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プーキシン美術館展ー旅するフランス風景画@東京都美術館 景色の時空間的変遷

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東京都美術館へプーキシン展をみに行ってきました。

17世紀から20世紀の仏風景画のコレクションが一堂に会して眺められる展覧会。

と、言いながら、最初の17Cの風景画はどうもピンとくるものが少なくて。。というのも風景が主題になるのが遅かった西洋に於いて、風景画の初期の作品は人間の物語における光景が描かれるというか、あまりに人間中心主義過ぎて、日本や中国の山水画をみている目からするとちょっと劇的すぎるというか、人為的に感じてしまうのですよね。

実際この時代の様式では雅宴画(フェト・ギャラント)というやはり人々が主役なものもあって。逆にその演劇性が魅力的な域まで行っていたのはジャック・ド・ラジュー≪狩猟後の休息≫。大画面で狩りを終え酒を注ぐ様子やブランコで遊ぶ娘など、まるで絵画の中で動いているような筆致が好かった。

アニメーション的という点ではフランソワ・ブーシェ≪農場≫はなんだかジブリ的な画き味でこれもまた面白く感じました。

他にもウジェーヌ・ルイ・ガブリエル・イザベイ≪ムーア式の入口≫なんかはアルジェリアのエキゾな感じで良かったのですが、例えばフェリックス・フランソワ・ジョルジュ・フィリペール・ジエム≪ボスポラス海峡≫なんかはいいのだけれどもあまりに普通というか…濃い味に慣れてしまった舌には上品すぎる出汁の旨みがわからなくなっているのかもなんて気になりました。というか”西洋”があまりに普遍に在る環境に慣れているのでしょうね。

そんな中から19Cに入ってくると自然風景そのものが愈々主役を張る様相を見せてきます。

ジャン=バティスト=カミーユ・コロー≪嵐、パ=ド=カレ≫は昏い天気のトーンが主役で。同じくコロー≪夕暮れ≫の煌めきもいい。アンリ=ジョゼフ・アルピニー≪女性のいる森の風景≫も人はあくまでアクセントであり風景が主題で。

ジュール・コワニエ/ジャック・レイモン・ブラスカサ≪牛のいる風景≫なんかはくっきりとした質感が3Dのように浮かんできて。コンスタン・トロワイヨン≪牧草地の牛≫も牛の表情が好かった◎

そしてギュスターヴ・クールベ≪水車小屋≫が素晴らしくて!荒い筆致からリアルを超えた質感が生まれていて。迫力に見惚れました。

またレオン=オーギュスタン・レルミット≪刈り入れをする人≫は人と自然が日常として融け合う”里”としての情景で。これもまた良かった。

ここで風景の舞台は大きく舞台を変え、19世紀の終わりごろに当時大規模な再開発で大きく変貌を遂げたパリに於いて”都市環境”という風景主題が生まれました。”やはり西洋画はヒトが入ると活き活きする”なんて思いました。

ピエール=オーギュスト・ルノワール≪庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰≫はルノワールがあのムーラン・ド・ラ・ギャレットを画いた別の作品で、木洩れ日の下語らう柔らかな表情の人々が印象的でした。

ピエール・カリエ=ベルーズ≪パリのピガール広場≫とアルベール・マルケ≪パリのサン=ミシェル橋≫はピクトグラム的。

ジャン=フランソワ・ラファエリ≪サン=ミシェル大通り≫はまさに絵になる風景。現代と中世の中間のリアリティ。都会の人々、とりわけ黒いドレスを着た女性が美しい。そしてエドゥアール=レオン・コルテス≪夜のパリ≫は光の表現がとてつもなく良くて。本当に暖かく美しく輝くガス灯が素晴らしい。

そしてルイジ・ロワール≪パリ環状鉄道の煙(パリ郊外)≫は本展で一番好きだった画!超巨大で景色がリアルサイズで広がっているような感覚で銀色の都市風景が拡がって。西洋の侘び寂びを感じました。此れは生で観て欲しい!

またアルベール・マルケ≪冬のパリ、サン=ミシェル橋の眺め≫はヘタウマというかシンプルが逆に面白くなる時代の到来が予感させられます。

さらに時代は印象派へ。画家たちはパリの郊外へ描きに出かけに行きます。

本展の目玉の一つであるクロード・モネ≪草上の昼食≫は木洩れ日に照らされる光景、緑の耀きが美しく、フォンテーヌブローの外れシャイイ=アン=ビエールでの情景がグラフィカルに新しいリアルを顕わしていました。

そしてクロード・モネ≪陽だまりのライラック≫には”ライラックってこんな花だったのか”とブランキーを想いながらピンクの淡い画面を観ました。初期に描かれた太鼓橋のある≪白い睡蓮≫と≪ジヴェルニーの積みわら≫にはゴッホ的な筆致も感じて。

ゴッホ的というとアルフレッド・シスレー≪霜の降りる朝、ルーヴシエンヌ≫≪オシュデの庭、モンジュロン≫そして≪フォンテーヌブローの森のはずれ≫にも感じて。ビュールレ・コレクション 至上の印象派展で学んだのですが、西洋絵画の中でのゴッホ・ムーヴメントは決して孤立していず繋がりがあったのだなと。

またニヤリとさせられたのがカミーユ・ピサロ≪耕された土地≫でパネルにあった画家の「他の誰もが何もないとみるような辺鄙な地に美を見出しうる人は何と幸福であることか」という言葉。なかなかこじらせておるのとw

アルベール=シャルル・ルブール≪河のほとり≫は仄明るい水辺が好かった。またモーリス・ド・ヴラマンク≪小川≫は森林の緑の勢いが凄かった。

そしてアンリ・マティス≪ブーローニュの森≫は何でもない風景なのだけれど迫力で惹きつけられるのは黒とカラーの魅せ方・存在感なのだなぁと。

そして20Cに入ってくるあたりでは交通機関のさらなる発達から画家たちはフランスの様々な土地へ。

アルマン・ギヨマン≪廃墟のある風景≫は紫色が映える紅葉の山。ジャン=ピュイ≪サン=モーリスにある古代の橋≫はフォービズムに裏打ちされた明るく輝く緑の丘の画。

ポール・セザンヌ≪サント=ヴィクトワール山の平野、ヴァルクロからの眺め≫≪サント=ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め≫はこの段々と滲んでくる光景の変容が一種アニメーション的な変遷として感じられます。

