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『ひろしま-1945年8月6日、原爆雲の下の真実-』地獄、あらわになる地獄の有様

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伊勢佐木町の横浜シネマリンにて映画『ひろしま』を観ました。
1953年に撮られた、広島市民など8万8500人が撮影に参加し、原爆の阿鼻叫喚の現実を顕した本作。

映画としては物語は勿論あるのだけれども、そこはこの作品の与える衝撃の中心ではなくて、やはり8万8500人による原爆のありさまの惨たらしさが目を背けたくなるほど地獄が広げ、これをみたら“時に必要な戦争もある”なんてとてもじゃないけれど言えない迫力に気圧されました。本当に、本当に地獄がそこにあった。

延々と続く死屍累々に加え狂人が跋扈し、傷病者は虫の息で、子どもが、親が死んでいく光景。こうして文にすればなんと味気ないことか。ここに映像の、それもCGでない本物の人間を使った映像の生々しさがあります。さらに軍人はこの期に及んでも戦争継続を望むという、もはや倫理では止められない別層の鬼畜生な有様もありました。

今まで『火垂るの墓』であったり『この世界の片隅に』であったり、銃後の生活の悲劇をみたり、あるいは『日本のいちばん長い日』であるように政治中枢の激烈さをみたり、或いは米国など諸外国の戦争映画を通して戦争の恐ろしさ、悲惨さをみてきたつもりでもありました。また広島・原爆資料館も訪ねていました。

けれど、このまさに爆心地の地獄を”体験”すると、肚の底から絶望と恐怖が染みるというか、単純に怖れ慄きがとてつもなくて。それもこの国で、祖母が体験した戦時中の時代に起きた有様であると。

この映画は、衝撃でした。なんとETV(NHK教育)で8/16の深夜に放送されるそうです。これは、見た方がいいです。

by wavesll | 2019-08-15 00:41 | 映画 | Comments(0)

≪プロメア≫ 圧倒的なヴィジュアルの爆発的奔流で差別や鬱屈を燃やし尽くす少年焔アニメ

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もうね、この作品は前知識なしでがっとみればスカッと楽しめます。★★★/★★★★★は軽く超えてくるし、『キルラキル』や『XFLAG』にピンとくるなら迷わず劇場でやってるうちにこの焔を浴びるのが吉!

主人公ガロの見えの切り方にちょっとぎょっとしながらも、個人的には最初にいきなりクラマ級の戦闘シーン来て。このカクカクした焔は劇場で浴びれて良かった!

バーニッシュ(アーミッシュからだろう)の差別や鬱屈といった問題やその炎の設定などがマクガフィンを越えて渋滞し、REDLINEほどの爽快感は無かった気がしますが、それらすべてを燃え尽きさすというのは痛快。ドラマ的な機微はさすがに大味でしたが、面白かった!最近日照時間が少ない中、皓チャージできました!

by wavesll | 2019-07-15 15:34 | 映画 | Comments(0)

『La Jetée』 第3次世界大戦後のフランスを舞台にした怜悧なSF表現

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GYAO!にて現在配信中のChris Markerによる『La Jetée』をみました。
第三次世界大戦後のフランスを舞台としたSF作品。

この映画はモノクロの寫眞とナレーションによって構成されていて、その制約が舞台演劇のように想像力を喚起し、'62年の30分に満たない作品ながら、鋭利な衝撃を観るものに与えてくれます。

ここから内容に踏み込んだ感想に成るので、今GYAOでみれ、上映時間も短いので、是非ご覧になられてからこの先を読まれることを願います。

「La Jetée」とは「送迎台」のこと。戦争が起きる前の少年時代にオルリー空港の送迎台で出会った女性の記憶に今も強くとらわれている男が、大戦後の支配者である”攻殻のバトーのような眼鏡をした”マッドサイエンティストの計画により、注射によって過去に飛ばされることで、その女性と逢瀬を重ねる。

その実験の目的はすっかり廃墟になってしまった世界に、物資やエネルギーを持ち帰ること。過去を幾度も訪れた後、実験は未来へ行く段階へ。未来には人間味の薄い進化した未来人がおり、彼らから復興資源を貰って、男は用済みに成る。未来人は男を仲間にしようとしてくれるが、男は過去の、あのオルリー空港の送迎台へ身を向かわせてしまう。

