高田みどり・バシェ音響彫刻コンサートat川崎市岡本太郎美術館 開拓かれゆく一音一音

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高田みどりさんによるバシェ音響彫刻(勝原フォーン)の演奏を川崎市岡本太郎美術館にて聴きました。

蓮の葉による建築のようなバシェ音響彫刻。今回何故このArt楽器のライヴが岡本太郎美術館で開かれたかというと、バシェ音響彫刻が大阪万博で披露されたからだそうです。

ライヴの始まりは、抜き足で高田さんが登場してきたかと想うと素手で葉を撫でて。そこから素手で叩いたり、弓で弾いたり、撥で叩いたり。スピーカーとなる蓮の葉の他、弦も張られていて指で弾いたり弦を叩いたり擦ったり、様々なアプローチから音が発せられて。

とてもストイックな音。建造物のようなバシェ音響彫刻から海鳴りや象の嘶きのような音。実験ジャズや物音系フィーレコのような音像でした。

音楽演奏もどこか神に捧げる儀式というか舞踏的要素も孕んで。鳴らすところを寸止めにしたり、手を押し付けたり。そして最後一番高いところに在る葉を見上げ、”叩くのかな?”と想像させた上で、最後までそれを鳴らさずにコンサートは一旦終了。

その後同窓だというバシェ音響彫刻のプロジェクトの方と共にトークの後、二人で演奏して。そしてコンサートは幕を下ろしました。

高田さんは今回初めてバシェ音響彫刻を演奏されたそうです。この楽器は武満徹なんかも楽曲を書き卸しているそうですが、未だにフロンティアが拡がる莫邪。

楽器演奏における最適解どころか定型すらまだ明確に決められていないからこそのエクスペリメンタルな冒険が新楽器にはあります。そんなExplorerの姿が心に残るコンサートとなりました。

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また岡本太郎美術館の展示自体も好かったです。今行われている企画展は太郎のパブリックアートの展示で、彼の画はFRP等を使ってパブリックアートとなることでさらに魅力が増大しますね。

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≪若い太陽の塔≫
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≪日の壁(レプリカ)≫
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≪駆ける≫
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≪花ひらく≫
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≪遊ぶ≫
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≪太陽の神話≫
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≪群像≫
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≪若い夢≫
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≪縄文人≫
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≪万国博覧会 基幹施設の鍵≫
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≪河童像≫
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≪見つめあう愛≫
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≪眼と眼 コミュニケーション ≫
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≪喜び≫
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≪あしあと広場≫
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≪天に舞う≫
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≪未来を拓く≫
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≪躍進≫
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≪いこい / 太陽と月 / 風 / めざめ / 赤≫
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≪太陽の塔 ≫
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≪生命の樹 生物配置図≫
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≪生命の樹≫
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≪太陽の鐘(模型)≫
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≪子どもの樹≫
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≪明日の神話≫
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≪樹霊I≫
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≪母の塔≫
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# by wavesll | 2018-07-23 04:19 | Sound Gem | Comments(0)

太田記念美術館 江戸の悪 PartII に石川五右衛門の釜茹でを眺めにいったらヴィランの冷気にあてられた

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"暑い時には熱いものを"と想い、石川五右衛門の釜茹での浮世絵を表参道の太田記念美術館で開催されている江戸の悪 PartII にみにいきました。

そのお目当ての歌川国芳 ≪『木下曽我恵砂路』≫が初っ端に。これは舞台を画いた作品らしく、舞台上でこれをやってしまうとはとんでもない演出だなと。歌舞伎って浮世絵の実体化版だなと惚れ惚れしますね。

そして本展覧会でも白眉の一つ、豊原国周≪神力谷五郎豪傑期最図≫
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この威容。いかにも無頼な龍の文様と眼光。たまらない。この絵は天保水滸伝に着想を得たもので、同じく天保水滸伝から歌川国定(三代豊国)≪近世水滸伝 競力富五郎 中村芝翫≫≪近世水滸伝 夏目子僧新助 岩井粂三郎≫も龍虎相見える藍の深さが非常に格好良いものでした。

