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オートモアイ「Permanent Boredom」@TAV GALLERY

≪Permanent Boredom #3≫
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≪Permanent Boredom #2≫
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≪Permanent Boredom #4≫
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≪Permanent Boredom #5≫
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≪Permanent Boredom #6≫
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≪Permanent Boredom #7≫
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≪楽園≫
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≪Bathroom≫
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≪Permanent Boredom #1≫
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≪百合の花があるテーブル≫
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≪帰路≫
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阿佐ヶ谷TAV GALLERYにて開催中のオートモアイさんの個展へ行ってきました。

マティスを想わせるフォーヴな色遣いの部屋が、けれど印象的なモノクロに紅を引いた女性がいて。幾重にも重なる透明なレイヤー感や植物的な室内に物語を感じさせる小物が現代的で。のっぺらぼうな女性はWebのアノニマスを表現したものなのかな?とても気に入りました。

なんとこの個展、今夜20:00までです。阿佐ヶ谷駅から十分も歩かずにいけるギャラリーなので、是非是非お近くまでいらっしゃった方にはお薦めです◎写真より生の方が明るく良くみれてほんといいですよ◎

by wavesll | 2019-06-30 16:08 | 展覧会 | Comments(0)

三上ちさこインストアライヴat川崎タワーレコード

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三上ちさこ「re:life」Music Video

三上ちさこ We are never ever getting together@タワレコ川崎

三上ちさこ - We are never ever getting together@タワレコ川崎2

三上さちこ /三上ちさこ『re:life/ユートピア』 リリース記念イベントミニライブ&特典会 / 2019.05.24 / キャナルシティ博多


川崎タワレコにて三上ちさこのインストアライヴを観てきました。
EPリリースの8つのインストアイベントのラストだった今日、雨によって室内に会場が変わりながらもかなりの盛況なライヴで。

三上さんのライヴをみるのはfra-foaをみて以来の本当に高校生ぶりくらいで。RIJF2001とか、54-71とかと出てた明治大学生田祭とか今でも鮮烈で。

fra-foaでは美しく歪んだ、そして時に心から輝く歌を突き抜けた轟音で奏でて。

fra foa PV 澄み渡る空、その向こうに僕が見たもの。

fra foa - 青白い月 (Aojiroi Tsuki) PV

fra-foa - 小さなひかり[PV]


fra foa - 煌め逝くもの (解散ライブ 2005/05/14 @ 渋谷CLUB QUATTRO)

十数年を経ての邂逅だったのですが、三上さんのパフォーマンスは全開で。ヴォーカルの透明感と熱い衝動、そして表現力も増しているし、テイラースイフトをカヴァーしたり、身振りなんかも交えたライヴ全体が光になったなぁと。その上でどの楽曲も三上さんの身体から出てきたというスペシャリティーがあって。本当にいい形で歳月を重ねられたなぁと。

特に最後に披露した「re:life」の圧倒的な素晴らしさ!こいつは…もう兜を脱ぎ今、令和の三上ちさこさんに惚れこみました。上のfra-foa動画は後追いの方々向けのシェアということで。

リリースに合わせて対バンツアーもしているそうで、7/5には下北沢Queでメレンゲとやるとか。なんかめっちゃ嬉しいインストアライヴ体験となりました。この歌は生で是非聴いてもらいたい◎

三上ちさこ 「re:life」タワレコ名古屋パルコ店 インストアライブ
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by wavesll | 2019-06-29 19:00 | Sound Gem | Comments(0)

初々しい発色のモナリザ

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by wavesll | 2019-06-29 07:06 | 私信 | Comments(0)

己のコンプレックスを認識し、少しでもマシな自由を目指す 100分de名著『河合隼雄SP』、『生きがいについて』、『エチカ』を視て

ここ数日、録りためていたEテレの100分de名著を立て続けに見ていて。

『河合隼雄スペシャル』神谷美恵子『生きがいについて』、そしてスピノザ『エチカ』の回をみて。最後の『エチカ』はゲストの國分巧一郎さんの著書『中動態の世界』についての副読本にもなってくれました。