エレーヌ・シャトラン演じる女の美しさが、男がいかに焦がれるか、夢見心地に成るかを担保していて。

中島らもは「恋愛は日常に対して垂直に立つ」と言いましたが、第三次世界大戦後の支配体制とマッドサイエンティストの実験という「国家」であったり「社会」の硬質で大きなシステムの背景に対して、幽霊のように現れ消える男と、男が焦がれる女性とのデートは全く角度が異なるというか、ベクトルが直交するなと感じました。

途中で博物館での逢瀬ではく製たちを観る場面があるのですが、あれは”時よ止まれ”という男の願いそのものだったように思います。

現在(WWIII後)と過去(大戦前)を行き来する様は夢と現の二重性という意味で、少しネットのオンライン/オフラインを2019年現在では想ってしまいます。

一方、一見人情味が薄い第一印象だった未来人が、最後に男に手を差し伸べる様、そしてそれを男は拒否してしまうという場面は、62年からすると60年近く未来人な私の目には”冷笑的といわれるネットの民も、心根の所で温かいものも持っているけれども、コミュニケーションの下手さからそれが伝わらない”という事象にもみえて。とは言えこのエピソードは、この作品を単なる過去への郷愁だけでなく、未来においても開いた部分を残したものとなっているように想いました。

弱い、持たざる者、小さき市民の象徴としての男が、大きな支配者、技術、社会構造に翻弄される。そこで拠り所に成るのは恋であり愛である。その二人の関係性が、男にとっての希望だった。

今、また世界情勢がきな臭くなっているときにこれをみるのは、特に一小市民としてこのSFをみるのは、様々な思いを去来させます。大きな構造の前では、恋愛だけがリアルになってしまう、そんな世界。それは一種、切実な表現にも感じて。

けれども先の香港のデモもそうですが、小さき民たちが民主的な行動、POWER TO THE PEOPLEを示すこともできます。同じくフランスを舞台とした名作に『レ・ミゼラブル』がありました。ディストピアの中で、私的な歓びと社会的な意志、その二つの世界を我々は過ごすことが、今という時代に課せられているのだろう、ちょっと時事的にはなりますが、そんな感想を持ちました。

by wavesll | 2019-06-25 23:24 | 映画 | Comments(0)

エドワード・ヤン ー 牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

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始まったとき”参ったな”と想った。戦後間もない台湾の、学校での軋轢。
”これはわからないぞ”と。わからないというのはまず登場人物が大量に出てくるから顔も覚えられないし、名前も馴染みが薄い。何より”あぁ俺はこの少年たちのフラストレーションを忘却してしまった”ということ。

異国のドラマに、最初異物感しかありませんでした。

けれども、この4時間にも及ぶ映画は、見事にある少年、ある一家、ある仲間内の人生を鮮やかに切り取って見せたのでした。歴史と個人史の共鳴は『山猫』にも通じます。

不良同士の闘争に、最初は無関係だったどちらかといえば優等生がずぶずぶに浸って、不良になっていくというのは『爆音列島』にも似て。

そもそも私は不良という存在とそこまで関わってこなくて、彼らの生態が理解の外にあって。
中高一貫校で、いじめの被害者に成ることも、明確な加害者に成ることもなく、どちらかと言えば勉強と漫画漬けの生活。女子と話すこともなかったというか、恋愛よりも受験に価値を見出していて。ロックが好きだったのは甘ったるいラヴソングだけじゃなかったから。愛は歌われていて、憧れは掻き立てられたけど。

大学で、人並みのように女子と関係を築けるかと想ったら自分がまるでその方面ではからきしで。そして卒業し、社会では寧ろ勉学よりも度胸、人に譲るよりも仕事も女も行動で捥ぎ取らなければならない。牡としての弱さを思い知り、それでも紆余曲折あって、彼女が出来たり人生の山谷を味わって、今はこの国とWebの片隅で生活している現在。

