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在りし日の新宿の目

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新宿の目が永眠したと聴いて。スバルビルの解体が始まる前に撮った寫眞たちをここに載せます。Good Sleep Oyasumi. いつか目に耀きが戻らんことを。

by wavesll | 2018-08-09 00:17 | 街角 | Comments(0)

新宿BE WAVEにてKINK GONG, 俚謡山脈、Soi48、MOPPY、TSUTAKIをみる。-エキゾチズムのきらめきとえぐみ

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SOI48 VOL.29 KINK GONG SPECIAL @新宿 BE-WAVEへ行ってきました。途中まではすごい楽しかったのですが、最後等辺はちょいほろ苦さもありました。

18:00に店に入りSoi48。NHKの海外買い付け番組なんかにも出演した彼ら。一度ディスクユニオン新宿でのインストアでみてるのですがタイSetを観るのは初。ルークトゥンからタイディスコ等時間が経過するほどあがっていき最後は打音の連打でまるでオーパーツのスペースシャトルで離陸するかのようでした。

Soi48からMoppyへ。トルコ?のディープなソウルフルな楽曲群にがんがんあげられる。そこからTsutaki。もはやどこかわからないアジア?の謎だがイカしまくる楽曲に大いに盛り上げられ。

そして俚謡山脈!想えば俚謡山脈からSoi48を知ったのでした。最初は神宮前Bonoboのアニマル民謡だったなぁ。このBE WAVEにも弓神楽で来たしエムレコードの作品達も楽しんでる位の好きさはある。

と、なんと会場にカメラが入って。NHKらしい。まじか。何か好きな地下アイドルが手の届かない所へいってしまったような感覚に襲われる。昨日郡上おどりを生で聴いてる分ヴォーカルの金属音さも気になる。

けれど中盤からどんどん良くなって。“アイドルの文脈でいうなら宇多丸がPerfumeに発した「こんなに誠実にやっててそれでもダメなんだったら本当にお終いだろう」クラスにいい仕事してるもんなぁ”と。そうする内になんと春駒や木崎音頭も!写真を撮るのも忘れ“もう俺のみる人全て売れろ★”w 最高だ。

そして今回の目玉のKINK GONG。Sublime Frequenciesでも知られるアジアのフィールドレコーディングで名を馳せる仏人のAct。Sublime Frequenciesの諸作には私も物凄く好きなものが多くて今回来る決め手となりました。

前半は20年代のシャムを撮った映画に音をつけるもの。直前の民謡Setの血が滾る感覚からするとかなり電子音な澄まし汁なのですが、段々ただの澄まし汁でなく民族音楽の凄みが電子的に昇華されて沸く沸くして。

KINK GONG後半、中国のPOPをViolentに破壊した電子音楽。テクノな天上宇宙へ届くような音。けれど映像が典型的な中国の伝統Showから極めて性的な映像に。オリエンタリズムなまなざしを感じざるを得なかった。しかしそれは私自身がタイやトルコ、ましてや日本民謡に感じたものではなかったか。

最後の習近平へのマザファッカーDISからの中国民謡PLAYも少数民族を愛するならば中共の圧政への批判的態度は当然だし、愛があるのはわかる。しかし靄った。

自分で面倒臭い事を言っていると想うし、その後のSoi48が回した恐らくKINK GONGの音はやはり響いたから音に罪はないし、今流行りの文化盗用なんて文脈も中国人当人でない私がとやかくいうことでないし、KINK GONGが白人だからの逆差別もあるのかも。けれどほろ苦さが残ったのでした。

地下のフロアから地上に出ればそこは歌舞伎町。客引きに声を掛けられ首を振ってギリギリガールズの前を曲がって帰路へ。俺は30過ぎてるというのに何をうぶ過ぎることを言っているのかと。ただ、旅人の奔放さ、自由さの裏に在るエキゾチズムの消費の暴力性も同時に認識する、心が大きく駆動した夜となりました。
by wavesll | 2018-07-02 01:19 | Sound Gem | Comments(0)

空気公団インストアライヴ@新宿タワレコ

空気公団 - うつろいゆく街で

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新宿タワーレコードにて空気公団のインストアライヴをみてきました。ずっといいなと思いながらもライヴをみたのは初めて。

