レコメンドはセレンディピティを破壊するか

最近日々が充実しているというか、5月に入ってからこっち遊興を盛んに行っていて。

そんな中でも特に個人的には嬉しかったのがカザフスタン民族音楽コンサート@東京都立中央図書館太尾堤緑道のヨコハマビエンナーレ'89の彫刻遺産群。というのもこれは私自身が足で稼いでみつけたモノゴトだからです。

カザフスタン・コンサートは元々はTwitterで広尾の図書館でカザフスタン展をやっているのをみて先月訪ねた際に館内のポスターで知ったもので、太尾町の緑道は偶々初めて訪ねた時に見付けたもの。

今、自分のWeb巡回のほとんどはTwitterを通してに為ってしまっていて。自分自身でフォローした方々が発信してくれる情報だから基本的に自分好みの情報が集まってくるのですが、段々換気が必要になるというか空気に新規さがなくなって来る感覚があって。

特に素晴らしい景色とかを先にWebでみて興味を惹かれてその地に行ったりすると、何だか”答え合わせ”をしてしまっているような気になることがあります。

"先に概念を知ること"が世界から神秘性を失わせることはあるのかもしれません。例えば私は幸運にも暈(ハロ)環水平アークをその概念を知る前に体験し大いに驚いたのですが、もし既知の現象だったとしたらあんなにも自然の驚異を感じてはいなかったと想います。先に知識を得ることで、フレッシュな驚きが損なわれてしまう。

自分で編んだ居心地のいい濃い情報網よりも、寧ろ街中でエンカウントする広告の方が”既知でない”。或いは自分の足でみつけたモノゴトの方がWeb定期巡回路よりも”自分とって特別な情報”となるのは、生身で五感を駆使した方が”自分事”になりやすいからかもしれません。

ただ、Webが未知感のある情報を届けてくれないかというとこれは勿論違って。

例えばYoutubeのお薦め動画はなかなか馬鹿にならなくて。過去の閲覧記録からのお薦めで私が好きそうな未知の音楽をYoutubeで発見する事が結構あります。Webがセレンディピティを破壊するのではなく、Webメディアのフィリタリングを通して紹介されたモノゴトに”手垢がついた”と感じてしまう、というのが論点なのかもしれません。新しい血を入れ続けることが肝要なのかも。

兼好法師は「レアモノを有難がるのは情弱だ」と言っていましたが、自分が関わる度合いが高い経験ほど充実感・特別感は増していくもの。Webには生の第一次データの発信も大量にありますから、メディアの選別を経ない野良データに当たって行ったら、効率は悪くなるかもしれないけれど、Web体験とセレンディピティがより両立できるのかもしれない。そんな事を想いました。

追記
上に書いた話は、私がメディア漬け人間だからこその感慨なのかもしれません。多くの方々にとっては”そりゃ自分でやった方が遣り甲斐あるだろ”かとw

私はWebにモノを書き始めた時に”内輪受けだけは嫌だ”と強く想っていました。私を個人的に知らない人にも価値があるものを書きたいと。

その流れでメディア一般にオーソライズされていることについて書くことが多かったように思えます。上に書いた”自分が関わる度合いが高い経験ほど充実感・特別感は増していく”というのは逆に言えば他者から見ると”ンなこと他人には関係のないことだ”となるでしょう。

実際、鴎庵の記事別アクセス数は取り上げる題材にかなり左右され、今月でいうとオザケンのライヴ感想レポが一番集めていて。カザフコンサートや太尾町の彫刻はニュースネタとしては客観的には確かにコアなさざれ石で、私自身の筆力の足りなさ故に惹きつけられてないのは精進しないとなと想います。

その上で今の自分がより”野生の物事”感に惹かれるのは、Twitterによって自分の関心による情報収集の濃さに満たされたからともいえると想います。自分の好きな味だけを思う存分食べられた故に次の段階へ行けるようになったと。

何か物を書く上で必要なのは廣く情報を得るだけでなく、寧ろ情報を絞ること、時に情報を断つことで己の密度を高めて内から湧き出す声に耳を澄ますことだと感じていて。ネタがマイナーでも逆にメジャーでも奥い語りが出来たら独自性のある記事が書けるだろうと。

