タグ:上野 ( 54 ) タグの人気記事

平成31年 美術館に初もうで@トーハク

c0002171_20442437.jpg

c0002171_20443664.jpg
c0002171_20445940.jpg
本年の美術初めはトーハク・国宝室の長谷川等伯≪松林図屏風≫。本館にしては通常では考えられないくらいのにぎにぎしさで正直この作品に浸りきる雰囲気ではなかったwでも一度三が日にトーハクに来てみたかったのでした◎

霞の中に在る松達。滲み、濃淡で繋がる存在は日本人の「人の間」を顕わしているようにも思います。またいつか(人が抄くない時にw)みよう◎

今回の私の一番好きだった作品は本阿弥光悦≪舞楽蒔絵硯箱≫。これ、最高。硯の処に真珠?虹色に光る玉が埋め込まれてて至高のジュエリー感。この色味は是非生で体験して欲しいです。
c0002171_20544614.jpg
c0002171_20525091.jpg
そして亥年という事で猪の作品も。

≪諸獣図≫
c0002171_20573203.jpg
≪猪 博物館獣譜 第2帖より≫
c0002171_20584955.jpg
岸連山 ≪猪図≫
c0002171_21021773.jpg
望月玉泉 ≪萩野猪図屏風≫
c0002171_21031898.jpg
≪逆頬箙≫
c0002171_21045688.jpg
≪曽我仇討図屏風(右隻)≫
c0002171_21055292.jpg
結城正明≪富士の巻狩≫
c0002171_21070682.jpg
≪空穗≫
c0002171_21085387.jpg
≪金剛界曼荼羅旧図様≫
c0002171_21101371.jpg
≪仏画図集≫
c0002171_21105170.jpg
葛飾北斎≪北斎漫画≫
c0002171_21113360.jpg
≪仏涅槃図≫
c0002171_21120745.jpg
狩野養長模≪十二類合戦絵巻(模本) 下巻≫
c0002171_21161776.jpg
c0002171_21163403.jpg
c0002171_21165112.jpg
c0002171_21170469.jpg
≪玉豚≫
c0002171_21175103.jpg
≪灰陶豚≫
c0002171_21182441.jpg
≪褐釉豚≫
c0002171_21185746.jpg
青森県つがる市木造亀ヶ岡出土≪猪形土製品≫
c0002171_21202838.jpg
大阪府堺市出土≪埴輪 猪≫
c0002171_21211048.jpg
群馬県伊勢崎市大字境上武士字天神山出土≪埴輪 猪≫
c0002171_21225024.jpg
伝千葉県我孫子市出土≪埴輪 埴輪 矢負いの猪≫
c0002171_21234889.jpg
石川光明≪野猪≫
c0002171_21244971.jpg
その他も逸品ぞろいの睦月の東博、とても楽しかったです◎

葛飾北斎≪富嶽参六景 凱風快晴≫
c0002171_21312801.jpg
歌川広重≪名所江戸百景・日本橋雪晴≫
c0002171_21324947.jpg
歌川豊国≪豊廣豊國両画十二候・正月≫
c0002171_21342526.jpg
歌川国貞(三代豊国)≪二見浦曙の圖≫
c0002171_21355195.jpg
歌川広重≪江戸名所・芝浦日の出≫
c0002171_21365571.jpg
葛飾北斎≪〆飾り下凧絵かき≫
c0002171_21383677.jpg
魚屋北渓≪花園番続・ひきぞめし≫
c0002171_21395803.jpg
魚屋北渓≪花園番続・弓はじめよし≫
c0002171_21405258.jpg
歌川国直≪羽子板持娘≫
c0002171_21414975.jpg
喜多川歌麿≪美人見立曽我の対面≫
c0002171_21430197.jpg
窪俊満≪年始の扇≫
c0002171_21441998.jpg
魚屋北渓≪初夢の扇と団扇≫
c0002171_21452019.jpg
≪阿弥陀来迎図≫
c0002171_21494954.jpg
≪日吉山王本地仏曼荼羅図≫
c0002171_21512426.jpg
≪紺紙金字無量義経(平基親願経)≫
c0002171_21530723.jpg
≪白氏詩巻≫
c0002171_21552951.jpg
≪馬医草紙≫
c0002171_21563915.jpg
c0002171_21565071.jpg
狩野正信筆 景徐周麟賛≪布袋図≫
c0002171_21583937.jpg
≪色絵牡丹獅子文銚子≫
c0002171_22011349.jpg
≪白糸威胴丸具足≫
c0002171_22024527.jpg
≪豊臣秀吉朱印状≫
c0002171_22033049.jpg
≪黒韋包金桐文糸巻太刀≫
c0002171_22051758.jpg
≪紅白梅図屏風≫
c0002171_22070302.jpg
≪夜着 萠黄縮緬地鶴亀模様≫
c0002171_22092226.jpg
伊万里≪色絵葡萄栗鼠文瓢形水注≫
c0002171_22110368.jpg
伊万里≪色絵竹虎文八角鉢≫
c0002171_22121560.jpg
銘「西村豊後掾藤原政重」≪稲田垂穂柄鏡≫ ≪酢漿草鶴亀柄鏡≫
c0002171_22143464.jpg
貫名菘翁≪いろは屏風≫
c0002171_22180307.jpg
狩野探幽 ≪新三十六歌仙図帖≫
c0002171_22193150.jpg
c0002171_22194251.jpg
c0002171_22195668.jpg
c0002171_22200830.jpg
c0002171_22202612.jpg
c0002171_22203979.jpg
c0002171_22205015.jpg
c0002171_22210424.jpg
c0002171_22212465.jpg
c0002171_22213552.jpg
c0002171_22214680.jpg
c0002171_22215916.jpg
c0002171_22221816.jpg
c0002171_22223074.jpg
c0002171_22224327.jpg
c0002171_22225667.jpg
鈴木其一≪猩々舞図≫
c0002171_22243500.jpg
秦意冲 ≪雪中棕櫚図≫
c0002171_22255018.jpg
池大雅 ≪竹図≫
c0002171_22264540.jpg
佐久間象山 ≪望岳賦≫
c0002171_22275163.jpg
c0002171_22280316.jpg
≪萩螺鈿鞍≫
c0002171_22302836.jpg
≪松巴螺鈿鞍≫
c0002171_22324269.jpg
≪片輪車蒔絵螺鈿手箱≫
c0002171_22333722.jpg
≪梅月蒔絵文箱≫
c0002171_22351535.jpg
≪加留多双六蒔絵提箪笥≫
c0002171_22361919.jpg
≪太刀 備前景依≫
c0002171_22374159.jpg
≪太刀 伯耆安綱(名物 童子切安綱)≫
c0002171_22401995.jpg
旦入 ≪赤楽島台茶碗≫
c0002171_22431484.jpg
仁清 ≪色絵牡丹図水指≫
c0002171_22445805.jpg
京焼≪色絵椿松竹梅文透入重蓋物≫
c0002171_22562445.jpg
伊万里≪緑地鳳凰文台鉢≫
c0002171_23015065.jpg
鍋島 ≪色絵柴垣図大皿≫
c0002171_23033725.jpg
伊万里≪色絵松に帆掛舟図皿「元禄六酉柿」染付銘≫
c0002171_23053738.jpg
伊万里 ≪色絵梅竹虎文皿≫
c0002171_23071553.jpg
≪色絵花卉図大皿≫
c0002171_23094769.jpg
≪色絵獅子鳳凰文有蓋大壺≫
c0002171_23121002.jpg
c0002171_23123599.jpg
c0002171_23125523.jpg
c0002171_23132678.jpg
≪江戸城本丸大奥総地図≫
c0002171_23160503.jpg
北海道アイヌ ≪盆≫
c0002171_23175848.jpg
c0002171_23182798.jpg
c0002171_23184708.jpg
北海度王アイヌ ≪アイヌ鍬形≫
c0002171_23254534.jpg
北海道アイヌ ≪太刀≫
c0002171_23264335.jpg
小林古径 ≪異端(踏絵)≫
c0002171_23304089.jpg
横山大観 ≪日蓮上人≫
c0002171_23313319.jpg
落合芳幾 ≪五節句≫
c0002171_23323473.jpg
小林永濯≪美人愛猫≫
c0002171_23342446.jpg
富岡鉄斎 ≪二神会舞≫
c0002171_23352594.jpg
前田青邨 ≪唐獅子≫
c0002171_23363531.jpg
戸張孤雁 ≪猫≫
c0002171_23394983.jpg
三代清風与平≪白磁蝶牡丹浮文大瓶≫
c0002171_23411631.jpg
服部杏圃≪色絵花果実文皿≫
c0002171_23424897.jpg
百瀬惣右衛門 ≪銅蟹蛙貼付蝋燭立≫
c0002171_23440509.jpg
香川勝広 ≪猿猴弄蟷螂図額≫
c0002171_23451612.jpg
正阿弥勝義≪雪中南天樹鵯図額≫
c0002171_23465267.jpg
≪埴輪 盛装女子≫
c0002171_23480349.jpg
≪土面≫
c0002171_23483506.jpg
≪斜縁二神二獣鏡≫
c0002171_23494208.jpg
≪三角縁龍虎鏡≫
c0002171_23504266.jpg
c0002171_23512226.jpg
c0002171_23514508.jpg
c0002171_23515842.jpg
c0002171_23524026.jpg
c0002171_23525375.jpg
c0002171_23531298.jpg
≪鉄剣≫
c0002171_23534984.jpg
c0002171_23541773.jpg
c0002171_23543303.jpg
≪秋草文壺(渥美窯)≫
c0002171_23552809.jpg
≪青釉色絵金彩大壺≫
c0002171_23564297.jpg
c0002171_23572075.jpg
≪白釉藍彩花卉文大皿≫
c0002171_00362664.jpg
≪甲骨≫
c0002171_23573855.jpg
≪三彩貼花龍耳瓶≫
c0002171_00053381.jpg
≪白磁獣耳瓶≫
c0002171_00084460.jpg
景徳鎮≪五彩金襴手瓢形大瓶≫
c0002171_00102196.jpg
c0002171_00104918.jpg
c0002171_00110261.jpg
≪五彩金襴手水注≫
c0002171_00132371.jpg
≪三彩金襴手龍濤文水注≫
c0002171_00133971.jpg
c0002171_00135387.jpg
呉宏≪墨竹図軸≫
c0002171_00152845.jpg
諸昇 ≪雪竹図軸≫
c0002171_00165339.jpg
金湜≪老松図軸≫
c0002171_00174761.jpg
王羲之≪定武蘭亭序(呉炳本)≫
c0002171_00194684.jpg
智永 ≪草書還来帖≫
c0002171_00211210.jpg
王僧虔≪行書太子舎人帖≫
c0002171_00223632.jpg
王慈 ≪草書栢酒帖≫
c0002171_00234512.jpg
≪色ガラス燭台「乾隆年製」≫
c0002171_00251120.jpg
≪鉄砂雲竜文壺≫
c0002171_00260551.jpg
c0002171_00262147.jpg
アユタヤ≪宝冠如来頭部≫
c0002171_00270128.jpg
c0002171_00271605.jpg
c0002171_00272745.jpg
c0002171_00273858.jpg
c0002171_00274989.jpg
c0002171_00280784.jpg
c0002171_00282027.jpg
インド・マールワー派 ≪浮気な男に腹を立てる女(ガウンドカリ・ラーギニー)≫
c0002171_00301923.jpg
メラネシア・ニューブリテン島 ≪仮面≫
c0002171_00310867.jpg
メラネシア・ビスマルク諸島 ≪仮面≫
c0002171_00315891.jpg
パプアニューギニア・ニューギニア島北東部 ≪精霊の仮面≫
c0002171_00325062.jpg
メラネシア・ニューアイルランド島 ≪男性像(クラブ)≫・≪女性像(クラブ)≫
c0002171_00340621.jpg
メラネシア・ニューギニア島北東部 ≪ワニ像≫
c0002171_00345363.jpg

by wavesll | 2019-01-03 21:26 | 展覧会 | Comments(0)