ピエール・ボナール≪夏、ダンス≫は幸せな一瞬を永遠に普遍化した大作。

アンドレ・ドラン≪港に並ぶヨット≫は大好きな壱枚でした。フォーヴ(野獣)でトリコロールなハーバーの風景。気持ちいい絵画。

ルイ・ヴァルタ≪アンテオールの海≫はゾワッ、ボワッとした木々と潮と岩、すっごく好きな一枚でした。

オトン・フリエス≪カシスの木々≫は自然のパワフルさがなんとも見事に伝わってきて。

この記事の最初で”西洋の風景画は人為を感じる”と書いたのですが、寧ろ過激で現実を超えてくる筆致をみせた時に自然の本質が顕れてくるに至った感覚がありました。

そして遂に画家は海を渡って、そして想像の翼を広げていきます。

ポール・ゴーガン≪マタモエ、孔雀のいる風景≫はフレンチとタヒチのケミストリー。

そしてアンリ・ルソー≪馬を襲うジャガー≫は結局行くことは出来なかった熱帯の風景へ、植物園などからインスピレーションを受け妄想。創造を膨らませ神話的な世界へ到達した作品。

楽園が現前していました。モーリス・ドニ≪ポリュフェモス≫はギリシア神話の世界に20Cの格好をした人々が入り組む浜辺の画。

最後の2枚は近現代的幾何学な絵画だったのですが、そんなにそれは私の好みではなくて。音楽でも70sの熱帯雨林なグルーヴが最高というか、美味しいところを喰いきってしまわれた後にさらなるフロンティアを探究しているという点で画家は音楽家に先んじているのかもしれないと。きっと新しい超現実な普遍はブレイクスルーの先に開けるはず。

またロシアでなく他国のフランスをコレクションしたことがプレゼンスを持つに至る美術の面白味というか、複製芸術とはまた違う点なのかもと想いつつ、けれど確かにJTNCのグラスパーとかそういうことあったなと。風景画の変遷を旅して、現代・未来というフロンティアの淵まで再到達した気がしました。

イマの絵画、ということで最後に置いてあった視覚障碍者の方向けの”触れる絵画”は筆致が凸凹で顕わされていて共感覚的で面白かったです。この展覧会、なかなかに鯔背ですよ◎

by wavesll | 2018-06-08 23:59 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

西美のコレクション展にて新蔵品のベルト・モリゾやモネ、ドガ。ミロやカンディンスキー、藤田嗣治にポロックにピカソetcをみる

ベルト・モリゾ ≪黒いドレスの女性(観劇の前)≫
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ペーテル・パウル・ルーベンス ≪眠る二人の子供≫
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アレッサンドロ・マニャスコ ≪嵐の海の風景≫
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アリ・シェフェール ≪戦いの中、聖母の加護を願うギリシャの乙女たち≫
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レアンドロ・パッサーノ ≪最後の審判≫
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ヤーコブ・ヨルダーンスに帰属 ≪ソドムを去るロトとその家族(ルーベンスに基づく)≫
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ウィリアム・アドルフ・ブーグロー ≪音楽≫
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ギュスターヴ・クールベ ≪眠れる裸婦≫
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ピエール・オーギュスト・ルノワール ≪アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)≫
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エドガー・ドガ ≪舞台袖の3人の踊り子≫
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ピエール・ボナール ≪『デリエール・ル・ミロワール』第158-159号(1966年4月刊)『ラ・ルジュ・ブランシュ』誌のためのポスター(表紙)≫
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マルク・シャガール ≪赤い鶏≫
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マルク・シャガール ≪イスバの風景≫
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マルク・シャガール ≪青い魚≫
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ジョアン・ミロ ≪絵画≫
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ワシリー・カンディンスキー ≪『小さな世界』:I≫
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ワシリー・カンディンスキー ≪『小さな世界』:II≫
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ワシリー・カンディンスキー ≪『小さな世界』:III≫
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ワシリー・カンディンスキー ≪『小さな世界』:IV≫
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ワシリー・カンディンスキー ≪『小さな世界』:V≫
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オーギュスト・ロダン ≪フギット・アモール(去りゆく愛)≫
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モーリス・ドニ ≪若い母≫
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ジョン・エヴァリット・ミレイ ≪あひるの子≫
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ラファエル・ロラン ≪詩≫
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ラファエル・ロラン ≪楽≫
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ピエール・ボナール ≪働く人々≫
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ポール・シニャック ≪サン=トロペの港≫
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キース・ヴァン・ドンゲン ≪カジノのホール≫
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ジョルジュ・ルオー ≪道化師≫
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マックス・エルンスト ≪石化した森≫
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パブロ・ピカソ ≪アトリエのモデル≫
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パブロ・ピカソ ≪男と女≫
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藤田嗣治 ≪座る女≫
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ジャクソン・ポロック ≪ナンバー8, 1951 黒い流れ≫
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国立西洋美術館の愉しみと言えば常設展。先日プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光 を観た時にみたコレクション展はやっぱり凄くて。注目は新蔵品。写真を載せたモリゾ、ドガの他、モネも複数新蔵品があり、さらには≪つみわら≫なんかも展示してありました。

ポロックも最晩年の黒がうねる作品。そしてフジタが凄い良いのがあったのが嬉しかったです。そして新館 版画素描展示室で開かれているマーグ画廊と20世紀の画家たち―美術雑誌『デリエール・ル・ミロワール』を中心にもカンディンスキーやシャガールが素晴らしかったです。

おまけにこれまでも撮って来た西美常設展の寫眞レポをお裾分け◎






by wavesll | 2018-05-21 20:52 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光@西美 コンセプト・コンテキストをめで愉しむ西班牙王宮美術の扉

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国立西洋美術館にて開かれているプラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光をみてきました。