この展覧会は様々な観点から”悪人”を顕わすもので、最初は盗賊などの犯罪人たち。歌川広重≪青野ヶ原ニ熊坂手下ヲ集ム≫ はいかにもな盗賊たちの顔、顔。月岡芳年≪芳年武者无類 源牛若丸 熊坂長範≫の貴公子牛若の空中戦。

五右衛門の作品は他にも無款≪『楼門五三桐』≫や歌川国貞(三代豊国)≪東海道五拾三次之内 京 石川五右衛門 東海道五十三次の内 京二 真柴久吉 ≫というような作品も。

浮世絵をみると”ほほう、日本史にはこんなキャラも登場するのか”と想うことも多くて。女装の盗賊を画いた歌川国貞(三代豊国)≪豊国漫画図絵 弁天小僧菊之介≫もその一人。中世・近世の印象的なシーンとしては月岡芳年≪英名二十八衆句 稲田九蔵新助≫の”あんこう斬り”の吊るし斬りの場面も大変に凄惨なものでした。

また著名人だと大岡越前をモチーフとした歌川国貞(三代豊国)≪ 『晴模様染衣更着』≫の水色の着物のぱりっとした感じや、当時の名優、市川小団次の訃報に寄せた豊原国周≪小仝三升五人俤≫のきわっとした目つきもスゴくて。歌川豊国≪斧定九郎 松本幸四郎≫もい~いツラしてましたw

悪の代表として侠客も取り上げられています。大阪の侠客達を画いた歌川豊国≪『仕入染雁金五紋』≫の威風。月岡芳年≪東錦浮世稿談 神田伯勇 幡随院長兵衛≫は湯殿で襲撃され血みどろになりながら鱈腹水を飲み干す様を描いたもの。

歌川豊国≪『助六由縁江戸桜』≫と歌川国貞(三代豊国)≪梨園侠客伝 髭のゐきう≫の髭の意休の白髪の格好良さ。

歌川国芳≪国芳もやう正札附現金男 野晒悟助≫以前観たのより発色が変わっていましたがやはり素晴らしかった。国芳の同じシリーズだと≪国芳もやう正札附現金男 梅の由兵衛≫も黄色赤青が鮮やかに反応していました。

歌川国貞(三代豊国)≪東海道五拾三次之内 赤阪 沢井又五郎 東海道五十三次の内 赤坂 沢井助平≫で画かれるアジアの獅子のようなぎょろっとした目つき助平さんは名前の通り遊郭を覗くのが趣味の人だとかw歌川国貞(三代豊国)≪『名高殿下茶店聚』≫も良かった。

月岡芳年と共に英名二十八衆句を画いた落合芳畿≪英名二十八衆句 邑井長庵≫は娘を遊郭に売り渡し父親が得た金を奪うために殺人を犯す医師を描いたもの。豊原国周≪雲上野三衣策前 河内山宗俊 市川団十郎≫もまた悪僧で。

歌川国貞≪『菅原伝授手習鑑』(車引)≫は隈取のかっこいい作品。ダース・シディアスだ◎異様な格好という点では歌川国貞(三代豊国)≪見立三光之内 日 平清盛≫の中国皇帝のような冠も凄かった。清盛を画いた絵だと月岡芳年≪平清盛炎焼病之図≫は病苦を閻魔などであらわした作品。ちょっと絵が一時期の江川達也が参考にしてたようなスタイル。

歌川豊宣≪新撰太閤記 此人にして此病あり≫ は信長が鉄扇で光秀をぶつところを描いた作品。歌川国芳≪『東山桜荘子』≫は蛇を纏う人物が格好いい作品。

そしてこの展覧会の白眉が月岡芳年≪新撰東錦絵 鬼神於松四郎三郎を害す図≫
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キルビルのように復讐を果たす”鬼神のお松”が遂に本懐を遂げるシーン。男の苦悶の表情とお松の冷徹な表情の対比が素晴らしく、水面も美しくて。これが一番好きな画でした。


豊原国周≪異種薔薇犯妻会 当ル卯の夏 高助 原田お絹≫、≪異種薔薇犯妻会 当ル卯の夏 半四郎 写真お若≫、≪艶色七人毒婦≫の毒婦たちがクリムゾン・レッドの背景に映えていました。