今回はニューアルバム『僕の心に街ができて』のリリースを機にしたライヴ。

1. 美しい重なり
2. 青い夏の日
3. 君は光の中に住んでいる

と穏やかな雨の日になるような、北欧に於けるヒュッゲな楽曲たちが心地よく響いて。

そんな中で一気に”うわっ凄い!”となったのが 4. 旅をしませんか。先ず冒頭から中国語の語りがサンプリングされてビート・インされたり、全体的にサンプラーを使ってアレンジがバリバリで今日一番の驚きを与えて呉れました。めっちゃかっこよかった!Beat Music強度の高いアレンジが最高◎

そしてアルバムから特に美しく光さす 5. うつろいゆく街で が奏でられてライヴは終了。素敵な昼下がりとなりました。

by wavesll | 2018-06-23 23:37 | Sound Gem | Comments(0)

「Kihachiro Onitsuka 生誕100周年 by Asics 〜鬼塚喜八郎が描いた未来〜」at新宿伊勢丹本館

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先日赴いたオニツカのイヴェント。
近年、tofubeatsは言った。「日本人だけがアシックスの本当の価値を知らない(WIRED)『Shoe Dog』等をみて改めて認識が変わってきたアシックス、アシックス・タイガー、オニツカタイガーを俯瞰で体験できるイヴェントでした。

会場には鬼塚さんが書いた向日葵の画と、それをモチーフにした新作シューズの展示もありました。

by wavesll | 2018-06-05 04:36 | 街角 | Comments(0)

シバミノル個展「夢の中で生きていけないことくらいはじめからわかってる」 新宿眼科画廊 で「エイジング」に沁。

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シバミノルさんの個展「夢の中で生きていけないことくらいはじめからわかってる」を新宿眼科画廊 スペースEで観てきました。
ドローイングやペンでの一枚画の他、漫画作品の生原稿も展示してあって。

中でも「エイジング」という8pの漫画作品に心の裡に光を当てられて。

私は前は”見た目若いね”なんて言われて。少し得意になっていたところもあったのですが、段々”年相応の落ち着きとかがないという、情けない事なんじゃないか…”と想っている内にもう三十路、”若いね”とも言われないけれど、かといって精神的な成熟が起きている自信もない…。

そんな感覚、そんな心情にもろに触れてくるストーリーに”おぉ…”と想って。物語は“その先”もみせてくれて。また絵のスタイルも古典にも通じるようなオーセンティックさもありながら優儚なフレッシュな感触を湛えた漫画で、かなり好きでした。

こういう、心内にふと浮かぶ感覚を掬い上げてくれ少しドキリとさせられ。自分より高精細に日常を自覚し生きる人の美しさに”いいなぁ”と想った個展でした。僅ずつでも甘えから成熟へ生きたいと想いました。

会期は5/4-9 12-20時 ※最終日は17時まで とのこと。入場無料、撮影OKでした。
by wavesll | 2018-05-06 18:31 | 展覧会 | Comments(0)

Jades from Philippine ー 新宿御苑にてヒスイカズラをみる

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by wavesll | 2018-04-14 12:12 | 小ネタ | Comments(0)

土井玄臣live @カフェアリエ 歌の在処

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新大久保で降りて百人町・カフェアリエでの土井玄臣さんのライヴへ行ってきました。

『針のない画鋲』(bandcamp)という甘い痛みに巻き込まれないようにしてもただただ浸透してくる、美しい想いが蜜蝋のように篭った素晴らしいアルバムで知ったSSW。

飾らない雰囲気から魔法の様な域まで連れていかれました。途中でトイレ休憩が入る位に飾らない。MCでは『針のない画鋲』という題名は『ギリシャ語の時間』という物語から採られたものだという話やビル管理の夜勤の話も。

演奏を聴いて、ギターっていいなぁと想って。フィジカルとしての音像、喉、Guitar、物理としての事象がMagicに届くというか、考えてみれば自明のことだけど、とても感銘を受けました。

楽曲だとアルバムには今回入れず、今後も入れないだろうと語られた「晴天」という曲が詩とサウンド両面で歌として触発されました。幕間に爪弾き唄った楽曲も心の襞に触れて。

また高音から喉を休める為か地声に近く歌った歌のおかげで土井さんの楽曲の中にある血潮を強く感じ、アンコールで3.11から7年目に歌われた、アルバム『それでも春を待っている』収録の「言祝」にはぞわっとするような情念を感じて。