先ず展覧会場に入ると出迎えるのがディエゴ・ベラスケス≪フアン・マルティネス・モンタニェースの肖像≫。この時代”美術”というものを職工的なものではなく知的で創造的な営みであるとオーソライズする動きがあり、アーティストそのものを描いた作品が多くつくられました。このモンタニェースも著名な彫刻家。彼が造っているのはフェリペ4世の像だといわれているそうです。

また画家を創造主である神と重ねる絵画も多く、神がまさに画家となりマリアを描いているところから文字が流れ出しているホセ・ガルシア・イダルゴ≪無原罪の聖母を描く父なる神≫もそう。

そして聖母マリアの彫像から母乳が飛び出て祈った聖人の口に降り注ぐという衝撃的なシーンを描いたアロンソ・カーノ≪聖ベルナルドゥスと聖母≫が面白かったwスペインでは結構描かれた題材だそうでした。

次の章はこの時代に良く描かれた哲学者達の絵画。

この展覧会の目玉は7点のベラスケスなのですが、その他の画家たちの作品も素晴らしく、殊にルーベンスが印象的で。

ペーテル・パウル・ルーベンスの工房≪泣く哲学者ヘラクレイトス≫の涙がチャーミングで。そしてこの絵にベラスケスが対抗しようと画いた≪メニッポス≫も古代哲学者の衣ではなくこの時期流行った”乞食哲学者”という現世の富に頓着しない姿と聴いて面白いなと。

この章では他にも聖書をラテン語訳した哲学者を描いたアントニオ・デ・リベーラ≪聖ヒエロニムス≫も老いと美しさがありました。

そして本展覧会ではこの人も良かった。ヤン・ブリューゲル(父)。ヤン・ブリューゲル (父)、ヘンドリク・ファン・バーレン、ヘラルト・セーヘルら≪視覚と嗅覚≫は様々な絵画が揃った光あふれる大広間の絵画。そしてヤン・ブリューゲル(父)の十八番である花を描いた≪花卉≫も良かった。

この時代はキリスト教が強い権力を持っていて、スペインの画家は他宗教について描けなかったのですが、宮廷画家のベラスケスは王室というクローズドな環境向けにギリシア神話を題材とした画も描けたそうで、≪マルス≫もそんな一枚。

この軍神マルスの絵、鎧を脱いだマルスがへたっと休んでいる場面が描かれています。これは様々な解釈があるのですが、一つには鎧を脱いだマルスというのは平和を顕わし、フェリペ四世の優れた治世を示しているとのことでした。

この時代でもスペイン国外の画家はカトリックに縛られずに絵を描け、さらには王宮では裸婦像も肖像されていて。ティツィアーノ・ヴィッチェッリオ≪音楽にくつろぐヴィーナス≫のふくよかな裸婦の美しさ。ピアニストの男性の黒い衣服や濃い色の内装が裸婦の肌の白さを際立たせていました。

またルカ・カンビアーゾに帰属≪ルクレティアの死≫も自らの白い肌に短刀を突き刺し血を流す様が煽情的で。

そしてペーテル・パウル・ルーベンス、ヤーコブ・ヨルダーンス≪アンドロメダを救うペルセウス≫が何とも見目麗しい美男美女で。ルーベンスの絶筆と言われるこの作品、最期までこんな優しく眩しい絵を描いていたんだなぁ。

ペルセウスを画いた絵だとルカ・ジョルダーノ≪メドゥーサの首を持ち勝利を収めるペルセウス≫のペルセウスの翼の生えた兜も良かった。またぎょっと驚かされるド迫力だったのはビセンテ・カルドゥーチョに帰属≪巨大な男性頭部≫これは本当吃驚する大きさなので是非生で◎

そして宮廷の人々が描かれた絵画も勿論沢山ありました。

ベラスケス≪狩猟服姿のフェリペ4世≫は華美に飾り立てずに王の文化的なセンスを感じさせるのが喜ばれたそう。また王族の特徴である顎がフェリペ4世と共通するフアン・カレーニョ・デ・ミランダ≪甲冑姿のカルロス2世≫も。フェリクス・カステーリョ≪西ゴート王テオドリック≫は威風堂々としていました。

またこの展覧会で初めて知ったのですが、スペイン王宮には矮人という小人症の家来が働いていて、フアン・バン・デ・アメン≪矮人の肖像≫や王太子に仕えた矮人をベラスケスが画いた≪バリェーカスの少年≫という作品も。

そしてこの展覧会のメインビジュアルにも現れているディエゴ・ベラスケス≪王太子バルタサール・カルロス騎馬像≫

他の王族の絵画の背景が暗いのに対し、バルタサール王太子の背景は明るいスカイブルー。空色にライトピンクの衣が映えます。躍動感ある馬。けれど尻尾がちょっと荒い筆致に感じて。よくよく見れば衣服も結構筆跡が残っていて。

この時代の絵画が粗いテクニックだったという訳ではなく、例えば同じ部屋に飾られているアロンソ・サンチェス・コエーリョ≪王女イサベル・クララ・エウヘニアとマグダレーナ・ルイス≫アントニオ・デ・ペレーダ≪ジェノヴァ救援≫はかなりのハイレゾだし、ベラスケス自身が二十歳の時に描いた≪東方三博士の礼拝≫も精細な筆致。

”ではこれは狙ってのことだろうか”と訊いてみると此の絵は高い位置にかかっていたそうで、遠くから見た時にベストにみえるように描かれていて、”ベラスケスは印象派を先取りしている”と言われているとか。≪マルス≫の兜もこの試みがされていました。ビュールレ・コレクション展で≪可愛いイレーヌ≫がダンヴェール家には”精緻ではない”と気に入られなかったと聴いていたので、スペイン王家は柔軟で進取な感性を持っていたのだなと想いました。

≪王太子~≫の背景の山々は実際に在る風景だそうですが、この展覧会にはベラスケスの弟子フアン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソによる風景画≪ローマのティトゥス帝の凱旋門≫なんて風景画も飾られていました。また光景でいうとデニス・ファン・アルスロート≪ブリュッセルのオメガングもしくは鸚鵡(オウム)の祝祭:職業組合の行列≫も夥しい人物による広場での大行列がイラストレーション的で非常にくっきりと描かれていて印象的でした。

