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GOING UNDER GROUND アコースティックインストアライヴ@新宿タワレコ

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GOIING UNDER GROUNDのアコースティックインストアライヴを新宿タワレコにてみてきました。20周年ベストアルバムから「ランブル」「チェロ」「トワイライト」の3曲に加えて、「ランブル」と「チェロ」の間に未発表の提供曲「フラワー」もちょろっとやってくれて。髭生えたオッサンになっても甘酸っぱい歌声と演奏がとても魅力的で、年を重ねた良さもありました。グッドメロディーを持つバンド・サウンドに時を経て時をくゆりました。

by wavesll | 2018-12-16 01:57 | Sound Gem | Comments(0)

Terje Isungset, Maria Skranes and Sara Marielle Gaup Beaska 氷のコンサート in 新宿Pit Inn

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Ice concert in Olavshallen, Norway - Terje Isungset and Trondheim Soloists.


Årskonferansen 2017 Sara Marielle Gaup Beaska

最近、人の手による藝術よりも自然の在り様に活力を得ている感覚があります。そんな中でNatureとArtの響き合いが聴けないかと想って訪れたのが新宿Pit Innで開かれたTerje Isungsetのライヴ。

テリエ・イースングセットはノルウェーのパーカッショニスト。彼の代名詞である氷の楽器によるパフォーマンスが行われると聞いて馳せ参じたのでした。

ライヴ前には今年に彼が行った「東京の音」プロジェクトの動画が流れて。青梅・澤乃井の水で氷の楽器を創る様子や八丈島の自然物を採集して音楽を奏でる様が流れていました。




テリエさんが八丈島で石や竹を拾って楽器に加工するほか、機織りの音を録ったり、漁師歌?民謡を録音したり。その土地の音を湧きいずらせるという意味でフィールドレコーディングのハイレベルでの試みだと感じました。私もウユニ塩湖へ行ったときに塩の結晶を踏みしめる音なんかを撮ったりしましたがテリエさんの異国でのプロジェクトは遥かに高い水準で。

そして愈々ICE MUSIC。イースングセット氏が助手のお爺さんが発泡スチロールのケースから取りだす氷の楽器を演奏し、そこにマリア・スクラネスという女の子がサンプラーと歌を奏でるという形。

一番いいなと想ったのはクラッシュドアイスを氷の棒でざくざっくやるビートメイキングで。氷の木琴はブラジルの創作楽器音楽集団Uaktiにも通じる奏で。そして氷の喇叭は法螺貝のような音。最後の氷の角笛も透明にきらりと光って、そして演奏する間から溶けていく。その音の流体性が面白いと感じました。

そして第二部は東京都の様々な場所のNatureからつくった楽器と共にArvvasのヴォーカルでもあるサラ・マリエル・ガウプ・ベアスカさんが北欧の先住民サーミの歌唱であるヨイクを披露してくれて。こーれがめっけものでした!氷のコンサートを凌駕するくらい!

実は私は以前代官山の晴れ豆でテリエさんのコンサートをみていて、その時も石や竹、口琴でのパーカス・ライヴだったのですが、今回精霊のような、子守歌のような、自然を体現する様なサラさんの歌が入ることでナチュラル・パーカッションがさらにきらめいて、本当に素晴らしかった。いいものをみれました。

自然を体現し、人の身体と器楽としてさらに輝かしてアウトプットする、今の時代におけるプリミティヴさがみてとれた感銘を受けた一夜でした。
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by wavesll | 2018-09-30 08:37 | Sound Gem | Comments(0)

在りし日の新宿の目

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新宿の目が永眠したと聴いて。スバルビルの解体が始まる前に撮った寫眞たちをここに載せます。Good Sleep Oyasumi. いつか目に耀きが戻らんことを。

by wavesll | 2018-08-09 00:17 | 街角 | Comments(0)

新宿BE WAVEにてKINK GONG, 俚謡山脈、Soi48、MOPPY、TSUTAKIをみる。-エキゾチズムのきらめきとえぐみ

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SOI48 VOL.29 KINK GONG SPECIAL @新宿 BE-WAVEへ行ってきました。途中まではすごい楽しかったのですが、最後等辺はちょいほろ苦さもありました。

18:00に店に入りSoi48。NHKの海外買い付け番組なんかにも出演した彼ら。一度ディスクユニオン新宿でのインストアでみてるのですがタイSetを観るのは初。ルークトゥンからタイディスコ等時間が経過するほどあがっていき最後は打音の連打でまるでオーパーツのスペースシャトルで離陸するかのようでした。