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さて、河合隼雄はユング心理学を学び実践的な心療治療を行った人物で、西洋人と日本人の心のありようの違いに関心を寄せた人でもありました。

ユング心理学の重要な観点の一つに心を痛めた人を救うには「How」でなく「Why」を掘り下げていくことが必要という考えがあります。物理的・科学的、あるいは病理的な解決法の提案ではなく、「何故、どうして」を突き詰めていくこと。それによって精神の調和を取り戻せるという考え方。

そして心の柔らかいところに「コンプレックス」というものがあって。ユング心理学ではコンプレックスを無意識の中にある複合結節心理というような捉え方をします。何かに苛立ち、引っ掛かりがあるとき、それは意識できるものでなく無意識のコンプレックスによって引き起こされていることがある、と。

そして人は自分のコンプレックスを意識することから自己防衛するために、外部にそれを投影することがあります。つまりいらだってムカつく相手の特徴こそが、自らのコンプレックスであるかもしれない、ということ。そして逆にそのムカつく事象が自分の問題であると認識し引き戻せれば、コンプレックスを解消することができると河合は述べます。

また河合は夢に出てくるイメージは、個人の無意識や普遍的な無意識(集合無意識)が表れることがある、と。特にアニマ(男性の中の女性)やアニムス(女性の中の男性)やグレートマザー(太母)や影(自分の中の受け入れたくない側面)を例示して語ります。

この後、番組は一種の普遍的無意識の反映としてか、昔話・神話から日本人の中空的な精神構造・無の円環構造へ話が進んで行くのですが、このコンプレックスとアニマの話がいやに刺さって。

私自身がムカついている、あるいはとらわれているモノはなんだろう?と考えたときに、「普通」であったり「筋力・仕事力といった分かりやすい男性性」にあって。これは大学時代からこっちどうにもしょうもないものとして自分が社会の辺境で過ごしているというのもあったというか、集団の中での立場に置いてストレートど真ん中にいれなかったというトラウマがあったり、あるいは「面白い」に関してのディスコミュニケーションがあったからだと思って。

そうしたことからの「普通・まとも」への憎悪にも似た感情、あるいは「お前らまるで面白くないじゃないか」といういじけは、同時に「分かりやすく立派な男性像」へのコンプレックスなのではないか。そんな感想を番組をみて得ていて。

そして、私自身は自分を仕事人でなく趣味人であると想っていて、いわゆる「生きがい」という言葉にも一種のコンプレックスの裾野が触れていたのですが、神谷美恵子『生きがいについて』の回では「生きがいブーム」をもたらした本書では「生きがい」は単なる労働というより「生存理由」とでもいうようなより深く広い思想だと知って。

神谷さんはこの本をハンセン病の療養所での職務の中から着想し、生の歓びが尋常でなく損なわれた状態でも、生きがいというものは種を土の中に宿していて、「待つ」ことによって、芽吹くことがあると。たとえ愛する人を失って身を切られるような思いになっても、そんなにも人を愛せたことは輝かしく、悲しみは一つの視点からは豊かであると。

そして生きがいを考え抜くことは、宗教以前の精神的宗教へ辿り着くというか、自然から、そして体験から結晶化した叡智の輝かしさ。何かを愛し、自己中心的な思考から抜け出すことで、生存理由はさらに輝いていくと。苦しみから生まれる喜びについて語られます。

私自身が生きがいを今まで何に感じたか思いを馳せ「世界を理解することかな」と想っていたところに神谷さんがハンセン病の患者さんの詩をひき「理解するでなく味わうことが大事」と言っていて、やっぱり身体的な智は重要だよなと。その意味で例えば麻薬の快楽で「生きがい感」が更新されてしまうのは非常に貧しい行為であろう、などとも考えました。

そして最後に大いに力を与えてくれた書がスピノザの『エチカ』。

最初に語られるスピノザの「汎神論」、すなわち宇宙全体、自然そのものが神であり、全ての事物に神が在るという思想は、非常に共感する思想で(アインシュタインも共感したそうです)。これは話せる人物が現れたぞと。

