タグ:六本木 ( 37 ) タグの人気記事

六本木ヒルズの巨大蜘蛛 "Maman" の靴下穿いたVer

c0002171_21423684.jpg
c0002171_21424518.jpg
c0002171_21425619.jpg

by wavesll | 2018-05-10 21:43 | 街角 | Trackback | Comments(0)

林忠彦の仕事展@FUJIFILM SQUAREにて「太宰治、酒場ルパンで 銀座」や「初戀とはナンゾヤ」の写真達をみる

c0002171_19242575.jpg
東京ミッドタウン、FUJIFILM SQUAREにて開かれている「昭和が生んだ写真・怪物 時代を語る林忠彦の仕事」展へ行ってきました。

戦後のカストリ雑誌ブームに乗り人気写真家となった林氏の昭和を寫した仕事を視ました。

最も著名なこの太宰の写真、多くの場合トリミングされ長方形なのですが、本当は太宰の目線の先には坂口安吾がいて、今回初公開となった原本では坂口安吾の背中も映っていました。また展示ではこの写真の隣に眼光鋭い坂口安吾の写真もありました。

個人的に印象的だったのは「焼け跡の母子 代々木」で荒涼とした風景に呻き、叫びのように瓦礫に書された「初戀とはナンゾヤ」の文字。母子の小さな背中と共に胸を締め付けるものがありました。

この他、ショーガールが屋上で寝そべる様子を撮った「日本劇場の屋上 銀座、1947」なんて当時の文化風俗を刻む写真たちが展示されていました。

現在開かれている第一部は5/31までで、6/1からは第二部が展示されるそう。六本木の東京ミッドタウンへ行く際などにオススメしたい写真展でした。

by wavesll | 2018-05-05 19:38 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一 @国立新美術館 空中の川を泳ぐ鯉幟たちと共に回游す。

c0002171_15160380.jpg
c0002171_15082849.jpg
c0002171_15085374.jpg
c0002171_15092140.jpg
c0002171_15093662.jpg
c0002171_15100006.jpg
c0002171_15101366.jpg
c0002171_15102539.jpg
c0002171_15104011.jpg
c0002171_15105220.jpg
c0002171_15111075.jpg
c0002171_15114419.jpg
c0002171_15121914.jpg
c0002171_15123200.jpg
c0002171_15124679.jpg
c0002171_15130092.jpg
c0002171_15131881.jpg
c0002171_15135126.jpg
c0002171_15140775.jpg
c0002171_15150238.jpg
c0002171_15151638.jpg
c0002171_15152982.jpg
c0002171_15154249.jpg
こどもの日ということで新美“こいのぼりなう!”展へ。色んな質感の布でつくられたこいのぼりが宙を泳いで、その内部を自由に歩けるから自分も空中の川?の中みたいでした。奥ではこいのぼりに使われた生地を触れられたりマイこいのぼりを自作できるコーナーも。楽しい展示でした。

by wavesll | 2018-05-05 15:20 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

Bührle Collection 至上の印象派展@新美 数百年に及び画家たちが営脈した絵画革命のMovement

c0002171_01341861.jpg
国立新美術館に至上の印象派展 ビュールレ・コレクションを観に行きました。

エミール・ゲオルグ・ビュールレという希代のコレクターがその財をもって集めた珠玉の作品達。そのコレクションは印象派を中心に、その百数十年前における印象派的な感性の萌芽から、印象派を経てモダンアートへ至る美術の遷移を顕わしていました。

最初のセクションは「肖像画」。古典的なモチーフに於ける前・印象派の中で、印象派に通じる感性を「未完の完」で顕わします。

フランス・ハルス≪男の肖像≫は、その素早い筆致から当時は「この絵は出来上がっていない」と不評だったのですが、後年「モダン・アートの先駆けだ」という評価になった作品。

当時の肖像画はジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル≪イポリット=フランソワ・ドゥヴィレの肖像≫のように隙なく高精細な輝きが目を奪う流れだったところ。同じくアングルの≪アングル夫人の肖像≫のように服のタッチが粗いのは未完だったのが普通。そこを面白がるというのが印象派以降の感性の為せる技。

ここでは幻想的な精神が描かれたアンリ・ファンタン=ラトゥール≪パレットを持つ自画像≫やピアノからふと振り返った様を描いたエドガー・ドガ≪ピアノの前のカミュ夫人≫も良かったです。