今新しい心持ちを持てているのは鱈腹情報摂取できた結果で、Twitterに感謝しながら次の展開を張っていけたらと今は想う処です。

cf.
13年前の個人ニュースサイトをメインとしてやってた頃の記事。昔の方が堅い記事書いてたなぁ、今は緩いw



# by wavesll | 2018-05-16 04:01 | 小噺 | Trackback | Comments(0)

横浜市港北区・太尾堤緑道にあるヨコハマビエンナーレ'89の彫刻遺産群

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# by wavesll | 2018-05-14 19:42 | 街角 | Trackback | Comments(0)

Thai Festival 2018にてタニット・シークリンディー(人間国宝)によるクルイ(縦笛)演奏, タイ舞踊, ムエタイ試技, BNK48, タイのグラミーアーティストを観る

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代々木公園で開かれたタイフェスに行ってきました!凄い人!
お目当てはこの人、クルイ(縦笛)の人間国宝タニット・シークリンディーのライヴ!


そしてあっというまのクルイのライヴがフィニッシュし次に出てきたタイ舞踊もキュートで良かった◎
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さらにステージはムエタイに!
試合の前に披露されるワイクーという踊りやスパーリングが行われました。格ゲーを想起w
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会場をめぐるとチャーンビールの会社がつくっているというウィスキーのコーナーが。2600円で日本でも代理店が売っているそうです。

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そしてその横で何故か沖縄の泡盛が試飲できるコーナーがあって。5年物の古酒を飲みました。円やかだった◎
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雨が降り出した会場を一気に熱くしたのがBNK48!基本タイ語だけどサビとかキメは日本語なんですね。NEOアジアン歌謡という感じ。遠目でゆるく観ようかと想ってたら余りのファンの数と傘でほとんどみえずw

橋の辺りからちらりっとみえましたw
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そしてタイのグラミーアーティスト達の2h Setのライヴ。これもタイの人たちのシンガロングも凄くて大盛り上がりだったのですが、雨が凄くて退散><
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久しぶりに来たタイフェス、やっぱりもう人出から何から凄い規模で海外文化フェスの草分けだけあるなと!楽しかったです◎

おまけで最近TLで話題になってたアイアン・ジャイアントにみえるOIOIを◎確かに見えるw
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# by wavesll | 2018-05-13 21:22 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Sílvia Pérez Cruz live at Blue Note Tokyo 2018. 5. 12. 2nd Set 現代カタルーニャ音楽の旗手による弦楽五重奏の特上AO VIVO

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SÍLVIA PÉREZ CRUZ - "LES SUDS, À ARLES 2017" (Arte) (HD) (completo)


ブルーノート東京にて現代カタルーニャ音楽の旗手、Sílvia Pérez Cruzのライヴをみてきました。

現代カタルーニャ音楽。カタルーニャ語、スペイン語の楽曲に加えファドやサンバ等ポルトガル語圏、はてまたレナード・コーエン「ハレルヤ」のような英語詞のものなど多彩な楽曲群を唄って。幸せで可愛らしく楽しい歌から生きる激情を魅せる歌まで披露してくれ全てが特級!弦楽五重奏の最上の音の鳴りも最高!

シルビアは手綱で操るように自在に弦楽五重奏を指揮していて。バイオリンの男女、ビオラ、コントラバス、チェロ。あんなにもビートも優美も鮮烈もできる楽団…とてつもなかった!!弓で弾くだけでなく全ての弦楽器でピチカートでも奏でられて。本当に音が素晴らしくて、シルビアの歌も相まって”この音質、めくるめく夢のようだ”と想いながら聴いていました。

そしてシルビアの弾ける様な笑顔が本当に綺麗で。ハッピーな雰囲気の中、一曲一曲終わるたびにまるでカーテンコールのような盛り上がり。オーディエンスとの相乗効果で本当に素晴らしい雰囲気のコンサートとなりました。