そして妖術使いの篇。歌川芳艶≪両賊深山妖術競之図≫と月岡芳年≪袴垂保輔鬼童丸術競図≫は怪盗袴垂保輔と鬼同丸(鬼童丸)が深山で妖術競べをする図。

楊洲周延≪東錦昼夜競 玉藻前≫は九尾の狐の正体を現す場面。変身シーンは昔から光線が出るんですねw 歌川国安≪『音菊高麗恋』≫では日本人にもインドに行った天竺徳兵衛という商人がいたのかと軽いサプライズがありました。

歌川国貞(三代豊国)≪『児雷也豪傑譚語』≫はガマガエルに乗った児雷也とナメクジに乗った綱手がまさにNARUTOの世界。歌川国貞≪豊国揮毫奇術競 須美津冠者義高≫はネズミの道士。

歌川国貞(三代豊国)≪『しらぬい譚』≫は蜘蛛の妖術を会得し戦う姫の画。歌川国貞(三代豊国)≪豊国揮毫奇術競 蒙雲国師≫は正体が蛟の妖術使い。歌川国貞≪『大和大和花山樵』 ≫もカッコよかった。

歌川国芳≪木曽街道六十九次之内 鵜沼 与右ェ門 女房累≫はレインボーな魂魄が印象的。歌川国貞(三代豊国)≪『東海道四谷怪談』≫は絵の中に折り返しがあって、障子の裏表にお岩と小平がみれるという仕掛け絵。豊原国周≪歌舞伎座 中満久 皿屋舗化粧姿鏡≫は逆さ傘でお菊の幽体を防ぐ画。

歌川国貞≪見立三十六歌撰之内 在原業平朝臣 清玄≫で清玄というストーカー坊主がいたことを今回初めて知って。ストーキングされていた桜姫を画いた月岡芳年≪新形三十六怪撰 清玄の霊 桜姫を慕ふの図 ≫も。確かに桜姫、可愛い。清玄は大分人気だったらしく、彼を女体化した女清玄を画いた歌川国貞≪『隅田川花御所染』≫なんて作品も。

その他、好いた男にまた会えるかもと放火の罪を犯した八百屋お七の事を歌川豊国≪『封文其名題』≫や処刑のシーンを画いた歌川国芳≪『恋模様振袖妹背』≫で知りました。

妖刀による凶行を画いた歌川国芳≪源氏雲浮世画合 鈴虫 福岡貢≫や同じく福岡を画いた月岡芳年≪英名二十八衆句 福岡貢≫のカッコよさ。

歌川国芳≪遇躬八芸 武蔵野秋月≫もワッルい面でよいよい。歌川国貞(三代豊国)≪梨園侠客伝 団七九郎兵衛 かわら崎権十郎≫も気合の入った刺青がいかす。歌川国芳≪鏗鏘手練鍛の名刃 佐野治郎左エ門 ≫の血飛沫もまた危険な格好良さ。

落合芳幾≪英名二十八衆句 げいしや美代吉≫、この人の描く血の滲みは情念が伝わる。歌川芳房≪清盛布引滝遊覧義平霊難波討図≫は雷となった悪源太義平の怨霊の図。悪にも色々な意味が日本にはあって、舞台上では歌川国貞(三代豊国)≪『三幅対戯場彩色』≫に描かれる善玉・悪玉みたいな役回りも。

盗賊、侠客、悪の権力者、毒婦、妖術使いetcetc...様々な”悪”の冷気にあてられた夏の夕となりました。

# by wavesll | 2018-07-22 03:19 | 展覧会 | Comments(0)

ピクセル・ダビデ@キャットストリート

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# by wavesll | 2018-07-21 20:19 | 街角 | Comments(0)

ベネディクト・アンダーソン『定本 想像の共同体』ーナショナリズムの産出、exクレオール世界の認知

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ベネディクト・アンダーソンによる『定本 想像の共同体』を読みました。

ナショナリズムを生む"国民意識"というImagined Communitiesが歴史上どのように生まれ得たか。氏はこの起源を近代において宗教共同体と王国というシステムが崩壊し、そこに前後して出版技術の革新による言語・フォークロアの元で欧州に於いて”国民意識”が生まれたとします。