Soi48からMoppyへ。トルコ?のディープなソウルフルな楽曲群にがんがんあげられる。そこからTsutaki。もはやどこかわからないアジア?の謎だがイカしまくる楽曲に大いに盛り上げられ。

そして俚謡山脈!想えば俚謡山脈からSoi48を知ったのでした。最初は神宮前Bonoboのアニマル民謡だったなぁ。このBE WAVEにも弓神楽で来たしエムレコードの作品達も楽しんでる位の好きさはある。

と、なんと会場にカメラが入って。NHKらしい。まじか。何か好きな地下アイドルが手の届かない所へいってしまったような感覚に襲われる。昨日郡上おどりを生で聴いてる分ヴォーカルの金属音さも気になる。

けれど中盤からどんどん良くなって。“アイドルの文脈でいうなら宇多丸がPerfumeに発した「こんなに誠実にやっててそれでもダメなんだったら本当にお終いだろう」クラスにいい仕事してるもんなぁ”と。そうする内になんと春駒や木崎音頭も!写真を撮るのも忘れ“もう俺のみる人全て売れろ★”w 最高だ。

そして今回の目玉のKINK GONG。Sublime Frequenciesでも知られるアジアのフィールドレコーディングで名を馳せる仏人のAct。Sublime Frequenciesの諸作には私も物凄く好きなものが多くて今回来る決め手となりました。

前半は20年代のシャムを撮った映画に音をつけるもの。直前の民謡Setの血が滾る感覚からするとかなり電子音な澄まし汁なのですが、段々ただの澄まし汁でなく民族音楽の凄みが電子的に昇華されて沸く沸くして。

KINK GONG後半、中国のPOPをViolentに破壊した電子音楽。テクノな天上宇宙へ届くような音。けれど映像が典型的な中国の伝統Showから極めて性的な映像に。オリエンタリズムなまなざしを感じざるを得なかった。しかしそれは私自身がタイやトルコ、ましてや日本民謡に感じたものではなかったか。

最後の習近平へのマザファッカーDISからの中国民謡PLAYも少数民族を愛するならば中共の圧政への批判的態度は当然だし、愛があるのはわかる。しかし靄った。

自分で面倒臭い事を言っていると想うし、その後のSoi48が回した恐らくKINK GONGの音はやはり響いたから音に罪はないし、今流行りの文化盗用なんて文脈も中国人当人でない私がとやかくいうことでないし、KINK GONGが白人だからの逆差別もあるのかも。けれどほろ苦さが残ったのでした。

地下のフロアから地上に出ればそこは歌舞伎町。客引きに声を掛けられ首を振ってギリギリガールズの前を曲がって帰路へ。俺は30過ぎてるというのに何をうぶ過ぎることを言っているのかと。ただ、旅人の奔放さ、自由さの裏に在るエキゾチズムの消費の暴力性も同時に認識する、心が大きく駆動した夜となりました。
by wavesll | 2018-07-02 01:19 | Sound Gem | Comments(0)

空気公団インストアライヴ@新宿タワレコ

空気公団 - うつろいゆく街で

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新宿タワーレコードにて空気公団のインストアライヴをみてきました。ずっといいなと思いながらもライヴをみたのは初めて。

今回はニューアルバム『僕の心に街ができて』のリリースを機にしたライヴ。

1. 美しい重なり
2. 青い夏の日
3. 君は光の中に住んでいる

と穏やかな雨の日になるような、北欧に於けるヒュッゲな楽曲たちが心地よく響いて。

そんな中で一気に”うわっ凄い!”となったのが 4. 旅をしませんか。先ず冒頭から中国語の語りがサンプリングされてビート・インされたり、全体的にサンプラーを使ってアレンジがバリバリで今日一番の驚きを与えて呉れました。めっちゃかっこよかった!Beat Music強度の高いアレンジが最高◎

そしてアルバムから特に美しく光さす 5. うつろいゆく街で が奏でられてライヴは終了。素敵な昼下がりとなりました。

by wavesll | 2018-06-23 23:37 | Sound Gem | Comments(0)

「Kihachiro Onitsuka 生誕100周年 by Asics 〜鬼塚喜八郎が描いた未来〜」at新宿伊勢丹本館

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先日赴いたオニツカのイヴェント。
近年、tofubeatsは言った。「日本人だけがアシックスの本当の価値を知らない(WIRED)『Shoe Dog』等をみて改めて認識が変わってきたアシックス、アシックス・タイガー、オニツカタイガーを俯瞰で体験できるイヴェントでした。