アンコールの「GALLO ROJO, GALLO NEGRO」は弦楽五重奏のメンバーもスタンディングで鮮やかに迫力に満ち情熱を発した楽曲が。もうほんと素晴らしい、緩急、柔剛、人生の歓喜と哀しみすべて自在に鳴らすバンドに酔いしれた夜となりました。シルビアをイメージして創られたワインカクテルもナッツのフレイヴァーがきいていて美味でした◎



Member
Sílvia Pérez Cruz (vo)
Carlos Montfort (vln)
Elena Rey (vln)
Anna Aldomá (vla)
Miguel Àngel Cordero (b)
Joan Antoni Pich (vc)

# by wavesll | 2018-05-13 00:00 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

カザフスタン民族音楽コンサート@東京都立中央図書館にて伝統楽器と超高音歌唱を味わう

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広尾の都立中央図書館にてカザフスタンの民族音楽コンサートをみてきました。

これは今中央図書館で開かれているカザフスタン展のイベントで、偶々展覧会を観に行ったところ館内のポスターでこの催しを知ったのでした。

本日の公演はカザフスタン共和国国家警護庁/大統領オーケストラ演奏者のアビリベコワ・アコボペさんによる器楽とCSI諸国中国語ソングコンテストグランプリ等を獲得しているクアンバイ・オルジャスさんによる歌唱の二部構成。

素ー晴らしかったです!

アコボベさんは様々な民俗楽器を演奏してくれて。

最初はシャンコブズという口琴によるインプロヴィゼーション。これが80sの電子音楽みたいなビョーン、ベベンといったスペーシーな音を聴かせてくれました。

次に披露してくれたのはドンブラという弦楽器による、ステップの風景を表現したキュイ「サルジャイラウ」。
ドンブラの名はドン(音)ブラ(調律)という意味で、松や白樺によってつくられていて、今回使われたのは弦がナイロン製ですが本来は羊の腸でつくられているそう。

音はジャッジャと硬度のある音から艶のある音まで、三味線とギターの間みたいな感じ。胴を叩くのを入れる奏法も。

そしてドンブラで奏でられた次のキュイ「バルブラウン」はリラックスするという意味で高速ダンスチューンでかなり好みでした★

3番目に奏でられた楽器はサズ・スルナイというオカリナのような粘土製の笛。”苺が美しい”という意味の民謡「ブルティルゲン」は古代の雰囲気を感じさせ、”小さな・可愛い”という意味の「キシケンタイ」は抒情的、そして”太陽のように輝く鹿”という意味の「ジェズキイック」は爽麗な音色でした。

最後に弾かれたのはジェトゲンという琴。ジェトは「穴」、ゲンは「弦」という意味だそう。

最初に奏でられた「ジェルスズ・トゥンテ・ジャルク・アイ」はヨナ抜き音階というかどこか日本にも通じるトラディショナルな響き。

そしてアコボペさんが最後に奏でたキュイ「アック」は”白鳥(神聖な動物で、愛のシンボル)”というタイトルで、なんとも天上的で桃源で、そして高速チューンというホントに麗される素晴らしい演奏でした!

フォトセッションを挟んで登場したオルジャスさんによる歌唱も凄くて。

カザフスタン人なら誰もが知っているという「ドゥダライ」、そして国民的音楽家による作曲の「アック・マンダイルム」、そして”カザフのダンス”という意味の「カザフ・ブアルス」、さらにアンコールでは「白い馬」という歌を披露してくれました。

その歌声はほんと驚異のアルトの音域で、男性とは信じられない!けれど低音も響かせてくれ、スゴすぎる歌唱に「ブラボー!」の声が起きたほど!

カザフスタンの男性歌手は本当に素晴らしい人が多いらしくて、MCの方が紹介していたDimash KudaibergeをYoutubeで聴いているのですが、こちらもハイトーンの美声。

カザフ歌謡は韓国語と東欧・露語の間みたいな聴き心地で、メロディは中国歌謡のニュアンスも感じましたが、オルジャスさんの超高音ヴォーカルがもう本当に突き抜けた魅力を放っていて。アオコボペさんといいこんなに素晴らしい音をロハで聴けるとは!