そこから世界各地に国民意識、ナショナリズムは広がっていくのですが、本書を読んでいて面白いと感じたのは南米アメリカにおけるクレオールのナショナリズム勃興の話や東南アジアにおける植民地下での国民意識の創成が語られていたこと。いわゆる受験世界史だと南米や東南アジアの歴史はなかなか学ぶことが無かったので、新鮮に感じました。その点でアフリカにおけるナショナリズムの話も読んでみたかった気がします。

クレオール、つまり「植民地生まれ」という存在が如何に行政的な出世の巡礼が制限されていたか、それは即ち生まれによって人間が差別されるということで、現代においても人種差別や移民問題など、極めて重要な意味を持つ歴史的ファクトだと感じました。

王室による公定ナショナリズムと帝国主義、そして革命のモジュール化。数世紀に及ぶ全球的な論考を浴びることで自分自身も細石なスケールでなく巖のスケールに器が拡がるような感覚が生まれて。ここら辺の歴史絵巻は映画『山猫』におけるガリバルディと貴族の落日をみた気持ちにも通じるものがありました。

著者の縦横無尽な博覧強記ぶりには本当に感銘を受けて。例えば『ヴェトナム(越南)』という国名は当初『ナムヴェト(南越)』にしようとしていたところ中華から横やりが入って決まったものだとか、思わず”ほう…”と零れるような話が盛りだくさんで、その夥しい知見を編み上げる手腕にほれぼれとする書物でした。

スヴァールバル諸島のロングイェールビーンのような労働ビザなしで働けるフリーゾーンもある一方で、軽い處ではW杯などもそうだし、ここ数年のグローバル化へのバックラッシュもそうですが、今でも「国家」という意識は大きなプレゼンスを以て鮮烈に存在しています。されどそれは(歴史の中で強化されてきた)想像の存在であるという論考に目を瞠って。

本書で取り扱わなかった範囲としてアフリカの他中東もそうだと想います。本書をさらに拡充させるそれらの地域の研究もその後為されているのでしょう。日本に於いて海外の報道はただでさえ少なくて閉口ですが、普段注目されない土地へ光を当てる巖のような書籍へさらに手を伸ばしていきたい、掘り下げていきたい。そんな開拓心に駆られる読書となりました。

# by wavesll | 2018-07-21 00:02 | 書評 | Comments(0)

Babadu - All I've Got To Give X 久米島 シークヮーサー搾りで暑気払い 第142回酒と小皿と音楽婚礼


八重山から横浜に帰ってきて思うのは沖縄よりこっちの方が遥かに暑いということw!特に与那国は風も強く、体感気温はかなり快かったなぁと。本州、暑すぎるw

そんな時は泡盛を愉しむのも一興。
今日はとびっきりのHAWAIIAN SOUL & AORのANTHEMと共に久米島の米島酒造でつくられるその名も「久米島」を飲んでいます。

久米島の泡盛というと「久米仙」が有名で、こちらはたった3人でつくられているため中々島外には出回らないのですが、島内ならばスーパーとかで普通に入手できます。

味はまろやかに濃くて、美味しい。今夜はシークヮーサーを搾って爽やかに飲んでみました。エレピやフルートから始まる流麗なVoの調べに泡盛。うだる暑気をいなす乙な夜となりました。

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# by wavesll | 2018-07-20 19:58 | La Musique Mariage | Comments(0)

Viking clapping of Iceland fans X 花酒 与那国 与那国米仕込み60度 2007年蒸留 第141回酒と小皿と音楽婚礼



サッカーW杯ロシア大会の熱い一ヶ月が過ぎましたね。幸いW杯ロスにはならなかったのですが、今回のW杯は過去一番に見入った大会となりました。

試合がハイレベルなのは勿論、グループリーグのポルトガル対スペインのようなビッグネームのぶつかりだけでなく、ジャイアントキリングの面白さがあふるる、本当にみていてハラハラする凄い大会でした。我らが日本代表も台風の目となってくれました。