会場には鬼塚さんが書いた向日葵の画と、それをモチーフにした新作シューズの展示もありました。

by wavesll | 2018-06-05 04:36 | 街角 | Comments(0)

シバミノル個展「夢の中で生きていけないことくらいはじめからわかってる」 新宿眼科画廊 で「エイジング」に沁。

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シバミノルさんの個展「夢の中で生きていけないことくらいはじめからわかってる」を新宿眼科画廊 スペースEで観てきました。
ドローイングやペンでの一枚画の他、漫画作品の生原稿も展示してあって。

中でも「エイジング」という8pの漫画作品に心の裡に光を当てられて。

私は前は”見た目若いね”なんて言われて。少し得意になっていたところもあったのですが、段々”年相応の落ち着きとかがないという、情けない事なんじゃないか…”と想っている内にもう三十路、”若いね”とも言われないけれど、かといって精神的な成熟が起きている自信もない…。

そんな感覚、そんな心情にもろに触れてくるストーリーに”おぉ…”と想って。物語は“その先”もみせてくれて。また絵のスタイルも古典にも通じるようなオーセンティックさもありながら優儚なフレッシュな感触を湛えた漫画で、かなり好きでした。

こういう、心内にふと浮かぶ感覚を掬い上げてくれ少しドキリとさせられ。自分より高精細に日常を自覚し生きる人の美しさに”いいなぁ”と想った個展でした。僅ずつでも甘えから成熟へ生きたいと想いました。

会期は5/4-9 12-20時 ※最終日は17時まで とのこと。入場無料、撮影OKでした。
by wavesll | 2018-05-06 18:31 | 展覧会 | Comments(0)

Jades from Philippine ー 新宿御苑にてヒスイカズラをみる

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by wavesll | 2018-04-14 12:12 | 小ネタ | Comments(0)

土井玄臣live @カフェアリエ 歌の在処

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新大久保で降りて百人町・カフェアリエでの土井玄臣さんのライヴへ行ってきました。

『針のない画鋲』(bandcamp)という甘い痛みに巻き込まれないようにしてもただただ浸透してくる、美しい想いが蜜蝋のように篭った素晴らしいアルバムで知ったSSW。

飾らない雰囲気から魔法の様な域まで連れていかれました。途中でトイレ休憩が入る位に飾らない。MCでは『針のない画鋲』という題名は『ギリシャ語の時間』という物語から採られたものだという話やビル管理の夜勤の話も。

演奏を聴いて、ギターっていいなぁと想って。フィジカルとしての音像、喉、Guitar、物理としての事象がMagicに届くというか、考えてみれば自明のことだけど、とても感銘を受けました。

楽曲だとアルバムには今回入れず、今後も入れないだろうと語られた「晴天」という曲が詩とサウンド両面で歌として触発されました。幕間に爪弾き唄った楽曲も心の襞に触れて。

また高音から喉を休める為か地声に近く歌った歌のおかげで土井さんの楽曲の中にある血潮を強く感じ、アンコールで3.11から7年目に歌われた、アルバム『それでも春を待っている』収録の「言祝」にはぞわっとするような情念を感じて。

天上的なファルセットの奥にある切実さや血潮を識りますます良いなと想うとても好い時間を過ごせました。彼岸をみつめるようなまなざしが印象的で。

また自分はライヴ中に雑音が入るのは嫌なのですが、不思議と今日は気にならないどころかマイクを通さない歌声と相まって“うたのありか”という感じにとても良くて。これは磯崎新設計のこの建物、新宿ホワイトハウスの力などもあったのかもしれません。

アーティストのことを話すときに「〇〇みたいな感じ」というのは失礼なのではないかとも想ったりもしますが、家に帰ってから読んだCINRAのインタビューで「七尾旅人を聴いて、『この人いてんのやったら、自分音楽やらなくていいなあ』と思って、1回曲作るのをやめたんです。」と土井さんが語られていて、確かに七尾旅人の、特に初期のあの抒情に通じるものがあるなと感じた次第でした。このインタビュー、読み応えがありました。

また百人町から新宿駅への帰路が驚くほど静かなことにちょっと震えて。日本最大の繁華街の聴覚的な静さ。台北なんかもっとカオスで。新宿は静寂とアジア的な視覚の氾濫というコントラストが、ちょっと抽象的な心地を産んでいて。そんな虚無の中で土井さんの音楽は小さな、しかし確かに心に明かりを灯してくれた気がしました。


by wavesll | 2018-03-11 00:58 | Sound Gem | Comments(0)