そんな半生を語るに至ったのは、この映画を見ながら、この少年という心と体の成長がアンバランスな存在が、傷つけあい、時に恋愛を交わし、暴力、家族の危機、官憲とのすれすれの事象、そんな人生/歴史が描かれていたからです。長尺の映画というのは、それもドラマは、人生をまるで本物のようにあらわすのだなと。最初感じていた異物感は観るうちに霧散し、寧ろ抑えた演技に作為を微小にしか感じない、そんな映画体験でした。

ただ、ラストシーンには少しがっかりしたというか。ファンタジーでなく、公正でない世の中での侠気や純粋さ現実だとしても好ましく感じていたからこその結末への不満と言うか、”昔の自分は恋愛よりも知的快楽を優先していて、人並みの幸せから不自然に乖離していた、この不良たちのような野性味が、生きているってことだろう。男の仁義や、あるいは女を愛することは、尊くみえる”と想っていたのに、と。

けれどもそれは私は観ている内に自分の年齢を忘れてしまったのだと思います。子どもは、判断能力が成熟していない。仮にアンファンテリブルにみえる少年でもファムファタルのような少女でも、彼らは彼らの狭い世界の中で狭い判断をしてしまう存在であると。

その局所的な生き方は、だからこそ剥き出しの真摯さがあるけれども、大人となって広い空間をとれるようになった時に、人はより自由になれる。確かにハニーのようにずしりと迫力のある番長から学ぶこともあるし、少なくとも映画の時空間では感情移入しあの家族そして小四とともにあったけれども、今の俺はそれなりに成人として積んでいくのだ、そんなことを想いました。

私とは異なる少年時代だけれども、まるでその不良の世界を自分自身が生きたような。別の人生を生きた時間を与えてくれる名画でした。そして同時に、これは劇。されども確かに、私の人生にザクザクと切り込んだ劇で。あのラストはやっぱり少し定型すぎるのではと思ったけれど、あの部外者からは「あぁ、所詮あれでしょ」と切り捨て纏められることの裏にある個人の人生の豊饒さが描きたかったのかなとも思いました。

by wavesll | 2019-05-01 17:45 | 映画 | Comments(0)

『search』 最新型の2時間サスペンス

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「すべてがPCのディスプレイの中で展開する」という触れ込みで昨秋Twitterで広告が出まくった映画「search」。どうせならPCでみたいとレンタル開始されるのを待っていたのでした。

突然失踪した娘を探す父親のサスペンス・ドラマ。映画的感動というより相当にいいミステリーもの2hドラマといった感じでしたが、アメリカのハイスクールでのアジア系の孤立とか、まさにTumbrとかFacebookとか動画配信サービスを探査してドラマが進展するところなんか、中々楽しめました。

本筋とは違うのですが、この映画、stage6によるフィルムだそうで。stage6は動画ストリーミングサイトとしては当時はYoutubeより画質が良かった覚えがあります。今はこうして映画会社になったのかと感慨深いものがありました。

by wavesll | 2019-03-13 00:26 | 映画 | Comments(0)

Alfonso Cuaron『ROMA』@THX 人物たちの本当に生きるRealityを作劇としてみる、「映画をみるとは」なんて事すら問いかけられるような名画

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アルフォンソ・キュアロンによる『ROMA』をイオンシネマ海老名のTHXでみてきました。

こんなにも映画らしい映画をみたのは久しぶり。登場人物たちがまるでその生活を本当に生きている様を眺めているようで。まるで”Showでなく生活の普遍性の中に人生の実があるんだよ”なんて諭されているかのよう。

今インターネットによって私生活をShowのように曝す生活を、半ば自分もしていたりして、そんな時代に”他人からみて自分は面白いか”が意識されない物語を見るというのは孤独のグルメの海外評のように”Showでなく本当に生きている人間の映像記録は劇の中にしかない”というパラドクスをみたりもしました。

この映画は冒頭のシーンで飛行機が映ることで”あぁ白黒なんだ”と気づかされるように、余計な説明はほとんどされないつくりになっています。『ROMA』とあるけれどスペイン語と先住民系の言語で、場所もわからないし、時代も過去だとは分かりながらもクルマやら家電・風俗から自分は想像していきました。タイトルも含めその辺りはWikipediaをみればわかるのですが、お薦めは手探りで観て、後で調べるというものかもしれません。