次のセクションは「ヨーロッパの都市」。前・印象派に於いてもフランチェスコ・グァルディ≪サン・マルコ沖、ヴェネツィア≫のように水面や空の瞬きに主眼が置かれる絵画でありました。

そして≪カナル・グランデ、ヴェネツィア≫という超高精細な絵を描いたアントーニオ・カナール(カナレット)がリアルに描いた≪サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂、ヴェネツィア≫と同じトポスをパステルな点描で画いたポール・シニャック≪ジュデッカ運河、ヴェネツィア、朝(サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂)≫を並べることで絵画技法の変遷が鮮やかに示します。

またアンリ・マティス≪雪のサン=ミシェル橋、パリ≫という、パブリックイメージとは異なるマティスに於ける印象派な作品も展示してありました。

そしてセクション3は「19世紀のフランス絵画」。カミーユ・コロー≪読書する少女≫は少女がふと読書しているさりげない瞬間を描いている作品。こうした「ひととき」を捉えたスナップショット的な感性は印象派の一つの支柱となる萌芽でした。

ギュスターヴ・クールベ≪狩人の肖像≫はRPGのステータス画面を想起させるような横顔像。ウジェーヌ・ドナクロワ≪モロッコのスルタン≫は画家本人が訪れたという異国の悠然とした将を描いた作品。ピエール・ピュディス・ド・シャヴァンヌ≪コンコルディア習作≫は後進に大きな影響を与えた画家の初期の成功作。

そしてエドゥアール・マネ。≪オリエンタル風の衣装をまとった若い女≫はだらしない白い肢体の艶、中央の二人が主眼ではなく飛び征く≪燕≫こそが書きたいというのが先進的な感性。≪ワシミミズク≫もスナップ写真的な一枚でした。

そしてセクション4は「印象派の風景」。カミーユ・ピサロ≪ルーヴシエンヌの雪道≫は雪が放つ光を描いたまさしく印象派な一枚。アルフレッド・シスレー≪ハンプトン・コートのレガッタ≫は舟の直線としてのヴィジュアルが面白い一枚。エドゥアール・マネ≪ベルヴの庭の隅≫はマネとしては珍しい印象派的な画風の作品。上に書いたマティスもそうですが、画家の”らしくない逸品”を揃えるところがビュールレのマニアックなツボを突くコレクターとしての美点を感じました。

そしてビュールレにとっても特別な画だったというクロード・モネの≪ヴェトゥイユ近郊のヒゲナシ畑≫が素晴らしくて!荒い筆致で画かれた空と精細な筆致で画かれた赤いヒゲナシ畑の明度のコントラストが大きな印象をもたらします。モネでは≪ジヴェルニーのモネの庭≫も咲き誇る花の華が素敵でした。

第5セクションは「印象派の人物」。ここでは何と言ってもメインヴィジュアルであるピエール・オーギュスト・ルノワールの≪イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)≫。遠目では愛らしい美少女だったのが、近づくほどに内面からクール・ビューティーさが湧き出でて。当時ダンヴェール家には不評だったというこの絵、それは精密な絵画を期待されていたからというのもあったそうですが、子どもに潜む冷たさが画き出されたというのもあるかもしれません。

ルノワールは≪夏の帽子≫でも明るさの中に冷たさのある少女を描いていて、豊潤でふくよかな≪泉≫の大人の女性像とは対照的でした。子供に潜む”怖さ”という点ではエドガー・ドガ≪リュドヴィック・ルピック伯爵とその娘たち≫もそう。ドガは他にも≪出走前≫という競馬の一幕を描いた作品や逆光で体のラインが透ける≪控え室の踊り子たち≫、銅像に本物の服を着せた≪14歳の小さな踊り子≫も展示してありました。

セクション6は「ポール・セザンヌ」。≪聖アントニウスの誘惑≫のダークで肉感的な画面。捻った性格も伝わる≪扇子を持つセザンヌ夫人の肖像≫、同じくメイン・ヴィジュアルにも使われた≪赤いチョッキの少年≫は青い画面なのだけれど、少年にライトが当たったような明るい輝きが感ぜられました。≪パレットを持つ自画像≫はいかにも人が良さそう。晩年に良く取り組んだモチーフである≪庭師ヴァリエ(老庭師)≫は20世紀後半のデザイン性というか、かっこいい渋みのある逸品でした。

