藤田嗣治展@東京都美術館 乳白色と色彩の土地

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没後50年 藤田嗣治展を東京都美術館にてみてきました。

会場はかなり混んでいて。丁度今日は展示替えの前期の最終日だったのもあったのかもしれません。この展覧会、Foujitaの画業の全貌が観れ、大変観甲斐のある展示となっていました。

最初の部は原風景。≪自画像≫は23才でまだオカッパでない若き日の藤田が。軍医だった≪父の像≫や黒田清輝の外光派の影響が見て取れる≪婦人像≫≪朝鮮風景≫も。

そこからパリでの初期作品へ。キュビズムの影響を受け、動きをキュビズム的に落とし込んだ≪トランプ占いの女≫であったり、パリの灰色の街並みの絵画たちが。そんな中で≪目隠し遊び≫は煌びやかな金箔に友人でもあったモディリアーニの影響を受けたような女性たちがゆらりと立っていて印象的でした。

そして≪二人の少女≫・≪二人の女≫・≪花を持つ少女≫という灰色の背景で青白い肌をした女性たちの絵画が創られ始めて。郷田マモラ的と言うか、藤田独自の女性画スタイルの萌芽がみてとれます。

また厨房画としても美味しそうな≪野兎の静物≫や、持ち物から自画像を顕わすような≪私の部屋、目覚まし時計のある静物≫、同じく持ち物画で黒人が描かれた皿が当時のパリでのジャズ人気を想起させる≪貝殻のある静物≫も良かった。

III部 <1920年代の自画像と肖像ー「時代」をまとうひとの姿>ではいよいよフジタのオリジナリティが顕れてきます。

1921年に描かれた≪自画像≫は御馴染みのおかっぱ頭にもうなっているけれどまだ不安そうな顔つきだったのに対し、1926年の≪自画像≫は自信に満ちた目の輝きがあり、1929年の≪自画像≫は自然体のリビングでの姿が。猫もいい顔してる。乳白色の下地に墨色で細い線で描く手法が軽やかに美しくて。

また他者の肖像画も。≪座る女≫のもこもことした美と、ジュイ布の柄みが印象的で、≪エミリー・クレイン=シャドボーンの肖像≫は銀箔のバックにソファーに横たわる年を召した女性がまるでクレオパトラのようにオーラがあって。≪人形を抱く少女≫は影が差すオカッパの少女の黒灰と明るい白い背景のコントラストが明瞭に美しかった。また≪猫≫もさらりとしたアクセントがありました。

そしてフジタの藝術はさらに飛翔します。IV <「乳白色の裸婦」の時代>。

「乳白色の裸婦」の時代最初期に描かれた≪横たわる裸婦≫の翳を帯びてしっとりと美しい白い肌は、陰部の黒や唇・乳頭の薄桃色がとても映える効果を生んでいて。

この頃のフジタのミューズを画いた≪裸婦像 長い髪のユキ≫はその色白さからフジタからユキと呼ばれたリュシュー・パトゥさんのブラウンがかった金髪の美しさとベッドの乱れが印象的。

そして≪タピスリーの裸婦≫の可愛らしい表情と麗しい肢体。やはり白い身体にピンクの乳首が綺麗で、ジュイ布の背景に柔らかい陶磁器のような肌がなんとも美しかった。

≪五人の裸婦≫は「視覚」「触覚」「聴覚」「味覚」「嗅覚」の五感をあらわす女性たちの姿。≪舞踏会の前≫はユキをはじめとした裸婦たちが仮面舞踏会のバックステージにいる姿。大きな画でもフジタの描く女性は耀きを放って。

≪砂の上で≫貝殻に囲まれている女性の姿は仏のよう。夜が溶けていくような≪横たわる裸婦≫、肉体に立体感がでてきた≪裸婦≫、≪立つ裸婦≫には筋肉感も。バッカス柄のジュイ布の≪友情≫には2人の女性の繋がりが情愛の美があって。ボウイのような女性とブルネットの女性が描かれた≪二人の裸婦≫も良かった。

一度完成形に達した藤田の絵画はしかしここで大変革を迎えます。V <1930年代・旅する画家ー北米・中南米・アジア>はユキと別れ、新たに出来た恋人マドレーヌと2ヶ月の中南米旅行などへ出かけた時期の作品群。

≪モンパルナスの娼家≫は毒々しい赤色などの画、中央にいる恐らくは支配人の黒人の老婆の煌びやかなネックレスもどぎつい色彩。ピエロ2人とギャルとマッチョの≪町芸人≫、リオの精悍で武骨な男性と逞しさも感じる女性が描かれた≪カーナバルの後≫もいい。マドレーヌが描かれた≪婦人像(リオ)≫なんて作品も。

≪リオの人々≫に描かれた黒人たちの本当にいい表情、そして≪ラマと四人の人物≫の伝統衣装に身を包んだ人々のとびぬけた格好良さ。≪狐を売る男≫のキツネ達も相まった妖しさ。

日本に来た藤田達。大阪のホテルで描かれた≪裸婦(マドレーヌ)≫は乳白色の肌。いつだってこの技は出せるのだなぁ。日本の人々を画いた≪ちんどんや職人と女中≫≪魚河岸≫の人々は黒人のようで。江戸趣味のカラフルな部屋でくつろぐ≪自画像≫が楽しい一方で、マドレーヌを亡くした藤田のパリへの郷愁が感じられる≪一九〇〇年≫も光があふれて美しくて。

木戸孝允と親族を画いた≪殉教者≫という作品も。≪秋田の娘≫にフジタはロシアやシベリアに繋がる恥じらいを感じたそうで。沖縄で描かれた≪客人(糸満)≫≪孫≫はオバアなどがやはり黒人のように描かれていて。