また17世紀スペインでは静物画が新しいジャンルの絵画として勃興していて。フアン・バン・デル・アメン≪果物籠と猟鳥のある静物≫フアン・デ・エスピノーサ≪ブドウのある八角形の生物≫といったリアルな静物画が展示してありました。

またこの時期の西班牙ではボデゴンという風俗画な静物画が流行っていて。アレハンドロ・デ・ロアルテ≪鳥売りの女≫なども濃い口な筆致で大変良かった◎さらにイソップ童話を主題としたパウル・デ・フォス≪犬と肉の寓話≫なんて作品もありました。

そして最後の章は宗教画


そしてペーテル・パウル・ルーベンス≪聖アンナのいる聖家族≫もとびきり眩しい魅力を放っていて。ルーベンスの描く女の人は何とも優しい瞳をしていて時めかされるwこの時代はヨセフ信仰があったらしく、若いヨセフが描かれたバルトロメ・エステバン・ムリーリョ≪小鳥のいる聖家族≫等も展示してありました。

この展覧会では藝術理論などの白黒の書物も展示してあって。エフェメラル(一時的)に飾り立てられた建物が描かれるフェルナンド・デ・ラ・トーレ・ファルファン≪セビーリャ大聖堂におけるカスティーリャ王フェルナンド3世列聖の祝祭≫やベラスケスの師匠によるフランシスコ・パチェーコ≪絵画芸術、その古代性と偉大≫なんて作品もありました。

西洋画の質感が最近また好みになってきていて。中世の西洋絵画は宗教や王族を主題とした写実性(すこし霞んだ)重視の“普通な高級画”といった感じで近現代の超現実的な絵画をみている目からすると少し退屈に想えることもあったのですが、段々西洋絵画の愉しみが分かってきたというか。

寧ろ現代アート以上に文脈や中に描かれている物語、そして神話と現実の重なりや、今回はベラスケスに印象派的な技法の祖先をみたり、コンセプトを読み解く楽しみがあるのだなと。また新しい扉が開かれていくのを感じる展覧会となりました。


by wavesll | 2018-05-11 23:21 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝 / 東博表慶館にてカァバ神殿の扉などをみる

預言者モスク、シリア扉のカーテン
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香炉
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ヒトコブラクダ
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神殿の装飾
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イシス=テュケー
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奉献台
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男性頭部
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葬送用ベッドの脚
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ライオン
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アブドゥッラーの息子アッバースの墓碑
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アルアシャジュ・アルイーディーの息子カーシムの息子ジャァファルの息子アブー・アッリダーの息子アリーの墓碑
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ギリシャ語の墓碑
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ペンダント
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ネックレス
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胸飾り
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巡礼路建設記念碑
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クーファからマッカへの里程標
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法学者ジャマールッディーン・アブー・アブドゥッラー・ムハンマドの墓碑
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カァバ神殿の扉
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オスマン朝スルターン、スレイマン1世の銘板
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マッカ聖モスク再建碑
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花文扉
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コーヒー豆冷まし
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儀礼用短剣
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ライフル
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アブドゥルアジーズ王のクルアーン(コーラン)
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アブドゥルアジーズ王の刀
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東博にてみたアラビアの道-サウジアラビア王国の至宝展、表慶館の前では浅炒りでスパイスが効いたハーブティーのようなアラビア珈琲と棗椰子が振る舞われていました。

古代からの文化の潮、欧州文明からの影響や、イスラムならではの文字や意匠での美しさがみてとれました。カァバ神殿の扉がみれたのが熱かった◎

特別展のチケットで追加費用無しで観れます。私も仁和寺展そして本館コレクション展からの梯子でみました。5/13まで。

by wavesll | 2018-03-05 05:58 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

如月の東博本館にて好い月岡芳年やみみずく土偶、太刀 古備前包平(名物 大包平)、伊能忠敬 九州沿海図などをみる

月岡芳年 ≪雪月花の内・雪 尾上梅幸の岩倉の宗玄≫
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初代宮川香山 ≪黄釉銹絵梅樹図大瓶≫
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歌川広重 ≪名所雪月花・井の頭の池弁財天の社雪の景≫
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≪銹絵雪笹文大鉢≫
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≪縫箔 紺地丸紋散様模様≫
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≪渡辺崋山 佐藤一斎(五十歳)像≫
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≪狩野山雪 猿猴図≫
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≪豊蔵坊信海・孝雄 二家法書≫
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≪束帯≫
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≪陣羽織 赤天鵞絨無地(丸十字紋付)≫
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≪桜花文兵庫鎖太刀(太刀 銘備前国友成の拵)≫
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≪榊原康政所用 黒糸威二枚胴具足≫
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≪伝藤原為家 狭衣物語歌合断簡(姫路切)≫
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≪五大虚空蔵菩薩像≫
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≪菩薩立像≫
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≪土偶 山梨県笛吹市御坂町上黒駒出土≫
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≪埴輪踊る人々 埼玉県熊谷市 野原古墳出土≫
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≪千手観音菩薩坐像 四天王立像≫
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≪蓬莱山蒔絵袈裟箱≫
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≪塩山蒔絵硯箱≫
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≪源氏蒔絵鏡台および内容品≫
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≪花車置物≫
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≪脇指 大慶直胤≫
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≪刀 和泉守国虎≫
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≪太刀 古備前包平(名物 大包平)≫
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≪太刀 古青江貞次≫
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≪短刀 粟田口吉光(名物 岡山藤四郎)≫
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≪太刀 尻懸則長≫
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≪太刀 長船長光(号 大般若長光)≫
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≪太刀 長船兼光(名物 福島兼光)≫
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≪刀 伝相州正宗(名物 籠手切正宗)≫
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≪乾山 色絵椿図香合≫
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≪備前 烏帽子箱水指≫
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≪刀 左安吉≫
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≪刀 相州正宗 金象嵌銘 城和泉守所持 本阿(花押)正宗磨上≫
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≪刀 相州正宗(名物 観世政宗)≫
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伊能忠敬 ≪九州沿海図(大図) 第十五 薩摩国甑島≫
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伊能忠敬 ≪九州沿海図(小図)≫
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今井八九郎 ≪択捉島測量製図≫
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今井八九郎 ≪礼文島・利尻島測量製図≫
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今井八九郎 ≪奥尻島測量製図≫
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北海道アイヌ ≪コンチ(頭巾)≫
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≪前垂 樺太アイヌか≫
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≪首飾 北海道アイヌ≫
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≪みみずく土偶≫
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≪畏形片口土器≫
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≪埴輪 盾持人≫
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≪埴輪 盾持人≫
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平櫛田中 ≪木によりて≫
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涛川惣助 ≪七宝富嶽図額≫
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by wavesll | 2018-03-03 04:56 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」展@東京国立博物館にて秘仏たちをみる