ルーベンス展@国立西洋美術館 人景、忌際の土気色、烈迫の逞しさ、白き柔肌、獣・モブに至る全方位に優れる筆の画家の王

c0002171_15020863.jpg
2018年最後のアート鑑賞はルーベンス展となりました。
キャッチコピーが「王の画家にして画家の王」でしたが、人景、忌際の土気色、烈迫の逞しさ、白い柔肌、獣・モブに至るまで全方位に優れた筆は画家の王という呼称が誇張に聴こえないハイレベルさでした。

まず初めに出迎えてくれるのがルーベンス作品の模写である≪自画像≫、外交官としても活躍したというルーベンス、聡明な威厳がありました。

そしてこれがみたかった!リヒテンシュタイン侯爵家の宝物、ルーベンスの長女≪クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像≫。ばら色の頬がなんとも可愛らしく耀く目がなんとも賢そう。

ルーベンスは古代の事物からインスピレーションを受けるというか、造形のモデルにしていて≪ティベリウスのカメオ≫の素描なんてものも。

また16世紀に流行った『人間観相学について』/ジョヴァンニ・バッティスタ・デッラ・ボルタの展示なんかも、人の顔を動物との類似から性格診断なんかもしていてなかなか面白かったw

また忌の際の土気色の顔だけはルーベンスが描いたというペーテル・パウル・ルーベンスと工房≪セネカの死≫の隣には2世紀前半の≪偽セネカ像のヘルメ柱≫も展示されてました。

ルーベンス展でまずルーベンスの腕の凄さを感じたのがこの忌際の人々の表情で。≪法悦のマグダラのマリア≫の死を迎える時間の顔、一方で威風堂々とした祈りを発しながら天命を迎える≪聖アンデレの殉教≫の迫力。

死に瀕する時は人生で最も劇的な場面とも言えるかもしれません。そこにはきらめきもあって。輝く光の癒しが描かれている≪天使に治療される聖セバスティアヌス≫の優男ぶりもさることながら、≪キリスト哀悼≫に描かれる女の子の可愛さも印象的で。そこには斑岩の彫刻技法を蘇らせたフランチェスコ・フェッルッチ(通称デル・タッダ)≪瀕死のアレクサンドロス大王(ウフィツィ美術館作品の模作)≫も赤茶と白の二色で彩を添えていました。

ルーベンスが主題としたものにはヘラクレスもあって。獣の画が上手いと評判のスネイデルスにドラゴンを描いてもらった共作のペーテル・パウル・ルーベンスとフランス・スネイデルス≪ヘスペリデスの園で龍と闘うヘラクレス≫も今でいうWネームのコラボな魅力があるし、ルーベンスだけで描いた≪ヘスペリデスの園のヘラクレス≫も輝度が高く今にも動き出しそうな生命感がある筆致で。

そしてルーベンスの魅力は可愛い女性を描くことにも長けていて。≪「噂」に耳を傾けるデイアネイラ≫の白い柔肌。人妻が老人たちにセクハラを強要された場面を描いた≪スザンナと長老たち≫は二作展示。ちょっと固く荒さのある筆致でばらの花が誕生した場面を描いた≪バラの棘に傷つくヴィーナス≫の隣にはルーベンス派の画家が潤柔に描いた≪ネッソスとデイアネイラ≫が。

そしてその同室にはルーベンスが後世に与えた影響のパネルも掲げられていて。その隣にはピエール・オーギュスト・ルノワールがルーベンス作≪神々の会議≫の模写がかけられていて。ルーベンスから印象派にも脈々と美術の遺伝子は伝わっていったのかと感じ入りました。

忌際、柔肌の可愛らしさ、英雄の逞しさについでさらにルーベンスは劇的場面の複合的な陣形構図でも冴えわたる筆致を魅せます。

≪聖ウルスラの殉教≫の群衆の一人一人に込められた感情とデザインとしてのうねる流れの光景、美味しい艶がある筆致の≪サウロの改宗≫でもポーズと配置が全体としての湧きたつ劇的場面な効果を生んでいて。そしてそれの極致が≪パエトンの墜落≫。神の雷にやられる青年とそれをみる女神たちが降り注ぐ光に向かって斜め上へ向かう構図のなんたるドラマティックさか。

この三枚の隣にはルーベンスから大きく影響を受けたルカ・ジョルダーノ≪パトモス島の福音書記者聖ヨハネ≫が。これも構図の動きが良かった。

さらにさらにルーベンスは獣の描写も卓越していて。ペーテル・パウル・ルーベンス?≪聖ゲオルギウスと龍≫の禍々しい龍の獣な筆!ペーテル・パウル・ルーベンスと工房≪ヘラクレスとネメアの獅子≫のグレーのライオンもキャラが立っていて。ルーベンス、死角がない。

またこの部屋に展示されていたピエトロ・ダ・コルトーナ(本名ピエトロ・ベッレッティーニ)≪ゴリアテを殺すダヴィデ≫もパステルに残酷な場面を描いていて好かったです。

いよいよラストの部屋。ここがまた大作が目白押しでした。

≪マルスとレア・シルウィア≫は大小二枚が展示されていて。愛し求めるマルスと、恋焦がれることへの恐れもあるけれど目が潤むレア・シルウィアがなんとも感情が伝わって。そしてプットーのいたずらな笑顔もw

≪ヴィーナス、マルスとキューピッド≫の母乳の与え方には驚愕wそして囚われの父親に母乳を与える娘を描いた≪ローマの慈愛(キモンとペロ)≫も聖性と共になんともコケティッシュさがあって。≪豊饒≫の女神も綺麗でした。

ヤーコブ・ヨルダーンスに帰属、ルーベンスの構図に基づく≪ソドムを去るロトとその家族≫もカラフルな色彩ながら後ろ髪を引かれるロトの表情が印象的で、ルカ・ジョルダーノ≪ヨーロッパの寓意≫も大陸自体を擬人化してしまうというコンセプトが面白かった。

最後を飾る大作が≪エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち≫。白い躰の優美とふくよかさ、蛇の脚をもつ赤ん坊をみつけたのに後ろに描かれる多乳の神像も含め、なんとも明るいエロスをみせつつ女の園が描かれていました。

王の画家にして画家の王。イメージだとルーベンス展って自分は好きだけどそんなに集客はないかなと思ったら結構な人の入りで。日本においてもその魅力が伝導率を高めているのだなぁと。素晴らしき展覧会体験となりました◎

by wavesll | 2018-12-28 15:53 | 展覧会 | Comments(0)

ムンク展@東京都美術館 フィヨルドの輝きが産んだ透徹した人と自然の光

c0002171_05350542.jpg
c0002171_03363767.jpg
ムンク展ー共鳴する魂の叫びを東京都美術館にてみてきました。

案外あっさりしている、というかムンクは鬱屈がどろどろの人というより素直に自然状況を顕した人に感じました。北欧のフィヨルドの光の輝きが彼の芸術をきらめかせたように想って。彼のイメージが変わった展覧会でした。

会場に入るとまず自画像の部。≪地獄の自画像≫のように”いわゆるムンク”な大きな影に焔が盛る画もありながら≪青空を背にした自画像≫≪スペイン風邪の後の自画像≫≪家壁の前の自画像≫のように明るい色彩のものがあったり≪硝子のベランダの自画像≫のように老年に達した姿も観れて。

1882年の≪自画像≫は非常にハンサム。≪ソファに座るクリスチャン・ムンク≫に描かれた父上の姿は壮年を迎えたムンクにそっくりで、母≪ラウラ・ムンク≫や母上の妹さんの≪カーレン・ビョルスタ≫の絵も。そして春の陽射しと亡骸を対比させた≪死と春≫に、まるで児童書の絵のような≪死せる母とその子≫、なんともいえない表情の≪臨終の床≫、さらには早逝した姉ソフィエを描いた≪病める子≫≪病める子I≫は市が近い少女の哀しい美しさがあって。

家族の肖像の他、社交で出逢った人物たちもムンクは描いていて。≪クリスチャニアのボヘミアンたちII≫・≪ハンス・イェーゲルI≫・≪アウグスト・ストリンドベリ≫・≪ステファヌ・マラルメ≫・≪グラン・カフェのヘンリック・イプセン≫なども。ムンクも魅了されたヴァイオリニスタ≪ブローチ、エヴァ・ムドッチ≫の緑の黒髪はまるでオーラのように波打っていました。

第三部は『夏の夜』。ムンクが度々訪れた人妻との初恋の想い出の地、オースゴールストランの光景を中心に。

妹を描いた≪夏の夜、渚のインゲル≫の明るさ。一方で紫に光景を染め上げる男の憂鬱を描いた≪メランコリー≫とそのシリーズ的な≪渚の青年たち(リンデ・フリーズ)≫、この地特有の丸みを帯びた岩が白い女性たちとの透明な効果を生んでいる≪夏の夜、人魚≫、女性の服の色での比喩表現な≪赤と白≫。

そして≪夏の夜、声≫はこの展覧会全体を通しても異色な、何か禍々しい古代さを感じる様なシャーマニックな画。≪星空の下で≫もどこか魔女のような存在が女性を抱きしめる図。

≪浜辺にいる二人の女≫、≪二人、孤独な人たち≫、≪神秘の浜辺≫、≪浜辺を背にした女の顔≫、≪渚の若い女≫という渚での光景を描いた作品群は組み合わされて配置され展示されていて。