パリで産み出した藤田の灰白の画風は、パリの町の色彩がモノトーンだったことも大きく、それに対して南米や日本は色彩にあふれた土地で、画家は土地に感応して作品を生み出すのだなぁと。日本人の描き方からすると、藤田は西欧の水を完全に自分のスタンスとしていたのだと感じて。その西洋を内在化するまなざしは藤田が監督した≪映画「現代日本子供集」≫にも現れていたと感じます。

そんな藤田は再び渡仏するのですが、時はWW2。彼は<「歴史」に直面する>こととなり滞在は短いことになります。

≪サーカスの人気者≫は好い表情をしたイッヌ達。≪争闘(猫)≫横浜美術館で観た蔡國強の作品を想起。そして猫はどの地域でも猫なんだなぁと。≪人魚≫は西洋人な骨ばった顔つきの人魚と、日本画的なナマズが対照的で。

そして戦争が進む中で、藤田は戦争画を描いていきます。

1943年の≪自画像≫≪キヤンボシヤ平原≫はトレードマークのオカッパ頭を丸刈りに。カンボジアを画いた≪キヤンボシヤ平原≫という風景画も。
そして≪アッツ島玉砕≫。写真と想像から描かれたこの大作は血と泥で茶に染められた夥しい死体の山、山。≪サイパン島同胞臣節を全うす≫も兵士の男たちは茶に染まり、数少ない女性たちのみがうっすらと青を遺すのみという画。

藤田はこれらの戦争画を自発的に描いたらしく、戦後はその責任を問われて日本を去ることとなります。会場にはフジタのスクラップブックや日記が展示してあったのですが、その保管状況にも彼の心情が表れているように感じて。

そしてそれまでの画には「嗣治」というような漢字のサインが入っていたのが、これからの画には「Foujita」とアルファベットのみとなっていくことになります。

VII部は<戦後の20年ー東京・ニューヨーク・パリ>

≪優美神≫はボッティチェリにも影響を受けた三美神。乳白色でない健康的な肌の色でした。一方で≪私の夢≫は動物たちが乳白色の横たわる女性を囲む涅槃図的な作品。≪マザリーヌ通り≫は乳白色の街並み画。≪猫を抱く少女≫は子供がぷくっとして可愛らしい。

そしてNYで描かれたパリの画としてはメインビジュアルにも使われている≪カフェ≫が。憂いを帯びた、理知的さも感じさせる表情の女性。額縁もフジタ製で。同じくNYで描かれた≪美しいスペイン女≫もレース等の黒い服飾に包まれた可愛らしい女の人の画でした。

ここにきてフジタの画はまた新たな段階に進んだというか、油絵なのだけれどより水彩画的なマチエールになっていくというか。そして現代的なイラストレーション感覚も高まっていく印象があります。

擬人化された動物たちが暮らしを営む≪ラ・フォンテーヌ頌≫≪フルール河岸 ノートル=ダム大聖堂≫・≪ホテル・エドガー・キネ≫・≪室内≫には灰色のパリが。≪姉妹≫はベッドでパンの朝食を食べる二人の女の子の画。

≪家族の肖像≫は白髪になったオカッパ姿の自画像。その後ろの壁にはお父さんと妻である君代さんの画が。≪夢≫は色っぽさのある寝台画。≪人形と少女≫も可愛らしく。初期の少女画は写生していたそうですが、戦後の子供画は想像で描かれたものだそう。≪小さな主婦≫はバゲットを抱える女の子。

≪ジャン・ロスタンの肖像≫は知性を感じさせる絵で、本当にこの人は絵画が上手いなと。≪すぐ戻ります(蚤の市)≫はスナップショット的な画。

そして≪ビストロ≫はパリの街中のビストロで食事などを愉しむ人々の姿が美麗に輝かしく描かれていて、パリの喧騒とお洒落さが空気として伝達されて。そして≪機械の時代≫は当時出てきた最新技術をおもちゃとして愉しむ子供たちを画いて、彼らの将来=未来を画いた作品。

フジタはフランスの白に魅入られていたように感じていたけれども、ここにきて欧州での描写に色彩が射して。フランスを永世の棲み処と定めて、彼の目がさらなる変化を遂げていることを感じました。

フジタは日本でも手仕事な日用品を集めることを行っていましたが、自分でも手仕事を実作していて。それら≪装飾木箱≫・≪ワイングラス≫・≪装飾皿(自転車に乗る猫)≫・≪装飾皿(浴室の猫)≫・≪皿(猫の聖母子)≫・≪皿(猫のキリスト降誕)≫・≪花瓶≫・≪角皿≫も展示してありました。

最後のVIII部は<カトリックへの道行き>

1952年の≪二人の祈り≫は聖母子に祈るフジタと君代さんの姿が描かれ、カトリックの洗礼を受ける以前から基督教に想いがあったことを忍ばせます。≪教会のマケット≫は教会の模型。フジタは結構色々なマケットを所有していたそうです。

≪黙示録(四人の騎士)≫≪黙示録(七つのトランペット)≫≪黙示録(天国と地獄)≫は緻密で幻想的な画風で、Serphのジャケのような、イマの感覚に即座に繋げられるような絵画。≪聖母子≫は古屋兎丸を高次元で上達させたような現代的な画風と中世的な柄が交わる画。

1959年の≪キリスト降架≫は洗礼を受けてから初めてのXmasに描かれたという作品。≪礼拝≫は最後の個展に出されたという作品で、神々しい細身のマリアが金箔があしらわれた、フジタの晩年の一つの到達点。

≪マドンナ≫は黒人の聖母と天使が描かれた作品で、表に青い衣に包まれた神の子イエスと裏面に大人のキリストが描かれた≪十字架≫は君代さんがフジタの死後に最期まで大事にしていた作品。

パリにて乳白色の画風を確立し、西洋の灰白に対してアジア・中南米のどぎついカラフルさから、西洋文明の白へ魅入られたようにも見えたフジタが最後の段階でパリの街景や宗教的な風景に彩を見出した藤田嗣治の生涯の流れは時代の奔流の中で呼吸を刻み付け、そして時代を越えていく。一つの巡礼路をみるような展覧会でした。

# by wavesll | 2018-09-03 03:20 | 展覧会 | Comments(0)

民謡クルセイダーズ, The Gravity Project & 桑原あい ザ・プロジェクト Live at 東京JAZZ the PLAZA

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代々木公園で行われている東京ジャズへ行ってきました!