セクション7は「フィンセント・ファン・ゴッホ」。彼の十年の画業を初期の≪古い塔≫から魅せていきます。≪自画像≫は頬がこけて悲しそうだけれど内面の焔なオーラが込められた一枚。≪アニエールのセーヌ川にかかる橋≫は新たな印象派といった印象で汽車が好い感じ。

そして≪日没を背に種まく人≫の衝撃。印象派の絵は遠目で観た方が綺麗に見えたりするのですが、ゴッホの絵は近づくほどに迫力が増して。巨大な黄色い太陽の円、浮世絵から影響を受けた中央の林檎の枝幹。人物は黒緑に厚塗りされ、地面は紫、空は黄緑、雲は桃色。圧倒されました。

そして≪二人の農婦≫でさらに飛躍。波打つ畑と空。白く抜かれた二人の農婦。生で観るとこんなにもヴィヴィッドな絵だったのか…!≪花咲くマロニエの枝≫も”これぞゴッホ”という名画でした。

第8セクションは「20世紀初頭のフランス絵画」。アンリ・トゥールーズ=ロートレック≪コンフェッティ≫は広告のための習作。白に明るい差し色が入って好い奴でした。パブロ・ピカソ≪ギュスターヴ・コキオの肖像≫は≪庭師ヴァリエ≫のようなカッコよさを持つピカソによるポスト印象派な一枚。

エドゥアール・ヴュイヤール≪訪問者≫は家に帰ってきて外套も脱がずにちょっと腰かけて休む様子が描かれた一枚。ピエール・ボナール≪アンブロワーズ・ヴォラールの肖像≫はきゅっとすぼんだ表情が面白い一枚。

ポール・ゴーギャンによる≪肘掛け椅子の上のひまわり≫は当時ゴッホと交換したというひまわりのモチーフが南洋の湿度・昏い熱気に在る一枚。ゴーギャン≪贈りもの≫は現地の女性の菩薩のような褐色の肉体性が心に馴染みました。

そして第9セクション「モダン・アート」。アンドレ・ドラン≪室内の情景(テーブル)≫はゴッホとキュビズムの間のような鮮やかな色彩の存在感と、空間存在が起ち上がる一枚。

ジョルジュ・ブラックは≪レスタックの港≫は印象派の点描的な表現の先となる線画。≪ヴァイオリニスト≫でキュビズムを描き、≪果物のある静物≫では切り絵のような静物画に辿り着いていました。

そしてパブロ・ピカソ。≪イタリアの女≫は図画的な筆致の絵画を切り拓く一枚。そして≪花とレモンのある静物≫はまさにピカソな、彼ならではのカクっとした描線の迫力ある一枚でした。

そして最終セクション10ではクロード・モネ≪睡蓮の池、緑の反映≫が。発表当時≪睡蓮≫は世間から評価を受けていなかったのですが、ビュールレはその慧眼から価値を見抜き、購入します。後のジャクソン・ポロックのオールオーヴァーに通じるような筆致。17世紀中盤からみてきたこの絵画の変遷は”その先”を予感させながらここに幕を閉じました。

この一大物語をみて想うのは印象派は一人の天才がすべてをかっさらっていったのではなく、天才達の群体によって営まれた芸術のムーヴメントだったということ。そしてその中からゴッホやピカソのような突然変異な爆発が揺籃されて。革命の歴史叙事詩に於ける様々な人のきらめく熱を感じる、本当に全てに見どころのある名展覧会でした。

by wavesll | 2018-04-21 02:46 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

MirrorBowlerの和紙桜 X ANÚNA : Sakura (arr. Michael McGlynn) 第48回音の貝合わせ

c0002171_00162455.jpg
c0002171_00181539.jpg
c0002171_00182934.jpg
c0002171_00184092.jpg
今年も首都圏では染井吉野の季節は過ぎて。
今年は郷さくら美術館で桜花賞展をみたり、苺スパークリングを片手に目黒川を歩いたり文化的に桜を楽しんだ春となりました。

そんな締めくくりとして、六本木一丁目・住友不動産六本木グランドタワーにてMirrorBowlerによる和紙桜をみてきました。

それに合わせたいのは来日コンサートも盛況だった「中世アイルランドの音楽を現代に甦らせる」というコンセプトの下、1987年にダブリンの作曲家マイケル・マクグリンによって結成された男女混声の合唱団 Anunaによる「さくらさくら」。