そして…いよいよ≪叫び≫。これは『生命のフリーズ』シリーズの一環で、フリーズとは建築の装飾のこと。空と山、湖がうねり、ぐねり、その大自然の叫びに射抜かれた人物もぐねっている。ベルリンでのムンク展打ち切りの衝撃もあって彼がみた心象風景が描かれた作品ですが、実際に北欧では真珠母雲という自然現象があるそうです。叫びは現在4枚あり、この作品は1910年に描かれた黒目のないテンペラ・油彩のもの。

≪叫び≫の横には≪不安≫≪絶望≫が展示されていて。うねる空が共有されていました。

ムンクは同じ主題で何枚も絵画を制作していて、≪マドンナ≫もその一つ。ダグニー・ユールの肢体を描いた美しく怪しい魅力を持つ女性画ですが、特に精子を枠にあしらった色味のあるVerはこの展覧会一好きでした。

また≪接吻≫シリーズも幾枚も描かれて。最初ホテルの一室でカーテン越しの外の景色もみえながらのキスだったのが≪月明かり、浜辺の接吻≫では水辺で、そして油彩≪接吻≫では一つに融け合って。≪接吻IV≫では一体の図像に。銅版も展示されていました。

≪吸血鬼≫シリーズも幾枚も掛かれたモチーフ。どこかアマゾンを感じさせる赤髪の女性が首筋にかみついている図。版木や≪石板(マドンナ、吸血鬼II)≫というマテリアルも展示されていました。

ムンクは男女の愛憎も描きました。≪嫉妬≫で描かれる男の虚無な表情、≪「可愛い娘のところへ」≫の風俗嬢?の情愛な表情、≪クピドとプシュケ≫そしてトゥラ・ラーセンとの痴情のもつれから銃により指を失う様を描いた≪マラーの死≫の壮絶なタッチ。≪すすり泣く裸婦≫の淫靡さ。

そして≪芸術家とモデル≫で描かれる女性の格好よさは非常に現代的に感じて。≪灰≫ではキリスト教で罪を顕わすとされる赤毛の女が描かれ、≪生命のダンス≫では服の色で恋愛の状況を表して。

ベルリン分離派展からムンクは人気が出て肖像画の仕事が増えます。けれどアルコールで精神を崩し、精神科へ。これらの時期に描かれた肖像画も展示してありました。

妹から依頼を受け死後に描いた≪フリードリヒ・ニーチェ≫は≪叫び≫のような背景。妹さんの≪エリーザベト・フェルスター=ニーチェ≫の画もありました。かかっていた医師の≪ダニエル・ヤコブソン≫は立派に描かれながらも脚がキリスト教で悪いとされている馬の脚で。≪緑色の服を着たインゲボルグ≫はドレスと背景の緑が美しく、≪青いエプロンをつけた二人の少女≫は赤と青の服と帽子が可愛かった。

ムンクが画く北欧の光景も美しくて。≪並木道の新雪≫は妖しい美。≪黄色い丸太≫も色鮮やかで。≪疾走する馬≫の映像的な迫力!

≪太陽≫はクリスチャニア大学に飾る壁画の画で、フィヨルドに耀く光が顕わされて。≪真夏≫や≪水浴する岩の上の男たち≫も明るい楽しさが伝わってきました。

晩年ムンクは目を病み、そこから回復すると平面的で明るい画風へ変わっていきました。

≪二人、孤独な人たち≫≪浜辺にいる二人の女≫のどこかファンタジックな雰囲気の人物画。≪夜の彷徨者≫はストレンジャーと言った感じでかっこいい。≪星月夜≫はムンクの家の玄関からの景色だそうです。

≪狂った視覚≫の赤黒い塊は病から実際に見えていたもので、ムンクは抽象画は描かなかったそうです。≪庭のリンゴの樹≫はゴッホっぽい感じ。≪皿にのった鱈の頭と自画像≫も爽やかな色味で、≪東屋の傍の自画像≫には秋風も。そして≪自画像、時計とベッドの間≫はムンクが子供たちと読んだ彼の絵画たちに囲まれる晩年の姿が描かれていました。

もう十年以上前にみたムンク展では死の影が色濃い印象を強く持ったのですが、今回の展覧会では暗いだけでない、北欧の光がもたらしたムンクの絵画たちをみれたのが収穫でした。二回目の回顧展もまた新しい悦びがありますね。

by wavesll | 2018-12-26 05:26 | 展覧会 | Comments(0)

The Essential Duchampと日本美術@東博

≪自転車の車輪≫
c0002171_21000095.jpg
c0002171_21005062.jpg
≪ブランコのわきに立つ少年時代のマルセル・デュシャン、ブランヴィル≫
c0002171_21015123.jpg
≪ブランヴィルの庭と礼拝堂≫
c0002171_21022331.jpg
≪チェス・ゲーム≫
c0002171_21030210.jpg
≪叢≫
c0002171_21032990.jpg
≪ピアノを弾くマドレーヌ≫
c0002171_21040539.jpg
≪芸術家の父親の肖像≫
c0002171_21044965.jpg
≪ギュスターヴ・カンデルの母親の肖像≫
c0002171_21055224.jpg
≪ソナタ≫
c0002171_21061525.jpg
≪ぼろぼろにちぎれたイヴォンヌとマドレーヌ≫
c0002171_21075793.jpg
≪肖像(デュルシネア)≫
c0002171_21085092.jpg
≪マルセル・デュシャン、ジャック・ヴィヨン、レーモン・デュシャン=ヴィヨン、ピュトーにて≫
c0002171_21094620.jpg
≪チェス・プレイヤーの肖像≫
c0002171_21104267.jpg
≪急速な裸体たちに横切られるキングとクイーン≫
c0002171_21131144.jpg
≪階段を降りる裸体 No.2≫
c0002171_21134923.jpg
≪花嫁≫
c0002171_21142986.jpg
≪マルセル・デュシャンの肖像≫
c0002171_21151898.jpg
≪チョコレート磨砕器 No.2≫
c0002171_21161526.jpg
≪チョコレート磨砕器 No.1≫
c0002171_21165605.jpg
≪彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(大ガラス)東京版≫
c0002171_21193567.jpg
≪瓶乾燥機≫
c0002171_21212689.jpg
c0002171_21215805.jpg
≪The≫
c0002171_21222843.jpg
≪ファニア(横顔)≫
c0002171_21230554.jpg
R.マット≪泉≫、『ザ・ブラインド・マン』第1号、第2号
c0002171_21245068.jpg
c0002171_23154886.jpg
≪泉≫
c0002171_21253210.jpg
c0002171_21283744.jpg
c0002171_21284845.jpg
c0002171_21290405.jpg
c0002171_21291566.jpg
≪秘めた音で≫
c0002171_21295957.jpg
≪『391』第12号≫
c0002171_21303526.jpg
≪94-96≫
c0002171_21312660.jpg
≪マルセル・デュシャンあるいはローズ・セラヴィの、または、による(トランクの中の箱)≫
c0002171_21323609.jpg
c0002171_21325725.jpg
≪彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(グリーン・ボックス)≫
c0002171_21340691.jpg
≪ポートレート No.29(二重露光:顔正面と横顔)≫
c0002171_21354056.jpg
≪泉≫のレプリカの横に座るデュシャン
c0002171_21362429.jpg
「ダダ1916-1923」
c0002171_21365315.jpg
11丁目のアトリエにある≪遺作≫
c0002171_21384624.jpg
≪≪遺作≫のための扉のわきに立つティニー・デュシャン、ラ・ピスパル・デンポルダまたはその付近にて≫・≪煉瓦のはめ込まれたアーチ、カダケスにて≫
c0002171_21395986.jpg
≪ドン・ペリニヨンの箱≫
c0002171_21403049.jpg
c0002171_21410230.jpg
≪風景(≪遺作≫のための習作)≫
c0002171_21415047.jpg
本阿弥光悦≪舟橋蒔絵硯箱≫
c0002171_21422345.jpg
伝千利休 ≪竹一重切花入 銘 園城寺≫
c0002171_21432111.jpg
俵屋宗達≪龍図≫
c0002171_21435116.jpg
下村観山≪白狐≫
c0002171_21472139.jpg
下村観山≪修羅道絵巻≫
c0002171_21480773.jpg
c0002171_21482131.jpg
川村清雄≪形見の直垂(虫干)≫
c0002171_21491943.jpg
歌川国貞(三代豊国)≪忠臣蔵焼香ノ図≫
c0002171_21501326.jpg
歌川国芳≪化物忠臣蔵≫
c0002171_21511513.jpg
c0002171_21510224.jpg

c0002171_21513579.jpg
c0002171_21523443.jpg
c0002171_21524879.jpg
c0002171_21530039.jpg
勝川春英≪仮名手本忠臣蔵・三段目≫
c0002171_21540983.jpg
歌川広重≪名所江戸百景・深川木場≫
c0002171_21550366.jpg
歌川広重≪名所江戸百景・深川洲崎十万坪≫
c0002171_21555297.jpg
歌川広重≪名所江戸百景・芝うらの風景≫
c0002171_21563089.jpg
歌川広重≪名所江戸百景・目黒太鼓橋夕日の岡≫
c0002171_21575281.jpg
歌川広重≪名所江戸百景・高田姿見のはし俤の橋砂利場≫
c0002171_21592069.jpg
歌川広重≪名所江戸百景・王子装束ゑの木大晦日の狐火≫
c0002171_22003471.jpg
≪小袖 紫山繭縮緬地縦縞模様 菊伊達紋付≫
c0002171_22013875.jpg
≪伝源頼朝坐像≫
c0002171_22023235.jpg
≪愛染明王像≫
c0002171_22025782.jpg
≪火天・水天像≫
c0002171_22033829.jpg
≪法華経 方便品(竹生島経)≫
c0002171_22063041.jpg
≪和漢朗詠集 巻下(益田本)≫
c0002171_22073868.jpg
≪交趾石榴香合≫
c0002171_22081547.jpg
千利休≪書状≫
c0002171_22100696.jpg
≪古銅象耳花入 銘 秋月≫
c0002171_22111220.jpg
≪耳付水指 銘 龍田川≫
c0002171_22120434.jpg
≪藤四方炭斗≫
c0002171_22125619.jpg
≪筋釜≫
c0002171_22131984.jpg
≪大井戸茶碗 有楽井戸≫
c0002171_22192098.jpg
c0002171_22171662.jpg
森田亀太郎 ≪三好長慶像(模本)≫
c0002171_22204572.jpg
≪火事羽織≫
c0002171_22213932.jpg
≪銹絵染付芦白鷲文徳利≫
c0002171_22230718.jpg
≪銹絵染付龍田川図銚子≫
c0002171_22251540.jpg
≪虫豸帖 秋≫
c0002171_22263990.jpg
板谷柱舟 ≪草花図≫
c0002171_22274916.jpg
春木南湖 ≪秋涛奇観図≫
c0002171_22284227.jpg
角倉素庵 ≪隆達節断簡≫
c0002171_22300926.jpg
本阿弥光悦 ≪金銀泥絵歌巻物≫
c0002171_22311454.jpg
≪小忌衣 浅葱天鵞絨地菊水模様≫
c0002171_22323036.jpg
≪羽織 白呉絽地龍波濤模様≫ ≪着付 白呉絽地龍波濤模様≫
c0002171_22343141.jpg
≪小袖 黒綸子地波鴛鴦模様≫
c0002171_22354296.jpg
≪振袖 白綸子地蛇籠晒布模様≫
c0002171_22390397.jpg
≪小袖 納戸縮緬地草花模様≫
c0002171_22394267.jpg
≪菩薩立像≫
c0002171_22401492.jpg
≪菩薩立像≫
c0002171_22403632.jpg
≪十一面観音菩薩立像≫
c0002171_22411627.jpg
≪広目天(四天王立像のうち)≫
c0002171_22414802.jpg
≪愛染明王坐像≫
c0002171_22422272.jpg
c0002171_22423450.jpg
≪阿弥陀如来立像≫
c0002171_22431308.jpg
≪瓜蒔絵角赤手箱≫
c0002171_22434321.jpg
≪虫籠蒔絵菓子器≫
c0002171_22452874.jpg
≪金銅種子華蔓≫
c0002171_22461238.jpg
≪太刀 伯耆安綱(名物 童子切安綱)≫
c0002171_22482476.jpg
≪大翳≫
c0002171_22490727.jpg
樺太アイヌ・北海道アイヌ≪煙草入≫
c0002171_22495454.jpg
東博にてマルセル・デュシャンと日本美術展をみてきました。
これはフィラデルフィア美術館が企画した「The Essential Duchamp」という国際巡回企画展と東博の所蔵品を組み合わせた展示。