まず演っていた豪州のBAND、The Gravity Projectは今回日本人の尺八奏者を入れたり、箏を弾いたり村上春樹『1Q84』からインスピレーションを得た日本語ラップを入れたりTOKYO仕様。特にラストの楽曲のインプロの迸りには目を瞠るものがありました。

そして御目当て民謡クルセイダーズ!
中南米のサウンドで民謡を鳴らす!サルサとか、ギターが効いたのはチチャかな?70sのカシオKeyの音がなんともサグくて、そして謡い上げるVoが本当に上手い!素晴らしく酔いしれあがる!ほんと日本人のソウルに打ち響く音!

盛り上がる盆踊りSceneからも立ち上がるように多種多様な音楽を「音頭」として飲み込んできた奔流が逆転するというか、海外のリズムで民謡をPlayするというのは壱大発明・BABYMETAL並みの爆発的イノヴェーションじゃないかと。蝉時雨もいいスペシャルエフェクトに。

もっのスゴい盛り上がってアンコール迄かかって炭坑節をブーガルーで!10inchヴァイナルでリリースもされるとか。月がでたでた月が出た◎

そして本日ラストにみたのは桑原あい ザ・プロジェクトも素敵で。何しろ「サイヤ人」と紹介された千住さんのドラムがもう超サイヤ人ブルー級のヤバさ。Baの鳥越さんも兵。そして桑原さんのピアノが流麗に奏でられて。
先日音源で聴いた「MAMA」、ライヴでのラップ抜きverも素晴らしかった。雨女とのことでしたが最後には雨も止んで、素敵な宵と成りました。




# by wavesll | 2018-09-02 00:01 | Sound Gem | Comments(0)

誰もが”伝えたい欲”が大きいわけではない



私はべらべらべらべら喋る人間で、話し出したら止まらないタイプで"みな話したいことは勝手に話すし、話さないという事は話したくないことなのだろう"なんて勘違いをついしてしまったりするのですが、身近な人から言われた「何でちゃんと質問して会話を促さないのか」とか「したい話しかしないんだな」が心に残って。

想うに私は”伝えたい欲”が大きすぎるのかもしれません。多くの人は相手の反応が芳しくない時は更に押すのではなく、身を引く。わざわざ無理に推す労苦はしない。ここが差異なのだと。Webにものを書くのも今でこそTwitterなんかで反応が返ってきたりしますが昔は何の反応もなくても発信し続けたのは”これを伝えたい”という焔があったからだと想うのです。

ただあまりにも「聴いてくれ」の圧が強いと逆効果と言うか、軽んじられる事ってあるよなとも想います。短く飄々とした格好良さ、語り過ぎない潔さや余白の方が結果も出るなと。自分はもっと引き込む/惹き込む術を学びたいと思いつつも、伝えたい煩悩が未だに燃えて。もっと上手くやれればなぁ…と想う次第。

人に”これを話したい”の意欲は人によって異なって。確実に相手に響くクオリティでないと話すOKラインを越えなく瑣末なことは語らない人も多いし、逆にいくら伝えたいからって相手の反応を無視したゴリ押しは寧ろ避けられる原因。そして自分が聴く側に回った時に相手のプレゼンを上手く回転させるリアクションをするのは礼儀の面でもコミュニケーションとしても健全な努めなのだなぁと。気を緩めるとベラベラ話してしまう私には傾聴は未だに大きな課題で。

上手くBlog等のPull型非同期メディアを活かせたらと想うと共に、そういう形でアクセスしやすく情報をOutputしてくれる方には同志と言うか、有難いサーヴィスをしてくれていると想います。話をする人より話を聴いてくれる人が重んじられる世ですが、ROMより語り手の方が私は好きです。まぁ、是はポジション故かもしれませんが。

傾向として個人よりメディアとかの方が”伝えたい欲”が大きいので、ラフに扱えると言っては語弊がありますが、基本的に言及することがポジ反応となるから取り扱いやすく、逆にアマチュアの方々の方が情報の取り扱いはシビアになる印象です。

その上で、一次情報に当たろうと想ったら幾ら面倒なことがあっても個人個人とのコミュニケーション醸成が求められるし、TVクルーの横暴の話をみると、”伝えたいんだろう?これくらい当たり前にいいだろう、広まるんだから”という傍若無人さがあるなと。相手の尊厳を大切にする姿勢を失っては餓鬼畜生の身に自ら堕ちますね。みながみなそんなにも”伝えたい・広めたい”と想っているわけではないことを認識しなければいけないなと。誰もが規模拡大のインフレーションを目指しているわけではない。

また旧友に「最近は得意な分野で勝負しているというか、自分の土俵を出なくなったなぁ」と話したとき「他人の土俵に出ていく姿勢が良かったんだけどな」と言われて。確かに己の小さいお山の大将なグルになっては傍目からみてつまらないし、例え下手で恥をさらしても相手の土俵へ出ていくこと、恥をかけるのは強みでもあるのだなぁと想います。