天上的なファルセットの奥にある切実さや血潮を識りますます良いなと想うとても好い時間を過ごせました。彼岸をみつめるようなまなざしが印象的で。

また自分はライヴ中に雑音が入るのは嫌なのですが、不思議と今日は気にならないどころかマイクを通さない歌声と相まって“うたのありか”という感じにとても良くて。これは磯崎新設計のこの建物、新宿ホワイトハウスの力などもあったのかもしれません。

アーティストのことを話すときに「〇〇みたいな感じ」というのは失礼なのではないかとも想ったりもしますが、家に帰ってから読んだCINRAのインタビューで「七尾旅人を聴いて、『この人いてんのやったら、自分音楽やらなくていいなあ』と思って、1回曲作るのをやめたんです。」と土井さんが語られていて、確かに七尾旅人の、特に初期のあの抒情に通じるものがあるなと感じた次第でした。このインタビュー、読み応えがありました。

また百人町から新宿駅への帰路が驚くほど静かなことにちょっと震えて。日本最大の繁華街の聴覚的な静さ。台北なんかもっとカオスで。新宿は静寂とアジア的な視覚の氾濫というコントラストが、ちょっと抽象的な心地を産んでいて。そんな虚無の中で土井さんの音楽は小さな、しかし確かに心に明かりを灯してくれた気がしました。


by wavesll | 2018-03-11 00:58 | Sound Gem | Comments(0)

『ブレードランナー ファイナル・カット』& 爆音上映 at 新宿ピカデリー『ブレードランナー2049』 ミレニアルな気風に向けた”神話”への端正なANSWER

Blade Runner 2049 Original Motion Picture Soundtrack by Hans Zimmer - (HQ) (HD)

『ブレードランナー ファイナル・カット』をBlu-Rayでみて、新宿ピカデリーにて爆音上映会『ブレードランナー2049』をみてきました。

『ブレードランナー』そのタイトルは今まで幾度も目にしてきて。そもそもサイバーパンクというジャンル自体がこの作品が打ち立てたものだというイメージとか、”神話”というか、二次的現象、三次的現象によって肥大化した巨大すぎる存在に思えて逆に手を付けてこなかったのですが、友人が「これ(2049)はいい」と言ってSFを読み始めたのもあって、今回この頂に登ってみたのでした。

『ブレードランナー』は端的に言えば「愛の映画」でした。

先日萩原朔太郎の『猫町』を聴いて”SFとは異郷への旅ではないか”と想って、この映画にもvaporwave的な異郷、すなわち非アルファベット圏である日本と中国が入り混じった電子的なディストピアのヴィジュアルの原像が打ち立てられていて。その後士郎、押井、ウォシャウスキーへと続くサイバーパンクの多重世界を跨ぐブロックチェーンの連綿をみた気分でした。

サイバー・ディストピアなエキゾチズム、それは『クラウド・アトラス』におけるネオ・ソウルにしてもそうですが、北米からみた”異郷・異文明”のエキゾな精神性がまず迫ってきて。しかし『ブレードランナー』が素晴らしいのはヴィジュアルのみの映画に終わらず、人間存在のソウルに訴えかける最上にエモーショナルな作品だったところにあります。

レイチェルの存在、ブレードランナーとしてシステムの中に強制されていたデッカードがヒトとしての選択をする、その愛へ駆られる、「人間でありたい」というココロが真に迫る。そしてサイバーパンクなお膳立てがあるからこそ、斜めに構えた野郎共の心にも届く、”ここまでやられたらロマンティックにならざるを得ない”という映画。

そしてみた『ブレードランナー2049』、これもまた愛の、今回はロマンスというよりも”親からの愛の渇望と喪失”の物語でした。

オリジナルでは「デッカードはレプリカントなのか」という議論がありましたが、今回の主人公のKはそもそもレプリカント。幼少期の記憶は一応あるけれども、それは移植されたもので、LAPDの上司をMOMとはいうけれども本質的には親はいない存在。そんな彼が”本来ありえない『レプリカントが産んだ子供がいるかもしれない』という捜査につく”という物語。