十年ほど前に横浜美術館でデュシャン展をみていて、そのせいか今回インパクトがそこまででもなかった感はあります。回顧展2周目というのは難しいですね。

それでも、初期の印象派~セザンヌっぽい画風からキュビズムへ進み、さらにはキュビズムで時の経過を描くという形からキュビズムを抜けてモノそのものを配置する画からの≪大ガラス≫そしてレディメイドへ抜けていく流れには”おぉおお!”となりました。

ただそこからデュシャンのアートがかなり言語的な冒険になっていき、さらに反アウラな方向へ行くことで、ちょっと理解しきれないというかノリきれないようになっていって。

それでも一番の収穫はデュシャンが晩年20年かけてつくったという≪遺作≫という作品があることをしてたこと。覗き部屋のようなインスタレーション作品で、フィラデルフィアに行ける機会があれば是非行きたいと思った次第でした。

またTwitterとかで感想を読み漁っていた時に「テクスチャーやマチエールをきちんと鑑賞に堪えうるレベルまで引き上げているのが流石」というようなコメントを読んで”あぁそれは落合陽一展をみた時に俺が想ったことだったなぁ”と。言論強者という側面を強く感じる人ですが、確かにこの視覚的な格好良さは凄いと思いました。

日本美術パートは宗達や光悦など国宝をはじめとした錚々たる品々なのですが完全に蛇足で、特別展の会場自体も普段の1/2の規模でちょっとテンションが落ちたのですが、そこから常設展へ行くと、大井戸茶碗や名所江戸百景に下村観山、そして仏像たち等の素晴らしい展示があり精神が高揚、ここがやっぱり東博の層の厚さだなぁと。

デュシャン展は今週末まで。十年前のデュシャン展をみていない、またはデュシャン初期の絵画作品からの進化の変遷に興味がある方にはお薦めの展示でした。

by wavesll | 2018-12-07 22:50 | 展覧会 | Comments(0)

創画展2018@東京都美術館 and 藝大コレクション展2018@藝大美術館

ムンク展で賑わう東京都美術館にて第45回 創画展を観てきました。現代日本画の透明なレイヤーの作品群に逆に厚く濃く塗った作品群、様々なモチーフが凝らされ、量も多く中々面白くて。

髙橋瑞希さんの≪累々縷々≫は透明と実体、2つのハイブリッドという感覚が目を引いて。熱情が固まって記憶の地層になるコンセプトと聴いて腑に落ちたというか、まさにマグマのどろどろとした情感が顕わされていたなぁと良かったです。

他に気になった画家さん達の名前も挙げておきます。

安達絵美さん、安藤克也さん、大西琢巳さん、加藤覚さん、加藤丈史さん、河井幸子さん、木村英史さん、黒住拓さん、毛塚信子さん、澤田麻実さん、重政啓治さん、須惠朋子さん、諏訪温子さん、田口涼一さん、武田州左さん、澤田一江さん、永田薫さん、成瀬今日子さん、広岡真彩彦さん、藤田志朗さん、程塚敏明さん、真鍋修さん、三木登さん、水野文恵さん、三橋卓さん、宮いつきさん、宮島弘道さん、室井佳世さん、室木絵里子さん、吉川弘さん、吉田真子さん、吉田幸紘さん、米蒸千穂さん。素敵な作品をありがとうございました。

その足で藝大コレクション展2018へ行きました。
c0002171_02121837.jpg
御目当ては日曜美術館でも取り上げられた久保克彦≪図案対象≫。(日美の当該放送を詳しく記述しているページがありました)

日曜美術館というと自分の中では”生で観るより美しく撮る”ことで有名ですが、日美でみるより生でみたほうが油絵の具が“美味しそう”な艶があって。戦争画でありながら花や踊り子、リリエンタールなどがコラージュされ、卓越したデザイン性も相まり、1942年作ながらプログレ名盤のジャケみたいな先進性。こんな頭抜けた画家が戦争で命を奪われたのは哀しい限りです。

他にも鳳凰がすっくと立つ曾我蕭白≪群仙図屏風≫、竜が音楽に呼び起される小堀鞆音≪経政竹生島≫、痩せた軍鶏がほわっとしてる西村五雲≪日照雨≫、クロテナガザルが好い顔してる橋本関雪≪玄猿≫、日本の古代の服装の女性が描かれた油彩・和田英作≪野遊び≫に古代日本の神様がギリシャ神話のように描かれる五味清吉≪大国主命と八上姫≫に大猿王を思わせる沼田一雅≪猿≫にライオン等のレリーフの≪石膏標本≫、高橋由一≪鮭≫も。≪千種之間天井綴下図≫は手鞠鮨のように丸く草花があしらわれ美しかったです。

秋の日に美術逍遥、両方さくっとみれるので、上野の他の展覧会と組み合わせてみることなんかも好しかもしれません◎

by wavesll | 2018-10-28 02:51 | 展覧会 | Comments(0)

国立科学博物館常設の地球館&日本館がドチャクソ楽しスゴかった!

c0002171_20483435.jpg
c0002171_20484644.jpg
c0002171_20485794.jpg
c0002171_20490821.jpg
c0002171_20492560.jpg
c0002171_20493692.jpg
c0002171_20494927.jpg
c0002171_20500081.jpg
c0002171_20502104.jpg
c0002171_20503379.jpg
c0002171_20504511.jpg
c0002171_20505724.jpg
c0002171_20511564.jpg
c0002171_20512670.jpg
c0002171_20513740.jpg
c0002171_20514863.jpg
c0002171_20521070.jpg
c0002171_20522486.jpg
c0002171_20523542.jpg
c0002171_20524621.jpg
c0002171_20530693.jpg
c0002171_20531794.jpg
c0002171_20532996.jpg
c0002171_20534115.jpg
c0002171_20540368.jpg
c0002171_20541574.jpg
c0002171_20542779.jpg
c0002171_20543929.jpg
c0002171_20550018.jpg
c0002171_20551370.jpg
c0002171_20552574.jpg
c0002171_20553810.jpg
c0002171_20555746.jpg
c0002171_20560917.jpg
c0002171_20562145.jpg
c0002171_20563407.jpg
c0002171_20565577.jpg
c0002171_20570719.jpg
c0002171_20572088.jpg
c0002171_20573183.jpg
c0002171_20574553.jpg
c0002171_20575731.jpg
c0002171_20580994.jpg
c0002171_20582182.jpg
c0002171_20583664.jpg
c0002171_20584769.jpg
c0002171_20585912.jpg
c0002171_20593567.jpg
c0002171_21005004.jpg
c0002171_21010468.jpg
c0002171_21011763.jpg
c0002171_21012902.jpg
c0002171_21014999.jpg
c0002171_21020264.jpg
c0002171_21021591.jpg
c0002171_21023036.jpg
c0002171_21025317.jpg
c0002171_21030567.jpg
c0002171_21031877.jpg
c0002171_21033000.jpg
c0002171_21035010.jpg
c0002171_21040283.jpg
c0002171_21041385.jpg
c0002171_21043109.jpg
c0002171_21045089.jpg
c0002171_21050130.jpg
c0002171_21051421.jpg
c0002171_21052705.jpg
c0002171_21055030.jpg
c0002171_21060342.jpg
c0002171_21061764.jpg
c0002171_21063263.jpg
c0002171_21065072.jpg
c0002171_21070212.jpg
c0002171_21071677.jpg
c0002171_21072805.jpg
c0002171_21075024.jpg
c0002171_21080250.jpg
c0002171_21081528.jpg
c0002171_21082683.jpg
c0002171_21084618.jpg
c0002171_21090036.jpg
c0002171_21091299.jpg
c0002171_21092353.jpg
c0002171_21094183.jpg
c0002171_21095457.jpg
特別展「昆虫」をみた前後に科博の常設展である地球館と日本館もみたのですが、これがすんばらしいクオリティの展示で◎!上野の国立美術・博物館のコレクション展としても最上位のスゴさでは!?

