タグ:音楽 ( 783 ) タグの人気記事

深まりゆく秋にBruno Pernadas 『The Crocodiles』がしっくりと耀く

Bruno Pernadas - Those Who Throw Objects At The Crocodiles Will Be Asked To Retrieve Them(FULL ALBUM)

2017年に始まった音楽フェス、Festival de FRUE。昨年の目玉はモロッコの呪術音楽集団ジャジューカで、私もFESTIVAL de FRUEに次いで行われた渋谷WWW Xでのライヴでの亜空の祝祭を楽しんだのですが、今年同じくフェスティヴァルに次いでWWW Xでライヴするのがこのバンド、Bruno Pernadas

ポルトガルの男女混合多楽器集団であるBruno Pernadas。その音楽はなんとも芳醇で、POPでもあり、時にサーフロックのようなサイケさもあり、ジャズかと想えばエキゾでスペーシーでもありetc etc。そんな多様な音楽性がインディなフレッシュさをもってマーブルに浮遊し融合された音が鳴らされていて。

ポルトガル本国ではデビュー1枚目から注目され、日本でもディスクユニオン周りから人気に火がついていったそう。私は今回のFestival de FRUEで知った口で。今年の苛烈な夏には『Worst Summer Ever』がばっちし嵌ったのですが、秋が深まるにつれ、『Worst~』と同時発売だった本作『Those Who Throw Objects At The Crocodiles Will Be Asked To Retrieve Them(通称クロコダイルス)』がどんどん身体にしっくりくるようになり、どんどんこのバンドが好きになって。

日常の中で季節を感じ取る、旬を愉しむ。そんな心づかいが感じられる良バンド。秋の夜長にベッドルームで、居間での生活空間にぴったりとした耀きを与えて呉れるように想います。佳き秋の日々を。
c0002171_23292320.jpg

by wavesll | 2018-10-19 23:30 | Sound Gem | Comments(0)

アイルランドのゲール語古謡、シャン・ノース(Sean-Nós)に心洗われる

Bríd Ní Mhaoilchiaráin ~ Neainsín Bhán

真夜中にBSで流れるDEEP PLANETという紀行番組で知ったアイルランドの古謡、シャン・ノース。

Sean-Nósとはゲール語でOld Styleという意味で、主にゲールタクトというゲール語が話される地域で唄われる無伴奏の古式唱法だそうです。

元々は歌ではなく、吟遊詩人の詩だったというシャン・ノース。そのテーマは「かなわぬ愛」だそう。番組に登場したブロード・ニ・ブェヒーリン(Bríd Ní Mhaoilchiaráin)さんもアビット・オーラン(歌を話す)のを意識しているとおっしゃっていました。

個人的には旋律と言い佇まいと言い、奄美・沖縄の島唄に通じるうただなぁと感じました。

古くはコンサートなどでは歌われず、プライヴェートの歌文化だったというシャン・ノース。そんなところも地域で口伝されてきた島唄にも通じる気がして。いつかアイルランドを訪れて、地酒を飲みながらバーでシャン・ノースを愉しんでみたいです。

by wavesll | 2018-10-14 18:17 | Sound Gem | Comments(0)

Tim Hecker + the Konoyo Ensemble live in WWW X に於いて颱風響に死にかける

c0002171_07031723.jpg
c0002171_07034504.jpg
c0002171_07033596.jpg
腰も砕けてがくがくというか、もう音楽体験というより台風24号に匹敵する、音楽で死にかけるなんて初めてでした。破格の聴験。

エクスペリメンタル/ドローンの分野でよく名を聞いていたTim Hecker, これまでほとんど聴いてこなかったのですが新作が雅楽とのコラボと聴いて。常々日本の伝統音楽と尖端電子音楽は掛け合わせると良さそうだと想っていたので決め打ちでチケットを取ったのでした。ライヴの直前に新譜がリリースされたのですが、直截の衝撃を優先し聴かずに会場へ入りました。

座席制。前方中央へ着席。20:00過ぎ、照明が落ち、暗闇の煙の中で仄暗くライトが灯ります。
最初に始まったのはKaraという女性のオープニングアクト。もうそういう耳になっているからか、搾り出される電子音が篳篥のようにも聴こえて。ちょっと頭の後ろで音が像を結ぶというか、脳の後ろ半球が青く波紋を立たせていく感じ。