犬も歩けば式に愉しみを足で稼いだ感が嬉しい会でした◎都立中央図書館でのカザフスタン展自体はこの後も開かれていて、ガガーリンが地球を発った宇宙基地や、カザフの衣食住音楽文化の現物やパネル展示がされていて、こちらも入場FREE. 最近はユーリ・オン・アイス等でも注目されるカザフの文化をみに広尾へ行くのもぜひぜひ◎

# by wavesll | 2018-05-12 17:25 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光@西美 コンセプト・コンテキストをめで愉しむ西班牙王宮美術の扉

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国立西洋美術館にて開かれているプラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光をみてきました。

先ず展覧会場に入ると出迎えるのがディエゴ・ベラスケス≪フアン・マルティネス・モンタニェースの肖像≫。この時代”美術”というものを職工的なものではなく知的で創造的な営みであるとオーソライズする動きがあり、アーティストそのものを描いた作品が多くつくられました。このモンタニェースも著名な彫刻家。彼が造っているのはフェリペ4世の像だといわれているそうです。

また画家を創造主である神と重ねる絵画も多く、神がまさに画家となりマリアを描いているところから文字が流れ出しているホセ・ガルシア・イダルゴ≪無原罪の聖母を描く父なる神≫もそう。

そして聖母マリアの彫像から母乳が飛び出て祈った聖人の口に降り注ぐという衝撃的なシーンを描いたアロンソ・カーノ≪聖ベルナルドゥスと聖母≫が面白かったwスペインでは結構描かれた題材だそうでした。

次の章はこの時代に良く描かれた哲学者達の絵画。

この展覧会の目玉は7点のベラスケスなのですが、その他の画家たちの作品も素晴らしく、殊にルーベンスが印象的で。

ペーテル・パウル・ルーベンスの工房≪泣く哲学者ヘラクレイトス≫の涙がチャーミングで。そしてこの絵にベラスケスが対抗しようと画いた≪メニッポス≫も古代哲学者の衣ではなくこの時期流行った”乞食哲学者”という現世の富に頓着しない姿と聴いて面白いなと。

この章では他にも聖書をラテン語訳した哲学者を描いたアントニオ・デ・リベーラ≪聖ヒエロニムス≫も老いと美しさがありました。

そして本展覧会ではこの人も良かった。ヤン・ブリューゲル(父)。ヤン・ブリューゲル (父)、ヘンドリク・ファン・バーレン、ヘラルト・セーヘルら≪視覚と嗅覚≫は様々な絵画が揃った光あふれる大広間の絵画。そしてヤン・ブリューゲル(父)の十八番である花を描いた≪花卉≫も良かった。

この時代はキリスト教が強い権力を持っていて、スペインの画家は他宗教について描けなかったのですが、宮廷画家のベラスケスは王室というクローズドな環境向けにギリシア神話を題材とした画も描けたそうで、≪マルス≫もそんな一枚。

この軍神マルスの絵、鎧を脱いだマルスがへたっと休んでいる場面が描かれています。これは様々な解釈があるのですが、一つには鎧を脱いだマルスというのは平和を顕わし、フェリペ四世の優れた治世を示しているとのことでした。

この時代でもスペイン国外の画家はカトリックに縛られずに絵を描け、さらには王宮では裸婦像も肖像されていて。ティツィアーノ・ヴィッチェッリオ≪音楽にくつろぐヴィーナス≫のふくよかな裸婦の美しさ。ピアニストの男性の黒い衣服や濃い色の内装が裸婦の肌の白さを際立たせていました。

またルカ・カンビアーゾに帰属≪ルクレティアの死≫も自らの白い肌に短刀を突き刺し血を流す様が煽情的で。

そしてペーテル・パウル・ルーベンス、ヤーコブ・ヨルダーンス≪アンドロメダを救うペルセウス≫が何とも見目麗しい美男美女で。ルーベンスの絶筆と言われるこの作品、最期までこんな優しく眩しい絵を描いていたんだなぁ。