今回劇場で観たいと想ったのはこの映画の音響面を褒める意見などを聴いたからで。大変感心したのは『ブレードランナー』な世界観のリヴァイバルなvaporwave/Futurfunkへ行かずにDrone/Experimental/Industrialな音になっていたこと。蜂の羽搏きを鳴らした時なんかは明確にその意思を感じて。劇中でオールディーズが旧い郷愁として鳴ったのも相まって、近未来の米国への再到達というか、現代のインダストリアル・アンビエントとして音を鳴らそうとするこの映画は非常に美麗でした。

この映画はけれども、NTR的というか、愛を裏切られて喪失しながら味わうマゾヒズム的な聖性の物語でもあります。それは”ソウルがない、老人的だ”なんていわれるミレニアル世代にとっての真情挽歌なのかもしれない等と想いました。ラブプラスならぬJOIのAIホログラムによる恋愛関係は”何が疑似でなにがリアルか”が曖昧な今の時代の気分を顕わしているようにも思いました。

父的な厳しさと粗野さの究極は”国家”だと思いますが、そうした父権が否定され優しいChillが志向されるからこそ、逆説的に父の愛、父からの承認を求め、しかし不完全な男性としての父親に突き放される。そんなアダルトチルドレンな映画でもあるのではないかと感じました。

その上で、クールさが突き抜けインダストリアルなつくりは『Ghost in the Shell』は押井版よりも人間味あふれる士郎正宗の原作漫画が好きな人間としては”もっと人の熱があっても良かったのにな”とは思いました。この中ではデッカードとKの怒りは人間の熱気を発していたかな。

中国のPM2.5の極まったようなスモッグが吹き荒れる混迷な世界の中で、”今まさに物語が始まる”オリジナルにも重なるラスト。大音響で浸るには最適な美しく破壊的な現代の映像詩は”神話”にどう応えるかという課題への端正な解答にも想える出来でした。

by wavesll | 2018-02-27 04:53 | 映画 | Comments(0)

新宿駅中央東口のさざえ堂

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by wavesll | 2018-02-26 22:28 | 街角 | Comments(0)

生誕140年 吉田博展@東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 前期に続き後期も行ってきた!

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吉田博展@東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 日本人にしか描けない洋画、その探究からほぼ一ヶ月、最終日前日に行って参りました後期展示。入場列が出来てましたが会場内はそこまで混雑してなくて幸いでした◎

≪画材と鉢≫の確かな質感描写、≪東大谷の横道≫の色褪せた旧い写真のような質感、≪鶏のいる風景≫には写真をアプリで線画したようなデッサン力、≪中神≫の鉛筆での濃淡表現に舌を巻きました。

≪武州飯能町、入間川辺≫の水車の木の描写、≪御岳、奥の院≫には仙境へ入る心持を感じました。また≪招魂社附近≫の儚さ、≪養沢、西の橋≫の風景に人が溶け込んでいる様も見事で。そして≪日光≫はこの後期展示のハイライトにもなるような、人物配置の構図の美事さに感銘を受けました。

人物像でいうと和装の人物画が良くて。≪少女≫≪鳩と少女≫の、ぷっくりとしてリアルな日本少女の姿や≪汐干狩り≫の銚子の浜の人々がまた味わい深くて。

≪雨の中の子守≫の雨になずむ姿、鯉のぼりがアクセントとして効いた≪富士山麓の村≫、≪吉野≫の夕薄桃、幻想的な≪土手の桜≫、≪日暮里≫なんかには”100年前はこんな光景なのか”と。

≪雨上がりの少年のいる風景≫と≪昨夜の雨≫には侘しさ、寂しさのなかの立ち姿の美をみました。

≪雪かき≫の雪・つららの質感表現、≪朝≫のBon Iverのような聖なる綺麗さ。

一方で80sのような明るさの≪フロリダの熱帯植物園≫や≪ロイヤル・ポインシアナ・ホテル≫の端正なホテルというような引き出しの多様さ。≪ステンドグラスの窓≫はルオーのような筆致だし、流石すぎる。

≪檜原下川のつなさんの馬≫の古い写真を彩色したような描写、≪血の池(別府)≫のようなモチーフの作品も。

≪富士登山図≫の神域へ昇る感じや、版画の素となる水墨画としての≪帆船≫、≪登山口(宿場の馬)≫の掛け軸3幅も良かった。

さて、後期展示では66点が入れ替わっていて、新たな息吹が吹き込まれていたのですが、前期と共通する作品たちも新たな魅力を感じて。特に朝・夕・夜など光の移り変わりによって同じ版木で刷られた作品群の、特に”夜”の鈍靑色の魅力に気付いた二度目の鑑賞となりました。