恐竜もバンバンあるし、重文の和時計なんかも!感心したのが技術発展を展示するブース。個人的にEテレ辺りで今身近にある電子レンジやエアコン、TVなんかの技術から逆算する形で物理や数学をエデュテイメントする番組をやったらいいなと想っていたのですが、この展示を膨らまして行ったら1クール2クールいけるレベルじゃないかと◎!やーばい☆

また標本では忠犬ハチ公がいたのも印象的でしたが、初めて知ったのは沖縄県で見つかったという港川人の存在。縄文よりさらに前の2万年以上前の日本に住んでいたヒト。こんな存在があったとは。縄文展のさらに果てに在る世界が科博にありました。

一度じゃとてもじゃないけれど咀嚼できない凄さ。屋上にはハーブガーデンが在ったり、江戸時代の女性の木乃伊があったりill過ぎる展示にわくわくが止まりませんでした。

by wavesll | 2018-10-16 21:10 | 展覧会 | Comments(0)

特別展「昆虫」@科博にて翠虹の蛾や蟻との共生生物などに魅了される

c0002171_22432252.jpg
科博の昆虫展にラス日に滑り込み、夥しいインセクト達を写真にぱしゃりしてきました。今回は数多の画像でフォトレポートです。上のはベストバタフライだったニシキオオツバメガ。生物的には蝶と蛾の違いってないらしいです。
c0002171_20353779.jpg
c0002171_20392790.jpg
c0002171_20394529.jpg
c0002171_20400035.jpg
c0002171_20401860.jpg
c0002171_20403451.jpg
c0002171_20405775.jpg
c0002171_20411590.jpg
c0002171_20415879.jpg
c0002171_20421281.jpg
c0002171_20422945.jpg
c0002171_20424521.jpg
c0002171_20430188.jpg
c0002171_20432098.jpg
c0002171_20433620.jpg
c0002171_20435376.jpg
c0002171_20440900.jpg
c0002171_20442720.jpg
c0002171_20444539.jpg
c0002171_20450267.jpg
c0002171_20451959.jpg
c0002171_20453683.jpg
c0002171_20455489.jpg
c0002171_20461318.jpg
c0002171_20463198.jpg
c0002171_20464852.jpg
c0002171_20470377.jpg
c0002171_20472031.jpg
c0002171_20473898.jpg
c0002171_20475626.jpg
c0002171_20481214.jpg
c0002171_20482910.jpg
c0002171_20484619.jpg
c0002171_20490255.jpg
c0002171_20492278.jpg
c0002171_20494186.jpg
c0002171_20495721.jpg
c0002171_20501510.jpg
c0002171_20503270.jpg
c0002171_20504844.jpg
c0002171_20510558.jpg
c0002171_20512044.jpg
c0002171_20513585.jpg
c0002171_20515440.jpg
c0002171_20521361.jpg
c0002171_20523082.jpg
c0002171_20524680.jpg
c0002171_20530827.jpg
c0002171_20532291.jpg
c0002171_20534198.jpg
c0002171_20535716.jpg
c0002171_20541807.jpg
c0002171_20543330.jpg
c0002171_20545024.jpg
c0002171_20550766.jpg
c0002171_20555593.jpg
c0002171_20561054.jpg
c0002171_20562855.jpg
c0002171_20552534.jpg
c0002171_21023373.jpg
c0002171_21030958.jpg
c0002171_21032535.jpg
c0002171_20574311.jpg
c0002171_20575500.jpg
c0002171_20580732.jpg
c0002171_20582657.jpg
c0002171_20583833.jpg
c0002171_20585397.jpg
c0002171_20590675.jpg
c0002171_20592658.jpg
c0002171_20593814.jpg
c0002171_20595071.jpg
c0002171_21000283.jpg
c0002171_21002124.jpg
c0002171_21003238.jpg
c0002171_21004308.jpg
c0002171_21005435.jpg
c0002171_21011592.jpg
c0002171_21015943.jpg
c0002171_21035789.jpg
c0002171_21041371.jpg
c0002171_21042832.jpg
c0002171_21045607.jpg
c0002171_21051529.jpg
c0002171_21052874.jpg
c0002171_21054340.jpg
c0002171_21055523.jpg
c0002171_21061370.jpg
c0002171_21121779.jpg
c0002171_21123914.jpg
c0002171_20345526.jpg
c0002171_21062582.jpg
c0002171_21063771.jpg
c0002171_21131079.jpg
c0002171_21132447.jpg
c0002171_21134462.jpg
c0002171_21135606.jpg
c0002171_21141424.jpg
c0002171_21065188.jpg
c0002171_21070912.jpg
c0002171_21072142.jpg
c0002171_21073825.jpg
c0002171_21150099.jpg
c0002171_21075150.jpg
c0002171_21081157.jpg
c0002171_21082409.jpg
c0002171_21083733.jpg
c0002171_21084969.jpg
c0002171_21090922.jpg
c0002171_21092255.jpg
c0002171_21093400.jpg
c0002171_21094590.jpg
c0002171_21100558.jpg
c0002171_21101625.jpg
c0002171_21102932.jpg
c0002171_21104256.jpg
c0002171_21110219.jpg
c0002171_21111419.jpg
c0002171_21112844.jpg
c0002171_21152488.jpg
c0002171_21153592.jpg
c0002171_21154749.jpg
c0002171_21155824.jpg
c0002171_21161707.jpg
c0002171_21163068.jpg
c0002171_21164785.jpg
c0002171_21165898.jpg
c0002171_21171742.jpg
c0002171_21173061.jpg
c0002171_21174232.jpg
c0002171_21175469.jpg
c0002171_21181570.jpg
c0002171_21182776.jpg
c0002171_21183996.jpg
c0002171_21185254.jpg
c0002171_21202862.jpg
c0002171_21204073.jpg
c0002171_21205426.jpg
c0002171_21211073.jpg
c0002171_21213175.jpg
c0002171_21214595.jpg
c0002171_21221335.jpg
c0002171_21222549.jpg
c0002171_21224402.jpg
c0002171_21225765.jpg
c0002171_21230853.jpg
c0002171_21231901.jpg
c0002171_21233342.jpg
c0002171_21234572.jpg
c0002171_21240680.jpg
c0002171_21243000.jpg
c0002171_21244984.jpg
c0002171_21250740.jpg
c0002171_21253073.jpg
c0002171_21261897.jpg
c0002171_21264231.jpg
c0002171_21265691.jpg
c0002171_21271092.jpg
c0002171_21273459.jpg
c0002171_21274737.jpg
c0002171_21280288.jpg
c0002171_21281782.jpg
c0002171_21283982.jpg
c0002171_21285211.jpg
c0002171_21290574.jpg
c0002171_21291896.jpg
c0002171_21293986.jpg
c0002171_21295496.jpg
c0002171_21300627.jpg
c0002171_21301880.jpg
c0002171_21304003.jpg
c0002171_21305293.jpg
c0002171_21310368.jpg
c0002171_21311509.jpg
c0002171_21313537.jpg
c0002171_21314789.jpg
c0002171_21320179.jpg
c0002171_21321376.jpg
c0002171_21323425.jpg
c0002171_21324607.jpg
c0002171_21330525.jpg
c0002171_21333637.jpg
c0002171_21342010.jpg
c0002171_21345165.jpg
c0002171_21352175.jpg
c0002171_21355034.jpg
c0002171_21363889.jpg
c0002171_21370971.jpg
c0002171_21373978.jpg
c0002171_21380878.jpg
c0002171_21384547.jpg
c0002171_21385719.jpg
c0002171_21391045.jpg
c0002171_21392319.jpg
c0002171_21394465.jpg
c0002171_21395652.jpg
c0002171_21400879.jpg
c0002171_21402098.jpg
c0002171_21403858.jpg
c0002171_21405089.jpg
c0002171_21410106.jpg
c0002171_21411238.jpg
c0002171_21413381.jpg
c0002171_21414580.jpg
c0002171_21421425.jpg
c0002171_21422727.jpg
c0002171_21424722.jpg
c0002171_21430013.jpg
c0002171_21431388.jpg
c0002171_21432532.jpg
c0002171_21434807.jpg
c0002171_21440085.jpg
c0002171_21441551.jpg
c0002171_21442721.jpg
c0002171_21444975.jpg
c0002171_21450255.jpg
c0002171_21451405.jpg
c0002171_21452668.jpg
c0002171_21454623.jpg
c0002171_21455906.jpg
c0002171_21461352.jpg
c0002171_21462570.jpg
c0002171_21464432.jpg
c0002171_21465570.jpg
c0002171_21471143.jpg
c0002171_21472489.jpg
c0002171_21474551.jpg
c0002171_21475829.jpg
c0002171_21480906.jpg
c0002171_21482028.jpg
c0002171_21484036.jpg
c0002171_21485154.jpg
c0002171_21490678.jpg
やー、改めて見ると腐海のようになってしもうたw 写真も緩い、流れの中でも綺麗に撮れるように技を磨きたいw

昆虫は甲殻類に近いだとか、クロアリはハチの仲間だけどシロアリはゴキブリの仲間だとか、標本を視るだけでなく昆虫のメカニズムがとてもわかる展覧会にわくわくさせられて。

そして会場は親子連れの海!お子様達のパワーに驚くと共に、親と子という関係性が人を大人にさせるのかもなぁなんて想ったり。

人間という生物が共同生活を行う上で、僅かな差異がその人の独自性としてロールを形づくり、それが多重フィードバックして人格をつくるというか。人間とはよく言ったもので、人の間で人間なんだなぁと。

自分は様々な集団に属して、最初に思い描いていた方向はトップに立てないから他との搦手で歩んできたところが大きいなぁと。それでもWebに何かを書くこと自体はもう十年以上やっているから、本当に性に合っているのでしょうね。一種のベルーフなのやも。

お土産コーナーのジャポニカ学習帳パロまで十二分に愉しませてくれた昆虫展。 図らずも人の生態についても考えさせられた特異な体験となりました。

by wavesll | 2018-10-09 21:49 | 展覧会 | Comments(0)

世界を変えた書物展@上野の森美術館

c0002171_04450744.jpg
世界を変えた書物展を上野の森美術館でみてきました。金沢工業大学の素晴らしい蔵書たち。理工学系の名著をたっぷりみれました。

現代社会を織り成す技術がどう生まれてきた歴史が書物の流れから立ち上がって。

様々な単位のネーミング元になった科学者たちの存在や、「cell」「electric」「radio active」の始まりも知れ。

自然科学の教養なくしては文化もありえないというか、“世界/環境”が人間の内面にも大きく作用したように想いました。智の山脈がこんなにも広がって、今は航空機からみるだけだけど、いつか足で踏破してみたい。