先の「生きがい」ともリンクするように想えたのは、スピノザは「善悪」というものを「力=活動能力が増大するか、減少するか」と定義していて。喜びを与えて活動能力を増やしてくれるものは善、その逆に悲しみで活動能力を減らすものは悪、と。そして本性にのっとって活動能力を発揮したいという衝動を欲望と言い、欲望に対してフラットな立場であるのも、非常にプラグマティックなように感じて。

人々は個々人で本性が異なり、あるがままに本性からの活動ができていれば自由、そうでなく外部から行動を強制されることを不自由とスピノザは定義し、人は完全に自由になることは出来ないが、自分が何によって動かされているのか、今持っているのはどのような感情なのかを認識することなどで、少しでも自由な度合いを増していくことが大切だと説きます。

そして真理というものは体感するもので、誰かから説得されるものではない、自分がレベルアップして認識を体験するものだと。ここら辺は『生きがいについて』の「待つ」にも通じるなと想いました。番組中では伊集院が「小津安二郎の映画を40を超えて”そうだったのか!”と気付く」という例を出していましたが、私も経験を重ねてゴダールの『気狂いピエロ』が得心がいったので、気持ちが少しわかったり。

自分が自分であるための力、場を意識しながら、活動能力を伸ばしていく喜び、そして時に待つことも大事。これを鬱だったり絶望していない平常時の姿勢、そして苦難にあるときは『生きがいについて』の姿勢を想いだして。そしてより自由であるためには、コンプレックスをも認識しながら、”自分はなぜこのような思いに駆られているのか”を客観する努めをする。そしてそれには身体的な智が重要である。この3人は同じゴールに様々な道筋で辿り着こうとしているのではないか、そんな視聴体験となりました。

by wavesll | 2019-06-27 21:52 | 私信 | Comments(0)

『La Jetée』 第3次世界大戦後のフランスを舞台にした怜悧なSF表現

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GYAO!にて現在配信中のChris Markerによる『La Jetée』をみました。
第三次世界大戦後のフランスを舞台としたSF作品。

この映画はモノクロの寫眞とナレーションによって構成されていて、その制約が舞台演劇のように想像力を喚起し、'62年の30分に満たない作品ながら、鋭利な衝撃を観るものに与えてくれます。

ここから内容に踏み込んだ感想に成るので、今GYAOでみれ、上映時間も短いので、是非ご覧になられてからこの先を読まれることを願います。

「La Jetée」とは「送迎台」のこと。戦争が起きる前の少年時代にオルリー空港の送迎台で出会った女性の記憶に今も強くとらわれている男が、大戦後の支配者である”攻殻のバトーのような眼鏡をした”マッドサイエンティストの計画により、注射によって過去に飛ばされることで、その女性と逢瀬を重ねる。

その実験の目的はすっかり廃墟になってしまった世界に、物資やエネルギーを持ち帰ること。過去を幾度も訪れた後、実験は未来へ行く段階へ。未来には人間味の薄い進化した未来人がおり、彼らから復興資源を貰って、男は用済みに成る。未来人は男を仲間にしようとしてくれるが、男は過去の、あのオルリー空港の送迎台へ身を向かわせてしまう。

エレーヌ・シャトラン演じる女の美しさが、男がいかに焦がれるか、夢見心地に成るかを担保していて。

中島らもは「恋愛は日常に対して垂直に立つ」と言いましたが、第三次世界大戦後の支配体制とマッドサイエンティストの実験という「国家」であったり「社会」の硬質で大きなシステムの背景に対して、幽霊のように現れ消える男と、男が焦がれる女性とのデートは全く角度が異なるというか、ベクトルが直交するなと感じました。