アイリッシュ合唱にリファインされた「さくらさくら」の霊妙なゆらめきが、うつりゆくミラーボールな桜のインスタレーションのきらめきとのコントラストが新しい倭として美しい。

こうして季節を楽しんでいけたら。これからも『葉桜の季節に君を想うということ』な時季ですね。

by wavesll | 2018-04-09 00:32 | La Musique Mariage | Trackback | Comments(0)

寛永の雅展atサントリー美術館 ”きれい錆び”な美意識のみせ方

c0002171_19424054.jpg
サントリー美術館にて寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽を観てきました。
桃山と元禄という華美な文化の間にある寛永は、小堀遠州が究めた「きれい錆び」が代表する”きれい”な美意識の文化。この展覧会では小堀遠州、野々村仁清、狩野探幽、そして後水尾天皇を軸に寛永のエレガンスをみせてくれました。

先ず入ると仁清、遠州、探幽の銘品が。

メインヴィジュアルにも使われた野々村仁清≪白釉円孔透鉢≫は色絵の印象が強かった仁清のイメージを更新しながら現代的ともいえるフォルムの存在感が素晴らしい逸品。

そして小堀遠州。≪瀬戸肩衝茶入 銘 飛鳥川≫は本体もさることながら入れ物の蓋に描かれた「飛鳥川」の文字の素晴らしいこと!特に「川」が好い。袋も素晴らしかった。

さらに狩野探幽≪桐鳳凰図屛風≫はエメラルドグリーンの火の鳥達に感銘を受けて。背景のゴリっとした筆致も快いギャップで。鳳凰たちの表情が魅力的でした。

そして次に展示されたのが本阿弥光悦筆・俵屋宗達画≪蓮下絵百人一首和歌巻断簡≫≪蔦下絵新古今集和歌色紙≫。本当にこの展覧会は心をとらえる書が多くて。HIPHOPで言う所のリリックというよりフロウとしてもとても楽しめるものばかりでした。

そして本阿弥光悦≪赤楽茶碗 銘 熟柿≫道入≪黒楽四方茶碗 銘 山里≫が展示されて。茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術 at 東京国立近代美術館でも強い印象を残してくれた樂焼き、今回ももったりとはんなりとした柿の熟した様子と漆黒に浮かぶ金色の山が素敵でした。

また松花堂昭乗画 安楽庵策伝賛≪安楽庵策伝像≫は落語の祖とも言われる安楽庵策爺を描いた掛け軸で、上に書かれた賛の字の美しさ、さらには下の安楽庵策の画と余白の”チョウドイイ”感。なかなかの品でした。

ここから後水尾天皇に纏わる展示。

≪後水尾天皇宸翰「忍」≫ は忍ぶ心の裡にある苛烈な心を強く感じて。≪後水尾天皇宸翰「一貫」≫は「一」の残心が凄かった。論語「一以貫之」の精神が強烈に現れていました。

園基福詞 住吉如慶画≪源氏物語画帖≫は雅でシャープな筆運びが素晴らしかった。また≪近江八景歌書箪笥≫は東園基賢筆の源氏物語を入れるための箪笥。金細工が素晴らしかったです。

そしてここから”本当にこういう字体が俺は大好きなんだ”という私的名筆が続いて。≪仙洞三十六番歌合≫、後水尾天皇講 飛鳥井雅章記 奧書 霊元天皇筆≪伊勢物語聞書≫、後水尾天皇講≪詠歌大概御抄≫、後水尾天皇講 霊元天皇筆≪百人一首御講釈聞書≫の流麗・美麗な書に惚れ惚れしました。

また≪小袖屛風 白綸子地鳥字繋模様絞縫小袖≫は「水」と「鳥」の字が丸に描かれて斜め掛けに連打されるすこぶる面白い着物。これはなかなか新感覚でした。≪銹絵染付菊七宝文茶器≫はヨーロッパでも中国でもない江戸のデザインを感じさせられ、≪御切形茶碗≫の落ち着いた中できらりと光る美も良かったです。

松花堂昭乗画 松花堂昭乗賛・江月宗玩・小堀遠州≪蕣図≫はすっと宙に生え浮かぶ黒朝顔。を始めとしてここからは小堀遠州による”遠州好み”の品々が並びます。

≪油滴天目茶碗 芙蓉台添≫は藤原定家≪桜ちるの文≫と共に当時飾られたそうですが、闇に舞い散る桜の花弁というきらめきで美しかった。本阿弥光悦≪膳所光悦茶碗≫は何とも言えないたわみが良くて。本阿弥光悦≪膳所光悦茶碗≫は虎を買うような色味がある斑点が素敵な一品。