映像美も素晴らしいものがありますが本作で特筆すべきは音響設計。その立体的な音像は完全に映画館向けと言うか、その多チャンネルな音で”あぁ劇場にいるのだ”と思うくらい。こんなにもシアター向けな映画がNETFLIX限定で公開される時代とは。だけどやっぱり映画館で見れて幸せだったなぁ。

音響のリアルさはエレベーターのシーンなんか本当に自分もエレベーターに乗っているくらいでした。この『ROMA』に対して前作のスペクタクルばりばりの『GRAVITY』も撮れてしまうキュアロン監督の手腕には惚れ惚れと驚愕しますが、『ゼログラビティ』でもその3D技術が宇宙空間体験のリアリティを表現するために縦横無尽に駆使されていたことを考えると本質は変わらない気がします。『GRAVITY』も船橋のTCX+Dolby Atomosでみましたが、キュアロン監督の作品は最高の設備に存分に映えますね。

遊興や精神的感応の向上の夢幻に惹かれ溺れて身勝手な男たちに対して、子どもと実生活とに身体・人生を向き合う女性たちのなんとしなやかに逞しいことか。”女と家族を幸せにしてやれなくて何が男だろうか”なんて考えさせられたりしました。寡黙な主役の女性が終わりに吐露する心情がまた沁みて。

私自身の弱さにあまりに刺さる映劇でした。というよりこの映画はなんというか、劇というより実人生に感じて。“そうだよな、そんな面白いことばかり起きるはずもない、これが人生の味だよな”と。本当のリアリティをドラマとしてみる、「映画とは」「映画を観るとは」なんてことすら問いかけられるようなそんな名画体験となりました。

by wavesll | 2019-03-10 00:46 | 映画 | Comments(0)

『カメラを止めるな!』金曜ロードSHOW副音声生コメンタリー裏話集


昨年の日本映画の台風の目となった『カメラを止めるな!』ついに地上波で流れましたねー。今回の金ローの目玉は上田監督や秋山ゆず季さん等が生解説を副音声でしたこと。丁度木曜に池袋シネマロサでのロングラン上映が終わり、最後の花火打ち上げって感じでわいわい楽しかったです。

このエントリでは副音声生コメンタリーで”おっ”と思った裏話を綴っておきます。

・撮影期間は8日。その内廃墟では5日。濱津さん演じる監督役の家は実際の上田監督の自宅で終電もあって4hで撮った。

・ワンカット撮影は6TAKE撮って、5回目が一番きれいにいったが、外連味や熱が6回目の方があったためそちらを採用。実際の撮影でもガチのトラブルによるガチのアドリブでのつなぎがあったらしい。そちらの方が面白いと。最高かよ。

・例えば序盤のメガネゾンビが廃墟の中で襲い掛かるシーンがコンタクトがなかなか嵌らず登場が遅れたり、あとカメラに血のりがついてしまったのもガチトラブルで、そういうのを活かしてのあの勢いだったとは。

・秋山ゆず季の役どころはファイナルガール(ゾンビもので最後まで生き残る女の子)。タンクトップにショートパンツはファイナルガールあるあるな格好らしい。胸も盛ったらし。

・飲んだくれオッサンゾンビが吐くゲロは河豚雑炊。本当に臭かったらしいwこの映画ではCGを使った場面が二つあって、一つは秋山ゆず季がゾンビに噛まれたケガだと思っていた跡が実は木の葉?かなんかで剝くことが出来たシーンの補正と、もう一つがこのゲロの増量。

・「斧捨って」のカンペを出した人は実際の本名も「オノ」さん

・ワンカットオブザデッドの最後のシークエンス。当初のプランでは秋山ゆず季の足元をずっと写して最後にクレーンショットだったのが、そのテイクで秋山の靴紐がほどけてしまったため、急遽顔を映すプランに変更。血のりを舐めないための表情がなんとも怖い良いショットとなった。