そんな中でアルゼンチンと互角以上の闘いをしたアイスランドもグループリーグの時に耀きを魅せてくれたチームでした。
そして、フィールドレコーディング好きとしては彼らのサポーターが行うヴァイキング・クラップという応援方法の、地鳴りのような拍手にとても心惹かれたのでした。

今ではアイスランドの代名詞ともなっているヴァイキングクラップ、元々は映画『300』の演出をスコットランドのマザーウェルFCのサポーターたちが取り入れ始まった等の諸説があるそうですが、2016年のEUROをきっかけにアイスランドサポがブレイクさせ、フランスやイラン、日本の日産マリノスサポなどにも広まったそうです。小机にフィーレコに行こうかなw

で、YoutubeでW杯の興奮を想い出しながらかけている時に、”そうだ、この音を聴きながらヴァイキングも飲まなかったような強い酒を飲むのも一興か”と封を開けたのが花酒 与那国 60度。
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日本でアルコール度数60度の酒をつくることが認められているのは与那国島のみ。それは、与那国島では埋葬された骨を浄めるために、花酒と呼ばれる酒が使われ、手向けとして呑まれてもいた歴史があったからとも言われています。

そしてこの一本は2007年蒸留の古酒(クース)。時を経るごとに角が取れて芳醇な味になっていくそう。確かに飲むとカーっとくるのですが、鮮烈な味の向こうに甘みがあるというか、上質なテキーラにも似た豊饒の世界が味わえます。

ただ、与那国島の方々は普段は30度の泡盛を水で割って飲まれているらしく、花酒なんかは舐めるものでテキーラのように飲むなんて蛮勇なことはしないそう。

ヴァイキングクラップという新しく形づくられた伝統に、古来から連綿と続く鮮烈な馨りを合わせて。心模様は旅の空のような冒険へ出かけることが出来ました。

# by wavesll | 2018-07-18 00:19 | La Musique Mariage | Comments(0)

内藤正敏 異界出現展@東京都写真美術館


TOPで開かれていた内藤正敏氏の『異界出現』展の最終日に滑り込んで観ました。

与那国島という異界の中で過ごしたばかりで、日曜美術館アートシーンで気になってはいたけれど、正直満腹状態だよなと思いながら向かったこの展示。実際、普段の展覧会のようにがっつりみるというよりはさらっと流したのですが、強烈に突き刺さる写真があって。

それは山形・出羽三山の湯殿山麗にある南岳寺に祀られている鉄龍海上人の即身仏を写した写真。特にカラーで撮られたものが衣服の生々しさと、印相がはっきりと刻まれた指が鮮烈な印象を残して。

与那国島旅行で私は浦野墓地という子宮を模した伝統的な墓に大変に興味を惹かれたのですが、人様の墓地という点で写真を撮ることを避けて。即身仏という聖体を写真に収めるという行為に、被写体を撮ることへの覚悟や人々との関係構築の真摯を感じて。

その深みがあるからこそ、東北のイタコ等を撮った『婆バクハツ!』シリーズや出羽三山の≪心浄坊勝尊像 正善院≫や≪お沢仏 御後三宝荒神像 大日坊≫、≪お沢仏 波分不動明王 大日坊≫、≪能除太子 正善院≫等の仮面への深淵な洞察があるのだなと。

初期作品のポリマーの化学反応などを撮ったSF的な写真群も良かったし、『東京 都市の闇を幻視する』シリーズでは70年代から80年代の東京の夜の濃い匂いが伝わって。

今のようにFacebookで人物に勝手にタグ付けで特定されてしまったり、Webを通じて不用意に拡散してしまう時代ではない好い意味で匿名性の闇があった昭和時代の大都市がゆるした”あそび”も感じて。700円でさらっとみれたけれど印象を焼き付けた展覧会となりました。

# by wavesll | 2018-07-17 00:54 | 展覧会 | Comments(0)

T字路s 西武池袋本店屋上ライヴ

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T字路s 「泪橋」(2010.11.18 O-WEST)







西武池袋本店にてT字路s!最乃高ですな!ソウルフルなロッキンブルース!Voの弩迫力はアラバマシェイクス並み!アンコールも!がっつり小一時間滾る時間を過ごせました。