途中で博物館での逢瀬ではく製たちを観る場面があるのですが、あれは”時よ止まれ”という男の願いそのものだったように思います。

現在(WWIII後)と過去(大戦前)を行き来する様は夢と現の二重性という意味で、少しネットのオンライン/オフラインを2019年現在では想ってしまいます。

一方、一見人情味が薄い第一印象だった未来人が、最後に男に手を差し伸べる様、そしてそれを男は拒否してしまうという場面は、62年からすると60年近く未来人な私の目には”冷笑的といわれるネットの民も、心根の所で温かいものも持っているけれども、コミュニケーションの下手さからそれが伝わらない”という事象にもみえて。とは言えこのエピソードは、この作品を単なる過去への郷愁だけでなく、未来においても開いた部分を残したものとなっているように想いました。

弱い、持たざる者、小さき市民の象徴としての男が、大きな支配者、技術、社会構造に翻弄される。そこで拠り所に成るのは恋であり愛である。その二人の関係性が、男にとっての希望だった。

今、また世界情勢がきな臭くなっているときにこれをみるのは、特に一小市民としてこのSFをみるのは、様々な思いを去来させます。大きな構造の前では、恋愛だけがリアルになってしまう、そんな世界。それは一種、切実な表現にも感じて。

けれども先の香港のデモもそうですが、小さき民たちが民主的な行動、POWER TO THE PEOPLEを示すこともできます。同じくフランスを舞台とした名作に『レ・ミゼラブル』がありました。ディストピアの中で、私的な歓びと社会的な意志、その二つの世界を我々は過ごすことが、今という時代に課せられているのだろう、ちょっと時事的にはなりますが、そんな感想を持ちました。

by wavesll | 2019-06-25 23:24 | 映画 | Comments(0)

Ascending - Earthlings と Detriti Records : 80sな共産テクノ・シンセポストパンクな雄渾中枢

Ascending - Earthlings (Bandcamp link)

ベラルーシのМолчат Дома - ЭтажиとロシアのКонец Электроники - The End Of Electronics。




”これは凄い鉱脈をみつけたのかもしれない”と想っていたところにまたしてもYoutubeがSuggestしてきたのがこちらのAscending - Earthlingsというアルバム。

上記2作とは異なり、ロシア語っぽいVoでもないし、音自体も異様な辺境レトロというより少ししゃれっ気も感じつつ、やっぱり2017年作とは思えない独特の審美眼を感じさせます。

ただ、いくら調べてもこのアーティストの情報が出てこない。英語のサイトすらみつけられない有様。”ではレーベルを調べてみたらどうだろう?”ということでDetriti Recordsの情報を探るとこんなサイトがみつかりました。


ドイツのレーベルなのか。Ascendingはこのレーベルのかなり初期から支えているアーティストみたいですね。そしてМолчат Дома - Этажи。そしてインタヴューの中でマルクスという言葉も出てくることから共産趣味があることが伺えます。

2015年生まれのこのレーベル。なっかなかに面白いテイストの仕掛けをしてくる…!なーんか旧共産圏でこういう音のムーヴメントが来ている匂いもありますし、今後ともこのWAVEがチェックしていきたいです。

by wavesll | 2019-06-24 20:32 | Sound Gem | Comments(0)

Billie Eilish - When We Fall Asleep.. X 無花果のドライフルーツ 囁く秘唱、極大の魅力 第168回酒と小皿と音楽婚礼

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今の時代のポップ・アイコンにあっという間に成ったBillie Eilish. 梅雨の内に取り上げたいと考えていました。

Coachellaを始めとして全米で狂熱的に盛り上がりを見せる彼女のライヴはまさにカリスマの名に相応しい。社会的なメッセージも発していて、単なる偶像的な人気に留まらない八面六臂な活躍をみせているのはご承知の通り。

去年のサマソニ出演の時点でも一部では話題になっていましたが、あれよあれよという間に期待・熱狂がインフレーションを起こしていったこの一年でしたね。

とは言え、その期待値のインフレに当てられたのか、本作を初めて聴いたときは「想っていたよりもコンパクトな衝撃のアルバムだな」と。クワイエット・ウェイヴというムーヴメントにおいて双璧を成すSolange - When I Get Homeと比べると総合点で落ちるのではないかとも思ったのですが、今日改めてしっとりと聴く内に”あぁ、この魅力に多くの人がやられるのはさもありなんだわ”と。