≪高取面取茶碗≫はドーナツに欠けられたチョコレートのような質感の釉薬。≪染付花唐草文茶碗≫は内部の釉薬がかかっていない部分も狙いなのではないかと思わせる遠州のWANNA. ≪瀬戸肩衝茶入 銘 春山蛙声≫はコマのような明快な形の色の深みが魅力的。

≪高取茶入 銘 横嶽≫は遠州高取の完成形であり、その黒に滲むメタリックな虹色味が美しくて。≪祥瑞蜜柑水指≫は胴が凹んでいる現代的ともいえそうなフォルムの染付。染付は利休・織部は使っていなかったらしく、遠州独自の道だとか。

≪青貝布袋香合≫は螺鈿の布袋様。そして小堀遠州≪共筒茶杓 銘 玉川≫の素晴らしさ。やっぱりこの人の字、物凄く魅力的。やはり特に「川」が古代文字のような風格で素晴らしい。

ここから野々村仁清とその師である金森宗和の展示。宗和に師事していた頃は落ち着いた作風だった仁清は宗和の死の後で色絵へ移っていったことがみてとれました。

野々村仁清≪呉器写茶碗 銘 無一物≫は高麗茶碗の写しでたわみの美、灰色の美もあって。野々村仁清≪数天目≫十八口のうち三口のぴりりと光る天目の美。野々村仁清≪白濁釉象嵌桜文茶碗≫はなんとも言えない藍白の色味が素敵で。刮目の出来でした。

野々村仁清≪色絵蓬菖蒲文茶碗≫の美しい翠、そして野々村仁清≪色絵紅葉賀図茶碗≫の素晴らしさ。金縁で画かれた紅葉と火炎太鼓?と旗の素晴らしい茶碗でした。

野々村仁清≪黒釉色絵金銀菱文茶碗≫は金銀菱も素晴らしいけれどその上の青緑が美しくて。黒に映えていました。野々村仁清≪色絵花輪違文茶碗≫は丸い朝顔のような色違いの花々がちょっと妖しさもあるような美を放っていました。

野々村仁清≪黒釉金彩肩衝細茶入≫は黒い幕に割かれた白い富士が印象的な自然でオリジナルな作品。野々村仁清≪色絵鱗波文肩衝茶入≫はエメラルドとゴールドの鱗波が白に映える作品でした。

野々村仁清≪鉄釉輪花口水指≫の逆瓢箪で、口のギザギザさは、エジプトみたいなウサギの立体があしらわれた≪信楽写兎耳付水指≫にも通じて。

野々村仁清≪唐津写建水≫は公家好みの落ち着いた作品。野々村仁清≪白地鉄釉流鍬形花生≫は兜の前立ての鍬形の見立ての器。そして野々村仁清≪流釉花枝文平鉢≫はぐにゃりの極み!こーれは素晴らしかった!!!このフォルム意識、凄ぇなぁ日本人の美意識の水準は、と。

最後は狩野探幽の章、狩野探幽が所持していた野々村仁清の≪色絵菊文茶碗≫といった品も。

狩野探幽≪竹林七賢・香山九老図屏風≫は七賢・九老を山水画のように描いた逸品。そして狩野探幽が中国の絵画に学び自分流に描きなおした≪学古図帖≫や彼が画いた≪狩野探幽 仏像祖師仙人花鳥獣画冊≫も素晴らしかった。

今回の展示、狩野探幽もさることながら、野々村仁清は石川県立美術館で観た≪色絵雉香炉≫、≪色絵雌雉香炉≫を更新する金森宗和期を含めた全貌がみれたのも嬉しいし、小堀遠州が打ち立てた”きれい錆び”の遠州好みという美意識の魅せに、プロデューサー、キュレーターとしての究極の趣味者としての姿に憧憬を抱かされました。会期は今週末まで、なかなかの小粋な展覧会でした。

by wavesll | 2018-04-06 21:30 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