・濱津さんが選ばれたのは困り顔が良かったから。

・メイク役のエロ人妻の赤ちゃんは上田監督の実子w服も娘の映画T以外はほぼそれぞれの私服での撮影だった。まさにインディー映画魂w

・「ちょっとはちょっとだよ」の人は演技が本気すぎて凄すぎたらしい。また廃墟の柵が間が結構空いていて、ゾンビが倒れ掛かるシーンは結構危なかったのだとか。

・娘役の真魚さんは本当にバスケ経験者だったそう。それは上田監督は知らなかったそうだが、結構な割合で本作は役者への当て書きでの脚本だそう。

・最後の人間ピラミッド、リハでは全然成功しなくて、本番の時もなかなか上手くいかず、若手俳優君が入ったのはガチの入れ替えでのほぼほぼドキュメンタリーな部分だったそう。

やーホントなんか文化祭な楽しさがびんびん伝わるいい映画でしたね。さながら金ローは後夜祭な感覚でした。上田監督たちの今後の活躍が楽しみです。

by wavesll | 2019-03-09 06:25 | 映画 | Comments(0)

『ドラゴンボール超 ブロリー』 超戦闘弩迫力アトラクション表現のアップデート

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ブロリー、みてきました。凄かった★★★★★★★

ドラゴンボールの映画と言うと、小学校の頃は祖母に連れられて伊勢佐木町に東映まんがまつりをみにいった原風景が自分にはあって。漫画、アニメ無印、Zは自分にとっては聖典で。美術展だって初めて図録を買ったのは「鳥山明の世界展」でした。

あまりにも少年時代に大きな影響があった作品の映画の新作がTwitterの映画好きの方が褒めてたり全米興行一位を取ったとかするのを聴いて。これはみないといかんぜよ、と上映終わりかけに滑り込んでみてきたのでした。

自分がDBから離れたのはアニメのZが終わった時で。GTには鳥山先生が関わっていないと聴いて離れたのでした。週刊少年ジャンプを読み始めた時期はもうセル末期かブウ編で連載の勢いは落ちていた頃で。

ただ今思うとアニメのフィラー回であったりTVSP、映画と、鳥山先生以外のバードスタジオの力や東映・フジテレビ等のDBワールドに関わる人たちの創造性って大きく、それは原作にも影響して。例えばTVフィラーの「蛇の道」なんか個人的には思い出深いし、自動車教習所の回は扉ページにも導入されたし、バーダック、ターレス、クウラ等のキャラはめっちゃ魅力的。その中でも特別に戦闘力を放っているブロリーが鳥山先生直々の手によってリブートされ本筋に導入されるというのは、まるで鎌倉仏教がゴータマ・シッダールタによって再構築されるような感動がありました。

アニメの「超」はみていないのですが、”今の超サイヤ人はDRAGONBALL AFみたいに赤にもなるし、最新の最強形は青髪である”くらいは知っていたのでストーリーを理解するには全く問題が無いというか、物語部分は正直あまり重要な作品でもなくほんわかとそして神話的に愉しんで、後半一時間近い連続で爆裂する戦闘シーンを愉しみました。

近年はシネフィルでもないですが、「ハリウッド式の刺激や映像の迫力だけの映画より人の精神性とか心の機微が大事だよ」と想っていて。それは勿論今もとても大切に思うポイントで、近年最高の映画は『サウダーヂ』『光の墓』、或いは『ざくろの色』『アンダーグラウンド』ですが、こと「映画館」に求めるものはドラマというよりも新しい刺激・映像体験が大きくて、近年で一番衝撃的だったのは船橋で観た3Dの『ゼログラビティ』であり川崎ライヴザウンド『マッドマックス怒りのデスロード』であり『バーフバリ』であり『シンゴジラ』だったなぁと。弩迫力系ばっかりじゃねぇかw

そうした意味で1時間近い(以上?)の格闘シーンをみて全く退屈しないというのは驚異的だと想うし、FPS視点とか新しい試みがされていたり、特にベジータVSブロリーの作画が素晴らしかった。もっともっと格闘描写の構図であったり動きやテンポの凄さを語れたらいいのだけれど余りに圧倒されてそれどころではなかったのですが、映画館での映像体験としては「これ『ボヘミアンラプソディ』みたいにお台場でSCREEN Xでみたらエネルギー弾の嵐の中に自分が入り込んだ感覚になるのではないか」なんて想ったり。