本当の意味でのアイドルというか、あまりにも魅力的な囁く歌声、この親密感は驚異的なCharmがありますね。
M1でのAMSRな仕掛けからM2 Bad Guyの”ダー”という漏れ声から”なーんか異質な新しさがあるぞ”と期待を膨らませられ、そこからどんどんプライベート感を増していくヴォーカル。

昔銀杏BOYZに嵌った時にライヴへ行くと峯田の声が全く聞こえないくらい聴衆が声を張り叫んで”俺の峯田、俺が峯田だ”と峯田BOYZも峯田GIRLZも狂乱したものですが、Billieのファンダムの熱狂も、スーパースターとオーディエンス群というより”俺の/私のBillie Eilish”という関係性なのではと。そう心を沼に沈める魅力こそカリスマ/スーパースターの条件かもしれませんね。

さて、これに何を合わせようかと逡巡して”ハーシーズのチョコレートシロップを牛乳を溶かした奴とかどうかな”と想ったりもしたのですが、”あ、そうだ。あれがあった”と手に取ったのは最近OKで良く買っているSMYRNA産のドライ無花果。

雫が固体化したような深い甘みと酸味が、この音に味蕾への刺激も載せてくれました。

今年は例年になく音盤が大豊作な気もします。下半期のニューリリースがどうなっていくのかも今から楽しみです◎

by wavesll | 2019-06-23 21:54 | La Musique Mariage | Comments(0)

紫陽花の小蝶

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by wavesll | 2019-06-22 23:54 | 街角 | Comments(0)

Todd Rundgren ft. Egberto Gismonti の超絶Mix X The MALT'S HOP PARADISE 第167回酒と小皿と音楽婚礼

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私は定期的にEgberto GismontiでYoutube検索してライヴなどの新動画がないかチェックしているのですが、このブラジル音楽の巨匠とあのトッド・ラングレンのフィーチャリング作があるという動画がこの度引っ掛かって。

もう内容も最高と言うか、これマジ最高以外の何物でもないだろというジスモンチ節と電子ロックな感覚だったのですが、当該アルバムがDiscogになく、”どうも雲行きが怪しいぞ”と。そこで「Todd Rundgren ft. Egberto Gismonti - A Treatise On Cosmic Fire (With Sol No Asfalto/Mambembe)」で検索するとsoundcloudの音源が引っかかって。その画像では見覚えのあるジスモンチのアルバム(Coracao da Cidade)がトッド・ラングレンのジャケの中央に配されていて。

”あ、こりゃミックステープなのかも”と。どうやらTodd Rundgrenの『INITIATION』というアルバムとEgberto Gismontiの音源のMixの様です。ジスモンチは同じ楽曲を色んなVersionで再演・再録することがデフォなので、「全然知らなかった新音源か」と色めき立ってしまいました。

とはいえこの流れ、最高じゃないっすか。今年の夏のアンセムになりそうなくらい気に入りました。

単純に音楽としていいのに加えて、聴くほどにジスモンチを良く分かってるというか、この時期のブラジルミュージシャンって有名米国人ミュージシャンとかなりコラボってるし、ジスモンチはジャズロックからシンセな電子音楽までやってて、本当に聴いてて“こういうのあり得る”と思わせる出来。素晴らしい。

丁度、今日コンビニで買ったモルツの2019夏季限定商品のHOP PARADISEが、華やかな彩を与えてくれて。この甘みと苦みがこの音源にぴったり。すっかり暑くなってきましたが、今年のLONG SEASONも愉しく過ごして行けそうな予感を与えてくれるベルマリアージュでした。

by wavesll | 2019-06-21 23:15 | La Musique Mariage | Comments(0)

横浜浮世絵展@神奈川県立歴史博物館 港街の進取と猥雑な謙虚さ

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過日、馬車道の神奈川県立歴史博物館にて横浜開港160年 横浜浮世絵展をみてきました。
開港から鉄道開通くらいまで、この地で一気に開化していった横濱の風景。それを描いた横浜浮世絵を前期・後期で340点展示するという大きな展示。ひとりの浜っ子としてまじまじとみてきました。