と、同時に外部の方を惹き込みたい側に回ったら、最大限相手に恥を感じさせない配慮がいるのだなと想います。コアな沼へ惹き込むときに千尋の谷に突き落とすとコミュニティーの濃度を保つことはできるけれど、すべての分野はマニアが潰すというし、フレッシュマンを惹き込む遊びがないと蛸壺だなと。

とはいえ、私的なコミュニティはそれこそ広まって”バカにみつかる”事態は避けたいだろうし、私自身も”本当にそれを希求する人”が楽しめなくなるくらいBusyになるのはいかんなぁと想います。メディア的な活動の誠実さとは何かという問いは常に思いながら試行錯誤していくことが大切だなと、今想う處です。

# by wavesll | 2018-09-01 09:33 | 小噺 | Comments(0)

8/32にヨシ子さん/桑田佳祐 X オリオン島恵み 第148回酒と小皿と音楽婚礼



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8/31の猛暑日を越えて、今はまだ9/1が始まっていない、8/32とでもいうような異界の未明。みなさまの夏はいかがでしたか?

今夏は私はFujirockSonic ManiaSummer Sonicと大型洋楽フェスに没頭した夏となりました。
今年は私もFujirockでディラン、ソニマニでマイブラとNIN、サマソニでジョージクリントンと伝説級のヴェテランを楽しんだのですが、邦楽フェスの雄、RIJFもサザンとユーミンというビッグネームが活躍した年でしたね。

特にサザンは去年桑田さんがソロで出た時にゴリゴリの渋いロックなセトリで滑ったのもあり超有名曲連打の豪速球な曲たちでパワーを魅せつけたそうで。やっぱり誰もが知る曲を持ってるバンドは強いなと。

そういいながら、私自身は桑田さんが去年出した「ヨシ子さん」に近年の桑田さんの楽曲で壱番に嵌って。8/31なんかまさに「真夏の太陽すげぇHIGH」。摩訶不思議な音像が「愛の言霊」世代には大いに刺さり、そして矢のように去っていく光陰を感じさせる名曲だと想うので、去年生で聴けた人たちが羨ましい限りです。

と、検索するとDailymotionでRIJF2017の映像が拝めて。こんな感じだったのか―と呑みながら過ごしてます。
呑んでいるのはOrion島恵み。イオン限定でアセロラ果汁が入ったVersionが販売されていて。

個人的にはベリー系のビールって苦手だったのですが、暑い夏にあう薄さと苦みと甘みのバランスが優れていて、このビールは好きでしたねー。

今年の暑さはとろサーモンよろしく「続行!」になるかは分かりませんが、暮れ行く日々に果実を収穫出来たら。いい平成最後の日々を過ごして行きたいですね◎

# by wavesll | 2018-09-01 04:42 | La Musique Mariage | Comments(0)

aiko LOVE LIKE ALOHA Vol.6

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サザンビーチ茅ヶ崎にてaikoのフリーライヴ、LOVE LIKE ALOHAをみてきました。

中学の頃オールナイトニッポンSUPERで聴いてたあの人がこんなに近くに!自分も今やOver30ですが、aikoがいる限り「女子」の年齢は後進され続けるなぁなんてステージを観て想ったり。

それこそ90sの「花火」や「カブトムシ」とか「ボーイフレンド」とかが一番聴いてた頃でしたが、今のモードの曲目でもやっぱり聴き馴染みがある歌が多くて、JPOPのフロントラインでずっと活躍してきたスゴさを目の当たりにしました。波音がバラードにうつくしく重なって。サザンの曲を挟んだメドレーも。

客の煽りなんかも「こんなんALOHAの時だけ」といいながら近所のマンションから聴いてる人をいじったりとかwまさにフリーダムwそして「海の向こうや空の上にも届けたい」と。楽しさと、切なさもあって。

そして最後の「キラキラ」からの花火、素晴らしかった。8月の終わりの想い出になりました。

Setlist

1. 夏が帰る
2. あたしの向こう
3. 予告
4. 横顔
5. アンドロメダ
6. 瞳

7. ミス・ブランニュー・デイ
8. ドライブモード
9. エナジー
10. 二人
11. Ya Ya (あの時代を忘れない)
12. 信号
13. 初恋
14. 明日の歌
15. 雲は白リンゴは赤

16. 天の川
17. 花風
18. 夢見る隙間
19. ストロー
20. ハナガサイタ
21. キラキラ



aiko-『キラキラ』(from Live Blu-ray/DVD『ROCKとALOHA』)


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# by wavesll | 2018-08-31 02:13 | Sound Gem | Comments(0)

ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』 人種差別への高らかな反論であり世界を記述する貴さを感じる大著

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ジャレド・ダイアモンド著、倉骨彰訳『銃・病原菌・鉄』を読みました。
パプアニューギニアで投げかけられた「あなたがた白人は沢山のものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それは何故だろうか?」という問い。

ユーラシア大陸の民が文明を発達させたのに対して、石器時代に近い暮らしを続けている民もいる。果たして何故そのような違いが起きたのか。この巨大な問いにジャレド氏は多種多様な学問的知見を通して応えようとします。

”文明が民族によって異なる歩みを辿ったのは何故か?”ジャレド氏は先ず俗説を退ける處から本書を始めます。
その俗説とは例えば「民族によって知能に格差があるから」、「南の熱い地域よりも北の地域の方が文明が発達しやすいから」など。

けれども遺伝子の淘汰から言えば、文明によって守られた地域よりも原生林で暮らす方が”賢くなければ生き残れず子種を残せない”し、四大文明が発達したのは非常に暑い土地でした。