そこからシームレスにTim Hecker達もplayに加わって。the Konoyo Ensembleという3, 4人の雅楽楽器を奏でる黒服たちが蠢いて。笙や篳篥、筝、火焔太鼓等を電子音の轟音の中で奏でます。やはりこの幽玄でアシンメトリーな音は喰い合わせが好い。

と、もう段々とくらくらしてきて。波状で押し寄せる轟きは、まるきし颱風。ソニマニのマイブラでも全然大丈夫だったのになんか吐きそうというか、”あの世へ持ってかれる”なんて陳腐な表現は使いたくないけれど、ぐわんぐわんと意識が飛びかける。気がつけばがんがんの大音響の中で逝きかけてこの世へ留まれるかの境を彷徨っていました。

途中でソロを挟みながら全体で90分強の音響。こんなに凄いのには当分会えないだろうというか、”音楽に出来る事はここからここまでだろう”の幅を大幅に改訂しないといけなくなるような弩級の鳴響でした。

by wavesll | 2018-10-03 07:30 | Sound Gem | Comments(0)

食品まつり a.k.a foodman - ARU OTOKO NO DENSETSU

c0002171_02130427.jpg
Youtubeで音楽を回遊することが増え、音楽での出費は主にライヴになって、新譜を追い掛け聴き込むことがあまりなくなった人間なのですが、この食品まつりさんの新譜『ARU OTOKO NO DENSETSU』は2018年に聴いた新譜のなかで名盤だと想う熱量でListeningできたAlbumでした。

各種ストリーミングサイトで聴けるほか、DLとLPの販売もあるようです。私はSpotifyで聴きました。長く聴き返したい盤はCDを買いたい派の人間としては淋しさもあるけれど、こうした形態の変化は時代の話ですね。

食品さんは元々Juke/Footwerkが盛り上がった時に日本での先頭を走るトラックメイカーだという印象があって、そこから少ししてサラヴァ東京でライヴを拝見したりして。今までに発表した音源だと『IKEIKE』とかが好きでした。

そして本作。さらに高い次元に化けたなというか、単なるJUKEに留まらずにドラムやベースを大胆に排除した楽曲も多く収録され、「ウワ音だけのダンスミュージック」をイメージして制作し今までよりエモーショナルでメロディックな表現(Hostess)の楽曲群はけれど全体的にキラキラコロコロした音色で無国籍・或いはAsiaの黒で統一された熱帯リゾートと言うか、それこそ”DENSETSU”というならば鳥山明が描く漫画都市のような惹きつける魅力を放つ世界観な音像で。

MACHINAをフィーチャーしたCLOCKというクールな楽曲もありながら、全体として人懐っこさと言うかCharmingさがある音がとっても好みでした。ホットとクールの振れ幅が本作凄くいいRhythm/流れを生み出していて。(ちなみにMachinaもいい感じです。彼女の楽曲だと「Liar」とか最高 )

イマを同時に体験しているミュージシャンの藝術をこうして体験できるのは本当に嬉しい事でした。奇をてらっていると感じさせずにこの新味を打ち出せている自然さがとてもいい。”なんか新しい音ないかな?”って御仁に是非お薦めです◎

by wavesll | 2018-10-02 02:43 | Sound Gem | Comments(0)

工藤礼子 ‎- 夜の稲 鬼火のような純核音楽



台風の激甚な魔風が過ぎ去った未明、それでも風音は呻りをみせますが、気圧の谷で変な時間に寝起きしてしまった私は最近Suggestされたこのアルバムを聴いています。

”物凄く瑞々しいんだけれど70年代みたいな風格もあり、そして2000年の作品なのか、凄い若手アーティストに気づかなかったものだなぁ”と想って検索したら工藤さんはNoise - 天皇の方でした。こりゃ伝説級の方だ。おみそれしました。

佐井好子さんにも、そして山本精一さん人脈にも通じるような、この国のアヴァンな土着性を感じる音。颱風の夜にひょいと田んぼをみにいってしまったような闇の中の超自然性。純粋な鬼火のような妖と子守歌のような朴訥。また一つ名盤を知れました。こんな純核さを私も取り出したい。

c0002171_04025212.jpg

by wavesll | 2018-10-01 03:44 | Sound Gem | Comments(0)

Terje Isungset, Maria Skranes and Sara Marielle Gaup Beaska 氷のコンサート in 新宿Pit Inn

c0002171_07131222.jpg
c0002171_07132171.jpg
Ice concert in Olavshallen, Norway - Terje Isungset and Trondheim Soloists.