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特別展「仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-」を東博にて観てきました。

会場に入るとまずこの仁和寺を完成させた≪宇多法皇像≫が。そして部屋の中央にはこの画に描かれた法衣≪刺衲袈裟≫が展示されていました。こういう試みは面白いですね。また天皇の直筆、宸翰も数多く展示され≪霊元天皇宸翰和歌懐紙≫は19才のみずみずしさがありました。

序盤の見どころは円勢・長円作≪薬師如来坐像≫。白檀でつくられた小さな薬師如来の表面には截金のような細工が施され、大変に美しいものでした。

そして序盤の目玉、空海ほか筆≪三十帖冊子≫。唐の経典を空海その他が写したもの。小さい字で、急いで書いたのか手早く書かれた印象でした。そしてこれら≪三十帖冊子≫を収める箱の≪宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱≫がまた綺麗なものでした。

この展覧会では密教の奥義書が沢山展示してあって。最高の悟りへ至る十段階が記された≪秘密曼荼羅十住心論 巻一、巻二≫もその一つ。

さらに目玉が最強の儀式、孔雀経法に関連するもの。室町時代の≪孔雀明王像≫のトロピカルな古色と江戸時代の源證筆≪孔雀明王像≫のアジカンのジャケのような筆致での孔雀の首の角度、共に素晴らしいものでした。

そして≪孔雀経 巻中、巻下≫、無双の大秘法、それは「持ち出すな」という但し書きの≪孔雀明王同経壇具等相承起請文≫や安易に使うことを批判した≪覚法法親王消息・寛暁消息・返事案≫も重要文化財なことからも伺われます。

素晴らしい仏画も多く、平安時代・大治2年につくられた中国大陸風な≪毘沙門天≫とインド風な≪伊舎那天≫の十二天像や日光・月光もいる≪薬師十二神将像≫、数学的な理力を感じさせる≪虚空菩薩像≫も素晴らしかったし、≪五秘密像≫は細い吊り目でなんともいい波動が。十二支が描かれた≪薬師十二神将図像≫に加え、室町時代・大永2年≪仏涅槃図≫は動物・神将大集合◎

法具では鎌倉時代の≪金銅火焰宝珠形舎利塔≫と≪金銅都五鈷杵≫が良かった。

そして曼荼羅が素晴らしかった。≪別尊雑記 巻二十六 虚空蔵≫はレオナルド・ダヴィンチのウィトルウィウス的人体図のよう。≪唐本曼荼羅図像(千臂軍荼利ほか)≫や天体が描かれた≪北斗曼荼羅図像≫も良かった。

エキゾな色彩の≪両界曼荼羅≫とスカイブルーが美しい≪尊勝曼荼羅≫、そして何より奈良・子島寺の≪両界曼荼羅(子島曼荼羅)≫の金剛界は黒金の脈打つCGアートのような轟迫力がありました。

御室には様々な宝物があり、平安時代の日本の最古の医学書≪医心方 巻一、巻九≫も興味深かった。≪古筆手鑑≫は古代のエヴァーノートのようでした。最古の制作年代がはっきりしている日本地図である≪日本図≫では左に北、右が南に日本が描かれていました。

若かりし頃が描かれた鎌倉時代の≪聖徳太子像≫、近衞道嗣筆≪後深心院関白記≫には天気の記述が毎日一字で「晴」とか書かれていました。海幸彦、山幸彦の話が描かれた狩野種泰筆≪彦火々出見尊絵 巻三、巻六≫も鮮やかに龍王との世界が描かれていました。≪清水寺仮名縁起絵≫や≪金銅装戒体箱≫も良かった。≪覚深法親王像≫は衣の緑と赤が良く狩野孝信筆≪牡丹図襖≫は剥離がまたいい風合いになっていました。

そしてここから各地の秘仏満載の仏像次元。まずは写真がOKだった仁和寺の修業の場である観音堂の完全再現!素晴らしかった!裏手へ廻るとそこの壁画も完全スキャンされて再現されてました!

仁和寺の仏たちでは≪吉祥天立像≫は西アジアな美。≪愛染明王坐像≫は愛ゆえの怒りを感じさせられ≪文殊菩薩坐像≫は美青年でした。また修業中のゴータマ・シッダールタを彫った院智作≪悉達太子坐像≫という珍しい題材もありました。

大阪・金剛寺≪五智如来坐像≫は金色の鍵として天界を明けるよう。光背の影が美しい。≪大日如来坐像≫は飾りが緑青に錆びていい感じ。

宮城・龍寶寺≪釈迦如来立像≫は黒糖の飴のような輝き。神奈川・龍華寺≪菩薩坐像≫は木目が渦のように活かされた仏。三重・蓮光院≪大日如来坐像≫はすきっとした御仏。

福井・明通寺の≪降三世明王立像≫はカーッと威嚇する明王、≪深沙大将立像≫は阿吽の”うん”の方で、非常に豪鬼。そして福井・中山寺≪馬頭観音菩薩立像≫は憤怒のカッコよさ。