また「ヨーロッパには銃・病原菌・鉄があり第三世界を征服できた」との説、確かにそれは直接的な要因だけれども、では何故欧州に銃と病原菌と鉄がもたらされたのか。その究極的な要因をジャレド氏は求めようとします。

その結論とは「ユーラシアの肥沃な三日月地帯には食料栽培に向いた原生植物があり、そして家畜化可能な大型哺乳類が生息していた。その結果余剰が生まれ、政治家や軍人、発明家などを養うことが出来る国家規模の集団が生まれた。さらに南北に長いアメリカ大陸やアフリカ大陸と異なり、ユーラシア大陸は東西に長かったため、食糧栽培の伝搬とそれに伴う技術の伝搬が起こりやすかったためにイノベーションが発達しやすかった」というもの。

本書が持つ最大のメッセージは”人種による優劣はなく、人類文明の発達には環境的要因が大きく影響している”ということ。それを博覧強記の智見により解き明かしてくれたのでした。

人類文明の各地での違いが起きたのは1万3000年前の氷河期の終わりから西暦1500年までの辺り。700年前にアフリカで生まれた人類はグレートジャーニーによって紀元前1万年前には南米に到達、紀元前4万年には船を使ってオーストラリアに到達し、ニュージーランド沖のチャモロ諸島に西暦1300年には到達しています。そこから1492年の西洋と南米先住民の接触と征服へと歴史は続いていきます。

この記述を読んで「そうか、人類の最後に定住地として到達したのはニュージーランドだったのか。ポリネシアの民はきっと進化によりソフィスティケイティッドされていたのだろう」なんて私は想ったのですが、そんな当てずっぽうは第二章のマオリ族によるモリオリ族の虐殺のエピソードによって論破されます。

第三章ではペルーのカハマルカ高原に於いてピサロがインカ皇帝アタワルパを圧倒する現場を当時の手記からありありと書き上げて。アタワルパが余りにも無防備だったのは文字が無かったために非道な欧州人の人間パターンをインカの民が認識できなかったという事情が語られます。

彼らの差異はどこから生まれたのか?それは農耕に適したエンマーコムギやエンドウ等8種の「起源作物」の多くが肥沃な三日月地帯に自生していたこと。そこからより収穫しやすいように品種改良が続けられていったこと。逆に南北アメリカではトウモロコシの原種とも言われるテオシントは食べるのに適していず、カロリーを取れ狩猟採集に対抗できるまで品種改良するのには長い時が必要だったという事が大きかった。

そして家畜化可能な動物に関しても、ペットを越え農耕や軍事など大きな益をもたらす大型草食哺乳類の「由緒ある14種」のほとんどがユーラシアにいたという幸運も大きかった。これは時代が下ってから人類が到達した南北アメリカやオーストラリアでは、発達した狩猟技術が人間の脅威に慣れていなかった動物を絶滅に追い込んでしまったことも大きかった。

これらの栽培植物の伝搬に於いてユーラシア大陸が東西に長かったのも発達に大きく関わりました。というのも同じ緯度だと日照時間や雨などの気候条件が同じになりやすいため。これに対して南北アメリカやアフリカでは、緯度が大きく異なるために栽培植物を伝搬させることが非常に難しかった。

さらに家畜と共に暮らした結果として家畜由来の病原菌が人間にも発病させ、その結果免疫を発達させることになったことがヨーロッパ人にとって他の大陸を征服するのに有利に働きました。インカの民やネイティヴアメリカン、そしてアボリジニやポリネシアの人々などは直接殺されるよりも欧州人が持ち込んだ病原菌で夥しく死亡していくこととなりました。

これらの病気が蔓延するためには人口が大きいことが必要ですが小規模血縁集団(バンド)から部族社会(トライブ)、そして首長社会(チーフダム)から国家(ステート)へと巨大化していくには食料生産も大きな要因で、社会の規模が大きくなると灌漑なども整備で木、さらに集約的な食糧生産が行え、人口が増え、平等な社会から集権的なシステムがさらにつくられるという流れもありました。

文明の大きな要素である文字は今までの人類史で独自に発明されたとみられるのはシュメール、中米、中国くらいで、その他のエジプト文字などはそこからの模倣によって生まれたとの立場をジャレド氏は取ります。

音素を顕わすアルファベット、音節を顕わす日本のカナ文字やギリシア・ミケーネ文明の線文字B、そして漢字などの表意文字。これらの文字システムの成立過程において、表意文字を同音異義語に応用するというイノベーションが大きな変革となったと語られています。

alephがセム語で雄牛、bethが家、gimelがラクダ、dalethがドアといった語源や、アーカンソー州でアルファベットのアイデアを知り自らチェロキー・インディアンの文字体系をつくったセコイヤという人物の話やイースター島にも独自の文字があったという話も面白かった。

そして下巻のほとんどはニューギニアや中国、アフリカ等の先史時代からの人々の変遷について書かれていて。オーストロネシア人という人々がいたこと、アフリカには黒人・白人・黄色人種の他、ピグミーとコイサン族という民族がいる事、マダガスカルには古代に大移動してきたボルネオの血が濃く残っている、そして気候の違いからコイサン族が喜望峰の辺りに進出できなかった故に南アフリカが白人に占領された事等、全く知らなかった物事を知らせてくれました。

ジャレド氏は、環境によって文明の歩みは違ったと論じますが、決して人間個人の自主的な先取性を否定するわけではなくて。けれども大河のような歴史を科学するという上で、人類の歴史のメカニズムを解き明かそうという大事業の大きなメルクマールを本書は成しえたと感じます。その上でエピローグでは”なぜユーラシアの中でも欧州が特に力を持ったのか”などの残された課題も語られています。