Årskonferansen 2017 Sara Marielle Gaup Beaska

最近、人の手による藝術よりも自然の在り様に活力を得ている感覚があります。そんな中でNatureとArtの響き合いが聴けないかと想って訪れたのが新宿Pit Innで開かれたTerje Isungsetのライヴ。

テリエ・イースングセットはノルウェーのパーカッショニスト。彼の代名詞である氷の楽器によるパフォーマンスが行われると聞いて馳せ参じたのでした。

ライヴ前には今年に彼が行った「東京の音」プロジェクトの動画が流れて。青梅・澤乃井の水で氷の楽器を創る様子や八丈島の自然物を採集して音楽を奏でる様が流れていました。




テリエさんが八丈島で石や竹を拾って楽器に加工するほか、機織りの音を録ったり、漁師歌?民謡を録音したり。その土地の音を湧きいずらせるという意味でフィールドレコーディングのハイレベルでの試みだと感じました。私もウユニ塩湖へ行ったときに塩の結晶を踏みしめる音なんかを撮ったりしましたがテリエさんの異国でのプロジェクトは遥かに高い水準で。

そして愈々ICE MUSIC。イースングセット氏が助手のお爺さんが発泡スチロールのケースから取りだす氷の楽器を演奏し、そこにマリア・スクラネスという女の子がサンプラーと歌を奏でるという形。

一番いいなと想ったのはクラッシュドアイスを氷の棒でざくざっくやるビートメイキングで。氷の木琴はブラジルの創作楽器音楽集団Uaktiにも通じる奏で。そして氷の喇叭は法螺貝のような音。最後の氷の角笛も透明にきらりと光って、そして演奏する間から溶けていく。その音の流体性が面白いと感じました。

そして第二部は東京都の様々な場所のNatureからつくった楽器と共にArvvasのヴォーカルでもあるサラ・マリエル・ガウプ・ベアスカさんが北欧の先住民サーミの歌唱であるヨイクを披露してくれて。こーれがめっけものでした!氷のコンサートを凌駕するくらい!

実は私は以前代官山の晴れ豆でテリエさんのコンサートをみていて、その時も石や竹、口琴でのパーカス・ライヴだったのですが、今回精霊のような、子守歌のような、自然を体現する様なサラさんの歌が入ることでナチュラル・パーカッションがさらにきらめいて、本当に素晴らしかった。いいものをみれました。

自然を体現し、人の身体と器楽としてさらに輝かしてアウトプットする、今の時代におけるプリミティヴさがみてとれた感銘を受けた一夜でした。
c0002171_08401654.jpg

by wavesll | 2018-09-30 08:37 | Sound Gem | Comments(0)

東京拘置所 & DA PUMP - USAの聲

c0002171_12215634.jpg
東京拘置所で開かれた矯正展へ行ってきました。
この日は一般開放される年に一度の日で、なんとゲストにUSAでノリに乗っているDA PUMP。

綾瀬から歩いて15分。9:00過ぎにプリズンに着くと、大量の人だかり。なんともう入場規制がかかっていて、中に入れずwそれでも音洩れは聴けました。流石に”C'mon Baby 拘置所”ではなかったけどw後はDA PUMPの前にブラスの音でifが響いて、なかなか粋なことをしおる。

ライヴ後に中に入れ、全国の刑務所でつくられた製品たちや「プリズンカレー」「プリズン弁当」の字面に惹かれたものの、人海が凄すぎて。早々に退散しました。

駅への帰り道に橋の上から。東京拘置所は巨大な集合住宅のようだとみえたのですが、すぐ裏にもマンションが。白塊の迫力。ビニ傘が一種の浮世絵的な東京風景にみえました。
c0002171_12345329.jpg


by wavesll | 2018-09-29 12:37 | 街角 | Comments(0)

Buttering Trio live in 奈良 室生山上公園芸術の森

c0002171_06500146.jpg








c0002171_06534290.jpg
イスラエルのフューチャー・ソウルな音を鳴らすコレクティヴが行ったフリーライヴ。舞台となった公園を創った環境造形作家ダニ・カラヴァンもイスラエルの出身。終盤の中東な響きが大変魅力的。現代における聖性を感じさせる石の舞台での佳いパフォーマンスとなった。

by wavesll | 2018-09-27 06:55 | Sound Gem | Comments(0)