まず最初の「横浜開港前夜」に出てくるのは北斎の≪富嶽三十六景 神奈川沖浪裏≫、前期にはこの数十年前に逆側からの波が画かれた≪賀奈川沖本杢之図≫が展示されていたそう。それもみたかった。開港の前年に亡くなった広重(初代)による≪冨士三十六景 武蔵野毛横はま≫も。

そして第一章「街ができるー横浜開港ー」では、まず貞秀≪増補再刻 御開港横浜之全図≫では生麦や子安から対岸の本牧までの大パノラマが広がって。そして田んぼの真ん中には当時の国際社交場というか遊興の場として作られた港崎(みよざき)遊郭が描かれた貞秀≪横浜本町景港崎街新廓≫が。

村だった横浜が一気に発展する姿がひらける様を描いた貞秀≪野毛村切通シヨリ横浜入口吉田橋野毛橋本町エモン坂大門遊女屋町井横浜本村遠景≫が。

そして国芳も横浜浮世絵を2枚描いていてそれが三井の越後屋の店など商紋ののれん街が画かれる≪横浜本町之図≫や港崎遊郭の岩亀楼の提灯なども描かれた≪横浜廓之図≫が。桜が華々しい。

芳員≪横浜海岸波止場繁栄之図≫には開港資料館に今もあるタブノキが描かれて。また広重(二代)の≪武陽横浜一覧≫と≪横浜一覧之図≫には通常浮世絵にはないすやり霞が。

NHKBSP「TOKYOディープ」でも旧い街の中核文化として遊郭が各地で取り上げられていましたが、横浜浮世絵にも遊郭がよく描かれました。

中でも埼玉の岩槻の人が開いた岩亀楼は一大娼館で。芳員≪横浜港崎廓岩亀楼異人遊興座敷之図≫や、「岩」をデザイン記号化してその下に亀の絵が画かれた団扇を持つ女性たちが画かれた芳年・年麿≪神名川横浜之風景≫や≪横浜岩亀楼≫、そして前期の広重(二代)≪横浜巌亀楼上≫はシャンデリアも。扇のデザインをあしらった襖の意匠も美しい。前期の国貞(初代)・国時≪源氏君花街遊覧≫の暖簾も楽しい。他にも港崎遊郭にあった国明≪横浜五十鈴楼之図≫なんてのも。

そんな遊郭で外国人たちも遊んで。芳幾≪五ヶ国於岩亀楼酒盛の図≫には米・英・仏・露・オランダ人が清国の芸人をみて遊んで。芳員・員重≪横浜港崎廓岩亀楼異人遊興之図≫では外国人たちが畳に座っている珍しい光景も。港崎遊郭は後に焼け落ちますが、当時の人々には川崎のラブホテル・迎賓館のように記憶に残ったことでしょう。

また万延元年(1860年)につくられた多数の国々が出てくる双六もあって。貞秀≪横浜細見大双陸≫に描いてある「どろ銀」はメキシコ銀貨のこと。広重(二代)≪万国入船寿≫には蝦夷の人や、胸に穴の開いた「胸穿国」なんてのも描かれてました。

次のパートは外国人を描いたものがたくさん。

芳幾≪万国男女人物図会≫には脚長国や臂長国、女人国なんてのも描かれて。貞秀≪生写異国人物 阿蘭陀婦人拳觴愛児童之図≫はピンクのドレス、貞秀≪生写異国人物 亜墨利加女官翫坂逐之図≫や貞秀≪生写異国人物 払郎察小娘犬散歩之図≫では洋犬も。芳虎≪万国尽 孛漏生人≫はなぜか黒人風に。芳豊≪アメリ加黒んぼ≫という作品もありました。