ペルセウスを画いた絵だとルカ・ジョルダーノ≪メドゥーサの首を持ち勝利を収めるペルセウス≫のペルセウスの翼の生えた兜も良かった。またぎょっと驚かされるド迫力だったのはビセンテ・カルドゥーチョに帰属≪巨大な男性頭部≫これは本当吃驚する大きさなので是非生で◎

そして宮廷の人々が描かれた絵画も勿論沢山ありました。

ベラスケス≪狩猟服姿のフェリペ4世≫は華美に飾り立てずに王の文化的なセンスを感じさせるのが喜ばれたそう。また王族の特徴である顎がフェリペ4世と共通するフアン・カレーニョ・デ・ミランダ≪甲冑姿のカルロス2世≫も。フェリクス・カステーリョ≪西ゴート王テオドリック≫は威風堂々としていました。

またこの展覧会で初めて知ったのですが、スペイン王宮には矮人という小人症の家来が働いていて、フアン・バン・デ・アメン≪矮人の肖像≫や王太子に仕えた矮人をベラスケスが画いた≪バリェーカスの少年≫という作品も。

そしてこの展覧会のメインビジュアルにも現れているディエゴ・ベラスケス≪王太子バルタサール・カルロス騎馬像≫

他の王族の絵画の背景が暗いのに対し、バルタサール王太子の背景は明るいスカイブルー。空色にライトピンクの衣が映えます。躍動感ある馬。けれど尻尾がちょっと荒い筆致に感じて。よくよく見れば衣服も結構筆跡が残っていて。

この時代の絵画が粗いテクニックだったという訳ではなく、例えば同じ部屋に飾られているアロンソ・サンチェス・コエーリョ≪王女イサベル・クララ・エウヘニアとマグダレーナ・ルイス≫アントニオ・デ・ペレーダ≪ジェノヴァ救援≫はかなりのハイレゾだし、ベラスケス自身が二十歳の時に描いた≪東方三博士の礼拝≫も精細な筆致。

”ではこれは狙ってのことだろうか”と訊いてみると此の絵は高い位置にかかっていたそうで、遠くから見た時にベストにみえるように描かれていて、”ベラスケスは印象派を先取りしている”と言われているとか。≪マルス≫の兜もこの試みがされていました。ビュールレ・コレクション展で≪可愛いイレーヌ≫がダンヴェール家には”精緻ではない”と気に入られなかったと聴いていたので、スペイン王家は柔軟で進取な感性を持っていたのだなと想いました。

≪王太子~≫の背景の山々は実際に在る風景だそうですが、この展覧会にはベラスケスの弟子フアン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソによる風景画≪ローマのティトゥス帝の凱旋門≫なんて風景画も飾られていました。また光景でいうとデニス・ファン・アルスロート≪ブリュッセルのオメガングもしくは鸚鵡(オウム)の祝祭:職業組合の行列≫も夥しい人物による広場での大行列がイラストレーション的で非常にくっきりと描かれていて印象的でした。

また17世紀スペインでは静物画が新しいジャンルの絵画として勃興していて。フアン・バン・デル・アメン≪果物籠と猟鳥のある静物≫フアン・デ・エスピノーサ≪ブドウのある八角形の生物≫といったリアルな静物画が展示してありました。

またこの時期の西班牙ではボデゴンという風俗画な静物画が流行っていて。アレハンドロ・デ・ロアルテ≪鳥売りの女≫なども濃い口な筆致で大変良かった◎さらにイソップ童話を主題としたパウル・デ・フォス≪犬と肉の寓話≫なんて作品もありました。

そして最後の章は宗教画


そしてペーテル・パウル・ルーベンス≪聖アンナのいる聖家族≫もとびきり眩しい魅力を放っていて。ルーベンスの描く女の人は何とも優しい瞳をしていて時めかされるwこの時代はヨセフ信仰があったらしく、若いヨセフが描かれたバルトロメ・エステバン・ムリーリョ≪小鳥のいる聖家族≫等も展示してありました。

この展覧会では藝術理論などの白黒の書物も展示してあって。エフェメラル(一時的)に飾り立てられた建物が描かれるフェルナンド・デ・ラ・トーレ・ファルファン≪セビーリャ大聖堂におけるカスティーリャ王フェルナンド3世列聖の祝祭≫やベラスケスの師匠によるフランシスコ・パチェーコ≪絵画芸術、その古代性と偉大≫なんて作品もありました。