撮影もフリーだったためパシャリとやってきました。全部の本ではないので是非来場に。入場無料です。24日まで。

アルベルト・アインシュタイン『自筆研究ノート』
c0002171_04501777.jpg
ジョバンニ・バッティスタ・ビラネージ『古代ローマの廃墟及び構造物景観』
c0002171_04505443.jpg
パウル・デッカー『王侯の建築家、あるいは民生建築』
c0002171_04515446.jpg
アレクサンダー・グラハム・ベル『自筆書簡』
c0002171_04573408.jpg
ウィリアム・チェンバース『民生建築論』
c0002171_04580587.jpg
クロード=ニコラ・ルドゥー『芸術、風俗、法則との関係の下に考察された建築、第一巻』
c0002171_05505123.jpg
カストール・ギマール『カステル・ベランジエ』
c0002171_04582340.jpg
シカゴ・トリビューン社『シカゴ・トリビューン新社屋競技設計作品集』
c0002171_04585035.jpg
ウィトルウィリス『ラテン語より俗語に翻訳された十巻の建築書』
c0002171_04591036.jpg
c0002171_04593609.jpg
アルビレヒト・デューラー『人体比例論四書』
c0002171_04595700.jpg
トーマス・オールヴァ・エディソン『自筆指示メモランダム』
c0002171_05002868.jpg
ヨーハン・ベルンハルト・フィッシャー・フォン・エルラッハ『歴史的建築』
c0002171_05005018.jpg
オーヴィル・ライト『米国航空協会競技認可証自筆署名』
c0002171_05011715.jpg
ジェィムズ・スチュアート, ニコラス・レヴェット『古代アテネ』
c0002171_05013954.jpg
マリー・スクウォドフスカ・キュリー『自筆署名』
c0002171_05113679.jpg
ジャコモ・バロッツィ・ダ・ヴィニョーラ『建築の五種のオーダーの規則』
c0002171_05120443.jpg
アリストテレス『ギリシア語による著作集』
c0002171_05124532.jpg
イシドールス『語源学』
c0002171_05130561.jpg
アルキメデス『四辺形, 円の求積法』
c0002171_05141630.jpg
ヨルダヌス・ネモラリウス『算術十書』
c0002171_05140441.jpg
ヨハネス・ケプラー『新天文学』
c0002171_05145971.jpg
ヨハネス・ケプラー『世界の調和』
c0002171_05151945.jpg
アイザック・ニュートン『自然哲学の数学的原理』
c0002171_05154427.jpg
エウクレイデス(=ユークリッド)『原論(幾何学原本)』
c0002171_05160523.jpg
ポエティウス『算術』
c0002171_05163288.jpg
アポロニウス『卓越する数学者の全集』
c0002171_05165356.jpg
アルキメデス『哲学及び幾何学の卓越せる全集』
c0002171_05172079.jpg
レギオモンタヌス『アルマゲスト(偉大なるプトレマイオス)』
c0002171_05174175.jpg
ニコラス・コペルニクス『天球の回転について』
c0002171_05180713.jpg
ガリレオ・ガリレイ『星界の報告』
c0002171_05182941.jpg
ガリレオ・ガリレイ『世界二大体系についての対話』
c0002171_05185711.jpg
ジロラモ・カルダーノ『代数学についての大技術』
c0002171_05192475.jpg
ジョン・ネーピア『驚くべき対数法則の記述』
c0002171_05194681.jpg
ゴットフリート・ウィルヘルム・ライプニッツ『極大と極小に関する新しい方法』
c0002171_05201406.jpg
レオンハルト・オイラー『無限解析入門』
c0002171_05203571.jpg
ルネ・デカルト『方法序説』
c0002171_05210052.jpg
ヨルダヌス・ネモラリウス『タルターリアの研究によって正された重さについての書』
c0002171_05212185.jpg
タルターリア『新科学』
c0002171_05222746.jpg
シモン・ステヴィン『つり合いの原理』
c0002171_05225381.jpg
クリスティアン・ホイヘンス『振子時計』
c0002171_05234081.jpg
ガリレオ・ガリレイ『新化学対話』
c0002171_05240347.jpg
ヨハネス・ケプラー『天文学の光学的部分を扱うウィテロへの補遺』
c0002171_05243276.jpg
ロバート・フック『微細物誌』
c0002171_05245782.jpg
アイザック・ニュートン『光学反射, 屈折, 光の伝播と色について』
c0002171_05252743.jpg
トーマスヤング『色と光の理論について』『自然哲学及び機械技術に関する講義』
c0002171_05254631.jpg
ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ『色彩論』
c0002171_05264238.jpg
フォジャ・ド・サンフォン『モンゴルフィエ京大の気球体験記』
c0002171_05270254.jpg
ダニエル・ベルヌーイ『流体力学』
c0002171_05524136.jpg
オットー・リリエンタール『飛行術の基礎となる鳥の飛翔』
c0002171_05273532.jpg
ウィルバー・ライト『航空実験』
c0002171_05275582.jpg
ロバート・H・ゴダート『液体燃料推進ロケットの開発』
c0002171_05282298.jpg
ヒエロニムス・ブルンシュヴィヒ『真正蒸留法』
c0002171_05284464.jpg
ゲオルギウス・アグリコラ『金属について(デ・レ・メタリカ)』
c0002171_05553455.jpg
ジァンバッティスタ・デッラ・ボルタ『蒸留法九書』
c0002171_05291498.jpg
アントワヌ・ラヴォアジェ『化学要論』
c0002171_05293459.jpg
ロバート・ボイル『懐疑的化学者』
c0002171_05313953.jpg
オットー・フォン・ゲーリケ『真空についての(いわゆる)マグデブルグの新実験』
c0002171_05320183.jpg
ベンジャミン・フランクリン『フィラデルフィアにおける電気に関する実験と観察』
c0002171_05323034.jpg
ジャン・テニエ『磁石の本性とその効果の価値について』
c0002171_05325052.jpg
ウィリアム・ギルバート『磁石及び磁性体ならびに大磁石としての地球の生理学』
c0002171_05331526.jpg
マイケル・ファラデー『電気の実験的研究 第I、II、III巻』
c0002171_05333304.jpg
トーマス・オールヴァ・エディソン『ダイナモ発電機・特許説明書, 特許番号 NO.297, 587 合衆国特許局』
c0002171_05335800.jpg
アレッサンドロ・ヴォルタ『異種の導体の単なる接触により起る電気』
c0002171_05341815.jpg
アンドレー・マリー・アンペール『二種の電流の相互作用』
c0002171_05344538.jpg
ゲオルグ・ジーモン・オーム『数学的に取り扱ったガルヴァーニ電池』
c0002171_05350410.jpg
アレクサンダー・グラハム・ベル『電話の研究』
c0002171_05353046.jpg
ハインリヒ・ルドルフ・ヘルツ『非常に速い電気的振動について』
c0002171_05355102.jpg
ルネ・デカルト『哲学の原理』
c0002171_05361668.jpg
ヘンドリック・ローレンツ『運動物体の電気的、光学的現象に関する試論』
c0002171_05363595.jpg
ジェイムズ・クラーク・マクスウェル『電磁場の力学的理論』
c0002171_05370272.jpg
ヘンドリック・ローレンツ『マクスウェルの電磁気理論とその運動体への応用』
c0002171_05372268.jpg
ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン『新種の輻射線について』
c0002171_05374945.jpg
アントワヌ・アンリ・ベックレル『物質の新しい性質の研究』
c0002171_05381087.jpg
ピエール・キュリー, マリー・スクウォドフスカ・キュリー『ピッチブレンドの中に含まれている新種の放射線物質について』
c0002171_05383514.jpg
マリー・スクウォドフスカ・キュリー『放射性物質の研究』
c0002171_05385633.jpg
エルヴィン・シュレディンガー『波動力学についての四講』
c0002171_05393411.jpg
ロバート・A・ミリカン『電子、陽子、光子、中性子および宇宙線』
c0002171_05565395.jpg
湯川秀樹『素粒子の相互作用について』
c0002171_05400131.jpg
合衆国戦略爆撃調査団『広島、長崎に対する原子爆弾の効果』
c0002171_05403150.jpg
マックス・プランク『正規スペクトルのエネルギー分散則の理論』
c0002171_05405047.jpg
ニコライ・イヴァノーヴィッチ・ロバチェフスキー『幾何学の起源について、カザン帝国大学記要, 25号(1829), 27号及び28号(1830)所収』
c0002171_05412501.jpg
ゲオルグ・リーマン『幾何学の基礎にある仮説について』
c0002171_05414950.jpg
ヘルマン・ミンコウスキー『空間と時間』
c0002171_05421584.jpg
アルベルト・アインシュタイン『一般相対性理論の基礎』
c0002171_05424173.jpg
アルベルト・アインシュタイン『特殊相対性理論及び一般相対性理論』
c0002171_05430433.jpg
アルブマサル(アブ・マァシャル)『占星術』
c0002171_05435303.jpg
ガイウス・プリニウス=セクンドウス『博物誌三十七書』
c0002171_05443092.jpg
ジョルジョ・ヴァザーリ『最も優れた画家、彫刻家、建築家の生涯』
c0002171_05450586.jpg
ヨハネス・ヘヴェリウス『天文機械上巻』
c0002171_05452940.jpg
ブレーズ・パスカル『液体の平衡及び空気の質量の測定についての論述』
c0002171_05461147.jpg
セバスチャン・ル・プレストル・ド・ヴォーバン『要塞都市の攻撃と防御 第I、II巻』
c0002171_05465188.jpg
ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ『力の保存について』
c0002171_05473187.jpg
チャールズ・ダーウィン『種の起源』
c0002171_05475305.jpg
グレゴール・ヨハン・メンデル『植物=雑種についての研究』
c0002171_05481830.jpg
アレクサンダー・フレミング『アオカビ培養基(ペニシリウム)の抗菌作用』
c0002171_05483797.jpg
ジェームズ・ワトソン, フランシス・クリック『核酸の分子的構造』
c0002171_05490159.jpg
アメリカ合衆国航空宇宙局(NASA)『アポロ11号任務記録(月着陸交信記録)、月面への第一歩』
c0002171_05492046.jpg
c0002171_05494051.jpg

by wavesll | 2018-09-20 05:59 | 展覧会 | Comments(0)

ミケランジェロと理想の身体展@国立西洋美術館

c0002171_22331992.jpg
ミケランジェロと理想の身体展を西美でみてきました。

ミケランジェロの2体でやはり素晴らしかったけれど、古代ギリシアからのルネサンスの美意識という切り口では少し水増感も。

けれどヴィンチェンツォ《ラオコーン》の“この3次元の複雑味をよくぞ彫った!”感は凄かった。古代に創られた彫刻が掘り返されて再構築されて。異次元感が。

個人的ベストはミケランジェロの《若き洗礼者ヨハネ》でした。

会場に入ると1世紀前半の≪プットーのレリーフ≫が。有翼の童子であるプットーのぷっくり感が可愛らしくて。これはなかなかいい出だし。プットーでは≪プットーとガチョウ≫も可愛らしく、ルネサンスに描かれたアンドレア・デル・カスターニョ≪花網を伴う小プットー≫も。

ルネッサンスに大きな影響を与えた古代ローマでは幼児の彫刻が数多く作られ、≪蛇を絞め殺す幼児ヘラクレス≫も黒々とちっちゃくても力は金剛というファンタジックなブロンズ像で。

そしてニッコロ・ロッタリアータの工房で創られた≪6人の奏楽天使の群像≫も縦笛、ハープ、フルート、リュート、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴァイオリンを弾く天使たちの表情が生意気で好くて。天使だと≪弓を引くクピド≫も天に向けて空手で矢を放とうとする仕草をみせる天使が小鳥のような美しさがありました。

ルネサンスの時代に流行った立ち姿(コントラポスト)は≪アキレウスとケイロン≫にも現れていて。これと≪子どもたちを解放するテセウス≫と≪ヘラクレスとテレフォス≫はポンペイの壁画展に続きナポリ国立考古学博物館から来ていて。