芳虎≪武州横浜八景之内 本村乃夕照≫・≪武州横浜八景之内 美代崎乃秋の月≫・≪武州横浜八景之内 波止場の帰帆≫・≪武州横浜八景之内 岩亀楼夜の雨≫・≪武州横浜八景之内 吉田橋乃落鳫≫・≪武州横浜八景之内 道行の遠鐘≫・≪武州横浜八景之内 野毛乃哨嵐≫・≪武州横浜八景之内 朝市乃月≫は八景ものでも外国人にフォーカスした横濱らしい作品。

他にも芳員≪横浜名所野毛切通 和蘭陀人≫・≪横浜名所港崎町 仏蘭西人≫・≪横浜名所弁天 亜墨利加人≫・≪横浜名所波止場 魯西亜人≫・≪横浜名所異人屋敷 英吉利人≫という作品や波止場で遊ぶ外国人を描いた貞秀≪横浜休日 魯西亜人遊行≫・≪横浜休日 阿蘭陀人遊行≫・≪横浜休日 亜墨利加人遊行≫・≪横浜休日 仏蘭西人馬遊行≫・≪横浜英商遊行≫なんて作品も。芳盛≪港崎横浜一覧≫や≪港崎横浜一覧 蒸気船ノ図≫はフランス人などが描かれて。

貞秀≪横浜交易西洋人荷物搬送之図≫は波の表現が素晴らしい。貞秀≪墨利堅大船之図≫は実は英国の船なのだとか。

貞秀≪横浜異人家飲食之図≫で飲食する外国人。芳虎≪外国人遊興之図≫では岩亀楼が。芳員≪神奈川権現山外国人遊覧≫で画かれる成仏寺にはあのヘボンも住んでいたとか。貞秀≪五箇国人物歩図≫では休日にどんたくする様子が。貞秀≪横浜異人商館之図・横浜異人商館売場之図≫は六枚つづりの正方形の大作でにぎわいが描かれて。広重(二代)≪横浜繁栄之図≫も良かった。

そして生麦事件が起きた翌年に描かれた芳虎≪横浜之新港ニ五箇国之異人調練之国≫と、その後に描かれた芳年≪仏蘭西英吉利西三兵大調練之図≫、そんな状況に対してのうっぷん晴らしか、体力自慢の白人を力士が投げ飛ばす芳幾≪横浜角力の誉≫なんて作品も。

またこの時期には外国の光景も浮世絵として描かれました。芳員≪亜墨利加国蒸気車往来≫・≪亜墨利加洲内華盛頓府之景銅板之写生≫・≪北墨米利加州≫なんてイラストレイテッド・ロンドン・ニュースを基にした浮世絵や気球が画かれた芳虎≪亜墨利加国≫、なぜか椰子が画かれた芳虎≪仏狼西国≫や時代が下ってかなり上手い芳盛≪各国繁栄尽 英吉利 ロンドン VIEW IN LONDON.≫なんても。

またこの時期は外国から動物たちが連れてこられて。芳豊≪紅毛舶来猛虎之演技≫芳幾≪猛虎之写真≫では豹が、芳員≪文久三亥年天竺国舶来 大象之写真於東都両国観物≫や芳幾≪中天竺馬爾加国出生の大象≫もありました。

そして第三章「ヨコハマの明治」へ。

大判錦絵10枚つづりの大作、貞秀≪改正横浜細見図 横浜細見図其二≫や、乳母車などが画かれた芳員≪外国商館の門前の風景≫、三つの塔がある広重(三代)≪横浜海岸異人館之図≫に実は築地ホテルな芳虎≪横浜海岸通之図≫、吉田橋(かねのはし)が画かれた貞秀≪横浜鉄橋之図≫・≪横浜鉄橋其二≫。広重(三代)には≪横浜吉田橋ヨリ伊勢山太神宮遠景≫なんて作品も。また芳虎≪横浜弌覧之図≫では七福神が馬車を駆って。広重(二代)≪武陽横浜一覧 Map of Yokohama≫も紫のすやり霞があって洒脱でした。