大阪・道明寺≪十一面観音菩薩立像≫の優美さ。兵庫・神呪寺≪如意輪観音菩薩坐像≫の炎の光背にちょっと小生意気な顔。広島・大聖院≪不動明王坐像≫の鬼婆感。

そしてこの展覧会の宝玉は素晴らしい千手観音。
香川・屋島寺≪千手観音菩薩坐像≫の全て受け止め掬う感覚。徳島・雲辺寺、経尋作≪千手観音菩薩坐像≫の祈り救う感覚。

そして何よりも心動かされたのが大阪・葛井寺≪千手観音菩薩坐像≫。腕と手が伸びる様は上海万博のUKパヴィリオンの如し。その表情は高次元空間から顕現したかのような、言葉では定義できないなんとも沁みるものでした。

これだけの様々なタイプの仏像を愉しめる展覧会もそうないと想います。加えて仏画・曼荼羅も逸品が多く、大変滋味深い仏教美術体験となりました。

by wavesll | 2018-02-25 21:36 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

国風盆栽展at東京都美

鬼頭正男 真柏
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佐藤三夫 五葉松
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市村富雄 真柏
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廣瀬幸夫 黒松
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田中慶治 かりん
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小松正幸 真柏
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高橋廣美 五葉松
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高村佳雄 真柏
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大泉義郎 一位
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大平二作 真柏
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斎藤晃久 いわしで
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山田剛士 五葉松
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森勝喜 真柏
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池田有光 赤松
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袁健棟 真柏
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鈴木憲一 檜
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石内勉 杜松
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小山明徳 真柏
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中野隆 赤松
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登之内博 うめもどき
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遠藤雅久 真柏
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佐藤輝 蝦夷松
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池原一美 がじゅまる
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沼田清 真柏
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綿引新一郎 一位
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葉坂勝 真柏
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橋本義信 山もみじ
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絹和勝利 蝦夷松
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真鍋光一 真柏
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中村正美 五葉松
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山崎養世 寒ぐみ
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富岡正夫 真柏
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島田博靖 真柏
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広田孝伸 五葉松
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照井享悦 真柏
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白井雅彦 ちりめんかずら
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丸山かつみ 真柏
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白井美子 真柏
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坂野卓弘 山もみじ
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高本康司 真柏
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佐伯一男 かえで
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河内淳司 黒松
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並木浩一 一位
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大森要次 皐月(栄冠)
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内田任人 五葉松
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鈴木金五郎 真柏
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久保田嘉文 赤松
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松島稔 真柏
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古澤辰雄 山もみじ
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二見厚 一位
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鈴木利男 蝦夷松
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豊田喜代子 野梅
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下総幸男 皐月(大盆)
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靍見敏夫 皐月(栄冠)
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小倉薫 赤松
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岩出政雄 五葉松
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山﨑義信 皐月(光華)
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山口久弥 真柏
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高橋忠義 一位
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Adam Balick ちりめんかずら
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摂待睦夫 赤松
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熊谷寿 五葉松
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大川賢三郎 一位
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Melvyn Goldstein 皐月(栄冠)
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高橋勇義 蝦夷松
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廣島勝沖 杜松
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仲村威 蝦夷松
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湯浅一徳 黒松
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坪井孝一 五葉松
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荒川和也 真柏
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佐々木春樹 長寿梅
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鈴木政行 真柏
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塩田満夫 真柏
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上川忠雄 五葉松
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髙木一幸 真柏
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吉永芳男
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鷺喜三郎 真柏
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鷺喜三郎 うめもどき
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萩原勇吉 長寿梅
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関口吉男 皐月
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田続明 真柏
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高倉一男 野梅
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八木沼芳二 真柏
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澳耳又邑全教 かえで
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杉浦義尚 五葉松
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井上豊一 真柏
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島方孝晴 かえで
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菊田勝三 赤松
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近藤一史 野梅
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館幸太郎 真柏
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中野喜美江 かえで
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廣瀬町子 長寿梅
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平山重孝 五葉松
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関根宏一 紫式部
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星良一 野梅
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村上佐和次 姫美好
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村上佐和次 ちりめんかずら
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霜田義江 けやき
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霜田孝光 五葉松
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大森忠嗣 山もみじ
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清水欣一 寒ぼけ
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内田昇 五葉松
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青木洋 黒松
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斉藤功 真柏
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塚越満雄 寒ぼけ
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久保田将万
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小林昭雄
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藤原重政
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石井千一
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羽鳥弘 けやき
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吉永久徳 黒松
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隅田真一 ちりめんかずら
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笠井清秀 五葉松
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豊田啓治 真柏
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和田法宏 五本松
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米村金夫 真柏
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永塚滋 五葉松
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森波博 真柏
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森岡英一 真柏
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梅原武 山もみじ
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宮内庁 檜
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東京都美術館の国風盆栽展へ行ってきました。

“アランカル”なんて言いたくなるような中2心をくすぐられる造型美。盆の上の宇宙。兼六園に行ったとき”これは殿様のリアルサイズ盆栽だ”とか想ったけれど、素晴らしい盆栽はまるで縄文杉の縮小版のような密度の魅力でした。

小さな大樹の幹は骨であり筋肉だと知り。捩じれる體は荒木飛呂彦のよう。そしてひとつひとつの容貌は運慶の彫る無著菩薩立像 世親菩薩立像のような存在感を湛えていました。

年輪を重ねたひだの美は若々しいつるっとした者には出せないと謂ったはかわぐちかいじだったか。時間がつくりだす美しさがそこにありました。



by wavesll | 2018-02-17 09:40 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