また≪ガニュメデスの誘拐≫は宮川香山アンコール遺跡かというくらいに立体として浮き彫りされたレリーフで素晴らしかったです。

古来西洋では人物彫像に関して”顔の個人性”は重視されていなくて、寧ろそのタイプのイデアを追い求める形が多くて。そこから肖像画への機運が芽生えていって。その後の西洋美術の流れはビュールレコレクション展に詳しかったですね。

当時理想化された人物の頭部作品の中でイノベーションを起こしていたのがロッビアの人々で。アンドレア・デッラ・ロッビア≪理想的な若者の肖像(聖アンサヌス)≫や女性的に造られたジョバンニ・デッラ・ロッビア周辺≪バッカス≫等は施釉テラコッタという手法でツヤツヤした立体作品を行い、当時のカロス・カイ・アガトス(外見の美しさは内面の美を顕わす)という思想を体現していました。

また古代ローマとそれに影響を受けたルネッサンス期はアスリートや戦士の像も作られていて。そんな男性彫刻の中でアンドレア・デル・ヴェロッキオの追随者≪紋章を支える従者≫はキャプションで「ドアストップに使われていた」なんて書かれていて”マジかw”と。

ベーザロ窯、ジャコモ・ランフレンコ・ダッレ・ガビッチェ、父ジローラモの工房において≪ローマ史の一挿話が描かれた皿≫というマヨリカ陶器の皿も”当時こんな色彩世界だったのか”と面白かったです。

古代ローマ、そしてルネサンス期はギリシャ神話の神々・英雄たちをモチーフにした作品が多く作られました。

そんな中でもジョバンニ・アンジェロ・モントルソーリ≪ネプトゥヌス≫は顔がミケランジェロになっているという逸品。1世紀の≪ヒュプノス≫のこめかみから羽が生えるフォルムも楽しかったです。

またヘラクレイトスは人気のヒーローで。こん棒を持った壮年時代の≪座るヘラクレス≫もワル危なくていいし、ヘラクレスの十二の功業が描かれたオルトス≪アッティカ赤像式キュリクス、ヘラクレスとヒュドラ≫やクレオフラデスの画家≪アッティカ赤像式カルピス、ヘラクレスとネメアのライオン≫という色絵焼き物も好かった。

そして小さな彫像≪狩をするアレクサンドロス大王≫のかっこよさ!風にはためくマントも、青年の顔もなんたる格好良さ!失われてしまったブケファロスという馬も是非見てみたかったなぁ。

上のジョバンニ・デッラ・ロッビア周辺≪バッカス≫でも男性神が女性のように描かれましたが≪竪琴を弾くアポロン≫もたおやかに女性的で、中世的な優男に魅力を感じる美意識はこんな昔にもあったんだなぁと。

また次の流れにはロンバルディアの芸術家(?)≪ダヴィデとゴリアテ≫・≪ゴリアテの首を持つダヴィデ≫が。巨人ゴリアテを倒したヒーローであるダヴィデ。西洋美術は神話の物語線を知っているとより理解できるなぁ。

そしてこのアポロンとダヴィデの前振りからの今回の目玉、ミケランジェロ作品の登場!

ミケランジェロ・ブオナローティ≪ダヴィデ=アポロ≫はミケランジェロが後期に造ろうとして未完に終わった作品で、ダヴィデともアポロともどちらか判別付かないミステリーのある像。

そしてミケランジェロ・ブオナローティ≪若き洗礼者ヨハネ≫はスペイン内戦で破壊されるも、破片を基に修復されて、今展示となっています。再現部分は磁石でつくられていて、新たなオリジナル部品が見つかったら取り換えられるとのこと。8才ほどの少年が思慮深さを湛えていて、なによりオリジナル部分の目が素晴らしかったです。

同じフロアにはミケランジェロの若き洗礼者ヨハネはこれでは?という説も流れたというベネデット・ダ・ロヴェッツァーノ(ベネデット・グラッツィーニ)≪若き洗礼者ヨハネ≫も。賢しい感じの目はちょっとミケランジェロとは違う感じ。ただ衣服のテクスチュアがまた好かったです。

またミケランジェロ周辺の芸術家(ザッカリーア・ダ・ヴォルテッラ?)≪磔にされた罪人≫もキリストの磔刑時左右に共に張り付けられた善い罪人と悪い罪人の内、右に視線を向けているため善い罪人であるとされていて。ガラス製の十字架にかけられていた展示も好かったです。

そして今回の目玉の一つ。ヴィンチェンツォ・デ・ロッシ≪ラオコーン≫!
c0002171_23453086.jpg
c0002171_23461579.jpg
c0002171_23471693.jpg
c0002171_23472878.jpg
c0002171_23474553.jpg
c0002171_23475614.jpg
c0002171_23481255.jpg
c0002171_23482322.jpg
c0002171_23484073.jpg
c0002171_23485216.jpg
c0002171_23490345.jpg
元々は古代ローマ時代につくられた彫像がルネッサンスに発掘・出土して。その現場にはミケランジェロも来たそうです。そしてこの像はヴィンチェンツォがその像を再現と言うか再構築・創造したもの。この鬼のような三次元表現、凄すぎる!

NUDE展@浜美のロダンの≪接吻≫と同等の衝撃。というか、裸体表現・彫刻も含む時代の流れをあの展覧会では感じれたので、NUDE展は今回の展覧会と共鳴するところがあると想います。

最後の章はミケランジェロに関する事物のスペース。

ジョルジョ・バザーリ≪美術家列伝 『偉人ミケランジェロ・ブオナローティ伝:アレッツォの画家兼建築家ジョルジョ・ヴァザーリ殿著。またアカデミア・デル・ディゼーニョにより彼のためにフィレンツェで執り行われた壮麗な葬儀について』≫とそれに対するミケランジェロの批判的なアンサーであるアスカニオ・コンディーヴィ『フィレンツェの画家、彫刻家、建築家そして貴紳、ミケランジェロ・ブオナローティ伝』が最初に置かれて。

そしてピエトロ・トッリジャーノの拳により鼻が曲がった様が描写されている≪ミケランジェロの胸像≫やパッシニャーノ(ドメニコ・クレスティ)≪ミケランジェロの肖像≫、ジェラール・レオナール・エラールに基づく≪ミケランジェロのメダル≫なんかも。

ミケランジェロの彫刻へ向けて、コントラポスト、神話彫刻などで道筋をつけてBFでは一気に2体を魅せ、そしてミケランジェロゆかりの作品も展示するという構成でしたが、もっとディレクション強度を上げても佳かったかなとは想いました。

とはいえ中々いい時間を過ごせました。冒頭のプットーから惹きつけられる彫刻だったし、≪ダヴィデ・アポロ≫と≪洗礼者ヨハネ≫には聖性を感じたし、≪ラオコーン≫も好かった。

そして国立西洋美術館といえばコレクション展。これも好い塩梅で。ロダンのバルザックやクラーナハ(父)の絵、新蔵品ではドガの踊り子のいい奴、シャセリオーもあったし、撮影不可のクロード・モネ≪エプト河の釣人たち≫も素晴らしかった。

また企画展の『西洋版画をみる』ではアルブレヒト・デューラーの≪ネメシス(運命)≫や≪頭蓋骨のある紋章≫、ピーテル・ファン・デル・ヘイデンとピーテルブリューゲル(父)≪金銭の戦い≫、ジョルジョ・ギージ、ジョバンニ・バッティスタ・ベルターニ≪エゼキエルの幻視≫、ヘンドリク・ホルツィウス≪羊飼いの礼拝≫が好かったです。

それでは最後にフォトスナップ達を。

オーギュスト・ロダン≪バルザック(習作)≫
c0002171_00193905.jpg
ルカス・クラーナハ(父)≪ゲッセマネの祈り≫
c0002171_00200724.jpg
ヤコボ・デル・セッライオ ≪奉納祭壇画:聖三位一体、聖母マリア、聖ヨハネと寄進者≫
c0002171_00211645.jpg
リヒター l クールベ
c0002171_00214330.jpg
テオドール・シャセリオー ≪アクタイオンに驚くディアナ≫
c0002171_00222541.jpg
ジャン=フランソワ・ミレー ≪春(ダフニスとクロエ)≫
c0002171_00225336.jpg
ギュスターヴ・ドレ ≪ラ・シエスタ、スペインの想い出≫
c0002171_00233265.jpg
エドガー・ドガ ≪舞台袖の3人の踊り子≫
c0002171_00235990.jpg
エドゥアール・マネ ≪花の中の子供(ジャック・オシュデ)≫
c0002171_00250259.jpg
ピエール=オーギュスト・ルノワール ≪木かげ≫
c0002171_00253182.jpg
c0002171_00255665.jpg
オーギュスト・ロダン ≪私は美しい≫
c0002171_00263110.jpg
c0002171_00265503.jpg
エミール=オーギュスト・カロリュス=デュラン ≪母と子(フェドー夫人と子供たち)≫
c0002171_00273845.jpg
ポール・セリュジエ ≪森の中の4人のブルターニュの少女≫
c0002171_00281968.jpg
ポール・ランソン ≪ジギタリス≫
c0002171_00284198.jpg
ピエール・ボナール ≪坐る娘と兎≫
c0002171_00304596.jpg
ジョルジュ・デヴァリエール ≪聖母の訪問≫
c0002171_00311975.jpg
ピエール=オーギュスト・ルノワール ≪帽子の女≫
c0002171_00325569.jpg
シャイム・スーティン ≪心を病む女≫
c0002171_00333174.jpg
ジャクソン・ポロック ナンバー8, 1951 黒い流れ
c0002171_00352448.jpg



by wavesll | 2018-09-17 00:16 | 展覧会 | Comments(0)

藤田嗣治展@東京都美術館 乳白色と色彩の土地

c0002171_00350309.jpg
没後50年 藤田嗣治展を東京都美術館にてみてきました。

会場はかなり混んでいて。丁度今日は展示替えの前期の最終日だったのもあったのかもしれません。この展覧会、Foujitaの画業の全貌が観れ、大変観甲斐のある展示となっていました。

最初の部は原風景。≪自画像≫は23才でまだオカッパでない若き日の藤田が。軍医だった≪父の像≫や黒田清輝の外光派の影響が見て取れる≪婦人像≫≪朝鮮風景≫も。

そこからパリでの初期作品へ。キュビズムの影響を受け、動きをキュビズム的に落とし込んだ≪トランプ占いの女≫であったり、パリの灰色の街並みの絵画たちが。そんな中で≪目隠し遊び≫は煌びやかな金箔に友人でもあったモディリアーニの影響を受けたような女性たちがゆらりと立っていて印象的でした。