広重(三代)≪横浜商館天主堂ノ図≫は今は山手に移動したカトリック教会、広重(三代)≪横浜亜三番商館繁栄之図≫も緑の壁が映えて。

芳虎≪横浜異人館之図≫には西洋式の建築の前に人力車に乗った和装の女性が。国輝(二代)≪横浜仏国役館之全図≫も日中欧米文化が交じり合ったクレオールな感覚が。広重(三代)≪横浜海岸通り之真景≫は後の山下公園。広重(三代)≪横浜各国商館真図≫もハイブリッドなウォーターフロントの風景。

この時期は列車の光景もよく描かれました。

一景≪六合陸蒸気車鉄道之全図≫や舟が渡る多摩川が画かれた広重(三代)≪六郷蒸気車鉄道之全図≫や馬車からの時代を感じさせる広重(三代)≪河崎鶴見蒸気車鉄道之図≫や煙の白い弧の連続表現が印象的な広重(三代)≪横浜往返蒸気車全図≫、またしても七福神がでてくる芳虎≪七福人 種紙会社より海岸鉄道眺望の図≫は輸出産業の生糸が。

海沿いを走る広重(三代)≪横浜海岸鉄道蒸気車図≫や広重(三代)≪東京横浜蒸気車鉄道之図≫、また国鶴(初代)≪横浜ステーション≫は今の桜木町。

また焼け落ちた港崎から移転した遊郭のある土地を描いた広重(三代)≪横浜新埋地高島町揚屋三階造海岸遠景之図≫という作品も。

そして最後の間。
貞秀≪横浜弌覧之真景≫には関内側からみた大パノラマが。象の鼻や馬路公苑の競馬場も描かれて。

国利≪開化名勝図之内 横浜本町時計台≫はブリシェンス設計。国利≪開化名勝図之内 横浜弁天橋ヨリ海岸遠望≫の弁天橋は今もあります。国利≪開化名勝図之内 横浜高島町神風楼≫は廓。このシリーズには国利≪開化名勝図之内 横浜海岸波止場≫も。国利は≪大日本名所図会 横浜伊勢山太神宮≫というのも描いています。

国松≪横浜名勝競 内田町よりステイションの図≫・≪横浜名勝競 本町神奈川県庁より時計台の一覧≫・≪横浜名勝競 伊勢山下瓦斯本局雪中の一覧≫ではガスの煙突も。国松は≪横浜高島町神風楼之図≫も描いています。

また国鶴(初代)≪新坂横浜名所≫では本町や神奈川、競馬場、波止場などが描かれて。国鶴(初代)は≪横浜繁栄本町通時計台 神奈川県全図≫というのも描いています。

そして「金川(かながわ)」から来たという清綱≪金港美人揃 ときは町 八百藤≫・≪金港美人揃 太田 豊玉葊≫・≪金港美人揃 相生三 嘉以古≫・≪金港美人揃 羽衣壱 三階 相模屋≫・≪金港美人揃 尾上五 富貴楼≫・≪金港美人揃 住よし町 千登勢≫という美人画シリーズも。

そして鉄道開通とともに横浜浮世絵は徐々に描かれなくなっていって。最後の辺りに描かれたのが明治20年(1887年)の静斎≪横浜伊勢山風景図≫。真っ紅な空。

横浜という村が一気に進化していく様をみながら、浜っことしてはルーツとなるアイデンティティの不在も感じつつ、けれどその際の先端、一種ピジンなエアサイドが横浜の気風かと。漁村としての根っこは今も子安に息づいていますしね。

港街の進取と猥雑な懐の広さ。それは一種の謙虚さでもあるかもと。今はなき港崎(みよざき)遊郭ではシャンデリアと扇の紋様の襖の内で国際的な宴が開かれていました。横浜浮世絵には桜が多くあります。それは国際的な地になることで日本らしさへ意識的になったというのもあるのかも、と。

いいものはどんどん学び、自分のものへ摂取していく。その姿勢は最近余裕をなくして傲岸さが覗く日本に必要なものかもとも。異人あふるる明治横浜の春なホスピタビリティーと鷹揚さと機敏さは令和日本の先取りだったのかもしれません。会期は今週末まで。

by wavesll | 2019-06-20 20:11 | 展覧会 | Comments(0)