また本書は真に博覧強記な執筆で、コーラナッツというアフリカの植物は初期コカ・コーラに使われていたとかマカデミアナッツはオーストラリア原産だとかアラム語の齟齬であるセム語系の発祥はアフリカにあるなど変幻自在なのだけれども、「文明の異なる発達は環境により大きな影響を受けた結果」という巨大な論のための縦横無尽故に一本筋が通っている論を読め散漫な印象はないという感慨を持てました。

人種差別への高らかな反論であり、人という種族がいかに生きたか、その営みに深く届く書物。ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』では文明以後の中南米や東南アジアの知られざる世界史を学べたと想いましたが、本書ではポリネシアやアフリカを知れ、自分の中で地球史として一つのパースペクティヴを持てた気がして。世界を記述する貴さを味わうことが出来ました。





# by wavesll | 2018-08-30 06:51 | 書評 | Comments(0)

小瀬村真美:幻画~像(イメージ)の表皮展@原美術館 「静物画」を再定義・拡張する展覧会

≪餐≫
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≪粧≫
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≪Pendulum≫
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≪Drop Off≫
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果実や花をまるで絵画のように写真に撮り、そしてその時間経過を連続としてみせる。或いは4秒の瞬間を12分に引き延ばして映像展示する。このような「静物画」を再定義する様な試みに感銘を受けました。

特に撮影した素材が朽ちた姿が実物として展示してあるのが絵を立体として拡張している姿で面白かった。

また映像作品は当初その速度感を掴むのに苦戦しましたが、水曜夜間の映写展示作品を見ている内にリズムが体得出来て。その≪FROZEN≫には古事記の宇宙の始まりのように靄から世界が発生する様な感覚、≪UNDERWATER≫は黄泉の国へ降りていくエピソードを想起させられて。また≪PENDULUM≫はインスタレーション展示では夜から朝への移り変わりがみられたのが印象的でした。

静物画という自明な形式を深い洞察により捉えなおす展覧会。9/2まで。


# by wavesll | 2018-08-30 00:28 | 展覧会 | Comments(0)

トーハクコレクション展で高村光雲≪老猿≫や武田信玄・豊臣秀吉・徳川家康・大久保利通の書等をみる

高村光雲 ≪老猿≫
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竹内久一 ≪神鹿≫
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佐藤朝山 ≪龍頭観音像≫
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北海道アイヌ ≪木綿衣≫
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竹本隼太 ≪紫紅釉瓶(辰砂釉瓶)≫
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七代錦光山宗兵衛 ≪色絵金襴手双鳳文飾壺≫
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大久保利通 ≪七言絶句≫
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≪炎摩天像≫
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≪炎摩天曼荼羅図≫
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≪地蔵菩薩像≫
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≪片身替釉洲浜形向付≫
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≪青磁琮形花入≫
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≪紺糸威南蛮胴具足≫
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武田信玄 ≪書状≫
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≪三鱗紋兵庫鎖太刀≫
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≪一の谷馬藺兜≫
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≪小袖 縹縮緬地御所車檜垣流水花卉模様≫
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≪単衣 鼠絽地笠杖砧風景模様≫
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≪単衣 紫浅葱腰替絽地流水草木模様≫
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≪貝尽蒔絵堤重≫ ≪鼈甲製水草鯉蒔絵盃≫ ≪鼈甲製波亀蒔絵盃≫
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≪稲田垂穂柄鏡 銘「<西村豊後掾藤原改重」≫ ≪酢漿草鶴亀柄鏡≫
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≪秋草白菊図屏風≫
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浦上玉堂 ≪山中結廬図≫
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≪尺壁帖≫
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豊臣秀吉 ≪書状≫
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徳川家康 ≪書状≫
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葛飾北斎 ≪勝景奇覧・甲州湯村≫
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葛飾北斎 ≪勝景奇覧・木曾摺針峠≫
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葛飾北斎 ≪勝景奇覧・相州袖ヶ浦≫
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歌川国貞(三代豊国) ≪東都三十六景・吉原仲之町≫
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歌川国貞(三代豊国) ≪端唄の意 二編・雪ハともヘ≫
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歌川国貞(三代豊国) ≪見立・お七≫
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歌川国貞(三代豊国) ≪真賀多三婦久対≫
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歌川国芳 ≪にぎわいぞろい・浅草のにぎわい≫
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歌川国芳 ≪にぎわいぞろい・花のにぎわい≫
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歌川国芳 ≪当世流行定≫
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歌川国芳 ≪当世流行定≫
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歌川国芳 ≪当世流行定≫
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歌川国芳 ≪誂染好色取・うハいろ≫
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歌川広重 ≪東都名所・佃 月夜之圖≫
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歌川広重 ≪富士≫
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歌川広重 ≪江戸名所・雪≫
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歌川広重 ≪江戸旧跡つくし・隅田川木母寺梅若の由来≫
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鳥高斎栄昌 ≪郭中美人競・松葉屋内染之介≫
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柳々居辰斎 ≪団扇持ち美人図≫
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# by wavesll | 2018-08-29 01:18 | 展覧会 | Comments(0)

琉球 美の宝庫展にて尚家の王冠、琉球染織、花鳥と舟の絵画、螺鈿漆器などをみる

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六本木東京ミッドタウンのサントリー美術館にて琉球展をみてきました。
目玉の≪琉球国王尚家関係資料 王冠(付簪)≫だけでなく紅型などの琉球の染織、そして漆器の螺鈿細工など素晴らしい逸品ばかりでとても良かった。