アトラクション系の映画の未来像は360°スクリーン(もしかするとTeam Laboみたいに天井も床も)に4DXで3Dになるのかも。「アニメより漫画の方が想像力が働く自由度があっていい」と言っていた自分なのですが、また現状4DXにはまだ技術的不満があるのですが、「映像再生」のデバイスがTV, PC, スマホと広がる中で、映画館を選ばせるにはと考えるとそんな気もします。ゴーグル型のVRネイティヴな映画も生まれるのかもしれないけれど、それはVR酔いとか人を選ぶ気はします。

バトル追求狂の人智を超えた悟空などに対してブロリー、チライ、レモなどは人間味もあって。彼らの魅力は初期鳥山作品にも通じて。それでも確かにストーリー性の強靭さとアクションの融合性では『バーフバリ』とかの方が凄かったなぁと想うのですが、ことバトル、こと格闘に特化した映像としては私の中では”久々にこんなのみた!”だったので、逆にマーヴェルとか、みてなかったハリウッドの本意気のバトル作品もみたくなるような、そんなモチベートがされる日本の本気のアニメでした★★★★★★★ただライチというよりライムだったかなw

by wavesll | 2019-02-11 18:49 | 映画 | Comments(0)

Sentimentoの季節 The 1975 - A Brief Inquiry Into Online Relationshipsに徒然寄せて

A Brief Inquiry Into Online Relationships / The 1975 (Youtube)


The 1975はデビューの辺りでInterFM Awesome Beatsが推していて、「Chocolate」とかヘビロテされていた想い出が。そこそこいいなと思いながらもナヨっとした雰囲気がどうも少女趣味に感じてストライクはしなくて。

昨年の話題作『ネット上の人間関係についての簡単な調査』もどうにもピンと来ていなかったのですが、ここ数日で非常に精神的に傷を負うというか、それこそ人生の進め方とかを重くダウナー気味に考えてしまって、そんな夜の暗黒の中、鬱っぽいTweetを打ち込みながら聴いた本作は、聖なる魔のようにするりと心の襞に入り込んできたのでした。

というわけで、久しぶりに徒然な文章を書きたいと鍵盤を叩いております。このアルバムの内容については下記の記事などが参照になるかと思います。




最近、人生について考えることが結構あって。『レディ・プレイヤー・ワン』を視た時に”Real”は神がつくりしゲームだとして、その最もメジャーなゲームは恋愛であり子育てなのだろうなと想って。

人間、同じゲームをやってる者同士だと話が合う確率が上がります。例えば自分は旅先で旅人同士で話すのが好きなのですが、それは「旅」という同じゲームのプレイヤーだからだし、Twitterが居心地がいいのもあの世界で可視化され集積しているのはtweetをしている同志だからだと思います。

一方で、そういったShow/コンテンツ(という言い方は嫌いなのですが)での会話以外、例えばリアルの知己などにあった時に、カルチャートークを封じられ徒手空拳になった時に”そうか、良く『オタクは「人」と話すのでなく「コンテンツ」を話している』というけれど、ここでいう「人」とは仕事であり家庭の話なのだな”と感じて。17時からオトコのグロンサンマンとしてはその方面はめっぽう薄弱で。

最近、会う人間から「お前はつまらない/つまらなくなった」と言われることが増えて。私自身としては過去で一番面白いことを追求している状態に感じているのですが、これはいわゆる仕事・家庭レースから外れて、同じゲームをやっていない故の断絶が起きているのかもしれないと感じます。勿論、鑑賞の度合いが増えすぎ、私自身がプレイヤーとなった時の筋力が落ちている恐れはありますが…。

ここ数年『「誰にでも好かれよう」は止めよう』として、ともすれば誰にも評価されなくても己が面白いと想うことを取材しその事柄への愛を綴れればそれでもいいのではないかと考え、いわゆるサーヴィス精神、他者の視線を捨象していたのかもしれません。