Photographs of 第66回 東京藝術大学 卒業・修了作品展

懸谷直弓 ≪2.5次元の触覚≫
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藤田クレア ≪閾≫
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鈴木修一郎 ≪夜景≫
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齊藤琴絵 ≪影は絶えず≫
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SIMONE PHILIPPOU
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堀内悠希 ≪Circular Clues≫
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栗木結生 ≪今日めぐりあえなかった人達≫
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石塚嘉宏 ≪数えきれないほどたくさんの粒子の移動について≫
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鷹觜絢香 ≪Twin Chair≫
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岡ともみ ≪岡山市柳町1-8-19≫
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黒氏琢也 ≪ムズムズ≫
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後藤宙 ≪Composition:Heptagon≫
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澤井恭平 ≪Soul Immortal≫
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倉田明佳 ≪When I came back to myself≫
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趙恩枝 ≪記憶の緑≫
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日下部岳 ≪可能世界と石≫
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岸由紀子 ≪Paradise(ver.JY)≫
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伊藤五津美 ≪孤を描く≫
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京増千晶 ≪容疑者:■本陽一(32)≫
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住吉美玲 ≪いつかその時が来たら、私は≫
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渡邊優子 ≪漂う夢≫
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細渕すみれ ≪いるかホテルの友人≫
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川上椰乃子 ≪弁慶橋より≫
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真鍋由伽子 ≪変わらない海≫
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大山菜々子 ≪今はまだ揺籠の中で≫
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金丸理恵 ≪かつ消えかつ結び≫
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安河内蘭 ≪回帰≫
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上野真樹 ≪畜生道~獄中愛物語~≫
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岡村峰和 ≪自画像「鷺男」ポスター≫
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長谷川友香 ≪Here≫
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石村大地 ≪自刻像~好きを集める~≫
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澤村崇太郎 ≪あとどれくらい僕は深く潜れるだろう≫
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澤村崇太郎 ≪ダイバー≫
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石下雅斗 ≪The Tower of Life≫
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江田伊吹 ≪望郷≫
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小早川和香奈 ≪filtered sunlight≫
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吉原優里子 ≪A blink of bloom colon starry≫
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東京藝大の卒展に行ってきました。

先ず目に飛び込んで来たのは懸谷直弓さんの≪2.5次元の触覚≫。超巨大なマウスカーソルが現前したプレゼンテーション。逆ARというか、仮想が現実化することで、物質というのは超密度の情報体でもあるのかもしれないと思いました。

本日は最終日で、棟によっては1/31までだったのか><!とか思いつつも藤田クレアさんのヴンダーカンマーな≪閾≫を愉しんで。

絵画では写真と見まごうような鈴木修一郎さんの≪夜景≫、黒炎に闇虹が滲む齊藤琴絵さんの≪影は絶えず≫、日本的なめでたさがいいSIMONE PHILIPPOUさんの作品、堀内悠希さんの≪Circular Clues≫の機械と風景スケッチのめぐりあわせ、紫輝に透ける栗木結生さんの≪今日めぐりあえなかった人達≫、石塚嘉宏さんの≪数えきれないほどたくさんの粒子の移動について≫のコンポジションや水でつくったかのような鷹觜絢香さんの≪Twin Chair≫のエメラルドグリーンに目を瞠りました。

そして岡ともみさんの≪岡山市柳町1-8-19≫はお婆様の家の品々を使いながら、静謐に鳴る環境音と透明な板を使ってレイヤーを組む暗やみの中で光が存在する作品。懐かしさと尖端性が同居する感覚でした。

藝大美術館へ行くとまず黒氏琢也さんの≪ムズムズ≫が。虫が這う劔?面白いフォルムでした。中の展示も素晴らしいものが多く、後藤宙さんの≪Composition:Heptagon≫の堂々たる美、木で人魚を顕わした澤井恭平さんの≪Soul Immortal≫、現代的な女の子の可愛さとカッコよさが表現された倉田明佳さんの≪When I came back to myself≫、情報の構造体を形成した趙恩枝さんの≪記憶の緑≫、日下部岳さんの≪可能世界と石≫と岸由紀子さんの≪Paradise(ver.JY)≫は連作の中での全体の合成の面白味がありました。

ここで東京都美術館へ移動、伊藤五津美さんの≪孤を描く≫は貝殻が張り付けてある球体の作品。京増千晶さんの≪容疑者:■本陽一(32)≫は「の」の字が盗まれた世界線のユーモアがある作品。結婚情報誌の表紙を全部自分の顔にした住吉美玲さんの≪いつかその時が来たら、私は≫にもニヤリとさせられました。

日本画がとっても素晴らしくて、渡邊優子さんの≪漂う夢≫の漆黒のカイロス、細渕すみれさんの≪いるかホテルの友人≫はピンクの壁から南米のマジックリアリズム世界への扉が開かれる様に感じて好きでした。川上椰乃子さんの≪弁慶橋より≫の濠の緑が美しくて。写真より全然生が良かったです。

真鍋由伽子さんの≪変わらない海≫の冬の情景、大山菜々子さんの≪今はまだ揺籠の中で≫は仙人掌が良かった。金丸理恵さんの≪かつ消えかつ結び≫は懐石料理のような澄んだ味とキャンディーのようなPOPさが融合していて。安河内蘭さんの≪回帰≫にはクリムトの金地のような美しさを感じました。

上野真樹≪畜生道~獄中愛物語~≫はスティッキーフィンガーズのようなファッショナブルな狂いがあって好きで◎岡村峰和さんの≪自画像「鷺男」ポスター≫はアイディアと実装クオリティの勝利。長谷川友香さんの≪Here≫にはLOSALIOSの音が似合いそう。

B1へ降りていくと彫刻作品群が。石村大地さんの≪自刻像~好きを集める~≫は甘い毒っ気が好みで。澤村崇太郎さんの≪あとどれくらい僕は深く潜れるだろう≫は潜水士を木で彫るのが面白く、素潜りの≪ダイバー≫は泡を彫刻してて興味が惹かれました。

石下雅斗さんの≪The Tower of Life≫は古代遺跡から採って来たような崩れが見事。江田伊吹さんの≪望郷≫には裏にあるドラマの深さを感ぜさせられました。そして恐竜骨格のような小早川和香奈さんの≪filtered sunlight≫。最後に吉原優里子さんの≪A blink of bloom colon starry≫金属の花を目の保養に会場を後にしました。

結構焦って回ってCheck洩れも多数、出来れば最終日も12:30終わりでなく17:00までやって欲しかった><と想いつつも、結構スパスパみれて快い卒展となりました。

by wavesll | 2018-02-03 18:24 | 展覧会 | Trackback | Comments(2)