第1章は琉球の染織。≪黄色地松皮菱繋に檜扇団扇菊椿模様胴衣≫・≪染分地遠山に松竹梅模様衣裳≫のTHE琉球な美。≪白地霞に尾長鳥牡丹菖蒲模様衣裳≫の派手渋な美。≪白地鶴に貝藻波模様子ども着≫もビタースウィートなうつくしさ。

そして衣装で特に印象的だったのが≪浅地稲妻に松窓絵散し模様衣裳≫のエメラルドグリーンの稲妻柄。≪緋色地波頭桜樹模様衣裳≫はSplashな柄。≪薄紅麻地総絣衣裳≫はピンクに幾何学文様がまた好くて。≪紺地朱格子経緯絣衣裳≫など、インドからインドネシアや大陸を等を通じて琉球へ入った絣の文化に琉球が文化の要所であったところが偲ばれます。

そして裂地がまた素晴らしくて。≪桜波連山仕切り模様裂地≫の赤黄青緑茶桃の山々の柄、≪花色地瑞雲霞に鳳凰模様裂地≫のピンクの鳳凰、≪水色地流水桜散し模様裂地≫の波に花、≪流水蛇籠菖蒲葵に小禽模様裂地≫の落ち着いた渋クリームに渋グリーンの柄がまた好く、≪流水に菊桜模様白地型紙≫という型紙の展示も興味深かったです。

第2章は琉球絵画の世界。山口〔神谷〕宗季(呉師虔)≪花鳥図≫等の日本の影響もありながらも中国の影響が非常に大きくて。

城間清豊(欽可聖、号 自了)≪白沢之図≫は好い治世の時に現れる人面獣。山口〔神谷〕宗季(呉師虔)≪関羽像≫は青龍偃月刀もかっこよかった。座間味庸昌(殷元良)≪雪景山水図≫は雪舟をも想わせるような中国的な山水画。

琉球絵画で特に素晴らしいのは鳥の画。佐渡山安健(毛長禧)≪花房闘鶏之図≫の鳥のじとーとした目、≪牡丹尾長鳥図≫の尾長鳥の青、≪鷹雀枯木芙蓉図≫の雀を狙う鷹の躍動感あふれる構図も素晴らしかった。孫億≪花鳥図≫は黄赤青の極彩の鳥も美しい。

熱帯の植物的に朝鮮絵画の影響がみられる≪虎図≫は目も印象的で。≪琉球少婦逍遥之図≫は琉球GIRLSといった感じで目がぱっちりしてました。≪喜久村絜聡像≫は久米島の地頭代の肖像画。

琉球絵画では那覇港に来る進貢船の画もとてもよくて。≪進貢船の図≫・≪那覇港図≫の黒と朱の船がとても鮮やかで。≪琉球交易港図屏風≫は進貢船の他ハーリーが那覇港に出航していて首里城下の街の姿が鳥瞰で描かれていて素晴らしかった。

また江戸時代には琉球ブームも起きていて≪琉球人来朝図≫の色彩の美しさよ楽童子の麗しさ。そして葛飾北斎≪琉球八景≫のプルシアンブルーも美しかったです。この≪琉球八景≫を描くにあたって北斎が参考にした周煌≪琉球国志略≫も展示してありました。

そして第3章は琉球国王尚家の美、国宝・琉球国王尚家関係資料が展示してあるのです。

≪王冠(付簪)≫は金銀珊瑚水晶瑪瑙琥珀軟玉が金の鋲で黒地に留めてあって、簪には龍が。極渋彩の輝きに歴史を感ぜられました。

国王の衣である≪紺地龍丸模様緞子唐衣裳≫と冬服の≪赤地龍瑞雲嶮山模様繻珍唐衣裳≫はそのゆったりさが印象的で。この他、金とエメラルドブルーの地が印象的なベルトの≪石帯≫、ウコンで染めたという≪黄組物帯≫、御官庫(ウカンクー)という≪靴≫も履き心地が良さそうでした。

そして≪美御前御揃(ヌーメーウースリー)≫では美しい≪金杯≫・≪銀杯洗≫・≪托付銀鋺≫・≪銀脚杯≫の他ビーズが美しい≪御玉貫≫という徳利に朱色が美しい≪朱漆巴紋牡丹七宝繋沈金御籠飯≫・≪朱漆巴紋牡丹七宝繋沈金足付盆≫が麗しかった。

また茶色にエメラルドグリーンや白などのテキスタイルが描かれる≪御絵図帳≫や、このほか神女が使う≪神扇≫なども展示してありました。

そして第4章は琉球漆芸の煌き。螺鈿細工が真に耀いて。久米島の君南風(チンペー)の≪黒塗菊花鳥虫沈金丸外櫃及び緑塗鳳凰雲沈金丸内櫃≫、金の孔雀の≪黒漆孔雀牡丹唐草沈金食籠≫、朱と黒を混ぜた真紅の漆の≪潤塗花鳥箔絵密陀絵丸形食籠≫、朱の螺鈿な≪朱漆牡丹尾長鳥螺鈿卓≫、栗鼠を象った金細工が凄い≪黒漆葡萄栗鼠螺鈿箔絵箱≫、なんとも豪気な朱の碗な≪朱漆椿密陀絵沈金椀≫など本当に素晴らしいものだらけ!