そして≪二人の少女≫・≪二人の女≫・≪花を持つ少女≫という灰色の背景で青白い肌をした女性たちの絵画が創られ始めて。郷田マモラ的と言うか、藤田独自の女性画スタイルの萌芽がみてとれます。

また厨房画としても美味しそうな≪野兎の静物≫や、持ち物から自画像を顕わすような≪私の部屋、目覚まし時計のある静物≫、同じく持ち物画で黒人が描かれた皿が当時のパリでのジャズ人気を想起させる≪貝殻のある静物≫も良かった。

III部 <1920年代の自画像と肖像ー「時代」をまとうひとの姿>ではいよいよフジタのオリジナリティが顕れてきます。

1921年に描かれた≪自画像≫は御馴染みのおかっぱ頭にもうなっているけれどまだ不安そうな顔つきだったのに対し、1926年の≪自画像≫は自信に満ちた目の輝きがあり、1929年の≪自画像≫は自然体のリビングでの姿が。猫もいい顔してる。乳白色の下地に墨色で細い線で描く手法が軽やかに美しくて。

また他者の肖像画も。≪座る女≫のもこもことした美と、ジュイ布の柄みが印象的で、≪エミリー・クレイン=シャドボーンの肖像≫は銀箔のバックにソファーに横たわる年を召した女性がまるでクレオパトラのようにオーラがあって。≪人形を抱く少女≫は影が差すオカッパの少女の黒灰と明るい白い背景のコントラストが明瞭に美しかった。また≪猫≫もさらりとしたアクセントがありました。

そしてフジタの藝術はさらに飛翔します。IV <「乳白色の裸婦」の時代>。

「乳白色の裸婦」の時代最初期に描かれた≪横たわる裸婦≫の翳を帯びてしっとりと美しい白い肌は、陰部の黒や唇・乳頭の薄桃色がとても映える効果を生んでいて。

この頃のフジタのミューズを画いた≪裸婦像 長い髪のユキ≫はその色白さからフジタからユキと呼ばれたリュシュー・パトゥさんのブラウンがかった金髪の美しさとベッドの乱れが印象的。

そして≪タピスリーの裸婦≫の可愛らしい表情と麗しい肢体。やはり白い身体にピンクの乳首が綺麗で、ジュイ布の背景に柔らかい陶磁器のような肌がなんとも美しかった。

≪五人の裸婦≫は「視覚」「触覚」「聴覚」「味覚」「嗅覚」の五感をあらわす女性たちの姿。≪舞踏会の前≫はユキをはじめとした裸婦たちが仮面舞踏会のバックステージにいる姿。大きな画でもフジタの描く女性は耀きを放って。

≪砂の上で≫貝殻に囲まれている女性の姿は仏のよう。夜が溶けていくような≪横たわる裸婦≫、肉体に立体感がでてきた≪裸婦≫、≪立つ裸婦≫には筋肉感も。バッカス柄のジュイ布の≪友情≫には2人の女性の繋がりが情愛の美があって。ボウイのような女性とブルネットの女性が描かれた≪二人の裸婦≫も良かった。

一度完成形に達した藤田の絵画はしかしここで大変革を迎えます。V <1930年代・旅する画家ー北米・中南米・アジア>はユキと別れ、新たに出来た恋人マドレーヌと2ヶ月の中南米旅行などへ出かけた時期の作品群。

≪モンパルナスの娼家≫は毒々しい赤色などの画、中央にいる恐らくは支配人の黒人の老婆の煌びやかなネックレスもどぎつい色彩。ピエロ2人とギャルとマッチョの≪町芸人≫、リオの精悍で武骨な男性と逞しさも感じる女性が描かれた≪カーナバルの後≫もいい。マドレーヌが描かれた≪婦人像(リオ)≫なんて作品も。

≪リオの人々≫に描かれた黒人たちの本当にいい表情、そして≪ラマと四人の人物≫の伝統衣装に身を包んだ人々のとびぬけた格好良さ。≪狐を売る男≫のキツネ達も相まった妖しさ。

日本に来た藤田達。大阪のホテルで描かれた≪裸婦(マドレーヌ)≫は乳白色の肌。いつだってこの技は出せるのだなぁ。日本の人々を画いた≪ちんどんや職人と女中≫≪魚河岸≫の人々は黒人のようで。江戸趣味のカラフルな部屋でくつろぐ≪自画像≫が楽しい一方で、マドレーヌを亡くした藤田のパリへの郷愁が感じられる≪一九〇〇年≫も光があふれて美しくて。

木戸孝允と親族を画いた≪殉教者≫という作品も。≪秋田の娘≫にフジタはロシアやシベリアに繋がる恥じらいを感じたそうで。沖縄で描かれた≪客人(糸満)≫≪孫≫はオバアなどがやはり黒人のように描かれていて。

パリで産み出した藤田の灰白の画風は、パリの町の色彩がモノトーンだったことも大きく、それに対して南米や日本は色彩にあふれた土地で、画家は土地に感応して作品を生み出すのだなぁと。日本人の描き方からすると、藤田は西欧の水を完全に自分のスタンスとしていたのだと感じて。その西洋を内在化するまなざしは藤田が監督した≪映画「現代日本子供集」≫にも現れていたと感じます。

そんな藤田は再び渡仏するのですが、時はWW2。彼は<「歴史」に直面する>こととなり滞在は短いことになります。

≪サーカスの人気者≫は好い表情をしたイッヌ達。≪争闘(猫)≫横浜美術館で観た蔡國強の作品を想起。そして猫はどの地域でも猫なんだなぁと。≪人魚≫は西洋人な骨ばった顔つきの人魚と、日本画的なナマズが対照的で。

そして戦争が進む中で、藤田は戦争画を描いていきます。

1943年の≪自画像≫≪キヤンボシヤ平原≫はトレードマークのオカッパ頭を丸刈りに。カンボジアを画いた≪キヤンボシヤ平原≫という風景画も。
そして≪アッツ島玉砕≫。写真と想像から描かれたこの大作は血と泥で茶に染められた夥しい死体の山、山。≪サイパン島同胞臣節を全うす≫も兵士の男たちは茶に染まり、数少ない女性たちのみがうっすらと青を遺すのみという画。

藤田はこれらの戦争画を自発的に描いたらしく、戦後はその責任を問われて日本を去ることとなります。会場にはフジタのスクラップブックや日記が展示してあったのですが、その保管状況にも彼の心情が表れているように感じて。

そしてそれまでの画には「嗣治」というような漢字のサインが入っていたのが、これからの画には「Foujita」とアルファベットのみとなっていくことになります。

VII部は<戦後の20年ー東京・ニューヨーク・パリ>

≪優美神≫はボッティチェリにも影響を受けた三美神。乳白色でない健康的な肌の色でした。一方で≪私の夢≫は動物たちが乳白色の横たわる女性を囲む涅槃図的な作品。≪マザリーヌ通り≫は乳白色の街並み画。≪猫を抱く少女≫は子供がぷくっとして可愛らしい。

そしてNYで描かれたパリの画としてはメインビジュアルにも使われている≪カフェ≫が。憂いを帯びた、理知的さも感じさせる表情の女性。額縁もフジタ製で。同じくNYで描かれた≪美しいスペイン女≫もレース等の黒い服飾に包まれた可愛らしい女の人の画でした。

ここにきてフジタの画はまた新たな段階に進んだというか、油絵なのだけれどより水彩画的なマチエールになっていくというか。そして現代的なイラストレーション感覚も高まっていく印象があります。

擬人化された動物たちが暮らしを営む≪ラ・フォンテーヌ頌≫≪フルール河岸 ノートル=ダム大聖堂≫・≪ホテル・エドガー・キネ≫・≪室内≫には灰色のパリが。≪姉妹≫はベッドでパンの朝食を食べる二人の女の子の画。

≪家族の肖像≫は白髪になったオカッパ姿の自画像。その後ろの壁にはお父さんと妻である君代さんの画が。≪夢≫は色っぽさのある寝台画。≪人形と少女≫も可愛らしく。初期の少女画は写生していたそうですが、戦後の子供画は想像で描かれたものだそう。≪小さな主婦≫はバゲットを抱える女の子。

≪ジャン・ロスタンの肖像≫は知性を感じさせる絵で、本当にこの人は絵画が上手いなと。≪すぐ戻ります(蚤の市)≫はスナップショット的な画。

そして≪ビストロ≫はパリの街中のビストロで食事などを愉しむ人々の姿が美麗に輝かしく描かれていて、パリの喧騒とお洒落さが空気として伝達されて。そして≪機械の時代≫は当時出てきた最新技術をおもちゃとして愉しむ子供たちを画いて、彼らの将来=未来を画いた作品。

フジタはフランスの白に魅入られていたように感じていたけれども、ここにきて欧州での描写に色彩が射して。フランスを永世の棲み処と定めて、彼の目がさらなる変化を遂げていることを感じました。

フジタは日本でも手仕事な日用品を集めることを行っていましたが、自分でも手仕事を実作していて。それら≪装飾木箱≫・≪ワイングラス≫・≪装飾皿(自転車に乗る猫)≫・≪装飾皿(浴室の猫)≫・≪皿(猫の聖母子)≫・≪皿(猫のキリスト降誕)≫・≪花瓶≫・≪角皿≫も展示してありました。

最後のVIII部は<カトリックへの道行き>

1952年の≪二人の祈り≫は聖母子に祈るフジタと君代さんの姿が描かれ、カトリックの洗礼を受ける以前から基督教に想いがあったことを忍ばせます。≪教会のマケット≫は教会の模型。フジタは結構色々なマケットを所有していたそうです。

≪黙示録(四人の騎士)≫≪黙示録(七つのトランペット)≫≪黙示録(天国と地獄)≫は緻密で幻想的な画風で、Serphのジャケのような、イマの感覚に即座に繋げられるような絵画。≪聖母子≫は古屋兎丸を高次元で上達させたような現代的な画風と中世的な柄が交わる画。

1959年の≪キリスト降架≫は洗礼を受けてから初めてのXmasに描かれたという作品。≪礼拝≫は最後の個展に出されたという作品で、神々しい細身のマリアが金箔があしらわれた、フジタの晩年の一つの到達点。

≪マドンナ≫は黒人の聖母と天使が描かれた作品で、表に青い衣に包まれた神の子イエスと裏面に大人のキリストが描かれた≪十字架≫は君代さんがフジタの死後に最期まで大事にしていた作品。

パリにて乳白色の画風を確立し、西洋の灰白に対してアジア・中南米のどぎついカラフルさから、西洋文明の白へ魅入られたようにも見えたフジタが最後の段階でパリの街景や宗教的な風景に彩を見出した藤田嗣治の生涯の流れは時代の奔流の中で呼吸を刻み付け、そして時代を越えていく。一つの巡礼路をみるような展覧会でした。

by wavesll | 2018-09-03 03:20 | 展覧会 | Comments(0)