「怖い絵」展 at 上野の森美術館 画の背後にある物語性と劇的瞬間の美しさ

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上野の森美術館で休日には2h待ちの行列をつくっている「怖い絵」展。今は連日20:00まで開館が延長されているこの展覧会に並んできました。

中に入っても物凄い人で。正直ビックリというか、”このラインナップでこんな混む!?”とw 逆に普段見てる歴史的な銘品揃いの展覧会凄いなとw

『怖い絵』シリーズは何でもかなりの重版出来らしく、世界一受けたい授業にもキュレーターの中野さんが出演しているとかで、普段展覧会をみに行かない方々にかなりリーチ出来たのかもしれません。

なので、多くの人が館内で正攻法でみようとするので、ちょっと絵を通り過ぎてから逆側からみたり、2列目からみたりサッと隙間からみたりするとかなりスルスルと見れる感じです。というかこの混み方では覇道じゃないと。箱が狭いこともあり体感は北斎展@あべのハルカス国宝展@京博並みでした。

先程”このラインナップでこんな混む!?”と書きましたが光る作品は幾つもあって。

特に女神、妖女、ファム・ファタールが描かれた作品に惹かれました。

一番美女だと感じたのはハーバート・ジェイムズ・ドレイパー≪オデュッセウスとセイレーン≫のセイレーン達。若い女の子の官能性の極致。セイレーンだと美女でなく妖獣ですがギュスターヴ=アドルフ・モッサ≪飽食のセイレーン≫も良かった。


この展覧会では作品と同じくらいキャプションが主役となっていて、背景や意味が語られていて。怖い絵といってもスプラッターではなくてじわじわと怖いものが多く、中には”「死にたい」と言っていたら髑髏が現れてしまい「この荷物を運ぶの手伝ってくれ」と翻意して言う様子”が描かれたジョセフ・ライト≪老人と死≫なんて作品も。

『サロメ』の挿絵画家ビアズリーの暗澹さが滲むチャールズ・シムズ≪ワインをたらふく飲む僕と君にこれらが何だというのだ≫やこれもチャールズ・シムズの≪そして妖精たちは服を持って逃げた≫なんてのは小人がきらゆらと描かれて。著名人やその時々の風俗・迷信という題材の面白い作品が多いのも「怖い絵」展の特長と言えるでしょう。

そしてチャールズ・シムズ≪クリオと子供たち≫は戦争で死んでしまった子供たちが血を流す女神の元で聴き入っているという、どこまでも明るいヴィジュアルなのに死が描かれている作品で、確かにこれは怖い絵だと感じました。

一方で昏いヴィジュアルの怖い絵の代表がウォルター・リチャード・シッカート≪切り裂きジャックの寝室≫。切り裂きジャックに強烈な関心を示したシッカート。実は彼自身が切り裂きジャックだったという調査が発表されていて。解説も含めて絵を見た時の負のエナジーというか、正に本展の狙い通り鳥肌が立ちそうになりました。

またその隣のニコラ=フランソワ=オクターヴ・タサエール≪不幸な家族(自殺)≫は今まさに練炭自殺をしようという場面が描かれていて。これもしみじみと恐ろしい絵。

本展はいわゆる”綺麗目”な画が多く、ヴィジュアル表現としては同じようなテイストが多い印象でしたが、中には”おぉ!”と想わされる絵もあって。凶悪な笑みを浮かべるピエロ達が舞台上?のキスする男女を眺めるジョン・バイアム・リストン・ショー≪人生はこうしたもの≫なんかはかなり好きでした。

そして展示の中に何気に有名画家の作品もあったり。エドヴァルド・ムンク≪森へ≫はまるでデジタルな森淵へ歩んでいくような心象風景が近現代な感覚。ギュスターヴ・モロー≪ソドムの天使≫は神々しく光り輝きながら殺戮をつくす天使が印象的。パリ初期の不遇な時代の鬱々とした絵が意外なポール・セザンヌ≪殺人≫やヒエロニムス・ボス風の作者不詳(オランダ派)≪聖アントニウスの誘惑≫なんてのも。

モチーフの面白さでいうとウィリアム・ホガース≪ビール街とジン横丁≫は溌溂と生きるビール街と、アルコールに冒されたジン横丁の悲哀が。今だとその内ストロングゼロ文学な絵画が出てくるかもしれません。

絵画の物語性でいうと死体を出廷させて有罪を言い渡した場面を描いたジャン=ポール・ローランス≪フォルモススの審判≫や噴火という大災害を描いたフレデリック=アンリ・ショパン≪ポンペイ最後の日≫、そして後に運命が暗転する前の栄華を描いたフレデリック・グッドール≪チャールズ1世の幸福だった日々≫も「怖い絵」でした。


王位継承権をめぐって反逆の汚名を着せられ処刑された若き乙女の白く透明な美しさ。それぞれの登場人物がきちんと素晴らしい演技が込められていて、劇的な場面の物語性と絵画表現としての圧倒的な美しさが。正に真打。これは観れて良かった。

なんだかんだで結構楽しい展覧会でした。そして物語性や意味性の解説がこれだけの需要を喚起するとは。これに味をしめられてこんな感じの展覧会をやられまくったら困りますが、寧ろ他業種、洋楽PRや翻訳書PRの人達にとってはかなり刺激を受けるプロジェクトなのではないかと想いました。

12月17日まで。最前列で全て見たいというのでなければ平日仕事終わりにサクっとみるのがお薦めです。

by wavesll | 2017-12-07 21:36 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

師走の上野で和楽器バンドフリーライヴ@東博をみる

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和楽器バンド / 千本桜

東京国立博物館にて和楽器バンドのフリーライヴを観てきました。普段使わなかった東博の西門から入ったのが楽しかった。

和楽器バンド、ロックサウンドの中「千本桜」のイントロの三味線とか尺八もよく聴こえて。ライヴでのサウンドワークにかなり”おぉ!”と想いました。

個人的にはもっとソリッドでソウルフルな渋み苦みを演ってくれたらより好きになれそうです。


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by wavesll | 2017-12-04 06:39 | 街角 | Trackback | Comments(0)