木島櫻谷展 Part1 近代動物画の冒険 @泉屋博古館 分館にてみる野生生物の瞳光

c0002171_19403423.jpg
六本木一丁目の泉屋博古館 分館にて木島櫻谷展を観てきました。

明治から昭和にかけて活躍した京都の日本画家木島櫻谷(このしま おうこく1877-1938)。4/8までのPart1では彼が画いた動物たちの姿が生き生きと展示されていました。

まず最初に出てくるのは≪野猪図≫。なんとも高貴な目をした猪。もののけ姫の神猪を思わせるような角度で横から見上げるように描かれていて、毛並みの質感描写が本当に匠。

≪猛鷲図≫は天鵞絨の作品のための画で翼のフォルムがカッコよくて。≪猿猴≫の猿のひょいっとした顔◎≪奔馬図≫の軽やかに跳走る図示化された馬の姿。

≪初夏・晩秋≫は季節が廻り角が生えてくる鹿たちの姿。正面に近い角度で画かれる小鹿の表情の愛らしいことと言ったら!≪寒月≫は月の夜に一人林を彷徨く狐の画。賞をとったけれど当時夏目漱石が酷評したのはその演劇的ともいえる非現実性な空間描写からでしょうか?

≪獅子虎図屏風≫のみなぎる威風。野生の眼の力、毛並みの流れ、格好良かった。木島は本当に良く動物を観察していたようで、会場には写生帖や、京都市立記念動物園から贈られた優待券などもありました。

≪熊鷲図屏風≫の熊のモフったカッコよさ。熊も鷲も目がきらきらしていて。≪薔薇孔雀図≫≪春苑孔雀図≫には”やはり花鳥画は日本画だな”と想わせるあでやかさ。

木島の目は人物描写もまるで野生生物を見るように精緻に表情を捉えていて。≪田舎の秋≫の村人、子どもの表情。牛の表情も良かった。そして修復された≪かりくら≫のお爺さんたちの表情!まさにニンゲンという動物を見る感覚。

≪幽渓秋色≫、≪葡萄栗鼠≫、≪渓上春色≫、≪雪径駄馬≫の四季の掛け軸もいい。こんまいリスが可愛かったです。≪菜園に猫≫のゆるいながらも飼われきっていない風情を感じる斑の白猫。≪獅子≫の憂いを秘めた深い表情。

≪角とぐ鹿≫の漆黒の瞳と≪鹿の母子≫の穏やかな空気感のコントラストが印象的でした。

≪月下遊狸≫のひょっこりとしたタヌキと≪竹林老狸≫の闇から出てくるタヌキ、双方可愛くて。

≪鶏≫のバリイさんのような飄々とした顔、≪遅日≫の春の日の仔犬の愛くるしさ。縮模帖の虎なんか『皇国の守護者』のサーベルタイガーのようで。

そして何度も何度も食い入るようにみつめてしまったのが≪猛鷲波濤図屏風≫。金地に墨一色で画かれた飛空艇のように勇壮な鷲が真に格好良くて。これ識れたの嬉しかったなぁ、画像じゃ魅力を千分の一も伝えきれない!

Part1も展示替えがあり、後期は3/20から。そして4/14からはPart2として四季連作屏風が展示されるそうです。

800円でさくさくみれるので、アークヒルズなんかに行ったときとかふらっとみるもよし、野生の瞳、毛並み、表情のナトゥラリアとデザインの止揚の質の高さに抜きん出た筆致に見惚れるもよし。佳い展覧会でした。

by wavesll | 2018-03-13 20:12 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

マヤの石碑Art等を shide CONTACT 2018 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科 2017年度卒業制作選抜展 at 六本木AXISにてみる

鈴木健一 ≪マヤは語る≫

c0002171_23252183.jpg
c0002171_23253359.jpg
c0002171_23255623.jpg
c0002171_23261663.jpg
濱元拓 ≪眼とモルフェー≫
c0002171_23263682.jpg
木村夏奈 ≪絵歯車物~歯車で見る長篠の戦い~≫
c0002171_23271060.jpg
押木森太郎 ≪次世代鳥類 カムリバシ≫
c0002171_23272775.jpg
c0002171_23273969.jpg
北林みどり ≪水文様二十一景≫
c0002171_23442697.jpg

c0002171_23365948.jpg

ほんとすごいので時間ある人は、明日六本木AXISの地下にいってほしい…。武蔵野美術大学の視デ所属の鈴木さんは、今回の卒制では古代マヤ文明の年表を、マヤ文字と絵を使って表現してます。驚くのは、これは模写とかじゃなくて、オリジナル。つまり自分でマヤ文字で作文し、デザインしてるんです…。
という呟きにMoveされて武蔵美の視覚伝達デザイン学科の展覧会をみてきました。