アトロクでのスタジオライヴでも素晴らしかったけれど、ライヴの音楽の熱!熱!熱!一曲一曲が短いから本当に大満足な楽曲数のヴォリュームで。

「泪橋」とかヤバすぎる。すーごいは。いいもんみた。T字路sをキャンペーンにフックアップした西武・そごうにも拍手。アンコールの「街ができる」って歌う曲は復興のアンセムだ。

「今まで色々あったけれど、今日ここでみなさんにお会いできたからそれで全部チャラなんですけれど」という何気ないMCが印象に残って。

自分の存在全てを燃焼させ差し出してくれるような歌唱、真っすぐな心、そして笑み。どんどん上がっていくライヴのテンション。なんかほんと、人間っていいなぁって思った夕でした。

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# by wavesll | 2018-07-16 02:49 | Sound Gem | Comments(0)

与那国島旅行記 最終日 ナーマ浜で泳ぐ、機内から見た夕陽




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台風で前乗りし、色んな事があった与那国旅行も今日で最終日。

与那国の夜は短く長い。20時まで明るく、居酒屋のL.O.は22時頃。明るいうちから飲みに行き、さくっと帰るのは漁業農業の島なのだなと。タクシーも22時までらしい。一方朝は日の出が6:00頃。与那国の夜は「夜」と「夜明け前」があるように想。鶏が鳴いている。朝だ。
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朝焼けの中、宿からナーマ浜まで歩いた。
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ナーマ浜に足を入れる。ぬくくて気持ちいい。考えてみたら今年の夏の初海入りだ。
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再び久部良の町を歩く。
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最高だな
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日本で旅するとマンホールハントも楽しみ。
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宿にて手塚治『僕の孫悟空』を。結構宿で時間があったのでこの旅の間に全八巻読み切れた。コミカルで現代技術と妖術が織り交ぜられる中国奇書のマンガライズ、なかなかに面白かった。
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宿の御主人に薦められ海で泳ぐ!

ナーマ浜はきれいだ。あと、与那国馬の海遊びアクティビティも行われていた。楽しそうだったなー。
今年初泳ぎ、すごく気持ちよかった。

浜辺にはロッカーがないため、一旦宿に戻ってスマホ取ってきてぱしゃりしました。そういや波照間のニシ浜にもロッカーとかなかったな。ピースな土地だな◎
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空港へ。

与那国には3つの酒造所があって、ひとつは「どなん」の国泉酒造、もう一つは「与那国」の崎本酒造。そしてもう一つが「舞富名」をつくっている入波平酒造で、ここは今閉まってしまっていて、「舞富名」はかなりレアになっていると滞在中に幾人の方々から聴いて。

と、想ったら空港に「舞富名」売ってた!!!しかし7800円かー><今回「島米の古酒」を買っているので、後ろ髪惹かれながらも手荷物検査場を抜けた。
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そしてこれは俺の手落ちなのだけれども、石垣空港で5時間程トランジットがかかって(苦笑

石垣島は空港から町中心地迄45分程バスでかかるし、午前中泳いで身体がだるいし、何気に久部良の売店で「与那国」の島米古酒花酒も買ってリュックも重いしで、石垣島空港待合でのんびりすごした。

売店で「やー、やっちゃって14:00から19:00までいるんですよ~」とか話してちょくちょくさんぴん茶とか買っていたら売店のスタッフのみなさんと仲良くなってしまったw

Orion麦職人の八重山限定デザイン缶。沖縄バームスティックもうまうま。
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自分が月曜着た時は羽田から来て乗り継ぎ20分で与那国最終便に乗った客は俺だけだったけど、この日は大変に多くて。で、結構遅延も起きて。グランドスタッフの方々は鉄火場。頭が下がる。

そして帰路。まさかの20分遅延もあったがそれもまた愉しw
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翼にイリオモテヤマネコが。西表も何気に行ったことないんだよな。八重山は何度も楽しめる。
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機内からずっと夕暮れを眺めていた。