≪帆船 朝日 渡邊版≫≪帆船 日中 渡邊版≫≪帆船 夕日 渡邊版≫という三景は後に≪帆船 朝 瀬戸内海集≫≪帆船 午前 瀬戸内海集≫≪帆船 午後 瀬戸内海集≫≪帆船 霧 瀬戸内海集≫≪帆船 夕 瀬戸内海集≫≪帆船 夜 瀬戸内海集≫と拡充されました。

また≪マタホルン山 欧州シリーズ≫≪マタホルン山 夜 欧州シリーズ≫≪アゼンスの古跡 欧州シリーズ≫≪アゼンスの古跡 夜 欧州シリーズ≫そして≪スフィンクス 欧州シリーズ≫≪スフィンクス 夜 欧州シリーズ≫の昼夜の光闇の対比が綺麗でした。

また≪ヨセミテ公園≫≪モレーン湖≫そして≪ルガノ町 欧州シリーズ≫もやっぱり素晴らしかった。

囲炉裏の描写がいい≪猟師の話 渡邊版≫や≪露営 北岳間の岳 日本南アルプス≫のようなアートスタイルも良かったです。

そして後期新規の個人的目玉だった≪ナイアガラ瀑布 米国シリーズ≫も清流の瀑布と言った感じで良かったし、≪ユングフラウ山 欧州シリーズ≫の豪壮さ、≪ウェテホルン 欧州シリーズ≫の勇壮で剛健な山姿に惚れ惚れしました。

≪大天井岳より 日本アルプス十二題≫の美しく凸っとした山並み。≪五色原 日本アルプス十二題≫の浮世絵を通ったような日本人ならではのファンタジックな光景画。≪立山別山 日本アルプス十二題≫の具象と抽象の上手さ。≪鎗ヶ岳 日本アルプス十二題≫は正に魔の山だし、≪雷鳥とこま草 日本アルプス十二題≫は大変可愛らしかった◎

また≪隅田川 東京拾二題≫・≪隅田川 夕 東京拾二題≫・≪隅田川 霧 東京拾二題≫も光の遷移がきれいで。

≪堀切の志ようぶ 東京拾二題≫のデザイン性や≪中里之雪 東京拾二題≫の水墨画を版画化したような彫り。≪神樂坂通 雨後の夜 東京拾二題≫の夜景浮世絵も良かった。

そして≪駒ヶ岳山頂より 日本南アルプス集≫の龍神のように美しい雲、≪雨後の八ヶ岳(駒ヶ岳石室より)日本南アルプス集≫の取材に基づいたであろうリアルな雲、≪雲表 日本南アルプス集≫の淡い雲の美しさ。そして≪間の岳農鳥岳 日本南アルプス≫の赤紫の山麗。

≪アジヤンタ 印度と東南アジア≫≪マデュラの神殿 印度と東南アジア≫をみると、吉田氏がペトラ遺跡を描いたらどんなに素晴らしかっただろうとか思ってしまいました。

≪川越之櫻 櫻八題≫≪鐘樓 櫻八題≫≪花盛り 櫻八題≫には日本の綺麗を、≪昌慶宮 北朝鮮・韓国・旧満州シリーズ≫には朝鮮の美を、≪奉天大南門 北朝鮮・韓国・旧満州シリーズ≫には中国の美を感じました。

日本人にしか描けない洋画を追い求めた吉田博。100年前の日本の洋画、黒田清輝は歴史の風格というか、ちょっと古色も感じるのに対し、吉田博の瑞々しさは凄い。新領域を拓き、独立したオリジナリティと普遍性を持った表現はいつまでもGreenで時代を越えます。吉田博の新版画は100年以上はフロントラインにいる地力があったという感覚がありました。

彼の優れた絵画は今なお先進性を持っていると改めて感じました。と、同時に初見と比べると衝撃が落ちるのは観客の我儘の為す處。しかしそれでも≪渓流≫のその迫力と流麗さには何度見ても心奪われて。この美術館には本展ではじめて来たのですが、素晴らしい展覧会を企画してくれたことに感謝。
by wavesll | 2017-08-26 22:00 | 展覧会 | Comments(0)