ここからも銘品が続きます。黒螺鈿龍の広大さな≪黒漆雲龍螺鈿大盆≫と八本の放射な文様がかっこいい≪黒漆雲龍螺鈿大盆≫。鉛ガラスの玉で出来たモザイク画の≪朱漆竹虎連珠沈金螺鈿座屏≫、ガラス棒で出来たストライプの抽象絵画な≪黒漆ビードロ入り山水楼閣螺鈿硯屏≫、円の重なりが格好良い≪黒漆花円文螺鈿合子≫、騎乗の人物が螺鈿で描かれる≪黒漆騎馬人物螺鈿箱≫も良かった。

また徳川家の三つ葵の紋章が螺鈿であらわされる≪黒漆葵紋螺鈿箱≫、黒に虹色の螺鈿画が映える兎が根付の≪黒漆山水螺鈿印籠≫にヘチマの根付な≪黒漆雲龍堆錦印籠≫、堆朱で塗り重ねた≪朱漆樹下人物堆錦印籠≫も良かった。

鳳凰の曼荼羅のような≪朱漆七宝繋鳳凰沈金盤≫、ちっちゃい麒麟がかわいい≪黒漆鳳凰麒麟牡丹密陀絵盆≫、黒にカワセミが映える≪黒漆花鳥螺鈿箔絵密陀絵漆絵盆≫、シックに艶やかなつくりの≪黒漆牡丹唐草螺鈿卓≫、霊的な場へ湯茶や酒を運ぶタークーである≪白檀塗楼閣山水箔絵湯庫≫という作品も文化と美を伝えてくれます。

鳳凰の華麗な姿の螺鈿の≪黒漆桐鳳凰螺鈿東道盆≫、螺鈿細工の葡萄が綺麗な≪黒漆樹下人物葡萄螺鈿沈金八角食籠≫、アシンメトリーな植物の螺鈿画が美しい≪黒漆花鳥螺鈿料紙硯箱≫も良かった。

そして朱の漆器が続いて。≪朱漆山水人物箔絵重箱≫はかわいいし、≪朱漆塗葡萄巴紋箔絵櫃≫は蝶番が印象的。≪朱漆山水人物箔絵東道盆≫は円盤型。≪朱漆花鳥漆絵重箱≫も美しく、≪黒漆山水楼閣人物箔絵革箱≫は渋朱が素晴らしい。≪朱漆山水楼閣人物箔絵東道盆≫は中国的な街並みがオールオーバーに広がって。≪朱漆松岩堆錦煙草入≫はガマ仙人の意匠が面白かった。

デザインを研究した石沢兵吾≪琉球漆器考≫とタトゥー等多岐に研究した鎌倉芳太郎≪琉球芸術調査記録(鎌倉ノート)≫で〆。

本当に芸術は時空を越えていくというか、地場を離れてもこれだけの魅力を放つのかと魅了されました。冒頭に書いてあった「琉球は世界の神梁」というメッセージはしかし要所故に戦火に巻き込まれてしまった歴史をも予見させて。

太平洋戦争で焼失してしまったあまりにも多くの藝術を想うと心が浪立ちます。白沢が出現する様な賢誠な治世が行われることを望んで。このうつくしい藝術たちが後々の世にも伝えて行けるようになればと想います。

# by wavesll | 2018-08-27 21:59 | 展覧会 | Comments(0)

アンサンブルズ東京での本当にうつくしい瞬間たち

アンサンブルズ東京へ行ってきました!
大友良英さんがオーガナイズするこのフェスはワークショップに参加した一般市民が演者として参加できるという稀有なフェスで。

15:00時前に東京タワーに着くと出演者の方々が楽器を片手にスタンバイされていて。大友さん曰く「観客より演者の方が多い」状態◎

そこからパレードが始まります。
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演者が超多いから音の奔流がサラウンド!東京タワーの周りを練り歩いて、タワーの中も行進し、そして大風呂敷が拡げられたフェス会場であまちゃんのテーマが高らかに奏でられました!



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そこから今回御目当てだった芳垣安洋とOrquesta Nudge! Nudge! が始まって。原田仁さんのアフリカン・ノイズなVoとサンティアゴ・バスケスのPercusも加わり熱波に共鳴する非常に快い音の鳴りでした。一般の方々の演奏も眩しかった◎

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続いて行われたのがDJみそしるとMCごはんさん&高木完さんのワークショップからの「親子ラップ」。

『サマサマサマ・バケーション まだまだ遊び足りんよ』のフックからの夏の想い出を家族でラップ★こんなにも愛すべきラップ・パーティーがあっただろうか?(いやない)。みんな素敵でした◎

そして本日一番観客の圧が凄かったのがのんのステージ!
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のんちゃん、なんか輝くオーラが凄かった◎大風呂敷タワーにも参加してて、今度LINEでドラマも始まるとのことで、どんどん活躍していって欲しいなぁ★立つと結構身長あることも印象的でした。

会場には自販機もあるしタワー内でも飲み物は買えて。ヴァイツェンを飲んで楽しんだのはサンティアゴ・バスケス Santiago Vazquez ×大友良英×芳垣安洋×柴田聡子ほか×一般参加の人々のLIVE!!!!!

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最高に楽しかった!ビリンバウから始まり大友さん、原田さん、勝井さん、柴田さんなどのミュージシャンから市民の人たちが本当にうつくしい瞬間たちを創り上げて。

柴田聡子さんの真摯な歌唱がとても印象的でした。そして親指ピアノや、合唱の発声にもはっとさせられて。
幾つものとても心を打つ瞬きと瞬きのあいだが過ぎて。180°な音響のWaveだけでなくサンチャゴは観客側も指揮する360°なライヴでした!まっこと素晴らしかった!音楽の歓びに満ちあふれていました。

私も何かアンサンブルズ東京に参加したいと会場に敷かれていた大風呂敷の後片付けに参加して。あと2回くらいは開催予定が今あるらしいです。ワークショップから演者としても参加したくなるような本当に素敵なフェスでした★★★★★★★!

# by wavesll | 2018-08-27 04:14 | Sound Gem | Comments(0)