19:40を過ぎてもずっとオレンジが残って。東へ向っているけれど、高度が高いからか。

この旅の始まりも西崎の夕陽だった。橙に染まる空の果ては夜への門。沖縄の言葉でニライカナイ、天竺もそうだけれども、西の果てには神々の世界が広がる、西方浄土なんて概念も、野生の思考から生まれたのかななんて想った。
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機内では島唄chや沖縄ポップスchを聴いて。そこで出会った曲がダイナミック琉球 / 成底ゆう子。ハーリーの時とかで鉄板曲らしい。


羽田着。東京の巨大さに面食らう。たった数日の離島滞在だったけれど、身体がすっかり島の空気に馴染んでいたんだなぁ。捩れが真っすぐになった気分。

東京ではメディア漬けの生活だけれど、与那国では”鑑賞者”でなく”旅人”として第一運動体に近づけていた気がする。勿論旅人も過客なのだけれど。

己自身の人生を生きている実感を高めるために、”鑑賞”を絞るのは一つの解なのかもしれないなんて想った。そういっても帰って来ると楽しい催しだらけの東京の生活が始まっている。

旅は色んな示唆を呉れる。そして与那国で出逢った方々のご厚意のおかげで、台風で無茶に来たのに十二分に充実した日々が過ごせました。ありがとうございました。またいつか、カジキ祭の時に来たいです。今度は台風はない時にw

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# by wavesll | 2018-07-15 13:23 | | Comments(0)

与那国島旅行記 3日目 風の島、与那国一周



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台風が過ぎ、さて今日は何しようと想ったときに”レンタサイクルで島一周したら楽しくね?酒造所も廻りたい”と思い立ってチャリを借り、いざ出発!
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ナーマ浜。いいねいいね。チャリいいっすね。
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ただもうね、、、風が、風が凄すぎて、全然前に進まない。海の波飛沫が風で飛んで顔にガンガン降って来る。これ、一周25kmだけど下手したら7hコースかも、、、と想っていたところ自衛隊駐屯地を過ぎたあたりで同宿の男性から電話が。

「レンタカー借りたので八重山そば屋で合流しませんか?」「いやー、このペースだと、、全然進まなくて、、、」「じゃあもしよければレンタカーが一緒しませんか?」これは、、、ヘタレかもしれないけど天の声だ。「お願いします!」
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向かい風で40分かかった道が追い風だと10分で戻れたw

レンタカーを提案して下さったのは島で働いている同宿の女性で、民宿まで迎えに来てくれ、18:00までで4000円。3人で割れば1300円くらい。ありがたい><

それで、与那国の達人御二方と共にレンタカー観光が出来たのでした。

まず最初に行ったのが巨大な一枚岩ティンダバナ。
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下から眺めるだけでなく中まで歩けて。この珊瑚の岩でとれる水は神事にもつかうそう。ネイチャー感あふれる威容が本当に素晴らしかった。亜熱帯!
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岩の迫力が超強い!でもちゃんと歩道がしっかりしているから気軽に来れるし、与那国にはハブがいないからサンダルでも安心。

与那国を見晴らす眺望は、晴天時は与那国のグリーン、浜のエメラルドブルー、そしてすぐにコバルトブルーの海、そして空の青と本当に美しいそうだ。ここ、すーごい面白かったなー!
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ティンダバナから程近くにあるのが崎本酒造。与那国には3つの酒造があって、こちらの崎本酒造さんは「与那国」をつくっているところ。着いたときは昼休みだったけれど、ぱしゃりできました。
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祖内集落へ。与那国島はDr.コトー診療所のロケ地で、この建物は大塚寧々のバーのロケ地だとか。実際は立派なつくりの民家でした。
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四畳半ビーチと六畳ビーチ。神秘の浜辺といった感じでよいよい。特に六畳ビーチは崖を降りたところに在って、写真だと伝わりづらいけれど生で観るとギリシャのビーチ・ナバキオのようだった。
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四畳半ビーチの辺りに浦野墓地群という伝統的な墓地があり、その子宮を模したフォルムたちに魅了された(人のお墓のため写真は撮らず)。

与那国で60度の花酒の製造が許されているのは、この島では死者を埋葬し、骨を花酒で浄めたりするという宗教的な伝統があったからだと聴いた。そんなバックグラウンドがあったとは。