『ブレードランナー ファイナル・カット』& 爆音上映 at 新宿ピカデリー『ブレードランナー2049』 ミレニアルな気風に向けた”神話”への端正なANSWER

Blade Runner 2049 Original Motion Picture Soundtrack by Hans Zimmer - (HQ) (HD)

『ブレードランナー ファイナル・カット』をBlu-Rayでみて、新宿ピカデリーにて爆音上映会『ブレードランナー2049』をみてきました。

『ブレードランナー』そのタイトルは今まで幾度も目にしてきて。そもそもサイバーパンクというジャンル自体がこの作品が打ち立てたものだというイメージとか、”神話”というか、二次的現象、三次的現象によって肥大化した巨大すぎる存在に思えて逆に手を付けてこなかったのですが、友人が「これ(2049)はいい」と言ってSFを読み始めたのもあって、今回この頂に登ってみたのでした。

『ブレードランナー』は端的に言えば「愛の映画」でした。

先日萩原朔太郎の『猫町』を聴いて”SFとは異郷への旅ではないか”と想って、この映画にもvaporwave的な異郷、すなわち非アルファベット圏である日本と中国が入り混じった電子的なディストピアのヴィジュアルの原像が打ち立てられていて。その後士郎、押井、ウォシャウスキーへと続くサイバーパンクの多重世界を跨ぐブロックチェーンの連綿をみた気分でした。

サイバー・ディストピアなエキゾチズム、それは『クラウド・アトラス』におけるネオ・ソウルにしてもそうですが、北米からみた”異郷・異文明”のエキゾな精神性がまず迫ってきて。しかし『ブレードランナー』が素晴らしいのはヴィジュアルのみの映画に終わらず、人間存在のソウルに訴えかける最上にエモーショナルな作品だったところにあります。

レイチェルの存在、ブレードランナーとしてシステムの中に強制されていたデッカードがヒトとしての選択をする、その愛へ駆られる、「人間でありたい」というココロが真に迫る。そしてサイバーパンクなお膳立てがあるからこそ、斜めに構えた野郎共の心にも届く、”ここまでやられたらロマンティックにならざるを得ない”という映画。

そしてみた『ブレードランナー2049』、これもまた愛の、今回はロマンスというよりも”親からの愛の渇望と喪失”の物語でした。

オリジナルでは「デッカードはレプリカントなのか」という議論がありましたが、今回の主人公のKはそもそもレプリカント。幼少期の記憶は一応あるけれども、それは移植されたもので、LAPDの上司をMOMとはいうけれども本質的には親はいない存在。そんな彼が”本来ありえない『レプリカントが産んだ子供がいるかもしれない』という捜査につく”という物語。

今回劇場で観たいと想ったのはこの映画の音響面を褒める意見などを聴いたからで。大変感心したのは『ブレードランナー』な世界観のリヴァイバルなvaporwave/Futurfunkへ行かずにDrone/Experimental/Industrialな音になっていたこと。蜂の羽搏きを鳴らした時なんかは明確にその意思を感じて。劇中でオールディーズが旧い郷愁として鳴ったのも相まって、近未来の米国への再到達というか、現代のインダストリアル・アンビエントとして音を鳴らそうとするこの映画は非常に美麗でした。

この映画はけれども、NTR的というか、愛を裏切られて喪失しながら味わうマゾヒズム的な聖性の物語でもあります。それは”ソウルがない、老人的だ”なんていわれるミレニアル世代にとっての真情挽歌なのかもしれない等と想いました。ラブプラスならぬJOIのAIホログラムによる恋愛関係は”何が疑似でなにがリアルか”が曖昧な今の時代の気分を顕わしているようにも思いました。

父的な厳しさと粗野さの究極は”国家”だと思いますが、そうした父権が否定され優しいChillが志向されるからこそ、逆説的に父の愛、父からの承認を求め、しかし不完全な男性としての父親に突き放される。そんなアダルトチルドレンな映画でもあるのではないかと感じました。

その上で、クールさが突き抜けインダストリアルなつくりは『Ghost in the Shell』は押井版よりも人間味あふれる士郎正宗の原作漫画が好きな人間としては”もっと人の熱があっても良かったのにな”とは思いました。この中ではデッカードとKの怒りは人間の熱気を発していたかな。

中国のPM2.5の極まったようなスモッグが吹き荒れる混迷な世界の中で、”今まさに物語が始まる”オリジナルにも重なるラスト。大音響で浸るには最適な美しく破壊的な現代の映像詩は”神話”にどう応えるかという課題への端正な解答にも想える出来でした。

by wavesll | 2018-02-27 04:53 | 映画 | Comments(0)