JOAN LA BARBARA 「Urban Tropics」「Shadowsong」「Erin」Xどなん43度 第149回酒と小皿と音楽婚礼

c0002171_20481533.jpg
Joan La Barbara - Urban Tropics




c0002171_21041679.jpg
TwitterのFolloweeさんが紹介されていた動画がどんぴしゃに刺さって。これらの楽曲が含まれるアルバム『SOUND PAINTINGS』米国を代表する女流ヴォイス・パフォーマーJOAN LA BARBARAの70年代後半から80年代の作品で、声を多重録音 / コラージュすることで生み出されたヴォイス・アンサンブルを収録した作品集

このトロピカル・サイケデリア!日中の陽射しからの夜間のスコールという晩夏のさきの日に似合う熱帯雨林な幻想的サウンド。公転の位置は変われど心の夏は暮れない、そんな思いに駆られる響き。もう最高でした。

それに合わせたのは与那国の泡盛どなん43度。

与那国の泡盛と言うと60度の泡盛である花酒が有名で、このどなんも60度のものも美味しいのですが、人気が凄くて関東だと60度は入手困難で。また今夏与那国に訪れて、島の人は30度のものを水で割ると聴いて。そんなわけで今回は43度を、ロックで◎

与那国の泡盛は60度の花酒でも上質のテキーラのように甘さをあったのですが、43度だとより甘みが感ぜられて。この密林な響きに共鳴してくれました。

最近はフィジカルCDの存在感が落ちてきている報せが多いですが、このアルバムはSpotifyにもなく。CD Diggin'の妙味は未だすたれず、さらに馨りを放つようになっていくのでは…!と想う處です。と同時に最近はタワレコの洋楽フロアよりhmv record shopの方が人口密度が高く感じて。今だからできるプレゼンテーションの仕方はあるだろうなとも想います。

それにしてもこのアルバム好いなぁ。Youtubeにも3曲までしかないし、私も街へDiggin'に行かなければ★!

by wavesll | 2018-09-18 21:28 | La Musique Mariage | Comments(0)

Laraaji Live at WWW

c0002171_04331143.jpg
c0002171_04333654.jpg
c0002171_04334824.jpg
Laraaji Boiler Room London - Deep Listening Session

Laraajiのlong set liveを渋谷WWWにてみてきました。素晴らし過ぎた…!

Laraajiは
巨匠Brian Enoに見出され、近年のニューエイジ/アンビエントの再興により生ける伝説となったNYCのパーカッション奏者/電子音楽家(WWWの記述より)

去年・今年あたりに作品がタワレコで大きく扱われていて存在を知って。ニューエイジ系に、何か今までとは違う音を体験できるかと想って馳せ参じたのでした。

四畳ほどの空間にツィターという小型の箏とサンプラーと銅鑼と仏具のようなベル。暗闇に丸窓のようにゴングが浮かび上がる様子はまるで茶室で点膳を受けているような序。

寝れましたw いや、ここ数日深い眠りを味わえなかったのだけれど、ディープなリラックス環境を抽出してくれて、本当に安らかな気持ちに成れました。

そして立ち上がって銅鑼を叩擦り声を歌い上げる破。

『私は平和な庭で働いている。私は美しい庭で働いている。遍く光がある。遍く。』と語り笑うララージ。まるでミスターポポみたいだ、いや、すらりと伸びた身体から、ナメック星の音楽があったらこんな感じだろうか。低音の唸りと澄んだアフリカな歌。さらにここからツィターを弾き始め、音楽が…!

序破急の先にはただ音楽がありました。鈴の音、撥、そしてブラシで叩かれるツィター。音色は天上的な色彩を増し、音楽がありました。

そして水底、セノーテの祠の様なライティングの中で音楽は響き再び銅鑼。冥界のよう。そしてツィターと法珠ベルで大団円。ENではリラックスした伸びやかな音を聴かせてくれました。

水音、鳥音が流れ、茶室から外界、そして茶室の壁がぱたりと展開し星空からの天界、水底の祠、冥界、そして現世へ還ってくるような。ニューエイジ、底深い…!

深い安寧を与えてくれ、響きに脳が波動を発する、非常に精神的なライヴ。

個人的には座・高円寺2でみたインディアン・スライドギターの超人、デバシシュ・バタチャルヤのライヴに迫る感動がありました。

音楽の宇宙は未だに汲めども尽きぬ莫邪であると認識させられる、素敵なライヴでした。心身がほぐされました。

by wavesll | 2018-09-16 05:06 | Sound Gem | Comments(0)