自分自身が『コンテンツ/Show』に溺れすぎて、人の道から外れてしまっているのではないだろうか…俺は本当に大切な事、例えば命とか以上に大切なことはないし、人との縁や絆を蔑ろにし過ぎてしまったのではないか。けれども『普通』に過適応して壊れてしまった過去を想うと、己のサヴァイヴを優先しないといけない。では俺が本当に欲しているものはなんなのだ…。

暗い部屋で一人、ディスプレイはつけたままそんな堂々巡りの逡巡をしながらこのThe1975の音楽を聴くと、初めて彼らの音が自分と共鳴したように感じたのでした。危機的状態に近年なかったというか、安定している時に響く音ではなく、精神的にダウナーな時に響く電子加工されたLow-Fiな柔らかいロック。

自己否定と憐憫、そして快楽原則への率直さと移り気な浮わつき。そこに思想というか偏屈な正義を加え、破壊と創造(というか変異・変奏)を常としてきたのがROCK MUSICだとしたら、The1975は正しくその系譜にあると想えます。

機械による語りがあるのはOK COMPUTERをつい想起しますが、インターネット技術はアーカイヴの再奏を産み、新たなプラットホームで歴史が繰り返されていることは指摘したい。その時代の風は例えば荒木飛呂彦はジョジョ6部ラスト以降で意識的か無意識的か描いていると想います。

ただ、フィリップス・コレクションをみても想ったのですが、文化が文化の内のみで進化を遂げ、社会の実相と関係が薄くなることはないのかなと想ったり。鏡であること、Realの比喩であることが絶対正義ではないけれど、現からの遊離が産まれやしないかと。

文化自体が環境化・外なる自然化してるのは『レディプレイヤーワン』でも『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』でもそう。ただ真善美の『真』をオタク・ユニヴァースの参照で強化する感は『シンゴジラ』をみて違和感があったところでもありました。ロックも文脈・参照のカルチャーでもあると思って。

ただ『A Brief~』はSNSによって現実がコンテンツに仮想的に侵食された環境下で生きる我々の人間関係が良きにつけ悪きにつけネットと(拒否するという選択肢を含め)相対しなければならない現代の実相からの反鳴で。そこではマッチングが設計され、出逢いと別れは容易にクリック出来る。そこへのThe1975の解・意志は歌詞カードをみないとわからず、今Geniusを読んでいるところです。

今年サマソニで来日する彼ら、最初は”B'zの前でなくイエモンの前とかもっと言えばYoshii Lovinsonの前が良かった"とか思ったのですが、冒頭に載せたO2アリーナのLIVE映像をみるとスタジアムクラスのバンドに成長したのが感じられて。今年の夏もFesのどの日に行くか悩ましく快い日々が過ごせそうです。

by wavesll | 2019-02-06 02:44 | 私信 | Comments(0)

特撮のDNA展@日本工学院にてゴジラの皮膚を触る

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日本工学院でやってる特撮のDNA展をみてきました。

激熱めちゃ騰。目玉はゴジラの皮膚に触れられること!ウレタンゴムに中身はスポンジだからボワグニっとしてて、案外ソフビって本物の触感に近いんだなと。真の想像の触感はフィルムの中に。

そしてやはり物質はいい。エヴィルデヴィル展@ヴァニラ画廊でも感じたけれど、Artのアウラが物質にはありますね。また蒲田で蒲田君がみれるというのがいいじゃないか◎ゴジラの卵や背びれ、機龍の目やシンゴジ最期の人間化した進化もみれたり。丁度この間『レディプレイヤー・ワン』をみていたこともありメカゴジラには熱くなりました。個人的にはオキシジェンデストロイヤーがみれたのが嬉しかったです。

ゴジラの造形、その生命体としての存在感は、縄文展で観た焼町土器のような鋭角的な美があるなと今回感じました。ゴジラとキングギドラの皮膚だけで一枚画として成立する強さには驚きました。

龍と言うより竜、日本が生んだ最高の怪獣、眼福でした。

by wavesll | 2019-01-28 00:05 | 展覧会 | Comments(0)