かに、究めて平静を装いながら語られるべきものだなと、私はこの朗読を聞いて想いました。

by wavesll | 2018-02-23 02:22 | 書評 | Trackback | Comments(0)

Kaleema – Nómada X 花酒「与那国」60度 第125回酒と小皿と音楽婚礼

Kaleema – Nómada
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BamudaさんのTweetで知ったこのKaleemaことHeidi Lewandowskiの音楽。ジャンル的にはデジタル・クンビアというそうですが、クンビアのいなたさは洗練され最新系の音像になっていてとても聴きやすいです。

ユニオンによるとVoodoohopともつながりがあるレーベルからのリリースだそうで。シャーマニックでスロウな電子感と南米感のある、液体的で、妖しくも素敵な精神性を湛えています。

これに何を合わせようかと想ったときに丁度いいのがあるぞと手に取ったのが与那国の花酒。泡盛なのですが、与那国の花酒はなんとアルコール度数が最大で60度なのです。

けれど飲み口は寧ろ甘さも感ぜられて深いAlcohol体験をもたらしてくれます。ここら辺本当に美味しいテキーラにも似ているかも。

Kaleemaの音と合わさると馨しい花の香りをかぐような霊性な刺激があって。この企画はListening体験に別の次元を飲食で相乗効果を出したくてやっているのですが、今回の実験結果は上々、とても気持ちの良い組み合わせと成りました。



by wavesll | 2018-02-22 21:15 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(0)

木村充揮 X 日本酒のおでん出汁割り 第124回酒と小皿と音楽婚礼

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君といつまでも - 木村充揮





ドキュメント72hで赤羽のおでん屋が取材されてて、そこでワンカップをおでんの出汁で割るという反則技に近いコトが起きていて◎

これやってみたいなぁとセブンであえて安いワンカップ買っておでん総菜屋で一袋買って、家で拵えてみました。

ん~ん!これは…これは悪い酒だぜ…!酒飲みの行き着く味だwなんというか、べらぼうに美味いわけではないのだけどあれよあれよとぐいぐい進むw

これに合わせた音はex憂歌団の木村充揮さんの唄。もう最高でしょこいつぁ。このDopeな酒にこのブルーズ、もうほんと、これざよ、愉楽とは★

by wavesll | 2018-02-21 20:35 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(0)

Okay TemizのUltra WonderなImprovisationの歓喜に浸る

Okay Temiz - Deniz Altı Rüzgarları (Orijinal Plak Kayıt)



ドン・チェリーらとも共演するなどトルコの伝統音楽を独自の手法でユニバーサル化していった鬼才パーカッショニスト、オカイ・テミズが7INCHで残したターキッシュ・レアグルーヴ/サイケの超人気盤が嬉しい復刻!
というのを見て知ったOkay Temiz.

当該楽曲が素晴らしくて他の動画も掘っていたらみつけたのがこの2016年のLIVE.
パーカッションとキーボード&ヴォーカルという編成で最高のインプロヴィゼーショナルな演奏を聴かせてくれます。

十分辺りからOkayが奏でるビリンバウみたいな弦楽器の電気的に歪んだ感じも最高!いやほんと最高すぎて私の脳天に直撃しすぎて小学生並みの語彙しか出てきませんw

やーほんとこの星にはMusic Masterがいるものだ。20分過ぎからはビリンバウ?の他にもクイーカみたいなブラジルの民族楽器?でみかけたようなものが奏でられてて、Hermeto Pascoal好きな方にも大推薦!25分過ぎにはもはや正体不明なアフリカっぽい謎楽器もw

パーカッシヴな演奏に求める「音」の「楽」しさを十二分に具現化したこのAO VIVO, 後半はドラマティックに響かせる場面も。最後は聴いてのお楽しみ。是非是非聴験を愉しまれてください★

by wavesll | 2018-02-20 21:09 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)