西洋画の質感が最近また好みになってきていて。中世の西洋絵画は宗教や王族を主題とした写実性(すこし霞んだ)重視の“普通な高級画”といった感じで近現代の超現実的な絵画をみている目からすると少し退屈に想えることもあったのですが、段々西洋絵画の愉しみが分かってきたというか。

寧ろ現代アート以上に文脈や中に描かれている物語、そして神話と現実の重なりや、今回はベラスケスに印象派的な技法の祖先をみたり、コンセプトを読み解く楽しみがあるのだなと。また新しい扉が開かれていくのを感じる展覧会となりました。


# by wavesll | 2018-05-11 23:21 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

六本木ヒルズの巨大蜘蛛 "Maman" の靴下穿いたVer

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# by wavesll | 2018-05-10 21:43 | 街角 | Trackback | Comments(0)

日比谷線の切子な棚

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# by wavesll | 2018-05-10 20:11 | 街角 | Trackback | Comments(0)

Sinn SisamouthによるCambodian歌謡がファズのきいたハワイアンみたいな”ちょっと先”を逆に感じるMagical Rock

Sinn Sisamouth - Biting Game

今私の音楽発見の多くを担ってくれているTwitterでこんなTweetを見つけて。

カンボジアの国民的スター、シン・シサモットさんのこの曲、激凶暴ファズで、ハットがガラスの風鈴がシャリシャリ鳴ってるような音に時折聴こえてとてもイカしていて..クメールロックって素敵なんですね。

何とも素敵な呟き文句に惹かれてYoutubeを開いてみるとまさしく看板に偽りなしのいかした音楽が聴こえてきて。

そこでさらに聴きたいと柱リンクを探ってみるとこんないかしたコンピレーション動画がありました。

Sinn Sisamouth and the Songs Originated Abroad (1)

もう最高でしょこいつぁ!mid 20thのカンボディアン歌謡の歪んだ音像がなんともカッコよくて。いなたさと、でもちょっと未来な感覚を覚えるのは最近自分が電子クンビアに嵌ったり、ここ数年でタイ音楽なんかも聴くようになったからかも…なんて書いていると”愛こそすべて”のクメール・カヴァーが流れたり。こーれヤバたにえんじゃないかw

ちょっとハワイアンAOR的な味わいもあるゆるやかなタイム感もあって、なんとも居心地のいい温泉に浸かるようなキラキラを体験出来ました。

# by wavesll | 2018-05-09 21:02 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Election@自由が丘にてVideotapemusicによるBLDG壁VJ Set, OkadadaのDJ, さとうもかのLiveをみた

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自由が丘にて過日、Election Block Partyに参加してきました。


三井住友銀行そばのTimes駐車場ではさとうもかさんと地元の友達のシンガーの方と入江陽さんのLiveが始まって。「恋をすると人間になっちゃう」というリリックが印象的な「Lukewarm」という楽曲が印象的でした。

そこからOkadadaへ。Okadadaさんをみるのは初めてだったのですがファンク・ソウルからの粋な流れでなかなか良かった。

そしてVideotapemusicによるライヴ。ピアニカと電子音、そしてKashifのギターとラップの女性が入る音も良かったけれど、この日のスペシャリテはビルの壁に投射されたVJ映像。

アメリカンニューシネマや福生のブロックパーティ、そしてダンスホールの映像が大写しになって。Videotapemusicさん自身もこのラージさは特別だったようで「こちら(映像)が神様で自分はお供え物」なんて行っていました。

そしてMOODMANさんいよるDJ Setが始まりちょっとみてから私用のため離脱。

結局この日は押して21:00過ぎ迄音が鳴らされていたようですが、商店街の方は「次は3面でビルにVJを投射したらかっこいいんじゃないか」なんて運営さんに言ってくれたそうで。やるなぁ自由が丘。良パーティのこの後の展開が楽しみとなりました◎

# by wavesll | 2018-05-08 23:02 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)