そして与那国島最東端、東崎(あがりさき)へ。
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風が凄い!台風の後で尚更凄まじいけれど、普段から東崎の風は物凄いらしい。そして馬糞の群れwチャリで走っていた時も歩道に馬糞が散乱していて。この島では馬や牛は放牧されていて、道路に溝をつくってゲートにしていたりしている。にしても風が凄いw!
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牛がいた。
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馬も。与那国には与那国馬という日本在来種がいて、混血も一部起きているらしいが、純血の個体数も最悪だった頃の50頭から150頭まで増えたとか。ちっちゃくて可愛い。農耕・運搬に使われ、この厳しい環境で育った与那国馬たちは非常に大人しい性格なのだそうだ。
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軍艦岩、この風音、聴いていただけるだろうか?
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立神岩、風半端ない。
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比川集落のさとやの八重山そば、肉がん~まい!そして車エビそばも海老味噌が濃くてんまい!また来ててびちそばも食べたい!
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Dr.コトー診療所のために造ったこの診療所の建築は今はドラマの資料館になっているようだ。与那国は無医村。この日は台風の翌日で、施設は閉まっていた。
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比川の共同売店がPOPな色使い。島バナナとか謎のフィリピーナ菓子、与那国グッズも売ってて凄く充実してた。
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カタブル浜。ここからグレートジャーニーの関野さんが三万年前の航海を再現するために草の船で西表へ出港したらしい。東崎の辺りには古代の航路の遺跡が残っていて、今はパワースポットになっているそうだ。
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与那国の馬たち。ほんと可愛かった。
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久部良へ戻って来た。一周だ!波がやっぱりスゴイ!
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再びの西崎。やっぱり波が凄い。けれど東崎の方が風凄かったな。与那国では南側が一番風が凄かった。
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クブラバリ。昔琉球政府から人頭税をかけられ困窮した与那国の人達が妊婦を口べらしのために使った谷。ここに琉球、宮古、石垣、与那国の支配・被支配の歴史をみる。原爆ドームのような負の歴史遺産だ。何かみてて鳥肌たった。
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一旦宿に戻り、旅人の方が持ってきていたDr.コトーのDVDをみる。”こっちに行ってもあっちには行かないぞw”とか突っ込みながら見るのが楽しいwそれにしても何たる至れり尽くせり。お二人に本当に感謝多謝です。
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と、「まだ18時まで時間あるから何処かいきたいとこある?」「もしよければどなんに行きたいです。」

そして行ってきました!国泉酒造。結構山の中に在って、近くには昆虫のミュージアムなんかもあって。
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でてきたおばあに「ここでしか買えない酒はありますか」と聴くと、これ、といわれたのが『島米の古酒』。

初日の居酒屋でおじいから聴いたのは泡盛は基本タイ米でつくられるらしくて、この酒のように島産のコメでつくられるのはレア。これはひとめぼれでつくられていた。

お値段なんと7000円!!しかし、どなん60度に惹かれて与那国に来たし、えぇい!買った!!!!

島で働く女性にみせると「それ、島内でもなかなか出回らない、一年に出るか出ないかの酒だよ」と。おおお!嬉しい!来た甲斐があった!

このお酒、Webにも検索したけれど情報が全然なくて、ほんと島にこないとわからないことって沢山ある。大事に飲もう。古酒は自宅でさらに熟成させるという道もあるらしい。
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そしてその後で立ち寄った島のブティックで、カジキの角で出来たかんざしとかをみていたら『与那国の子守唄と童謡』というCDがあって。旅買い派として記念にこれも買いました。こりゃ明日の昼はパンだw
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そしてこの三人で居酒屋まるてぃへ。カジキのユッケやティンダハナでみた長命草とカジキのテンプラとかを頂く。島とうがらしの餃子が絶品!とん平焼きもめっちゃ美味かった!旅人噺に花を咲かせて。

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本当に愉しい一日を過ごさせていただけました。心からの感謝を◎
何気に真夜中に起きてイングランドXクロアチア戦もみました。今までで一番W杯をみているかもしれないw

さぁ明日は最終日、いよいよ帰路だ。




# by wavesll | 2018-07-14 19:44 | | Comments(0)