どの作品もとても良く練られていて、駆け込みだったため写真に撮れなかったものも素晴らしいものばかりでした。今確認すると4Fでも展示があったそうで、みたかったー><!残念ながら本日で会期終了。

六本木の煌びやかな夜気も相まり異界の藝術空間がとても良くて。これは来年度の卒展もcheckしたいと強く想いました。

by wavesll | 2018-02-27 23:37 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

野生展 飼いならされない感覚と思考+α@21_21 DESIGN SIGHT 縄文的な澄んだクオリアのArt展

≪這い熊≫ 柴崎重行、根本勲
c0002171_20143193.jpg
≪丸石神≫
c0002171_20152109.jpg
≪Between You and I あなたに続く森≫ 青木美歌
c0002171_20174214.jpg
≪Finding Perceptions≫ aircord
c0002171_21035174.jpg
c0002171_20270223.jpg
≪Old Boar and Orangutan≫ ステファニー・クエール
c0002171_20184773.jpg
≪獣の遠吠え≫ 田島征三
c0002171_20203667.jpg
≪始まりの庭 水の切り株、土の切り株≫ 鈴木康広
c0002171_20213905.jpg
≪道具と作ることのインスタレーション -case1-≫ 渡邊拓也
c0002171_20224429.jpg
≪139/08//200 85/2008//250 51/2005//230≫ エルンスト・ガンベール
c0002171_20241906.jpg
≪無題≫ 黒田征太郎
c0002171_20263386.jpg
c0002171_20245696.jpg
c0002171_20251448.jpg
≪ボゼ、勢理客の獅子舞、糸崎の仏舞、バーントゥ、御霊神社の面掛行列・阿亀、石見神楽・大蛇、御霊神社の面掛行列、糸崎の仏舞と石見神楽・疫神≫ 西村裕介
c0002171_20252895.jpg
≪野生の現出≫ しりあがり寿
c0002171_20333677.jpg
c0002171_20360324.jpg
c0002171_20361575.jpg
中沢新一のディレクションによる野生展 飼いならされない感覚と思考を観に六本木21_21DESIGN SIGHTへ行ってきました。

南方熊楠の唱えた「縁起」や「やりあて」というスキームや『可愛い』といったような古からの非西洋的思考から脳の野生を開けていく。

ここで顕わされる野生は緻密でエレガンス。レヴィ・ストロースの野生の思考も恐らくベースにした展示全体のクオリアは澄んだ感覚は琉球のイザイホーアイヌの神謡のような縄文の血が濃い地での音響を想わせられました。

またデザインサイトには田島征三氏の≪流木オブジェ≫も展示してありましたので御掲載。
c0002171_20094754.jpg

cf.



by wavesll | 2018-01-31 20:50 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

Gerhard Richter 『Painting 1992‒2017』at WAKO WORKS OF ART

Abstract Painting (947-3)
c0002171_19533739.jpg
Abstract Painting (945-2)
c0002171_19540261.jpg
Abstract Painting (946-4)
c0002171_19542365.jpg
Abstract Painting (943-2)
c0002171_21162238.jpg

Abstract Painting (950-2)
c0002171_19551561.jpg
Abstract Painting (SANA) (716-2)
c0002171_19554114.jpg
Abstract Painting (Ravine) (873-2)
c0002171_19560507.jpg
Abstract Painting (Juist) (918-2)
c0002171_19562644.jpg
ゲルハルト・リヒター展『Painting 1992-2017』を六本木ワコウ・ワークス・オブ・アートにて観てきました。

一番好きだったのが一番上のAbstract Painting (947-3). この抽象画のシリーズはカラフルでアメーバ状のノイズ・イメージは90年代的なデジタル・スカムを感じますが、近年になるほど形が洗練され高められ放出していくイメージ。

特にこの947-3は猥雑なの路上の現代性が表れている気がしました。また943-2も都市構造の中にある熱帯・密林性が現れているようで好きでした。

その上で、アブストラクトな画はついついロールシャッハ的に「こうみえる・ああみえた」と感じがちなところを抽象を抽象のままで受け止め語れたらいいなぁなんても想ったりしました。

by wavesll | 2018-01-30 20:04 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)